現在をうろうろ(49)

 TPPは日本主導?

 日米両国政府は、24日の日米首脳会談の合意内容を盛り込んだ共同声明を発表したけど、経済の分野で最大の懸案の環太平洋経済連携協定=TPPに関しては”2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した”でおしまい・・・なぜこうなったか?こいつを考えて見ようと思うのですが・・・

 実際問題としては、かつて国際連盟を脱退したことのある日本と、現在の日本の体質は変わっていないということなのだと思うだけですね。

 多分、米国が寛大であったので前進する道筋を特定した・・・という、曖昧な日本的な表現となったのではないかと思いますね。外交にはラストワードは無い・・・というより、ラストワードを言わせないことになったのではないかと・・・そんな風に妄想してしまいます。

 多分・・・環太平洋の国々は21世紀の日本を十字架の上に磔刑に処そうとしているが、イエスが後世に於いてようやく理解された如く、日本の農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保の必要性は後に明らかになるだろう・・・

 こんな演説をやったとしてもちっとも受けないのではないかと・・・そして、重要五品目などの聖域などを巡る日本の立場を理解させることは困難で・・・過去の例だと・・・外務省 外交史料館 日本外交文書デジタルアーカイブ 満州事変 第3巻 265コマ528ページ これを眺めると似たような感じかな・・・近代デジタルライブラリー - 国際聯盟に於ける日支問題の議事経過. 後篇 日本の聯盟脱退 111コマ

 本議場を去るに臨み、余は日本代表部の名に於いて、過去17ヶ月間理事会議長及び理事各位、総会議長及び各国代表が本件に盡された不断の努力に対し深甚なる敬意と感謝の意を表したい・・・

 これでは、日本は孤立しちゃいますからね。孤立しないためには何をすれば良いか?それが問題ですね。しかし、残念ながら、TPP交渉は絶対にまとまりません。そいう風なコンセンサスが国内に既に出来上がっています。

 それは、平成25年4月19日に農林水産委員会で・・・米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。・・・・交渉に当たっては、二国間交渉等にも留意しつつ、自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとすること。・・・こんな具合に決定事項ですから。

 これでは交渉にはなりませんから・・・交渉を始めること自体困難です。10年後、日本で生産できる牛肉・豚肉・乳製品・サトウキビはどれだけあるのか?

 日本の政治家は、脱退する事を前提にしていますから・・・頭が固いを通りこしています。・・・我が国には一定の農産品以外にも、守り抜くべき国益が存在し・・・どんな国益かね?国益というものは、日々変化しているのでは?何を守りぬくかね?もし、これらの産品が国内での生産で100%自給しているなら、明確な国益だと思います。しかし、残念なことにカロリーベースでの食料の自給率が40%を切っている・・・農家が年々減少するのを止められない・・・農家が増加して、食料自給率が向上していて、自給率100%を目指しているのなら・・・これは明らかに国益ですが・・・

 国益として固持すると・・・60%の人間が飢える可能性がありますね。もしくは60%の人間を国外へ棄民しないと・・・食べられなくなる・・・食料が輸入される事が60%の国民の利益につながる・・・何しろ、我が国は軍拡の道を歩もうとしていますからね。紛争を起こそうとする国に近寄る国は普通は無い・・・

 日本が本気の戦争を戦えるように政治家は枠組みを作ろうとしていますから。そのためには何が必要か?それは・・・アルミニウムや鉄などの原料を供給するための資源地帯の軍事的な制圧と、それに必要な軍隊を作らなければなりません。鉄と石炭は北朝鮮から満州にかけて、石油はインドネシアや大慶など・・・朝鮮・満州・インドネシア・オーストラリアを併合して戦える戦力を持たなければ・・・そして中国にアメリカにロシアに対抗できる戦力が必要ですね。平和のためでなく、軍事力を以て日本が宗主国として君臨するには・・・これだけの地域を軍事力で押さえるには、どれだけの兵士が必要だろうか?

