新しいことにはまると・・・

なんだか、色々なことをしていて忙しいものです。このところ、高校入試の模試なんかの仕事が入って、久しぶりに中学での履修範囲を検討しましたが・・・指導要領の大改訂というか旧に戻したのか?とにかく、範囲は広汎になりニュートンが幅を利かせSI単位系に統一の一途ということがわかりました。受験の最終目標?の大学入試問題も理科4分野の標準となる、センター試験の過去問なども買いこんで、大急ぎで目を通しましたが・・・大改定でも、我が教えを受けた頃に比べて、範囲が狭いような?気のせいかな?なんってね。

例によって、原稿に追われつつ、海岸で遊んでいますが・・・海岸の仲間のところで災害復旧の手伝いをしてきました。今回は瓦職人の真似事です。

瓦屋根についての知識は、作業者全員が初体験ということもあって・・・やや、自信無げに始まりました。私などは、ネットと瓦屋根標準設計、施工 ガイドラインってお上が示した施工ガイドラインの本を眺めて、おおよその作業の知識を仕入れた上で屋根に上がって、ブルーシートでおおわれた瓦の施工を見て・・・ありゃ?なんだこれ?「棟については一枚ごとに、銅線、鉄線、くぎ等で下地に緊結し、またはこれと同等以上の効果を有する方法で、はがれ落ちないように葺く」なんってものはないのか?と理解したわけです。

棟の瓦って、標準工法では「山形金物芯材受けを棟木又は下地の棟部に所定の間隔で固定する。山形金物のその受け金物に棟補強用芯材を取り付け葺土を使用して、のし瓦を積み上げながら、のし瓦の左右を緊結用線で緊結し所定の棟高とする、冠瓦は、最上段の、のし瓦の上に冠瓦幅の6割程度葺き土を置き冠瓦を伏せ、パッキン付き ステンレスねじで留める」とされていますが、のし瓦の一番下の段は銅線で緊結され、その銅線が、冠瓦を固定する形になっていましたが、初段ののし瓦の上2段はのし瓦が緊結されておらず、そのため、地震の振動で、抜け落ち落下したということのようです。

ああ、棟瓦の落下って、手抜きの必然だったのか?なんってね。しかし、冠瓦が落ちなかったことから、あの細い銅線でも瓦の落下は基本的に防げるということか・・・すると、落ちているところは、どこものし瓦は結合されていなかった・・・作業自体は大した手間ではなかったが・・・こういった小さなことで、日本古来?の瓦屋根の信用が低下していくのかな?なんってね。コロニアルなどのネジや釘を利用した工法だとまず、被害はないのに・・・立派な棟瓦といっても、ブルーシートにおおわれた屋根ではね。

というわけで、瓦屋根の理解は大きく進み、そして施工実技も終了して、ある程度の自信もつきましたが・・・果たして、今回得た技能はどこで再び発揮することがあるのか?

さて、このところ食器に凝っていて・・・今度はディナー用のナイフ・フォーク・スプーンのセット、ちょっと気になるのが、6本のフルセットではなく、1本ずつなんです。箱入り・・・こういったものって何のためにあるの?会食用ではなく個人用?

何かの映画で・・・大佐殿、誕生日ですから特別料理を用意しました・・・そう言って、これと同じようなセットを箱から出して供したような?それも、追々チェックすることにして・・・

ドイツのWMFの昔の製品なんですが、ナイフの刃にはなぜかツヴィリングが・・・これって、ヘンケルスの製品?刃に触れた瞬間、この刃物違うぞ・・・と感じさせる鋭さ・・・鋼の質が良いのであります。しかしなんで?WMFの製品のような顔をしていますが・・・?スプーンにはドイツ皇帝特許の番号が・・・ナイフのスターマークは・・・まさか特注品?マークからすると1890年代から1900年代初頭のもののようです。

すると、ドイツ皇帝およびプロイセン王の皇帝ウィルヘルム2世の時代かい?海相はティルピッツ、即位すると宰相ビスマルクを首にした皇帝・・・きらびやかなドイツ帝国時代のものか・・・とね。

この食器は良い!ナイフを試すには・・・分厚いステーキ肉とか、手のかかったスープでスプーンを試すとか・・・何か立派な食事を作らねば・・・

ちょっと、このナイフを持って、刃に触れた瞬間、この材質が只者でないと感じたのは何だったのか?気になります。この刃の厚みと、その靭性かな?妙なものです。確かに、刃物鋼の扱いには慣れています。ナイフだって鍛造したりしますから・・・そんなわけで・・・

また、泥沼かな・・・調べ物に・・・何しろWFM製のものに、なぜZwillingの刃がついているのやら?しかも、きちんと並んで・・・コラボ商品なんでしょうが、確かに餅は餅屋というように・・・高品質な製品というのは一社だけでは作りきれないと思うのですが、こういった組み合わせは気になるというわけです。

Zwillingの刻印の形から1900年から1968年にかけての製品であることがわかります。右のやつが、ヘンケルスのサイトから拾ってきたものです。

すると、このセットの制作年代は1900年から第一次大戦の頃までとなるわけです。さて、もうひとつ気になるのは、このデザインのセットって、実は見たことがあるんです。記憶が定かでないのですが・・・日本製だったような?

