日本国憲法は・・・?

 日本国憲法をかつて暗唱させられたので、一応は頭の中に入ってるのですが・・・改めて、文言をチェックしてみる気になりました。暗唱するだけでは・・・その精神を理解することはできないと思うのでね。それから・・・会議録一覧 日本法令索引 日本国憲法の誕生とか資料が沢山あるのでそれなりに面白いかと・・・

 さてちょいと眺めてみることにしましょう
【前 文】
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 
 ふむ・・・議会制民主主義だよって・・・こいつは制度面だからOK、次の文章は・・・「諸国民との協和による成果」か・・・諸国民と協和すると何か良い成果が表れるというわけでが・・・皆で仲良くするとそれは大きな恩恵があるんだ!ってかな。そして、駄目押しのように「自由のもたらす恵沢」と来たか・・・自由であることでどんな恵沢があるのか?ところで、恵沢って何だ?「照代之恩
、祖先之余」ってのですかね?ちょっと皮肉な感じ・・・ちょっと前の状況からこの言葉か・・・自由か・・・自由=Libertyって、その意味内容が厄介ですね。我儘放蕩や天下御免じゃないんだな・・・自由って厄介で、自由って放棄したくなる時があるって・・・自由からの逃走・・・エーリヒ・フロムでしたね。

 自由というやつには、色々と義務がありますから・・・道徳とか公序良俗ってのが不明瞭になると、自由を保障してくれている自分の権利や義務が不明瞭になって・・・まあ、自由なんって面倒なものは・・・特に、重要じゃないから、国が正義・・・国の方針についていけばOK・・・自分で考えなくても・・・誰かが考えてくれる・・・って無責任に投げ出されがちですね。

 ドイツの数百万の人々が、父祖たちが自由のために戦ったと同じような熱心さで自由を捨て自由を求めるかわりに、自由から逃れる道を探した・・・・他の数百万は無関心な人々であり、自由を、そのために戦い、そのために死ぬほどの価値あるものとは信じていなかった・・・権力をヒトラーの下に集めることで、自由から逃れ・・・独裁を選んだ・・・確かに強いドイツが再生したが・・・結果は歴史が教えています。

 だから・・・「国民の憲法」は気になるのです。自由を制限するための憲法草案ですから・・・確かに、敗戦によって国民は主権者の地位を得ました。そして主権者の特権であるところの自由を得ました。ある意味貰いもの・・・でも、得た自由というのは・・・大きく・・・しかし、自由でいるために払わなければならない注意は結構重いことになります。

 人は自由でありたいと願うのですが、反面・・・自分は自分の主人であるというより、自分で全てを決めて行動するのではなく服従による楽を選択することが多いのかな?だから、占いにはまったり・・・強い指導者への服従が人々を引きつけている事になるのでは?

 まあ、全ての人が、自分の意思で目的に向かって進むのではないということなんですね。XXさんがそう言うから・・・ってね。こんなことを考えていたら、頭の中に1つの言葉が出てきました。「大命は下ったのである」ってやつ・・・大命降下・・・これって良いシステムですね。天皇は神ですから実質的な責任をとる必要はない、大命降下の名で出されるのは、天皇が元老や重臣会議などの推挙に基づいて、内閣総理大臣候補者に対して組閣を命じる・・・責任の切断が行われているから、誰が悪いとか文句が付けられない・・・

 元老や重臣会議への責任の遡及はできない・・・内閣総理大臣の責任で後はきちんと行え!自分で責任を取れ!頑張れ!ってか?

