ネットの中をうろうろ(25)
  中朝国境に何が・・・(25) 茂山 茂山鉄山駅
 
 農村と違って都市らしきものはなかなか面白いものです。とにかく、治水はどうなっているのか?確認しながら、豆満江の支流をちょっと遡ってみましょう。

 まず、河川敷が右のような状態です。これって・・・どこに水を流すのか?ちっともわかりません。普通なら、中央に川筋を引くのでしょうが・・・積極的に川をつけるという感じではありません。河原を作っている砂の出所が鉱山であるなら、5mm以下の粒なのでしょう。そして、多少の浸食を受けているでしょうから、ちょっと粗めの砂という感じではないかと思われます。

 河床の表面は白い石英砂で、ちょっと掘ると磁鉄鉱の粉末・・・砂鉄ですね。右上の方の黒い山が、河床から掘り取った砂鉄の山ではないかと思われます。砂防堰堤のような形状のものを作っています。川の真ん中に流れと直角に溝を掘っていますから・・・どこに水を流すやら?なんって思えるわけです。ここで使われている大型のダンプは、中国製のような感じです。なんとなく蛍のように見えます。運転台がオレンジか黄色で荷台が黒いのでね。

 それのちょっと上流、上の写真の川は右の写真の左端に重なります。右下がりに見える池で確認できると思います。という具合に、ここはどんな具合に川が流れるのか分からないほどになっています。ある意味、上の写真のように、とりあえず河床を掘り下げてしまうだけでも、ここの洪水は少しは治まるのかもしれません。しかし、再び砂が溜まる・・・鉱物資源が回収できるのならOKか?

 川沿いの白い道の左端の黒いのがコンベアで運ばれてきた鉄鉱石です。興味深いのは、赤い建物脇の池に水が流れ込んでいるようです。ここまで運ばれた鉄鉱石は、十分に乾いていない・・・湿った鉱石である可能性が高いということなんです。

 ん?ここの河原の砂って、結構粒が小さいのか?ダンプが走っています・・・砂が粗ければスタックしちゃう・・・湿った砂でも粒が大きければ・・・意外と細かな砂なのか?海岸の締まった砂程度の・・・まあ、出かけて確認できないのでわかりませんね。砂にもぐらないような走行・・・周期操舵走行効果を狙ったような轍もあるような・・・気のせいかもしれませんが・・・そういった運転パターンなどで、砂粒の大きさって解析できないものなのでしょうか・・・ちょっと気になります。

 しかし・・・川を真っ直ぐにしようとしているのか?なぜか中央やや左では、河川敷に農地をこしらえているようですし・・・本気の砂防対策を講じないとまずいのではないかと・・・農地の形からすると・・・ちょっとは考えているような?9月の末だから・・・台風シーズンも終わったし、渇水期にはいるからOKという感覚なのでしょうかね。洪水常襲地帯のような気がしますが・・・抜本対策は?川幅を一定にして、直線化するのは分かるんですが・・・

 清津への鉄道もざっとチェックしましたが、思ったよりすんなりとしたルートですね。ただ、路線が違うのですが興味深いループ線がありました。座標は 42°10'12.41" N 129°41'25.61" E です、トンネルと架橋を要するもの・・・高低差をこなすため?それともエンドループ・・・一瞬、高エネルギー加速器かと・・・まさかね。後でゆっくりと調べてみましょう。

 さて、茂山鉄山駅は・・・右の写真でAの位置です。座標は 42°13'25.17" N 129°15'26.16" E このあたり。鉄山へは橋を渡ればすぐですね。茂山・茂山鉄山間は昭和18年ごろで20銭とか・・・

 Bは鉄鉱石の集積場のようですが・・・この山の上の方にいくつか坑道があるような感じです。なんだか、恐ろしい水洗だか比重選鉱を行っているような感じです。きちんと設置された越流堤でないから決壊したら・・・土石流被害が出そうな感じですが・・・何か、構造物が隠れているのか気になります。

 Cが今は使われていないと思われるシックナー、もしかしたら・・・ウィルフレーテーブルも稼働していないとか?Eは選鉱場からきた鉄鉱石の堆積・・・Dが湿式選鉱に使われる水の取り入れ口があると思われる水源で、選鉱に使われた水だか、Eから落ちる水がやって来ているようです。

