現在をうろうろ(868)
日本貧窮者経済新聞
 防衛大学校での訓示の中に何がある・・・?(3)

 さて、続きです・・・なんだかおかしな文章が現れてきます・・・話のすり替えに見えるのですが・・・このすり替えの手口は・・・あるマルチ商法のビデオで見て覚えましたっけ・・・このすり替えってのは難しいですね。日本語ってのが主語を省略して、特定の語群がその代わりをして、主語不明なまま続いたりしますから・・・解析困難・・・あれ?話が違うぞ・・・となんとなく気付くけど、なんとなく凄いと勝手に解釈してしまう・・・不思議な言語・・・

 南太平洋に浮かぶパラオ・ペリリュー島。この美しい島は、70年前の大戦において、1万人を超える犠牲者が出る、激しい戦闘が行われた場所であります。
 守備隊長に任ぜられた中川州男中将は、本格的な戦闘が始まる前に、1000人に及ぶ島民を撤退させ、その命を守りました。いよいよ戦況が悪化すると、部下たちは、出撃を強く願いました。しかし、中川中将は、その部下たちに対して、このように語って、生きて、持久戦を続けるよう、厳命したそうであります。
 「最後の最後まで務めを果たさなければならない。」
 諸君の務めとは、何か。
 それは、二度と戦争の惨禍を繰り返さない。そのために、自衛隊の中核を担う幹部自衛官として、常日頃から、鍛錬を積み重ね、隙のない備えに万全を期すことであります。そして、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを、断固として守り抜くことであります。


 さて、まずペリリューの戦いで1万人を越える犠牲者が出たのは、政治が外交をしくじり戦争を始めた事にありますね。現役の陸軍大将を総理にして戦争を始める事になったからです。その結果、死んだ人たち・・・戦争は政治家にあるし、その政治家を選んだひとりひとりの責任でもありますが・・・外交の失敗から始まる事にしましょう。・・・あまり、無責任な事を言っていると、戦争になってしまう。そうならないために、よく話し合うための場としての国連があるわけですから・・・しかし・・・安保理の改革は、もはや議論に時間を割く時ではありません。具体的な、成果を生む時です。・・・とか早急な解決を望むようでは・・・もはや議論に時間を割く時ではありません。具体的な成果を生む時です。戦争だ!では困るわけです。

 外交の失敗によって軍が動くようになると司令官は何をしなければならないか?国を守るために、パラオのペリリュー島の守備隊に行かされると・・・座標・・・

  7°01'34.73" N 134°15'34.10" E このあたりですね。右が一般にパラオ島なんって言われるもので・・・大きな島がパラオ本島のバベルダオブ島で、その南には南洋庁が置かれたコロール島が橋でつながり・・・サンゴ礁の南の端にあるのがペリリュー島です。

 ペリリューで戦争準備が始まるのが国際連盟脱退後の昭和12年度第12戦隊兵要調査報告によれば、コロール島とペリリュー島の間は8トン程の連絡船が就航していたようです。どうも、ペリリュー島は調査の対象にはなっていないようです。

 さて、どうも戦争が始まり、戦局が悪くなるまで大した防衛計画は無かったような感じですね。そして、多分1937年に企画され1941年ごろから作業準備が始まって1944年に飛行場が急造されたようです。この島の港湾施設は現在も貧弱で・・・

 左の写真のように北部にある船着き場には小型船しかありませんね。

 とにかく・・・1944年4月第14師団がパラオやってきて、水戸歩兵第2連隊と高崎歩兵第15連隊の第3大隊がペリリュー島の守備の中心になります。この水戸歩兵第2連隊の連隊長が中川州男大佐です。連隊長ですからね・・・死んで二階級特進で中将です・・・この人は、配属将校になったりしていますから、陸軍の主流派の歩みをしていませんが、後に陸軍大学校へ・・・島民の避難をさせた・・・と言う事はジュネーブ諸条約に精通していた事になりますね。それとも、水・食料の供給力の問題かもしれませんが、現在の人口は1000名に満たないようですから、1万人規模の守備隊を置くとなると水が足りなくなるでしょうから。・・・いずれにせよ、実務に長けているわけですね。・・・誰かさんとは違うようですね。

