プロパガンダとかは?

ちょっと気になるキーワード・・・それは有識者というやつなんです。辞書的には「学問があり、見識が高い人。」という感じですか。しかし、ちょっと違うような気がします。ただ、何かの事情に通じているだけでは物足りないなぁ・・・と思うわけです。

何らかの判断までも含むのでしょうから、ある要求に対して提言をまとめられる人ですかね?それとも、哲人王系のものかな・・・哲学的な英知を持った専門家か?

感情的に専門知識を振り回す人間ではないということは確かだと思うのですが・・・そう、有識者が求められるときは、感情的なものを超えて、何らかの合意が必要になるときではないかと思うわけなんです。

しかし・・・現実には感情的な判断に基づく提言が横行しています。まあ、理想主義的に考えれば・・・原発も要らない、最低限の生活で満足できるのか?感情論を振りかざし、それを基本に論理構成する人って・・・多くの場合、人間が生物であることを忘れて論を進めてくれちゃうことが多いと思われるわけです。

私は、基本的に豊かに暮らしたいと思っています。豊かな暮らしとは・・・自由になるエネルギーが大きな暮らしといえるかな?まあ、豊かなエネルギーを入手し、そのエネルギーを利用するための装置がないといけませんね。そのためには、お金とかお金を生み出す価値あるものが前提になり、その価値を利用するための制限が少ないことが望まれます。

豊かなエネルギーのある生活・・・たとえば、原始的な食というものでも、エネルギーの大量使用は豊かな生活を意味します。そこらの枯れ草を集めて炊爨も良いですが、それより、安定したガスや電気、水道の供給があって、高カロリーのバーナーを駆使し、調理も電動の調理器が完備し、大量の食品をストックできる冷蔵庫や冷凍庫となれば、それなりの電力などのエネルギー資源を使わなければなりません。小さな料理屋の厨房のエネルギーをすべて太陽光発電でまかなうとすると・・・まあ、結構な大きさの太陽光パネルが必要です。

まあ、そこまで要求はしないにしても、冷蔵庫に電子レンジ、電磁調理器、フライヤーに、アイスクラッシャー・・・と利便性の高い機材を動かすと、豊かな生活になっていくといえるのです。有用な機械というのは人間のマンパワーを肩代わりしてくれるというものですね。

私の海岸の小屋は、エネルギー資源としては300Wh程度の小型の太陽電池パネルと2kWのガソリンエンジン発電機です。基本的には太陽光発電ですべての電力をまかなっているわけで、そこで利用する電気は・・・照明用・音楽を流す、コンピュータを動かす・・・そんなものです。冷蔵庫なんか論外、そりゃ冷蔵庫もありますが、ガス冷蔵庫でカセットコンロのボンベで稼動させることができますが・・・これまたエネルギー消費という奴が存在するというわけです。

冷蔵庫がない代わりに、コンビにまで出かけるというマンパワーで代替することになるわけです。歩くのが嫌であれば、車を動かしガソリンエンジンに代替させることになるわけです。

政治家というのは、その感情による判断を超えて、理性に訴えかけ、感情を揺り動かし、感情的に予定された理性的行動へと移させる手腕を持つものだと思うのですが・・・現在は、市民派ってのが流行りですが・・・これって、基本的には煽動政治家の手法が中心・・・理性的ではなく、感情的に迎合しやすいものを煽り立てる・・・たとえば、原子力発電、依存度が4割を超えるものを停止させていくのは感情を煽れば簡単・・・こいつは私にだってできます。危険な原発を野放しにして良いのか!放射能汚染は深刻で、終息の見込みがない、チェルノブイリを見よ!スリーマイル島を見よ!未だに危険な状態がそこには存在する。狭い日本には、原子力発電を安全に行える場所は存在しない!我々の犠牲の下に大企業は安価な電力を用いて金儲けをしている!企業が節電すればそれで我々の生活は守られる!大きな工場には、自家発電設備もあって、その合計出力は電気会社に匹敵するだけの電力を供給することができる!電力網の開放を行えば、そういった電力も利用できるから、原子力は不要だ!とわかったような口を利けばよいのでしょうからね。

さて、この手のことはやろうと思えば簡単ですが・・・近頃はどうだか?何しろ、原発に4割ぐらい電力を依存している状態が続いています。何か具体的な代替エネルギーがあればよいのですが、ちょっとなさそうな気がするのですが・・・

原発は危険な代物である。確かに危険です。人間が直接手に触れて何とかできるものではないものを封じ込めていますから。しかし、尊い犠牲の上に、様々な安全策が取られ、かなり安全に扱えるようになってきました。今回もまた、想定を超えた事象が起こり、危機を生み出しました。

これに対して、どういった選択肢があるのか?危険だからやめる。危険を超えて飼いならす。単純に2つの選択肢があるわけです。現首相は「首相は「計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現する」と述べ、最終的には原発のない社会を目指す考えを示した。」のだそうです。

私は負けるのは嫌いです。負けたくない・・・危険を超えて・・・こちらが好きです。たとえば・・・自動車・・・自動車は様々な安全のための配慮を行っても、事故は起こる。事故が起こるようでは安全ではない。したがって自動車を全廃する!世の中に数台の車しかなく、車に依存した社会が存在しなければ全廃は可能なんですが、今の世の中で自動車を全廃する案を出すことは可能か?

