現在をうろうろ(425)

 平安南道北道の工業とそのインフラ(31) 東洋軽金属の揚市と北中面の工場と終戦までの完成度は・・・?

 新義州周辺のアルミニウム工業関連のチェックをしているのですが、1943年12月に出版された本の近代デジタルライブラリー - アルミニウム企業条件調査資料 から拾っていますが・・・一応、東洋軽金属が龍川郡北中面にマグネシウム工場を建設しています。そして、東洋軽金属が平安北道に揚市工場を置いているようです。これが第一工場と第二工場ですかね?東洋軽金属は本社は朝鮮京城府鐘路2-91に昭和16年に本社を置き、17年の上期では業績はなし、アルミナ製造ラインは福岡県三池に完成、アルミニウム精錬工場は揚市に建設中です。三池でのアルミナ製造はパラオのボーキサイトを原料に九州火力の電力でバイヤー法で行われているようです。そして、昭和18年2月に一部運転開始、10月第一期工事完成、19年10月に二期分2分の1運転開始予定・・・。揚市工場は、昭和19年2月に完成予定、6月に運転開始、設備状況は未完成で、炉は32kVAが2ライン、192炉と116炉でという事です。これが昭和18年1月末の状況ですね。

 どうやら昭和11年頃から完成を急いでいた新義州周辺の工場群は昭和16年あたりから本格的な建設に入るものの・・・18年の段階で19年ごろには動かせるかも・・・という心もとない状況ですかね。

 そういえば・・・このアルミニウムの電解炉に使う電極の工場も作られているはずですね。・・・、北中機械連合企業所、北中電極工場、龍川郡の長山協同農場を現地指導した・・・電極工場は稼働している・・・

 さて、1つ分かったのは、東洋軽金属のマグネシウム工場が北中機械連合企業所の前身であるという事ですね。そして、近くに電極工場が置かれた、そして揚市にアルミニウム精錬所が置かれた・・・昭和19年10月に完成予定だった・・・この時期、鉄道は完成していて・・・それぞれの工場名はそれに因んでいると考えると・・・結構、駅名は地域代表名で、その名の地名が近くにあるかは不明ですが・・・龍川駅=揚市駅近くには2つの工場があるのですが・・・どちらも受電設備を持っていない・・・従ってアルミニウムの精錬工場ではないようです。ただ、この工場の建設時期に高圧線を引く為の資材があったかどうかが問題ですね・・・内地での資材は底をついていますから・・・龍川駅前の街への電力供給をチェックすると、変電所は・・・座標・・・

 39°59'31.46" N 124°26'53.51" E ここです。ここから周辺の集落へ分配しているようです。これの幹線はやはり水豊水力発電に連なる送電線です。龍川駅の近くには工場が置かれていた可能性のある場所が2か所あって・・・一つは・・・座標・・・

 39°59'16.87" N 124°27'32.36" E ここの広い場所・・・

 この敷地内には引き込み線があります。現在は倉庫のようなものがありますが・・・500mに280mの敷地・・・広大ですが・・・この場所へは十分な電力が来ている気配が無い・・・ソ連が持ち去ったとは考えにくい・・・なんとなく、物動員計画を眺めていると、明らかに日本の生産力を越えた動員をかけているような感じですからね・・・数字をきちんと精査したわけではないですが、昭和18年のあたりからの悲観的な生産予測が・・・

 一般に政府の予測はあまり、当てにならない・・・現在の日本政府の借金返済の予定もかなり危ない状態のように見えますからね・・・大きな予算の話をしていますが・・・どうも、返済計画に関しては話したくないみたいな感じですから・・・かなり気になるのは、ソ連軍が持ち去ったとされる送電線や発電機・・・多くは設置されていなかったものではないかと・・・かなりの短期間で綺麗に奪い去っていますからね・・・綺麗に無くなるのは荷造りされ得た状態のものだったとか・・・本土決戦に向けての物動計画によりますが・・・

 そうなると・・・昭和18年のパラオは・・・昭和19年9月にペリリューの戦いですから・・・資源物資の日本への輸送ができる時期なのか?何しろ、関釜連絡船も昭和18年の10月以降は米潜水艦が出没するようになり、夜間航行が終わるようです。そして、昭和20年の6月ごろまでは朝鮮から本土への輸送が可能のようですね。呉海軍航空隊から、4機を博多海軍航空隊雁ノ巣飛行場に派遣し、関釜連絡船の随伴護衛を開始しています。この状況下で、送電線の手配の話が無いから・・・昭和16年頃の状況からそれほど進展しなかったのか?ちょっとこのあたりが不明ですね。そのうち史料が出てくるかもしれませんし・・・過去より未来を指向しないと・・・

 東洋金属新義州塩素酸加里工場は1940年の設計とか・・・大日本塩業は神戸製鋼の子会社で朝鮮側鴨緑江河口でマグネシウムの製造か・・・色々と断片的な情報がありますね・・・研究者になるつもりは無いので、程々にしますか・・・しかし、興味深い・・・国立公文書館 アジア歴史資料センター 朝鮮及台湾ノ現況 このシリーズは興味深い・・・

 しかし、極めて近い過去の画像を見ながら思う事は・・・中国の急速な発展・・・私だって、これを見ていると羨ましく思えます・・・活力ある社会・・・それを間近に見ている新義州市の北朝鮮の市民・・・現物ですからね・・・どんな風に眺めているのやら?

