日本の秩序って・・・?

 どうも、我が国では、法秩序より、伝統的支配に基づく秩序を好むのかもしれません、それでいて、上からの革命を好む性質があるのではないかと思います。理由は・・・私の嫌いな長寿番組があるからです。水戸黄門とそれに派生するやつですね。基本的には、どちらも似たようなものです。

 舞台となるのは封建制社会の身分秩序の中、お上の上級管理職の目の届かない所で、小役人と悪徳商人が結託して、下々を困らせる秩序を長々と運用する・・・これに対して、上級管理職が救いの手を差し伸べるとかですね。

 弱きを助け、強気をくじく・・・封建的な社会秩序の中で・・・上級管理職たちは立派で、ただ目が届かない所で悪い秩序が横行する、しかし、下々の物は何も手を出せないので、上級管理職の動くことを願う・・・

 または、職業的な義賊の類が・・・必殺シリーズの類・・・正義を超法規的行動によって為す・・・民衆が主体となって、生活改善のために結束して立ち上がるというストーリーはほとんどないわけです。

 まあ、探せば・・・七人の侍あたりですかね?とりあえず、民衆が武装集団を雇うことによって話が始まりますから・・・武装集団が村を助けるというボランティア型ではありませんからね。椿三十郎は民衆の漏らす不満から立ち上がるボランティア型だな・・・血の収穫につながる用心棒も・・・黒沢映画って、その手法より、ストーリーの中にある自由や権利意識が海外で共感を持たれたのではないかと・・・日本では映像手法が強く語られるが・・・シェーンやアラモとか・・・西部劇によくある形・・・黒沢映画のチャンバラ物は和風西部劇なのかもしれませんが・・・

とにかく・・・水戸黄門的なストーリーだと・・・あ、水戸黄門の名乗りは・・・先の中納言水戸光圀公ですね。そりゃ、黄門・・・禁中の門は黄色で、中納言はここに侍るので・・・貴族系の立場としてるのか? 隠居してるから、幕府系を名乗りにくい・・・しかし、先の中納言ではなく、現役の権中納言だったんじゃなかったかな・・・返納したか?死後・・・権大納言が遺贈された・・・

 世直しは、尊いお方か、稀人が行うことになっていますね。

 どうやら、議会制民主主義がうまく動かないのなら・・・革命が醸成されている可能性が・・・共産主義革命ではなく、王政復古・・・だな。なんってね・・・

 政体の変化など大したことはないので良いのですが・・・それより気になるのは、株式市場です。日経平均は1万円割れから、いつの間にか1万5千円をうかがうかの勢いですから・・・なんでそんな資金量がある?円安による為替の影響だけとは思えない・・・4月末は・・・日経平均が下がってTOPIXが上がっていたような?気のせいか?日銀が金を垂れ流し状態にしているとか?まさかね・・・それとも、資金サイクルを高速化し、目にもとまらぬ速さで動かし、見かけの資金量が増えているのか?それとも、個人投資家が、貯金を切り崩して株式市場に金を注ぎ込んでいるのか?それとも、円が安くなっても円を買わずに、円を売ってまで株を買っているか?

 なんだか、様子がおかしいような?・・・たとえば、老人世帯で年金で生活できていて、貯金が2000万ほどあったら?今の状況なら・・・株式投資をしてもおかしくない・・・預貯金金利なんって・・・雀の涙もないから・・・市中の通貨量が増せば・・・お金の価値が下がる・・・企業の価値は変わらないから株が上がり、物の価値も変わらないから物価が上がる、物価が上がると、企業は原材料費・エネルギー費用が増加、円安で売り上げが伸びても・・・高付加価値商品でなければあまり大きな利益は上がらない・・・賃上げを渋る・・・

 それで・・・安倍晋三首相は7日午後の参議院予算委員会で、アベノミクスのリスクについて、賃金より先に物価が上がる可能性が高いと指摘、経済界に労働者への分配をできるだけ早くしていただきたいとお願いしていると語った。

また、思い切った財政政策を行っているので、財政への信認が極めて重要だとし、「日銀も、そういう中で市場 参加者との間で市場取引全般について密接な意見交換の場などを設けるとしており、適切に対応していただきたいと期待している」と語った。

 円安で貿易収支が赤字となっていることについては「円安に加え、原発が停止しているので液化天然ガス(LNG)や原油輸入の支払いが増え、貿易赤字が増えている状況にある」との認識を示した上で、「円安効果による輸出増(が実現するに)は少し時差がある。これ(円安)によるプラスは半年後から出てくると予想されている」と指摘。「内閣府の調査によると、半年から1年後にはむしろその結果でプラスに転じる。貿易収支も黒字になっていく。再来年はこの傾向を維持すれば、貿易収支も大きく黒字になっていくとみている」と述べた。

 まさか、預貯金高が減少している?さらに、銀行は日銀から借り入れをしている?それとも、個人投資家が・・・有り金+信用取引をやってる?ネットで簡単に株取引ができるから・・・株屋の株も上がってる・・・円安が続いて、株高が続くのであれば・・・それは、円が紙屑になることを意味するのか?国債を持っていたら、国債を担保にして、株式投資が正解か?