日本の沿岸部は津波の被害の常襲地区である。したがって危険な海岸には人は立ち入らないようにする。過去に津波被害のあった地域の居住者は退去標高50m以下の地域の居住は禁止・・・

事故を踏まえて原子力政策の見直しを提起するのは、この時代の首相としての責務だと語る人間に、この2つのことも提言してもらうと面白い気がします。

そして、当面の電力需給対策については、「国民生活や産業に必要な電力供給は政府の責務だ。国民、企業の理解と協力があれば夏のピーク時の節電や自家発電などで十分対応できる」と強調。「十分にこの夏、冬の電力供給は可能だ」との見通しを示した。のだそうですが・・・

節電しなくて済むのが当たり前で、企業の自家発電装置は節電の要求に沿って作られたもので昼間のピーク時の供給力を補うための設備であって・・・過去の要求に対して行われたもの・・・現在はそれを上回る要求が突きつけられています。多くの企業の自家発電装置の運用は、ある工場の実例からすると朝の8時から夕方5時あたりまでの稼動・・・今回の節電要求により。24時間の稼動・・・東京電力が必要とする昼間電力需要にはそれほど多くは応えられない・・・

したがって、東京電力は夜間の余剰電力を効率の悪い揚水発電へとまわすことで予備電力を確保する形を取っているのでしょう。

さて・・・電力供給は政府の責務だ。国民、企業の理解と協力があれば夏のピーク時の節電や自家発電などで十分対応できる・・・これって、なかなか立派な話のように見えますが、ちょっとおかしいなぁ〜「電力供給は政府の責務である」と論じていますが、具体的にそれを実現するには、「国民、企業の理解と協力があれば夏のピーク時の節電や自家発電などで十分対応できる」・・・国民に電気を使うなと訴え、企業は自家発電で電力を供出せよ!と述べているようにしか見えないのですが・・・

これって、欲しがりません勝つまでは!町の鉄山を掘れ!増産のためのプロパガンダと変わらないのでは?

爆撃機一台をつるには約二百トンの石炭がいる
輸送船一隻をつくるには約三万トンの石炭がいる
炭鉱では採炭に死にものぐるひだが
戦力をぐんとたかめるにはまだまだ石炭が足りない
それじや、その石炭は全国民で掘ろう
さて、その秘法は―
各家庭で毎日三十ワットの電灯を一時間づつ節的すれば全国で月に約二万トン
各家庭で毎月二立方米のガスを節約すれば東京だけで月に約一万トン
各家庭で毎月新聞紙四日分に相当する紙を節約すれば全国で月に約一万トン
各家庭で年に反物一反に相当する衣料を節約すれば全国で月に約一万トン
の石炭を掘っていることになるのだ

なかなか、ご立派な政府の下に我々は生活しているのであります。

何かを作るのにこれだけ石炭がいる!なんってやってたわけですからね。それが今では、何かをするのにこれだけ電力が要る!節約せよ!詳しくはこちら「写真週報 第306号 ( 昭和19年(1944年)1月19日 )

結局のところ、具体的な方策は持たず、国民の工夫と犠牲の下に政府は成り立っているということのようです。

電力を軍需に廻せ!なんってスローガンもありますね。今の家屋は冷房であるとか換気は動力に頼っていますから・・・どうなるやら?

昔みたいに井戸があればよいかも?井戸水を打ち水に使えばかなり低い温度が得られますから・・・

政府のやることは今も昔もあまり変わらないのか・・・こういった写真週報などを政府が発行している理由は・・・もちろんメディアを持って、世論を作り出すことにあるわけです。今では、政府系のメディアの力が小さくなっていますから。一般の新聞・ラジオ・テレビなどなど・・・様々なものが入り乱れて報道を行っています。

困ったことに・・・メディアが世論を醸出していることを、近頃政府は忘れているのでは?「菅直人首相の13日の記者会見で、東日本大震災以降「ぶら下がりインタビュー」を拒否し、会見のタイミングも一方的に設定する首相に対し、記者側から「首相の都合のいいときだけ記者会見するという状況の改善をお願いしたい」との要望が出た。」メディアは政府に不満を持ち始めている・・・

さてさて、どんな方策で、電力不足が回避できるのか?政府のお手並みのほどは?まあ、あまり期待できませんね・・・復興よりエネルギー関連で騒いでいますから。電力がないと復興どころか、日本は稼げなくなってしまいます。残念ながら、経済戦争に電力不足で負けつつあるわけですから・・・電力はやはり、産業界へ優先しないと・・・稼動させられる原子炉を早く動かしたほうが良いのでは?再生可能なエネルギーでまかなえるのならそれに越したことはありませんが・・・こいつは未だに画餅ですから・・・さあ?どうなるニッポン?
(2011.07.14)

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