 そういえば・・・大命降下による組閣を拒んだ人が何人かいたような?二・二六事件後の組閣で病気を理由に近衛文麿が辞退してましたっけ・・近衛文麿って・・・上手く立ち回っている・・・なんってね。

 ん?なんとなく・・・昭和金融恐慌が、頭の中に浮かんで来たぞ・・・今のご時世に似てないか?なんって・・・総理はころころ変わるし・・・みな、責任逃れか・・・単に政治的な指導力がちょっと欠けていたのか・・・まあ、都合が悪くなると逃げ出しちゃう人っていますからね。そういえば・・・中小企業等金融円滑化法って失効したんだっけ・・・代わりの制度は・・・

 昭和金融恐慌・・・1927年の衆議院予算委員会で大蔵大臣・片岡直温がなぜか・・・何を間違ったのか「東京渡辺銀行がとうとう破綻を致しました。」て言ってしまったんです。これが引き金となって「銀行が危ない!」って騒ぎになります。そして、みなさん銀行から金を引き出しに走ります。取り付け騒ぎってやつですけどね。そういえば、近頃はこの取り付け騒ぎって言葉は報道用語から削られたとか・・・確か、預金者が殺到したとか、そういった表現でしたね。

 まあ、銀行にはお金なんってそんなに寝かせていないですから・・・お金は寝かせておいても増えたりしませんから、銀行は利息を払わなければなりませんからね。預金者というのは、銀行にお金を貸し付けてるんです。決してお金を預かってもらってるのではないのですが・・・この金を運用して、利益を出して、利息などの払いに使うわけです。

 ですから、預貯金者が一斉に窓口に並ぶと・・・どんどんお金が流れだして・・・金庫にお金がありません!なんってやると・・・大変なことになります。XX銀行には金は無いぞ!みな使って金庫は空になってる!別の支店で・・・そういえば、豊川信用金庫事件って、デマの流れが解明されていましたね。

 ふと・・・ネットワーク時代の取り付け騒ぎってどんな形で現れる?私なんかも、日常的に株屋と銀行間でお金を動かしていますから・・・株屋の即時出金は・・・「出金額は、1回あたり1000円以上の金額でご入力いただけます。1日あたりの上限金額は、合計1億円以内となります。」ふむ、1億円はすぐに右から左へか・・・即時入出金でなければ「出金可能額は1回につき1千円以上500万円以内」か・・・上限金額を動かしてみたいものです。

 しかし・・・ネットワークを利用しての、事実上の取り付け騒ぎで・・・たとえば、1997年の紀陽銀行で数日で3000億円の預金が流出した・・・これみたいなことが起こっても、報道に乗らなければ分からないか・・・しかし、流出量は莫大なものになりそうな感じですね。しかし・・・これは、別に問題ないのか・・・ただの数字の移動ですから・・・昭和金融恐慌の場合は現金が不足ですから・・・あわてて紙幣を輸送・・・それでも足りなくて・・・片面しか印刷していない急造紙幣を見せ金にしたわけです。この乙二百円券は希少ですね。

 昭和の金融恐慌は・・・為替も関係がありましたっけ・・・金解禁ってやつ・・・世界恐慌の嵐も、この時代は結構のんびりと世界を駆け巡ったようです。世界恐慌・・・昭和4年(1929年)10月24日暗黒の木曜日として知られる・・・ニューヨーク株式市場で株価大暴落が発生します。これによって、アメリカ経済は大混乱に陥ります。日本国内でも話題になりますが、すぐには影響は出なかったようです。そして、翌昭和5年 金2分(0.5匁=750mg)=1円=0.49875ドルとして、金が解禁になります。恐慌って、通貨危機ですから・・・よくこんな時にやったものです。

 金本位制か・・・日本のお金は、明治維新によって1871年に純金1500mgを1円にしたんです。まあ、幕末の万延小判の金の含有量が1.8g程度でしょうから、1両=1円ってことになるのでしょう。そして、1円金貨の金含有量はほぼ当時の1ドル金貨の金含有量に相当します。金本位制の時代は、金の価値は普遍ということになるので・・・金の保有量に合わせて、通貨が発行されたわけです。しかし、世界恐慌期には明治初期に比べると、円の価値はドルに対して、半値になってるわけです。ドルは変わっていない・・・経済政策が優秀だったか?