まあ、日本って国はこの手の製品を山ほど輸出していますから、ライセンスで製造されたものかも知れませんが・・・とにかくこのデザインのものを見たことがあるような?

というわけで、色々と調べるというわけです。そして、困ったことが起こるんです・・・凝り性なんで・・・欲しくなるんですね。様々なものが・・・欲望の連鎖・・・しかも、アンティークショップのサイトを眺めるんですから良くないですね。そして、食器類も新しく少しずつ揃え始めましたが・・・フランス製の、シェリーグラスを1個200円で2つ買うと、酒屋でシェリー酒を買うことになるし・・・シェリーを飲めば、今度はマデイラ酒が飲みたくなるし・・・ポルトもよいかな?とか始まるんです。マデイラはよいかも?何しろアル添ワインですから、ちょっと飲めばよいし、ボトルを1本開ける必要もないし、ちびちびできますからね。

マデイラ酒は、航海用にも使われていましたっけ・・・そうなると、ラム酒なんかも飲みたくなるし・・・酒の方は、この間あたりから、アブサンを飲んでるしなぁ〜アブサンを飲むには、アブサン用のスプーンをグラスの上に渡し、その上に角砂糖を置いて、アブサンを注ぎ、角砂糖に点火、しかる後に水をかけて消火して、ついでに割るというやつですが・・・このスプーンとか・・・そういった連鎖の中での食器の探求に近いのかな?

ああ、ポルト・・・ポートワインもよいなぁ〜あれだと、今度は葉巻でも吸いたくなるし・・・シェリー酒を食前酒に、ポルトを食後酒、そして葉巻をくゆらせ・・・しかる後に、コーヒーかな・・・こりゃ、キッチンを大改装しないといけないかも?

改装計画は・・・進むかな?

まずは、基本となる食器や食材などのスペースを考え・・・大型の冷凍庫を・・・業務用のバーナーを設置して・・・製氷機も欲しいし・・・なんって本気になりそうなのでやめておきましょう。しかし、業務用の機器を使うと仕事が速いから・・・なんってね。

とにかく、現状に満足せず!というのが良いのでしょう。

ふむ、MFWのマーク・・・水鳥か何かかと思ったら、あれってダチョウマークなのか・・・ちょっとカメラを引っ張り出さないと・・・ああ、色々と調べると、あのセットは将校などをターゲットにした商品のような気がします。ドイツ銀器の純度記号は・・・オーストリアのやつに準拠かな?ロットシステムというやつがあって、たぶんこいつなんでしょう・・・そして、私が買い込んだセットの中のナイフの柄には15の番号が刻まれています。よって、どうやら937.5/1000というスターリングシルバーをしのぐ銀の含有量ということになるようです。このシステムでの表記は1810年から1920年までの間で、それ以降は830とか千分率での表記へとかわります。   

しかしWMFって会社は銀メッキで大きく伸びた会社のような?それが帝国特許番号として現れているということのようです。ナイフは銀の柄に、ヘンケルスのZwillingの良質な刃物がついているということのようです。これは非常に良い品だとなります。そして、フォークとスプーンは?

スプーンの刻印は、ガイスリンゲンとDRPつまりDeutsches Reichspatentです。WMFのマークはありません。

フォークの刻印はダチョウウのマークとWFMとあります。

ちょっと不思議なのは、どれも刻印が微妙に違うんですね。この理由がわからない・・・しかし、間違いなくセットなんです。専用の箱がちゃんとついていましたから・・・そしてデザインも統一されたものなのでね。

しかし、このデザインのカトラリーはどこかで見たような気がするんです。ドイツのこの手の製品の情報がネットの上に少なくて・・・まあ、伝統的なデザインですから・・・そう、色々探すとMappin & WebbとかPinder Brothersなどがこの手の意匠のものを作っています。まあ、伝統的なデザインですから、しかし、類似の意匠ですね。ピンダー&ブロス、この会社のカトラリーって業務用で結構、出回っているような・・・その関係かな?私にとっては、この会社は食器より、ピューター製のフラスコ、ウイスキーとか持って歩くための薄い容器の印象が強いですね。幸い、フラスコは持っているんで、新たに購入する気力はあまりないのでOKですね。容器は中身が問題です。

イギリス銀器に関しては、日本のサイトにもかなりの情報がありますが、ドイツ銀器に関しては、かなり少ないようです。

ああ、なぜか、妙なものに熱中しているような?所詮食器なのに?現代的なやつって、きわめて機能的で、飾り気が少ない中に美を追求したものが多くなっています。すっきりさっぱり・・・ごてごてしたものはあまり好まれない・・・そんな気がします。しかし、ごてごてと装飾が施されたものもおもしろいなぁ〜なんって思うようになって来ました。

そう、強烈な個性を持ったもの・・・アンティークって、その時代の個性を感じ取るものなのかもしれません。そして、個性的なものだけが時代を超えて存在し続けられるということかも?さて、アンティークのコーナーでも設けるかな?こんなことをはじめると無間の苦しみが・・・絶え間なく阿鼻叫喚の苦痛が・・・物欲におぼれないようにしないと・・・ネットの世界は眺めるだけにするに限りますがね。さもないと、絶えず、オークションの出品物に気をとられ、競にはまり・・・無間に落ちる・・・夢があってよいのでしょうが・・・
(2011.10.22)

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