介護ロボットが実用化するのはいつ?

ニュースを眺めていると、ちょっと興味深いロボットが開発されているのが目に付きました。なんと、ベットから人を抱え上げ車椅子にスムーズに移すことができると・・・

世界初!人間を抱き上げるロボット「RIBA(リーバ)」 - YouTube 近頃は、こうやって動画配信されていますから、全容がすぐにわかって非常にわかりやすいのですが・・・

こりゃ、すごい技術だな!って思うわけです。この技術がどのような方向に向かうかが気になります。現状では、基本的に車椅子への移動を考えているようですが・・・これだけではちょっと物足りないな・・・なんって思えるんです。

音声認識、パワーアシスト機能などもすでに備わっています。このロボット自体が車椅子並みの機動力を持っていると良いなと思うわけです。つまり、腕を2本でなく3本ぐらいつけて、抱え上げて、座らせてそのまま自走・・・風呂に入れたり、トイレへ運んだり、食事などもサポートしてくれると面白いと思うのです。形態によっては、歩行補助などもできるでしょう。

まあ、現状では人間が介護する様子を模倣しているわけですから、開発としては2本の腕でも良いと思うのですが、人間は、両手で支え、場合によってはひざの上に腰掛けさせてとか、両手以外にさまざまなものを活用して、被介護者を移動させると思うのです。

まあ、基本はベッドからいかに動かすか?この部分で、たいていの場合、介護者の腰への負担が大きくなって、老老介護の場合に、介護している人間もまた腰を悪くして・・・さらに、介護者を必要とすることになるわけですから。

さて、私だったらどんな機能が欲しいかな?一人暮らし、ベットから起き上がるのが困難で、歩行はつかまり歩きが限界、トイレや、風呂には自分の力でできれば入りたい・・・部屋の中に手すりとか無粋なものはあまりつけたくない・・・外にも出たい・・・散歩も良いでしょうが、自力では困難、外出は電動車いすぐらいの機動力があればよいでしょう・・・手が非力であっても反応速度が十分であれば、時速30kmぐらいで移動したい気もしますし・・・50cc程度のスクーターを乗り回せると良いでしょうが・・・

現状の研究課題からすると、私の欲しいと思うものは、かなり先にならないと実用化できないのかな?なんって思えたりもしますが・・・それでも、動画の動きからすると、小型アクチュエータによる大出力生成などには成功しているし、立ち上がり、歩行の補助(対象:要介護度2)のためのセンサーレス・インピーダンス制御なども、実用域に達しつつあるようです。何しろ、人間を抱え上げられるのですから・・・アクチュエータブロックは、ほぼ完成の域にあるのなら、目的のために最適化しちゃえばかなりのことができるような気がします。

腕2本の発想から何かひとひねり、たとえば、車椅子に座っている人が、ベットの上に寝ている人を抱え上げ、ひざの上に乗せて移動するとか・・・どうかな?イメージとしてはOKでしょう。歩行器に化けさせるには・・・ひざの上に座っている人を立ち上がらせなければなりません。そのためには・・・本当の人間だと、重心移動の関係で不可能でしょうが・・・イメージとしては、ひざに乗せている人が、足を開いて、ひざの上の人を腕で支えて腰を浮かせて、そのまま、胴が伸びて垂直に引き上げて立たせると共に車椅子の腰掛の部分がなくなればよいでしょう。そうすれば、立ち上がることが可能になると思うのですが・・・

こういった動きで考えると、現実に介護する姿が明確になるような気がします。強力な背筋を持ち、腕の長さが可変になれば・・・まあ、人間ではありえませんが・・・そういえば、近頃何かで、腕や足が伸びる人間が主人公のアニメを見たような?古くは怪物君なんってのがありましたが・・・後ろから、抱えて前から手を引く?変な表現ですが、そういったことが可能になりそうです。

ああ、ずっと昔、今から35年も前だったかな・・・手の動き調べて、簡単にロボットの手を作れないか?なんってやったことがあります。人間の手って、全体としてはすごく器用な動きをしますが、意外と不器用なんです。たとえば、1本の指だけで、その動きを考えると・・・1つ1つの関節を独立させて動かすことが困難なんです。事実上3つの関節が、なんとなくきれいに曲がるだけに近いんです。ただ、なんとなく全体として丸くなるように指が曲がるという感じなんです。ですから、基本形としては指を伸ばした状態をばねでこしらえておいて、1本のワイヤーで指先の金属棒を引っ張って関節が、かっこよく3つの関節が曲がってくれるように調整してやると、あとは、掴む物にあわせて、そこそこ良い感じにものがつかめるという感じです。あとは指の元の部分で、指を開いたり閉じたりするのが一度にほぼ均等に開けるようにしておけば、それほど困らないようです。

もちろん、現実にキーボードをたたくときは、指の広がりは微妙に調整されていなければなりませんが、指を2本使っただけでも、それなりにキーボードを叩けますからね。その場合には、ひじの関節の動きが重要になるのでしょうが・・・

統合的に指と腕を動かすことが重要なんですがね。そう、私なんかがキーボードを叩くときに何をしているのか?結局のところ、無意識に、ホームポジションと自分のからだの相対的な位置関係を定めて・・・場合によっては、キーボードや椅子の位置を変化させて、都合のよい相対的な位置関係をこしらえるか、場合によっては、誰かに教えるために、通常とはちがった相対的な位置関係を把握して、両腕で、指の位置の最適な相対位置関係に置いているということなんでしょう。

まあ、どんな動きをさせればよいか?人間は、自分の動きを基準にして、それを模倣させようとしますが・・・今ある技術でどのようにすれば、同じ結果が得られるのか?それも面白い気がします。まあ、技術で何かを実現するのが、工学の役割で、今回の抱え上げるという動作、しかも柔らかな動きで、力強く、安定して動作するという、基礎研究とはちょっとちがいますけどね。

しかし、私も、毎年歳を取っていきます。ある日、歳を取ることを止めてしまうのでしょうが、そのときまで、自分の欲望のままに動きたいのでね。いずれは、からだが動かなくなっていきます。まあ、すでに衰えつつあるのですが・・・それをサポートしてくれる、ロボットの開発が1日も早く完成してくれると良いと思います。

ああ、SF映画に出てくるような、自分の力や大きさを拡大して自由に動けるロボット欲しいです。絶対、庭でユンボで砂遊びをするより面白そうですからね。

独立行政法人理化学研究所 理研-東海ゴム 人間共存ロボット連携センター

この研究はすばらしい!時々、進捗状況をチェックしましょう。私もそのうち、ロボジーか映画『ロボジー』公式サイト歳はとりたくないね。
(2012.04.20)

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