 何故か、唐突に・・・手元に栗本慎一郎氏のニッポンの終焉なんって著作があるんですが・・・副題の2001年最後の選択・・・2020年最後の選択になるのではないかとちょっと、この日本の危機的状況を見つめよ!なんってね。弟子になりそこねたんでね。

 この本の帯に書かれている・・・まやかしの思弁なき感情的正義を嘲笑し、時代遅れの教条主義に退場を願い、論敵との全面戦争を歓迎する!なんって書かれていますが・・・私は議論するつもりは無いですから・・・議論など・・・所詮空論の戦い・・・私の欲しいのは、私自身を納得させる何かですから・・・議論する気も無い・・・反論に対しては・・・そうですか・・・それしか言えない・・・

 だから、現実に近いものを自分の目でみたいだけですね。残念ながら、人間というのは信じられそうな物だけを信じ、現実がそれとは違っていても、それを信じず・・・違うはずだと断言する生き物だという事を知ってしまったのが、私の不幸の始まりなのかと・・・近頃思いますね。信じがたい事実より、信じられる範囲の虚構の方が好まれる・・・先生、私は相変わらず馬鹿なことをやっています・・・学閥のなんたるかを知らずに・・・

 さて、私は何をすべきか・・・ちょっと分かった気がします・・・政治屋は何故戦争をしたがるか?変な研究テーマですが・・・これに尽きるような気がします。一般に、人間はむやみに人殺しをしないのですが・・・何しろ、直ぐに殺してしまえば良いのに、強制収容所などにわざわざ閉じ込めておくなどという非効率で無意味な事をしますから・・・しかし、戦争というレッテルを張ると、何故か簡単に人殺しができてしまう・・・やつらは敵だ!殺してしまえ!死の恐怖で思い知らせるのだ!という事になるわけです。国民を守るためと称してね・・・政治屋は自らの野心のために国民を人殺しへと変容させるのが好きなようですね。平和のためには平和の敵となる国の人民を殺しつくそうと画策する・・・基本は簡単ですね・・・排他的である事が権力基盤になる。共栄と称して排他を画策するわけですね。

 私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るため、私たちは何をなすべきか、南シナ海では、この瞬間も力を背景とした一方的な行為によって国家間の対立が続いています。もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない、これは世界の共通認識であります。国民の命と暮らしを守るために切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備します。こうした検討については、日本が再び戦争をする国になるといった誤解があります。むしろ、あらゆる事態に対処できるからこそ、そして、対処できる法整備によってこそ抑止力が高まり、紛争が回避され、我が国が戦争に巻き込まれることがなくなると考えます。自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上、合法な活動には憲法上の制約はないとするものです。我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとの考え方です。自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることは禁じられていない。そのための必要最小限度の武力の行使は許容される、常日頃から隙のない備えをするとともに、各国と協力を深めていかなければなりません。それによって抑止力が高まり、我が国が戦争に巻き込まれることがなくなると考えます。

 どうも、理由をつけて軍備を拡張して抑止力としたいようですね。抑止力を高める事は、国家間での緊張を高める事ですから、緊張を高めることで・・・一触即発の状況による抑止力・・・死の恐怖による平和ですね。つまり・・・政治屋さんは死の恐怖を好むという事でしょう。多分・・・政治的な手腕が貧弱なので、民族主義へと走るという事のようです。

 世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても、守ることができない。

 自衛隊の持つ能力は?殺してしまえ!死の恐怖で思い知らせるのだ!の考えに基づく武力・・・恐怖による平和の強制力。
 久々に、戦争へ向けての総理の演説を眺めて妙な解釈を思いついてしまった・・・

 まさに紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない。

 この一文・・・「私たちは守る事ができない。」この主語は何?「今」という限定が入っているから明らかに、米国の「船」ですよね・・・・彼らではない・・・ついでに・・・

 世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても、守ることができない。

 この一文も・・・世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん・・・この人たちは戦争を回避するために命がけの努力をしている・・・ここに、自衛隊の能力を持ちだすと、戦争によって争いを終息させることになる?・・・平和のためにまさに一生懸命汗を流している・・・この行為を無にするのが好きなのか?

 政治屋の言葉など無意味なものであることを示しているような感じですね・・・どうやら、政治屋の研究など馬鹿げたものであると言えそうですから・・・こんなものを研究するより、人間の社会の営みの研究の方が面白い・・・政治屋の動きも社会の一部ですが、それは太宗ではないですから(政治屋は太宗だと思っているようですが・・・政治屋の一人親方は成立しない)・・・さて、北朝鮮の産業をもう少しチェックして行くことにしましょう。

2014.09.12

  

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