 効率的にか、乱暴にか分かりませんが、とにかく鉄鉱石を必死になって生産しているような雰囲気です。安全管理はどうなっているのか?ちょっと気になります。この駅からの鉄鉱石の積み出しはありませんね。

 上の写真のBで何をやっているのか気になるので・・・右の写真のBは上の写真のBに対応しています。90度反時計回りにした写真といえば良いでしょう。

 右の写真のE・Fは坑道と思われます。この坑道からDが出て来たと考えるには不合理・・・隣の谷は白い川の砂のようなもので埋められCに溜池ができています。川の砂・・・ズリの捨て場としてこれらの谷が選ばれたそして、ほぼ等高になるように埋め戻されているということのようです。

 これって大丈夫?地滑りとか起こりそうな・・・きちんと地質改良をやって、下に水などが溜まらないようにしてあるのか?それとも、砂利が粗いので問題ないのか?どうも、この手の谷を埋めるというやつは怖い気がします・・・そういえば、釜石鉄山のズリも沢を埋めたり、アース式ダムに姿を変えたとか・・・似たようなものなのか?

 E・Fは坑道かと思いましたが、拡大すると違うことが分かりました・・・違うけど・・・これは何?二つの類似点・・・地面に丸い穴があいている、ズリに見えたものが・・・どうやら窪地のような感じ・・・Fを拡大すると、右のような感じ・・・丸いのは井戸のようにも見えますが・・・

 そして窪地の中に見える四角い白い枠・・・積み上げて井戸にするとか?下水工事じゃないし・・・実はボックスカルバートが埋設されているとか?

 まさか・・・地下水位が低いところにあるので・・・まいまいず井戸であるとか?しかし、丸い穴が井戸であるなら、それより低いところに井戸を掘ったら、古い井戸は枯れてしまうのでは?それとも、枯れかかっているから、新たな井戸なのか?

 それとも、破砕帯の帯水層が存在する?地滑り関係を調べたときに・・・ れっかすい だったかな・・・こいつを利用するための設備?鉱山街だから十分に探鉱されていて地下の様子が分かっているので・・・か?

 考えすぎでした・・・2008年の映像では、どうやら右のA点標高700m程度の所から水を引いて高低差20〜30mほどあるFやEに水を引くようです。規格化されたコンクリート製品を利用して・・・

 どうやら、まさかのボックスカルバートを利用した灌漑システムを構築しようということのようです。會寧の例の工場の製品でしょうか?

 段々、目が良くなってきたかな・・・裂カ水の方が面白そうなのに・・・しかし、断層があるのかも?私の目ではとらえられませんが、航空写真から水脈を読み取る人がいますがね。・・・あれってどんな所に着目しているのやら?地層の

 この地下水路・・・面白いかも?案外、この地下には灌漑に必要以上に大きなボックスカルバートが埋設されていて、地下貯水池の役割を与え・・・水源に利用するとか・・・Aに小さな止水堰を置いて基本的に地下水路へ水を供給し、余剰分を灌漑に回したら・・・水を谷底まで得に行かなくても水が利用できるかも?簡易な沈殿槽だけで上水道に利用できる水なら・・・台地の上でも安定して生活できる・・・

 あれ・・・このあたり、マラリアは発生していないのか?マラリア患者の話を何かで読んだ気がするが・・・第19師団ではかなりのマラリア罹患者が出たとか・・・キニーネを入手するかとか・・・日本では福井県と沖縄県に罹患者が多かったとか?なぜ福井が・・・実際のマラリア学 この18コマあたりから・・・バイエル社の宣伝本ですね。この茂山が寒村であった・・・台地に住民はいたとか・・・日本も古代は台地の縁に集住したいたような?稲作の導入で水辺へ降りてきて・・・ハマダラカ・・・に出会い、しばしば おこり(瘧) おこりやまい とか ぎゃくびょう(瘧病)なんって言われるマラリアが流行したようです。

 北朝鮮は、インフラ整備をする余裕があるのか・・・

 ふと、つまらないことを・・・この山には小さな谷が沢山あります。この谷の末端は鉄道で、その先には住宅街が・・・通常はこれで問題はないでしょうが・・・梅雨にはどうなるんだ?雨水は谷に集まり、流れ・・・末無川になるのか?それでも、水量が多ければ・・・街の中を・・・道を流れて川に至るのか?