 さあ、金が「自由」に紙幣と交換・輸出入できるようになると・・・何が起こったか?ってわけです。

 金解禁に当たって、日本はかなり無理をしているんです。第一次世界大戦前には、確かに金解禁の際のレート100円=50ドル程度だったのですが。兌換停止を行っていた間では・・・大正12年関東大震災後には日本円は最安値になっていて100円は38ドルぐらいの価値になっています。金解禁の準備として震災手形の整理を巡って昭和2年に昭和金融恐慌がありましたが、高橋是清の非常手段であるモラトリアムって支払猶予措置と急造の200円札を見せ金とするハッタリ金融政策で乗り切ります。

 ハッタリ金融政策ってのも効き目があるんだよな・・・基本的に経済というのは未来の予測というやつに基本を置きますから・・・思惑とハッタリの世界・・・思惑とハッタリが一致すると何が起こるやら?だって・・・今の金融市場みたいじゃん!円安誘導の結果二人以上の世帯における1世帯当たりの平均貯蓄現在高は1,664万円は・・・ちょっと前1ドル77円の時は216000ドル今は1ドルは102円だから163000ドルになっているわけです。従って、77円の時に、円をドルに換えていて、今ドルを売って円にかえると2203万円になるってことです。だから、未来が見えるとお金持ちになれるわけです。

 とにかく、昭和3年あたりで100円=44ドルぐらいの価値に戻しています。というわけで、実体経済に合わせて金を解禁するか?第一次世界大戦前の水準にするかとなるわけです。

 結果としては、五大国としての面子もありますから・・・政府は、不良債権処理を行うことで、為替を100円=50ドルに近付けようとするわけです。そして、思惑が交錯します・・・だって、100円が44ドルから50ドルになる予定なんですから・・・投機筋はそのタイミングを見計らうことになります。面子か・・・フランスは面子より実をとって通貨を5分の1に切り下げての金解禁でしたがね。

 そして、昭和5年の1月11日に金が解禁になります。金750mg=1円=0.49875ドルってね。この頃になって、アメリカ発の恐慌が日本にも上陸してきます。そして、為替相場を維持するために緊縮財政を続けます。結果は、国内物価は下落、対米為替相場は上昇・・・さらに、米国は恐慌のため、国内物価は下がります・・・結果、輸出は円高で振るわず、国内物価は下がる・・・

 その結果・・・物価が下がって困ったのは、実は農村・・・対米輸出の華だった生糸の対米輸出が激減、緊縮財政での物価の下落、昭和5年の豊作による米価下落、朝鮮・台湾からの安い米の流入も相まって・・・飢餓豊作になっちゃうんです。米作と養蚕で大きな現金収入を得ていたのが・・・この年は薄利多売で乗り切れたようですが、なんと翌年は昭和6年には東北地方・北海道地方は冷害に見舞われ大凶作となります。

 続く不況のために農業収入以外の道が断たれ、凶作により売るものは無く、都市の失業者が帰農したため、東北地方を中心に農家経済は飢餓水準へ・・・青田売り、欠食児童、女子の身売り・・・東北は何を食べている・・・って社会問題となっていきます。

 このような国内事情に対して、金融界は・・・金解禁のレート問題で世界的な視点での三菱財閥の各務鎌吉と三井財閥の池田成彬の対立となります。三井財閥の婿様池田成彬は・・・強引な金融操作を行っていきます・・・昭和金融恐慌の引き金も池田が強引に資金を引き揚げたことによるものと噂されます。

 実体経済の方は・・・農業恐慌下が激しさを増す昭和6年には、中小銀行は長期の低金利と取引先の破綻の影響で経営機が顕在化していきます。大手は余剰資金の投資先を求めて、為替統制売りを利用してドルを手に入れて、このドルを使って外債への投資に走ります。

 世界恐慌の嵐は・・・昭和6年の5月8日にはロスチャイルド家の傘下にあったオーストリア最大の銀行クレジット・アンシュタットが破綻、11日に取引停止となります。これで、ヨーロッパの金融市場は大混乱となります。

 日本の大手銀行は、ヨーロッパ市場での外貨調達が厳しさを増す中、日本国内でのドルの為替統制売りを利用して、ドルを手に入れ海外支店への送金に走ります。円による大量のドル買いですから、その影響は・・・一気に円安にする可能性を持っていますから・・・結果は為替差益で大もうけをたくらみドル買に邁進します。これが所謂ドル買事件となっるわけです。

