歴史の中をうろうろ(11)
 日韓併合でどんな変化が・・・(11) 朝鮮の風俗d

 さあ、民間信仰第二部 朝鮮の風水を眺めて行きますが・・・なかなか良くわからない本です。資料が多くて・・・内容的に重複するものがあったり・・・まだ、最後まで読み進むことができません。読み進むにつれて、前の方で書かれていたことが明確になったり、気になると戻って読み直し、不明な言葉を調べたり・・・豚子虫は何?とかね。Googleは私には使いにくい検索エンジンになってきたようです。いちいち、調べようとする言葉を”XXX”でくくったりして検索する必要があります。案外bingの方が使いやすかったり・・・一般的な内容を調べようとしているのではないので・・・勝手に検索語をいじるなよ!と文句をつけたくなります。

 余計なことをしてくれないのならGoogleは良い検索エンジンなんですが・・・検索式を入れてやるか・・・"豚子虫"で検索すると2件がヒット、1件は韓国語・・・読めない・・・機械翻訳で内容を確認すると・・・何のことはない、朝鮮の風水で述べられていることで、同気感応の話なんですね。韓国語で豚子虫は・・・とわかるわけです。しかし、韓国語を入力するには・・・Googleの翻訳で・・・ソフトウエアキーボードを使って・・・入力して検索すると・・・同じものしか出てきません・・・豚子虫は墓の中の骨を食う虫のようですが、その実態は不明・・・朝鮮の妖怪のようなものの一覧はないのか?なんって・・・Wikipediaは便利で、日本語で妖怪・・・韓国語のページの飛ぶと日本の妖怪の話で、韓国では鬼、鬼から日本語のページに飛ぶとトッケビとなるわけです。こうやっていくつかの言語で違いを見て行くと、国によっての見かたの違いが見えてくるというわけです。

 そして・・・余計な知識が増え、好奇心を満たすのにさらなる努力が必要になるというわけです。検索エンジンの話はどうでもよいことですが、韓国語も少しずつ学ばねば・・・

 さて、朝鮮の地下資源とか・・・どうも、文化的な面ばかりではなく、普通に地理や歴史なども本気で眺めないといけないような感じです。朝鮮の風水を読みながら、別の本も読み始めました。韓国地理最後の方の図版が面白くて眺めていたんですが・・・結局最初から読み始めています。内容はそのうち精査することにして、とりあえず・・・なかなか良くまとめられている感じです。

 鬼や妖怪などもチェックしていますが・・・都市伝説とかも目にするわけです。Wikipediaの都市伝説の中に妙なやつを見出しました。・・・たとえば「東京ディズニーランドの下には巨大地下室があり、そこで賭博等の行為が行われている」という都市伝説は、同施設が実際に地下通路を持っていることが起源の一つになっている(地下に施設はない。舞浜の高速道路から海寄りの地域は埋立地なので沈んでしまう)。・・・地下室があると沈むか?という素朴な疑問・・・地下室の中は空洞で、比重はまわりの土砂に比べて比重が小さいから浮きやすいはず・・・液状化が起これば、巨大な地下室があったら・・・浮き上がって地下室は白日のもとに現れるのではないかとか・・・うそくさい説明が、まことしやかに語られる・・・これって、非科学の都市伝説の例かいな?

 鬼や妖怪は色々な誤解の中に現れるようです。ものすごい速度で変わっていく社会の中に、取り残された日かげの部分に鬼や妖怪は迷信、非科学、世の変化についていけない人の中に醸成されるものなのかもしれません。

 朝鮮の山々は、右の図のように山脈が連なっていて、平野はわずかしかありません。北部は鉱物資源の宝庫であるとは聞いていますが・・・これだけ山がちの国土では、鉱業が盛んであっても良いような気がしますがね。

 さて、朝鮮は森林が少なく、そのため大きな木材が得にくいために、船が不足しているとのこと。日本は木材が豊富ですから、橋を架けるにも、船を作るにも、建物を建てるにも大量の木材を調達することができる。しかし、朝鮮では・・・北東部の山岳地帯に森林地帯が広がっているように見えますが・・・このあたりの森林資源はどうなっているのでしょうか?気になるところです。ああ、北部には森林が多いと記述されています。しかし・・・

