ネットの中をうろうろ(24)
  中朝国境に何が・・・(24) 茂山 さらに続き
 
 茂山はなかなか興味深い・・・とりあえず庶民の住宅は分かりましたね。食生活に関しても産物からのおおよその見当はつきましたが、流通に関してはほとんど分かりません。物流コストに関するヒントが欲しいものです。

 右の写真はどうやら大麦の脱穀風景のようです。人の背丈ほどある長稈種の大麦のようです。昔はこんな具合に連枷とか唐竿:、くるり棒なんって呼ばれた道具を使って、麦や豆などの脱穀を行っていましたね。

 効率化するために、足踏み式の脱穀機とか・・・足踏み式の脱穀機はなかなか面白いものでした・・・

 人力でもかなりの効率だったと思いますがね。茂山の市街の近郊では大麦の栽培が行われていると判断してよさそうです。そして、こういった作業をする場所としての、中庭を持った倉庫が建てられていったのかと思うわけです。

 農業関係ではないかと思われますが正体不明の物・・・座標 42°12'59.14" N 129°12'32.26" E にある円形・・・ゲルとかパオとかにも見えるちょっと大きな建物・・・直径14mほど・・・タワーサイロにしては低くて太い、穀物サイロは・・鹿島港のあたりのは8mほど・・・何かは不明・・・プラネタリウムではないことは確か・・・中国製のサイロだと・・・Harbin Beicang Grain Storage Project & Equipment Co., Ltd.こんなところですかね。ここの穀物用のサイロに似ていなくもない・・・日本のサイロと雰囲気が違うので・・・ハルピン近郊には、この会社のサイロがあるかと眺めると・・・ハルピンは何と美しい街なのだろうかと・・・びっくり!日本にこれに匹敵する美しい都市はあるのだろうか?ものすごい数の高層ビルが建設されている・・・45°52'23.05" N 126°32'50.37" E こんな世界があるのだと・・・井の中の蛙、大海を知らず・・・

 やれやれ・・・ハルピン近郊を2時間も眺めてしまった・・・気を取り直してのどかな北朝鮮へ・・・

 どうやら養鶏場と思われるものを見つけました。右の写真・・・座標は 42°13'50.44" N 129°12'06.19" E このあたりです。Aはどうやら最初に気付いた木材加工場、その上に大きな煙突がありますが、これは不明・・・昔あった、電気鉄道沿線の小型の火力発電所みたいな感じです。引き込み線の終端に当たりますから・・・発電所跡かもしれません。

 しかし、この引き込み線・・・ループ線の跡のような気がします。茂山駅は茂山線と白茂線のターミナルで、蒸気機関車時代の駅です。したがって、転車台かデルタ線か、終端用ループ線が必要になるでしょう。電化されて不要になったため、市内を分断する部分が撤去されたのではないかと思われます。しかし、文献には見当たらないので・・・不明・・・

 Bが最初に建てられた試験的な養鶏場では?飼料貯槽施設+飼育場、Dの部分が圃場でここで飼料用作物を生産、コンベアで搬入・・・ひょっとしてオンドル式床面給温鶏舎か?わが国の昭和40年代のブロイラー生産場は・・・床面給温で窓なし、1棟で1万羽飼育が標準的なのものだったかな?とにかく、バタリー式でしょう。昔の養鶏は・・・畜産試験場年報. 第5(昭和13年度) 飼料の配合が示されていますね。

 その後Cの左の方の棟が作られ、それに増築してCが完成・・・Bを越えるように飼料サイロとDがコンベアで結ばれ、その後Eが作られたのでは?ああ、よく見るとCは2つの建物から成り立ってますね。

 多分、この施設は研究所的な性格も持つのでしょう。この国の先進的な技術導入を行った場合のお約束・・・Fの偉大な先駆者を讃えるための建物、屋根にスローガンが乗るやつでしょう。近くには食肉加工施設があってもよさそうです。

 この付近で気になるのは・・・ループ線が付け替えられているような感じです。Aの上の煙突の上、Cの下ここにあったものを現在の引き込み線の位置に変えたか?なんとなく、そんな風に見えます。もしくは、Aの木工所の引き込み線の他に、ループ線があったのかもしれませんがね。もし、そうであれば、電化されたときの発電所であると言えそうです。こいつは・・・茂山線と白茂線のどちらが先にできたかによるかな?茂山線が先なら、現在残る引き込み線が古いループ線で、白茂線ができたときに作られたループ線は煙突の所を通るものなのでしょう。白茂線は1932〜1944年に建設され、戦後は動かず1960年代に再開業のようで、ループ線が作られ、古いループ線は製材所まで残され、跡地は農業試験所のようなものとなった・・・ってところですかね。茂山線の終端はラケット型のループ線で、白茂線によって完全なループとなった・・・この時点では茂山線は電化されていなかったとなりますかね。もし、この時点で白茂線も電化されていないでしょうから、煙突はそれ以降の、電化されるときのものか・・・

 この国の都市のイメージって・・・私のイメージとは違った物のような気がしてきました。右が駅前付近の様子です。四角い九画があり、その周りを取り囲むように高い建物が取り巻いていて、その内側に人々の生活の場所があります。