 梅雨の晴れ間の衛星写真をみたい気がしますね。街中を水が流れるのか?それとも、地下を流れる川があって、この豆満江の支流に注ぐとか・・・河川敷にそれらしい構造物は見当たりませんから、これはなさそうですね。

 地滑り地形は見当たらないから・・・ん?一見、地滑り地形風・・・しかし、どうやら人工物のような感じ・・・墓の間にあるもの・・・墓に関連する施設のようですが・・・共産主義と宗教って・・・しかし、今まで見たところでは、墓が整理されて耕地に化けているとか、そういった気配はありませんから、政府は墓に関しては手を出していないことになるのか?

 確かに、朝鮮総督府が墓をいじろうとして苦労しましたから・・・墓とそれに関連する信仰については、旧来通りなのかもしれません。信教の自由は・・・憲法で保障されているようですから・・・これは宗教施設ということになるのでしょうか?

 憲法の条文はどこかにあるか?朝鮮の公式ページ・・・の政治にありますね。

 緑のない時期の画像を・・・チェックしてみると、いくつかの建物がありますね。

 しかし、これはどういった宗教が生み出した形なのか?梅鉢のような丸い区画・・・庭園の一種か?

 仮に寺院として・・・できる限りの画像処理を加えると右のようなものが浮かび上がってきました。

 寺院の領域はほぼ正方形で、縦80m横100mほどです。丸い区画の直径は20m・・・

 軍事基地か?砲兵陣地?道の系統性から考えると、これは考えにくいですね。この区画は時代の流れから忘れされれているわけではないようです。右の写真と上の写真を比較すると、この領域の中に、新たな小さな建物が建てられています。

 宗教については不明なことが多いですね。というより、私に興味がないから見えないのか?それとも、この街は、一寒村にすぎなかったが、林業と鉱業により人口が増加した新興の町であるから、文化的な遺産が存在しないということか?

 残念ながら、この街に関しての鉱山以外の資料は少なすぎる・・・

 茂山神社があったようです。そして茂山の絵葉書が存在するようです。茂山写真館 鎌田岳城 発行・・・これに関連して、ちょっと調べると・・・茂山関連の写真帳などが文献として現れますが・・・ネット上には無いようで・・・ついでに私の頭の中になかった語彙が・・・韓半島・・・こんな言葉があったのか・・・知らないと、私の検索語に絶対出ない・・・

 鎌田岳城 この人物をキーワードに文献を当たり、咸鏡北道警察部から 職員録. 昭和12年7月1日現在〜昭和13年9月1日現在 が出てきました。公務員の賃金体系と、公の機関のリストを手に入れたようなものです。

 北朝鮮の憲法も読み始めてしまいました・・・社会主義が崩壊する要因は・・・憲法24条ですかね。「個人所有は、公民の個人的かつ消費的な目的のための所有である。 個人所有は、労働による社会主義的分配と、国家および社会の追加的恩恵からなる。 自留地経営をはじめ個人の副業経営による生産物と、その他の合法的な経営による収入も個人所有に属する。国家は、個人所有を保護し、その相続権を法的に保障する。」・・・合法的な既得権と外貨が結合すると・・・社会主義の中で経済的に独立できてしまうことになるのかな?

 まあ、憲法など名目にすぎず、施行規則でどうにでもなるか・・・内在する矛盾・・・第28条「 国家は、都市と農村の格差労働者階級と農民の階級的格差を解消するために農村技術革命を促進して農業を工業化、現代化し、郡の役割を高め、農村に対する指導と支援を強化する。国家は、協同農場の生産施設と農村の文化住宅を国家負担で建設する。」全てを兼業農家化できれば解消か?

 第40条「朝鮮民主主義人民共和国は、文化革命を徹底的に遂行して、すべての人を自然と社会に対して深い知識と高い文化・技術水準を有する社会主義建設者とし、全社会をインテリ化する。」・・・

 どうやら、基本的な衣食住、教育を満たすための本業・・・公務があって、それ以外に副業を行わなければならない。公務は無税というより単純な天引きの総体で衣食住費、保険等々、税金を除いた分で賃金というものが出てくる。この賃金を基本として副業の賃金が換算されるなら・・・副業の労働賃金は僅少である可能性が高い・・・輸入品が入ると・・・公務の賃金と副業の賃金格差が生じる・・・払いたくないものは払わないで済ますときたら・・・公務の比率は低下する・・・公務の比重を上げるには賃上げをするなら、国の富は一定だから、基本的な衣食住が薄くなるか?