 ふむ、長白山またの名を白頭山、このあたりは清朝の時には、清朝の発祥の地として立ち入り禁止区域になっていたとか・・・清朝に納めるための朝鮮人参の採取で立ち入る以外は・・・しかも、朝鮮の4郡は住民を立ち退かせて廃郡としたとか・・・色々な歴史があるものです。

 つまり、入ってはいけない地域があり、さらに道路も整備されていない・・・そして、河川も改修が十分に行われていないから上流の方の水運はかなり困難、下流では十分な水量があるが、河口では大きな船が入るのは困難とのことのようです。つまり、森林資源は十分に活用できる状態にないが、河川を改修すれば違ってくるということのようです。

 そして、鉱物資源は特に金が・・・花崗岩地帯ですからどこでも出ると言っても良いほどのようです。銀や銅は比較的少なく、鉄もかなり出るけれども、残念なことに無煙炭が少量しか出ないとか・・・黒鉛鉱山はずいぶんとあるはずですが・・・黒鉛は炭素の結晶で、ダイヤモンドも炭素の結晶ですが、結合が違うので固さも色も違います。石炭のような結晶を持たない炭素は比較的簡単に燃えますが、黒鉛もダイヤモンドも燃えにくい物質で、黒鉛は耐火材に使われます。電気も通すので、電気炉の電極に使われたりします。高度な耐火性で、V2ロケットの噴射ノズルの偏向材にも使われました。

 そして、黒鉛は中性子の減速材として使えるため、世界初の原子炉シカゴ・パイル1に使われ、ウラン・プルトニウム転換炉へと、この黒鉛炉は発展していきます。

 他には・・・昔ならアーク灯の電極・・・そうそう、電池の陽極に使われていますね。普通の乾電池には1本入ってます。鉛筆の芯にも・・・そういえば、固体潤滑材に使われますね。濃い鉛筆の芯を鍵にごそごそ塗りつけてやるとスパッと入ります。黒鉛に似た結晶の二硫化モリブデンも同様に使われますね。

 そういえば、黒鉛は電気を通しますから、異種金属間で電食は起こるのかな?とか、気になります。ああ、ありました黒鉛を利用したオイルレスベアリングで起こる電食・・・物理的な特性は良いとして・・・

 朝鮮の黒鉛はかなり以前から注目されていたようです。福岡日日新聞 1917.11.28(大正6)の記事によれば、下関・門司港には朝鮮からの黒鉛が陸揚げされ、黒鉛選工業が爆発的に発展しているとのことです。当時の産地は津新義州及び安東県産の鱗状黒鉛及び永興産の土状黒鉛の2種類で鱗状黒鉛の坩堝工場用として九州、京大阪方面へ供給され、土状黒鉛はロンドンやニューヨークに出荷されているが、戦争による輸出困難がある・・・しかし、電気工場鉄工所カーバイド工場等の需要が激増・・・カーバイド工業か・・・目覚ましい勢いで発展する工業が黒鉛を必要としていたということですね。

 工業の大躍進の時代・・・日本は、体制が変わって、欧米の先進の技術を帝国内に広げて行っているということでしょうか。日本人は真面目ですね・・・努力が好き・・・手抜きって基本的に嫌いということのようです。朝鮮の農業の評価などを眺めるとそのあたりが良く見えてきます。必要十分の生産ではだめなようです。最大限の努力を要求します。たとえば、朝鮮から輸出される白米・・・日持ちしない・・・理由は、精米過程にあって、精米を楽にするため、加水して精米します。すると、湿気を帯びて悪くなりやすくなります。これさえなければ質の割に朝鮮米は安い・・・さて、真面目な日本人は、指導を行いますが、そういった事には耳を貸さないようなので・・・玄米の買い付けをします。精米していない玄米の方が安い・・・しかし、玄米より籾で買い付けて、籾すりを行った方がより効率的で高品位な玄米ができるとなると・・・日本人は、朝鮮に籾すり機を置いて、改良された玄米を日本本土へ送り、日本で精米を行うようになります。