 どうやら・・・日本の総預貯金高が1500兆円ほどあるらしいから・・・これが市中に流出したら・・・現金通貨は70兆円ぐらいだから・・・ちょこっと流出したら大変じゃん・・・近頃は株屋と銀行はオンラインでつながっているから、現金ではなく数字の移動で終わりだから・・・現金通貨量でコントロールは困難では?小まめに利益確定して、再投資を繰り返して、保有株を多くすると良いのか?本社が日本にあるが、事実上は多国籍企業になっていて、急激な円安でもつぶれない会社ってやつか・・・

 なんだか、戦時経済の裏返しのような・・・写真週報113号に興味深い記事があります。ざっと打ち込んでみましたが・・・

 支那事変が始まってからの軍事費は、今年度の予算を加えると百六十四億五千五百万円になります。これを十円札で積み重ねるとと富士山の高さの三十三倍になります。またこれを縦に並べますと千島の北から台湾までの長さの二十六倍になり、横に並べると地球の赤道を六回近くも巻ける勘定になるのです。このように戦争というものは莫大なお金が要るのです。その資金はどんな風に調達されるかといえば、まず政府は日本銀行引き受けという形で公債を発行して戦費を賄います。日本銀行引き受けというのは、政府が直接公債を売り出すのではなくて、公債を日本銀行に渡してお金を借りるのです。そして日本銀行にその公債を売ってもらうのですが、政府が借り入れたお金は軍需品等の代金として支払われるのです。するとこのお金はさらに品物の原材料代や賃金、運賃、利益などにそれぞれ分けられて国民の懐の中に流れ込む仕組みになっています。

 こうして政府から民間にばらまかれたお金は昨十四年中だけで、五十三億円余りもあるのですから、民間に巨額の資金が流れ込んでいるわけです。これをそのまま放っておいたのでは、いわゆる悪性インフレとなりますから、いろいろ対策を講ずる必要があるのです。
 一体戦争というものは非常に多くの軍需品を必要としますから直接飛行機や弾丸などの軍需品を作る力を増す必要のある事は言うまでもありません。そのほか軍需品製造の機械を造る工場も殖やさなければなりませんし、それらの機械を動かす電力や石炭も余計に要るし、また輸出に必要な設備もしなければなりません。このように戦争というものは軍備と生産力の充実を必要とするものですが、今の我が国としては、尚その上に大陸の開発という重大な任務を持っているのです。
 これらの必要を満たすには沢山の物がいるわけです。所がこの必要なものは無限にあるわけではなく、ましてや欧州戦争となってからは益々必要物資の入手に困難を来していますから、どうしてもあるだけの物で間に合わせてゆかなければならぬことになり、勢い使い方を減らして需要と供給とを甘く適合させるというわけです。
 しかし前に述べた通りお金は相当巨額のものが既に民間にばらまかれています。国民がお金のあることを幸いに、衣類が不足がちだと聞けばすぐに要りもしない着物や洋服を作ったり、砂糖だ墨だと次から次と買いだめに狂奔するようでは、必要なだけの物があっても不足するのは当然です。この勢いが益々激しくなると、悪性のインフレーションとなって、物価は大暴騰を演じて、政府はもとより、一般の人々も予定した通りの物が得られないことになるのです。これでは新東亜建設の大目的が達せられませんから、極力この悪性インフレーションを防ぐ対策を講じなければなりません。

 この対策は、まず物を増やす事で、政府もなるべく多くの物が作り出せるように物価の決め方について、そのものを作りだすのに相当の利益が得られるような適正価格を決めることになっているのです。しかし、戦時下で物の不足するのは当然のことで、この不足分に不平を言うことは戦争に負けても良いというのと同じです。私たちは十分慎まなければならない所です。その反面お金の方が相変わらずの巨額が毎年出されると、これもまた悪性のインフレの危険がありますから、お金の方面からも対策が必要となるのです。
 物の供給が一定でもお金の供給が増すと物価はどんどん騰がります。これを防ぐにはお金の供給を減らさなければなりませんが、現在の我が国は未曾有の戦争をしているのですから、軍備の充実も生産力の充実も、また大陸の開発も、今後益々重要になってくるので政府の予算を減らす事は、あまり多くを望めないのです。それでも政府は本年度の予算の内から少しでも節約して支払うお金をなるべく少なくしようと努めていますが、この節約にも限度があって、必要なだけはどうしても出さなければなりません。そこで次に考えられることは、税収入を殖やして、余計に散布されるお金を減らす事です。しかし、五億や六億円程度の増税では、毎年五十億も六十億円も発行しようという場合には到底追いつきませんから、さらにこれ以外の方法で悪性インフレを防がなければならないのです。それには結局貯蓄によるほかはないのです。