 衣類や住宅は個人の好みが強く反映するが、食事に関しては伝統が根強くある程度の幅に収まるだろうから・・・インテリの機械化集団農業を主として、商工業を副とする体制にするとか?そのためには・・・主食になりうる穀物の関税障壁と余剰穀物の高値買い取りで穀物価格を非常に高いものに維持し、工業製品の価格を下げる・・・完全自動化工場群・・・農業労働の価値の向上による意識改革・・・工業生産のIT化・・・3Dプリンター・・・による最終製品の製造技術・・・もし、プレスの金型がNC化できたら・・・金型を使わないプレス機があったら・・・金型を使わない射出成型機とか・・・コンピュータでモデリングし、データを添付して発注・・・マスプロダクトだが個性的な商品群・・・デザイナーブランドの創出、製造メーカーは不問・・・

 穀物の関税障壁と穀物の高価買取など・・・人口爆発と食料不足、工業のIT化で・・・農業への資本流入が起こるから・・・歴史の必然となりそうな・・・価値ある仕事というのは何か?標準的な才能の人間の働く場は?自動化が進んだら私にできる仕事は何?自分が食べるための食料の生産しか残されないか・・・

 さて、現実に戻りましょう・・・未来を見ようとすると疲れますから・・・朝鮮鉱床調査要報. 第9巻 古文献に顕れたる朝鮮鉱産物 って本を見出しました。朝鮮の鉱業の歴史が分かるようです。

 面白い・・・李氏朝鮮は明に対して、わが国では金銀は採れず、他国より買い込んで朝貢しているから朝貢の物品から金銀を外してくれと請願しています。国内に於いては、懸賞で金の発見者に対して、日本の天武天皇の時に行われたように、官職を与えたとのこと・・・金鉱は白い龍脈に含まれるので、やはり風水の発福の条件に当てはまる・・・風水は鉱山学に関連するということのようです。朝貢に関して嘘をついていますから、民間での金銀の装飾も禁じたりもしていて・・・金鉱については存在しないかのごとく振舞っていたということのようです。デ・レ・メタリカに記されている、暴君の国の国境近くに鉱山を開いてはいけない・・・知れば欲しくなる・・・というやつですね。

 朝鮮では金銀鉄の採掘や精錬は行っていたようですが、銅の精錬法を知らなかったようです。銅は日本からの輸入・・・朝鮮で銅が精錬されるようになるのは1751年・・・1785年に日本の銅と混ぜて鋳銭を行うようになったとのこと・・・この時代まで、基本は銀貨を用いていたようです。1896年まで、鉱山に関する法律が朝鮮には無かった・・・内容的には、砂金の採掘に関する法令・・・

 地滑り地形を探してたら・・・この鉱山、凄い量を採掘してますね。シックナーが使われていないのは・・・あのシックナーでは処理できない量の鉱石を生産しているということのようです。

 右がその画像です。座標は 42°13'34.12" N 129°16'45.10" E このあたり。この山は、採掘した跡と思っていたら・・・これって、ズリであることが判明・・・GoogleEarthの高度情報が正しければ、この斜面の高度差は100m・・・160mで100m高くなるぐらいの急斜面ということになります。送電線は放棄されているのか?右下の変電所は鉄塔が建て替えられるなどの動きがあるので、生きているのではないかと思いますが・・・ここには勤務したくないな・・・

 ということは、ここへのズリの投棄は終わっている・・・さあ、どこへ捨てているのか?

 気付けば簡単・・・選鉱場から続くコンベアはズリを運ぶためのもの・・・そして、その先はダンプが運び、ダンプがズリを空けた小さな山がぼこぼこと連なっています。このズリで、谷が埋められています。

 2008年から2012年までで、右の写真のようにズリが伸びています。

 元鉱石にはおよそ40%の磁鉄鉱が含まれていて、60%まで磁鉄鉱の比率を上げているとすると・・・ここのズリの2倍ほどの精鉱が運び出されているということになりますかね・・・計算があってれば・・・

 しかし・・・500mも谷を埋めるということは・・・標高データを使って・・・2008年から2012年までの生産量は・・・計算できそうですが、面倒なので止めましょう・・・算術は苦手ということにしましょう。こりゃ茂山から簡単には進めないかも・・・

(2012.12.08)
















inserted by FC2 system