 昭和6年9月21日英国が金輸出禁止を行い、金本位制は事実上崩壊しちゃいます。日本ではイギリス・ロンドンのシティが安定していれば、恐慌はじきに収まるものと考えていましたから・・・さて、ここで三井財閥の池田さんは・・・英国の金禁輸を口実に横浜正金銀行を通じてドル買いに出ます。さらに、為替安定と金の流出を防ぐためのドルの統制売りなども行いますが、大量の金と金貨が国外に出ていきます。

 9月中は凄い勢いで、日本の正貨は流失していきます。これに対抗する手段は・・・公定歩合の引上げによる金融引き締めを行います。しかし、10日間で2億4,700万円が使われてドル為替が買われます。

 大手銀行の動きは簡単には止まらず・・・政府は、一連のドル買いを三井銀行を中心とした大手銀行の「売国的行為」と非難します。三井銀行の池田成彬は英国の金輸出禁止によって日本に引き上げる金が差し止められたための穴埋めのために仕方なしの行為で、日本では正貨の金輸出を認めている!ドル買いをして何が悪いのか!ってね。

 財産権って強い権利ですからね。こうなると、マスコミは面白がります。とりあえず、三井銀行の粉飾決算疑惑を作り出し・・・これに乗って右翼・無産政党らの反感は大衆へも広がりを見せて行きます。10月に入ると、陸軍青年将校によるクーデター未遂事件が摘発される、左翼・右翼の銀行襲撃が噂される・・・実際に、三井銀行に乱入事件も起こるし・・・12月15日を最後に年内のドル為替の取引を停止することになり、とりあえずは終了となります。

 このとき、為替に敏感に動いたのは・・・ショナルシティ銀行、住友銀行、三井銀行、三菱銀行、三井物産だと・・・ちょっと、このあたりの株も検討しなきゃ!今のご時世、こうも為替が動くとね・・・また、古い手口を使っているのか?なんてね。

 というわけで、金解禁の結果は・・・1年後には100円で買えるドルが50ドルから、20ドルへと目減り逆に言えば・・・50ドルで100円が、50ドルで250円にもなったという素敵なお話です。流動資産は2.5倍になる・・・私もやりたい!

 しかし・・・ここで起こったのは、政府の信用を利用した・・・利潤の追求ってやつなんですね。金融の安定のために、連鎖倒産等を防ぐために・・・政府が行う資金注入を予見して・・・やった!千載一遇のチャンス!政府が金を出すぞ!法律も一応問題ない!やれ!日本政府を食いものに!って自己規律を失うモラル ハザードってやつですね。

 誰もが認める財産権、財産の処分についての自由ですら、ある意味義務を背負っているわけなのです。財産権についての自由も、実は・・・他を食いものにしない範囲内での自由となるわけです。それを越えると・・・天誅って切られちゃうかもしれません。

 しかし・・・結局は、債権を買って・・・円の価値が下がって、事実上帳消し・・・今の世の中でもあるんですね。株価が下がって、上場廃止の危機になると・・・株式をまとめる際の端株の処理とか・・・

 そういえば、韓国の1ウォン硬貨って現役?コンビニでは10ウォン硬貨を受け取りましたが・・・アルミ貨に銅メッキかな?ミントセットには組まれているとか噂を聞きますが・・・ふと、消費税導入前の1円5円の待遇を思い出してしまいました。上の広告の時代、厘って単位はあまり使われていませんから・・・

 今風に、1億人が一人10円や5円の債権を買えと言ってるのか?10円って・・・1銭から考えると1000円か、厘からだったら10000円・・・この頃の10円で何が買えたのか?債権の償還の財源は何を考えていたのやら?結局は・・・庶民の上にシワ寄せかね?

 あれ?経済的自由権にも、モラルというやつがついて回るってまとめるつもりが・・・

(2013.05.15)

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