 そして、歩兵4大隊と砲兵1大隊を指揮します・・・昭和19年9月12日ペリリュー、アンガウルに対する敵の上陸は必至とのパラオ集団長の判断により、両島守備隊に対して決死を以て来敵を撃滅するように訓示を受けます・・・死ななきゃいけないんですね。命令ですから。当時の人は自覚していますから任務は永劫演習と認識している・・・死への演習の果ての死による帰還・・・13日以降艦砲射撃が反復されて、ペリリュー島製南方距離13000mに輸送船50隻を近接させて、上陸用舟艇約300隻を発進15日0730に上陸を開始、守備隊は約60隻を沈め、戦車を伴って上陸した敵に逆襲し撃退、同日1420に再度上陸を敢行するも撃退、しかし、この間に別の隊が上陸に成功し撃退に務めるが橋頭保が確保されます。19日には島の中央飛行場は占領され、戦闘機が1機着陸します。

 どうやら、制空権は既にこの時点で完全に敵の手に渡っている・・・そして9月20日頃までに上陸した敵はおよそ1個師団以上に達し、戦車は150両以上を保有するに至ります。この時点で、右の写真の部分のほぼ全域が敵に掌握された事になります。ここまでの戦闘で、米軍の消耗は非常に激しかったようです。当然、日本側もどれだけの被害が出たのやら・・・

日本軍は、左の島の北部の地域に掘られた洞窟陣地に立て籠もっての防戦を続けます。日本側の武装は小銃5066挺、軽機関銃200挺、重機関銃58挺、迫撃砲200門、軽戦車16両程の装備のようです。対する米軍は・・・小銃・自動小銃41,346挺、機関銃1,434挺、拳銃3,399挺、火砲729門、戦車117両、バズーカ砲180基との事・・・さらに、兵站の問題がありますからね・・・問題は玉数ですね。そして、日本側はゲリラ戦を展開する事になります。

 また、この時点でフィリピン侵攻のための中継基地としてモロタイ島の攻略が終わっています。ペリリュー島と同日9月15日に上陸作戦が敢行され、設営が開始されます。9月18日頃からの日本軍の反攻が行われますが10月4日には制圧・・・この時点で、設営隊により新規に1500m滑走路が大型爆撃機の作戦可能状態に整備が完了・・・

 つまり、ペリリュー島攻略は9月23日に第1海兵連隊が消耗により後退した時点で、既に戦略の上での重要性が低下・事実上消滅したと見る方が良さそうですね。9月20日までの被害推定ができるじゃん・・・米軍の被害は第1海兵連隊17,490名で戦死 1,251、負傷 5,274で引き上げています。第81歩兵師団10,994名は戦死 542、負傷 2,734・・・合計戦死 1,794、負傷 8,010・・・戦死者の割合を計算すると、第1海兵連隊で7%の死者が出ているから、第81歩兵師団でも・・・あれ?786名の死者になる・・・という事は、第1海兵師団の消耗率が高すぎる・・・凄い激戦を戦った事になりますね。

 そうなると、第81歩兵師団の戦死傷者の殆どは9月20日までの戦いで生じた事になりますね。・・・すると、中川大佐の率いる部隊の主力は飛行場の西側に主力を置いていた。そして、手薄だった北西海岸に第81歩兵師団が上陸・・・山岳地帯の東側と島の東の沼沢地に押されて・・・9月20日以降掃討作戦に移行・・・日本軍は拠点を移すわけですから、兵力・火器は底をついていて、個人が携帯するだけになっていた・・・この時点で指揮の連鎖は切れているけど・・・生きて、持久戦を続けるよう、厳命・・・永続命令で降伏できない・・・

 制圧を急ぐ必要が無くなった・・・結果として11月24日に兵力・弾薬が切れて玉砕・・・と見た方が良さそうです。これが、抵抗が長期化した理由でしょう。

 一応は、戦闘の意味に関してチェックしてみるとこんな感じですね。わ!長くなった・・・マルチ商法の弁士に向いている話は次回だな・・・

2015.03.25

  

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