 それでは、どれくらいの貯蓄をしたらよいかと申しますと、今年度つまりこの四月から来年の三月までに百二十億円を貯蓄しようというのです。昨年度の貯蓄目標は百億円だったことはご承知の通りですが、その成績は二月末現在で九十五億三千万円の好成績を示していまして、三月末には目標の百億円を突破していると思われます。今年はなぜ百二十億円を目標にしたかと申しますと、公債を書化するために六十億円、生産力拡充や大陸の開発のために四十億円、そのほか一般に浮動している資金を吸収するために二十億円、合わせて百二十億円の貯蓄をしてもらいたいということになっています。
 では、どうして貯蓄が公債の消化や生産力の拡充などに役立つかと言えば、まず政府から沢山のお金が払いだされると、前にも述べたようにこのお金は原料代や給料などに分けられて散り散りになります。この散り散りになったお金は家賃とか米代などの生活必需品や娯楽費に分けられて点々とします。この転々としたお金は廻りまわって結局は貯金となったり、株式や社債の払込金となるのです。
 ところが貯金を預かった銀行や郵便局では、その利息を払うのですから、そのためには別の方面にその資金を利用しなければなりません。しかしお金を貸すにも今の時局に必要でない産業に貸す事は法律で許されませんから、勢い当面の時局に必要な産業へ融通するか、公債へ投資するようになります。そこで公債に投資するには日本銀行から買うことになりますから、日本銀行から出たお金は再び日本銀行へ戻ってくるわけで、貯蓄が多くなればそれだけ公債の売れる割合が多くなるというものです。

 では今年の公債消化の成績はどうでしょう。一月から四月の十五日までの発行高十三億六千五百万円に対して、その消化額は十二億四千九百万円となっていて、九十一パーセント五の消化率です。満点とまでいきませんが、まず良好の成績といえましょう。
しかしここでぜひ注意していただきたいのは「お金は廻りまわっているうちに結局どこかに溜まるのだし、使う金も僅かだから自分ひとりくらいは貯金しなくても良いだろうと」いうことです。わずか1円のお金でも十遍使われると十円の物を買ったのと同じことになるのでですから、たとえわずかなお金でも世間に出さないで貯めていく心掛けは戦時下の国民として当然持っていなければなりません。百二十億円といえば、老人も子供も全部含めて一人当たり百二十円の貯蓄を来年の三月までにしなければならないのですから、生易しい努力では成し遂げがたいことですが、この目標だけはどんな苦労をしても達しなければ、新東亜建設の大業は達成されないばかりでなく、複雑な世界情勢に対処して行けませんから、このことを良く自覚して百二十億円貯蓄の目標を達したいものです。

 案外、いま円安、株高の原因は、こいつではないかと思うわけです。預貯金から流出した金が、恐ろしい速度で駆け巡り、額面の何倍もの見せかけを作っている・・・とまった瞬間・・・信用買いしている人は・・・負債を抱え、貸した人は未収・・・沢山の人が首をくくる・・・その上、円は紙屑に近くなり、預貯金は・・・価値なし・・・物価上昇に追い付く賃金増はなく・・・赤貧洗うがごとし・・・日本経済は沈没・・・じゃないだろうな?これが、最悪のシナリオ・・・そして、改憲の気運と、改憲・・・独裁の開始・・・市場獲得のために・・・さあ、皆で戦争だ!じゃないでしょうね?こんな未来は嫌だが・・・しかし、それが昔あって・・・今も、経済部ブロックが・・・それとは分からないような形で作られていますから・・・大差ないと考えても良いような気がするのです。何しろ、流通している現物通貨が・・・700兆円、預貯金が1500兆円、1割が流失したら・・・日銀は有効な経済政策を打って、経済をコントロールできるのか?現物通貨なしで、株式市場などは・・現在、拡張の一途をたどっている・・・これが、実体経済に波及したら?・・・物価は1.3から1.5倍、株価は・・・日経平均23000円程度になるでしょう・・・私のいい加減な試算ですが・・・そのとき何が起こるか?ってね。推測はできます、対策も考えていますが、あまりに速いと・・・どうしたものやら?

 まあ、穴に潜って嵐を避けるしかないでしょう・・・

(2013.05.08)

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