 なんとなく奇異な感じ・・・きれいに区画割りして端から順に建て直して行けば・・・なんって考えてしまいますが・・・

 まあ、襤褸隠しのパターンとも言えなくもないですが・・・ふと、城砦都市に暮らした民族の都市のイメージではないかと・・・古い城塞都市のイメージを持つ町があります。それは鏡城です。

 右の写真が、鏡城・・・座標は 41°40'12.34" N 129°40'12.38" E です。こういった城壁に囲まれた町で、安息を感じるのであれば、襤褸隠しではなく、民族の持つ都市のイメージなのでしょう。

 衛星写真から、民族の持つ都市のイメージなども読み取れるということなのでしょう。従って・・・合理的というのも、文化の持つ価値観で合理か不合理か・・・はたまた、何やってるの?わかんない〜なんって物があってもおかしくないわけです。

 民族によって、価値観が異なる・・・異文化を認めない者にとっては・・・否定材料でしかないということなのでしょう。

 そうは思っても・・・どうも、私には城塞都市のイメージは、安全・守られているなどの安息感は感じられず、閉塞感を持ってしまいます。文化の違いというのは恐ろしいものだと感じるわけです。まあ、理解しましたから、探索はより深いものになりそうな感じです。

 この茂山・・・寒村であった場所を、日本人が林業の基地として開発し、積み出し用の鉄道を建設し、時代の要請から貧鉱を選鉱して巨大な鉄山として開発したものですが、すでに日本的な街ではないということなのでしょう・・・日本と色々とやり方が違う・・・似ているが・・・

 衛星写真の解析って面白い!広範な知識を要求されます。そして、ネットの中には資料が山ほどある・・・比較文化論でも遊べるし、社会インフラの知識も増えるし・・・日本では見られない形の鉄道形態も・・・ネットで気に入らないのは自動生成の広告文・・・白茂線を検索すると・・・「25歳以上のビジネスマンを応援&サポートする『R25』が白茂線をズバリ解説。R25ならではのわかりやすい白茂線解説の他、白茂線関連情報や白茂線関連コラムも充実。」・・・WikiPediaからの項目抽出による自動生成の見出しとWikiPediaの内容を示しただけ・・・広告ネタに使われているので、こういったのが検索の邪魔になる・・・まあ、これも面白い広告ページの作成手法ではあるが・・・内容がないし、偽りでもあるから信用をなくす可能性が大きい・・・

 林業の基地として開かれた茂山ですから、林業関係の施設がいくつもあります。右の写真がループ線と思しき場所の中にある街です。

 いい加減な推測による変遷を考えると、多分Aのあたりの貯木施設が早かったのではないかと思います。茂山線のループのはずれに位置し、川に接する位置にありますから。ここから木材の一部は会寧方面に流されたと思われます。

 気になるのはGの部分です。この部分には砂が堆積し、筏流しは不能となっています。したがって、林業から鉱業が優先される時代がやってきた時があり、鉱山のシックナーによる鉱石の濃縮乾燥のシステムが見捨てられ、別の方法・・・野積みによる水分除去へ移ったときに、水路による運搬が終わったように思えます。(根拠のない推測)

 白茂線の開通によりAまでの路線は引き込み線になり、Dに木材ヤードが作られ・・・やがてトラック輸送が現れると、道路の系統性の良くないAからBさらにCにも拠点ができるようになったと考えても良いかな?ただ、Aの投資が大きい(建物が立派な)ので・・・多分付加価値性の高いものへ加工している可能性が高い・・・Eにも貯木施設があるがここは加工の場ではないかと・・・なんとなく木材の積み方が雑だから・・・

 Fはきちっと護岸された場所なので気になるだけで・・・灌漑用水の取水場か?なんって・・・ただ、電力供給が・・・受電設備が見られませんから・・・堰のようになった場所ですから可能性はあるなと・・・

 クレーンは目につきますが、トラックは少ないですねBに2009年に4台のトラックが止まっています。Eには1台、気になるのはBの屋根の一部が素通しになっていることです。屋根の張り替えか?それとも解体?在庫はあるので・・・

 そのほか、気になるのはGのあたりの治水工事のようなもの・・・これが気になります。治水工事をやっているより、河床の砂鉄採集をやっているような感じなんです。まるで、本物の川を使った鉄穴流し(かんなながし)ってやつです。比重選鉱法の一種で、水路を引いて砕いた鉱石を放り込むと比重によって鉱物が分けられていくというやつです。なんとなく、語源通り、所々に穴というか溜まる場所を掘り取っているような、そんな感じ・・・

 かなりの数のトラックが走っていますから・・・ガソリンスタンドがあってもいいような?まあ、トラックは軽油で走りますから・・・事業所のドラム缶から手動ポンプで移動かも?昔のガソリン給油器程度のものだと見落とすだろうし・・・小さなトラックに積まれた灯油販売車に乗っているようなやつだとね・・・そもそも、ガソリンスタンドの見本も見てないですからね。日本国内のだと、平らな屋根と付属の建物洗車機、取り巻く壁とかで見当がつきますが・・・どんな形状だか?

 さて、茂山は茂山駅・茂山鉄山駅・珍貨駅が市域の駅のようですから、この沿線を軽く眺めてみましょう。それから、川を使っているように見える比重選鉱なのか、河川改修なのかをチェックしてみようと思います。

(2012.12.08)
















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