 されに、現地精米が行われるようになり、零細な朝鮮の精米は消滅していきます。確かに、完全に新しい効率的なものを導入するのって楽ですからね・・・ちょっとの効率の差しかないもので置き換えるのと意味が全然違います。

 朝鮮では、米の加工を行わなくて済むので歓迎されたようです・・・前工業時代とかなり工業化された所との差ですね。そういえば、Wikipediaの各国版を眺めて比較したりするのですが、日本語版は生真面目ですね・・・ところどころ、変な生真面目さを発揮している部分もありますが・・・日本人は改良好きなんですね。

 朝鮮北部の清国白菜・・・これってちょっと興味深い・・・どうやら一代雑種らしく、種子は毎年清国本国から取り寄せなければならないとか。清国は農業分野でも先進だったのでしょう。朝鮮領内にも清の農民が結構入って来ていたような?農業は粗放栽培が目立つようなことが書かれています。しかし、別段手を掛けなくてもそこそこの収穫があるような・・・農業の中でも高度に発達したものがあります。それは高麗人参ですね。この栽培は高度に発達を遂げていたとのこと。

 林業は、南部ではほとんどが禿げ山なので、ほぼ皆無ですが、北部の森林地帯では大々的に林業が行われています。興味深いのは、ロシア人による林業ですね。映画スターのユル・ブリンナーの祖父などは、朝鮮の森林開発権を有し、ひと儲けしていますね。

 とにかく、米と金の輸出が盛んであったようです。京城は金の集まる場所で、ここから輸出されていったようです。そして、清に対する朝貢でも金を貢いでいますから、それなりの鉱業はあったのではないかと思われます。風水・・・案外、鉱山師が山を見たてる作業の中で、山師の嘘から出て来たのでは?腕を組んで山を眺め、金鉱を探査する・・・地権者は聞きますよね。金山を開きたいなんって言えば・・・利権がらみの話になる・・・墓にする土地を探している・・・墓には地脈の穴というのが重要で・・・川も必要なんだ・・・地脈は白い岩石でできていて・・・と金鉱を地脈にすり替え・・・というような気がします。

 ちょっと寄り道して古い朝鮮の鉱業の形態を調べてみることにしますかね。しかし、史料はあるのか?気になるところです。

 さて、葬制は興味深いのですが・・・ふと明成皇后殺害事件を思い浮かべてしまいました。乙未事変1895年10月8日午前三時、日本軍守備隊、領事館警察官、日本人壮士(大陸浪人)、朝鮮親衛隊、朝鮮訓練隊、朝鮮警務使が景福宮に突入、騒ぎの中で閔妃は斬り殺され、遺体は焼却された。という事件・・・遺体が焼かれた理由は・・・

 死体を火で焚けば死者と生者とのつながりが全く断絶すると言うので、火葬は一般の場合には行われず、特殊な場合のみ行われるとのこと。高僧は世俗との関係を断ったものだから火葬してよいとか、悪疾者、らい病のなどで死んだ場合は、火で死体を焚けば病根が断ち切られ、その病気が子孫に伝わらないという信仰から。また、祟りを恐れるために行われる場合があって、普通に埋葬すると後々たたられるので、祟られないようにするために・・・とか案外呪術的な側面で焼かれたのかもしれない気がします。ですから、純宗の、「乙未事件ニ際シ、現ニ朕ガ目撃セシ国母ノ仇」と禹範善が「国母ノ仇」ということで、禹範善が閔妃を殺害して、焼くことで国に降りかかりつつ災いを断ち切ろうとしたのかもしれないような・・・

 乙未事変・・・不思議な事件です。岡本柳之助という人物にも興味が・・・竹橋事件とか・・・資料は色々あるので

 迷信というものは、それなりの根拠がなければ、迷信として成り立たないので・・・迷信を研究するのはなかなか面白いものです。さて、もう少し、この風水の本を眺めるとしましょう。

(2012.11.02)

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