日本って国は・・・?

 国民の憲法ってやつを眺めて、日本って国は、専制君主国家になった方が良いのでは?なんって思ってしまいました。暴君は望みませんが温和な専制君主の下の方がきれいに治まるのでは・・・王権神授説をとり、伝統的な支配秩序を基本に、封建的な国家・・・なまじ、民主主義の皮をかぶせると、君主の名を借りて、ヒトラーのような者が現れる憲法を生み出そうとするのですから。

 伝統的な支配・・・大御心による支配というのは、ある意味・・・公序良俗に基づいた支配ですから。それに比べると、政治屋が緊急勅令を出す事ができるような憲法では・・・私的に権力を行使する者にとっての自由が行使できます。

 まあ、天皇って神ですから・・・だから、選挙権はない、神は選ぶのでなく意思を示すものだからです。従って・・・大御心=公序良俗の象徴でもある・・・ここまで高めれば、天皇の政府は、公序良俗に反する行いはできなくなるのでは・・・天皇の地位ってそういったものと考えればよいのではないかと思われます。「国民の憲法」の条文を見ると、天皇の利用の仕方が書かれているように見えるわけなんです。

 天皇が長く日本国の象徴であり続けられていたのは、ある意味、天皇=日本の良心であるとも考えられていたからだろうと思います。

 「国民の憲法」の前文の中で、私が最も嫌うものは・・・日本国民は建国以来、天皇を国民統合のよりどころとし、専断を排して衆議を重んじ、尊厳ある近代国家を形成した。山紫水明の美しい国土と自然に恵まれ、海洋国家として独自の日本文明を築いた。
よもの海をはらからと願い、和をもって貴しとする精神と、国難に赴く雄々しさをはぐくんできた。・・・読んでむちゃくちゃ腹が立ってきました・・・

 昭和天皇が、「よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ」を何のために使ったのか?これって、大御心でしょう・・・しかし、それにも関らず、開戦・・・敗戦・・・日本国民は、かつて天皇の大御心である「よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ」に反して開戦を決し・・・国難に赴かせた・・・天皇は専断を排して衆議を重んじ、大御心は戦争を良しとはしなかったが、明治天皇の御製で示すのみとした。これって・・・神が意思を示されたことを意味するのでは?

 「国民の憲法」この試案は・・・かつて、ヒトラーを生み出した装置が仕込まれていますから・・・そのような憲法は私には許せません。神の支配というのは、公序良俗による支配ですから・・・天皇が神であるなら、それで良い、しかし・・・神の名で暴政をふるうような憲法は許せないというだけです。

 大御心に反して、戦争を行った、結果は・・・朕深ク 世界ノ大勢ト 帝國ノ現状トニ鑑ミ 非常ノ措置ヲ以テ 時局ヲ収拾セムト欲シ 茲ニ 忠良ナル爾臣民ニ告ク 朕ハ 帝國政府ヲシテ 米英支蘇 四國ニ對シ 其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨 通告セシメタリ・・・と世界情勢と我が国現状を御覧になって・・・形式的に神の座を退いて、人間として、日本の統合の象徴に成って、しりぬぐいをすることになったわけです。

 天皇を神の座から退かせたのは何?大御心に反して戦争を望んだ愚民なのでは?八紘一宇の精神もそうですね。世界を一つ屋根の下と思う心があったら・・・その屋根の下で争いを好むはずがあるのか?しかし、天皇を神と信じない輩が、天皇の屋根の下で、下らぬ争いごとを起こしたのでは?

 どうやら愚民は、八紘一宇と称しても、自分の八紘一宇にしたいようなのです。だから、愚民なのかな?・・・自分勝手な屋根を作って・・・「謹んで惟るに我が神洲たる所以は万世一系たる天皇陛下御統帥の下に挙国一体生成化育を遂げ遂に八紘一宇を完うするの国体に存す。」とか言うわけです。

 ここでも、天皇は・・・近衛を率いて討伐の意思を示したりします・・・しかし、時が流れると・・・「皇国ノ国是ハ八紘ヲ一宇トスル肇国ノ大精神ニ基キ世界平和ノ確立ヲ招来スルコトヲ以テ根本トシ先ツ皇国ヲ核心トシ日満支ノ強固ナル結合ヲ根幹トスル大東亜ノ新秩序ヲ建設スルニ在リ」・・・大御心は平和を根本とするのに・・・戦争へ向けての秩序づくりに邁進しちゃいます・・・所詮愚民が・・・大御心の下で=公序良俗に従っていれば、人々は平等で自由である。しかし、愚民は自由や平等の意味が分かっていないから、そんなものは考えもしない・・・

 日本に必要な憲法は、細かな規定は必要ないのでは?

 日本は立憲君主国であり、日本国民の権利は、神である天皇の下で大御心によって授けられた平等であるものとする。大御心に反しない限り最大限に保障される。法律で定められた方法によって内閣総理大臣は、大御心を安らかに、かつ、より尊敬されるものとなるように最大限の努力をしなければならない。法律・条約・政府の役職などは天皇によって認証されることで効果を発する。天皇には拒否権があり、それは絶対である。

 案外、こんなもので良いのでは?天皇=神 に恥をかかせない国家・・・公序良俗や良心に恥じない国家を模索し続ければ、それだけで素晴らしい国になるのでは?第二次世界大戦の結果を考えると・・・ああ、だから・・・自虐史観へと走るのか・・・天皇に恥をかかせた記録は許せない、そんなことを書くやつは自虐だと・・・それでもなお・・・よもの海・・・を使うのか、どこまで天皇を利用すれば気がすむのだ!なんてね。

 まあ、神慮を人がはかることはできませんが・・・残念ながら・・・いつまでたっても、自分に都合のよいものしか作ることができないのか?崇高な精神はないのか?・・・まあ、仕方ないのかもしれません。神ではない人間には。

(2013.05.06)

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