 1億人程度の国民では足りませんね・・・そうそう、核兵器も必要ですね。大陸間弾道弾は開発済みかな?中国人民解放軍の2012年11月時点の推定人員数は、現役兵は228万5千人、予備役51万人・・・準軍事組織の人民武装警察が66万人・・・350万人規模か・・・現在の日本は総兵力は約24万人で予算は4兆6826億円か・・・現役兵で同じだけの人員を維持するだけでも毎年44兆6千億円程の金が必要ですね。

 日本の産業構造を完全に変えないと・・・国民車はジープのようなもので、戦闘車のようなもの、パトカーは装甲車にして、産業は軍事産業を中心にして、世界中に武器を売り、兵器産業・軍需以外の産業は不急産業として制限して、残りのは農業に従事・・・ここまでやらないと、周辺国と対等に戦えない・・・これが、将来の国益なのかね?

 そうすると、日本は戦いのための準備をしなければならない、そのためには食糧増産を行い、少なくとも現在の2から3倍の食料生産を行わなければならない・・・農家を現在の2から3倍にし、農地を広げる。学校の校庭も芋畑に!不急産業を軍需産業へと計画的に転換、同時に兵器輸出を増大させて、更なる兵器の増産に務める。核兵器を開発し、大陸間弾道弾及びレールガンを開発し、レールガンを衛星に搭載し、仮想敵国の中枢を破壊できるようにしなければならない。そのための研究予算を・・・大学は、文学部は外国語学部以外は廃止・・・省庁は、軍事省を設立、国民皆兵のため、社会福祉や経済産業関連の省庁は軍事省下に再編・・・

 ずいぶんと灰色の軍事国家を考案しないと厳しいような・・・これが国益かね?なんだか違うよな・・・

 まあ、こんな風な国になろうとしていたら米国は何をするか?こりゃ簡単ですね。そうならないうちに、米国は中国と協調路線に入るでしょう。この2国が結んで、日本の軍事大国への道を封じるに決まっていますから・・・そうなると、日本は北朝鮮と軍事同盟を結ぶことになりますかね?しかし・・・北朝鮮は中国・ロシアとより強く結ばれつつありますから・・・日本は孤立・・・

 TPP交渉はやがて暗礁に乗り上げ、ある日新聞には『TPPよさらば!』 『TPP交渉決裂 わが代表堂々退場す』・・・TPP交渉団は「英雄」として迎えられ、帰国後のインタビューでは「私が平素申しております通り、桜の花も散り際が大切」、「いまこそ日本精神の発揚が必要」ってなるんでしょう。

 これを避けるために、合衆国大統領は鮨を食うはめになり、毎回食べさせられ続けている抹茶アイスを喜び・・・声明発表を一日保留し、首脳会談が終わった後も、形式的に夜を徹して閣僚協議と事務レベル協議を続けさせたのでしょう。この結果、交渉が実質的に大きく前進しなかった事は自明で、目指していた「大筋合意」の文言を盛り込むことができなかった・・・

 共同声明では日米が全てのTPP交渉国に対し、妥結を目指して「可能な限り早期に行動するよう呼びかける」とも記しているが・・・その意味する内容は・・・多分、国内での議論を尽くして、TPPを受け入れられる基盤を国内に作ることである・・・日本の現状では、閣僚級が会談しても、その内容は、聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものであるようでは・・・交渉にならない・・・満州国の容認、容認されなければ国際連盟の脱退・・・出口の無い交渉ですから・・・残念ながら、TPP担当相の手に負えない交渉だったのでしょう・・・英語に堪能で国際感覚のある松岡洋右君でも駄目なんですから・・・

 しかも前例から・・・TPPよさらば・・・とは言わせないような交渉を米国は行ったのでしょうからね。4月29日のオバマ大統領のフォート・ボニファシオでの演説が気になりますね。なんとなく・・・4月29日;昭和の日に拘っているような気がするんでね。

 なんだか・・・非常に重大な内容になりそうな気がしてね・・・日本が驚く日になるような?妄想ですけどね・・・一連の流れからするとなんとなく・・・この歴訪の緻密な組み立てからするとね・・・

2014.04.27

  

関係ないが興味深いもの
 今回は特になし














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