新「宇宙基本計画」って何だ？戦争準備か・・・？(57)

現在をうろうろ（755）

　新「宇宙基本計画」って何だ？戦争準備か・・・？(57)

　前回の続きです・・・

　特に、宇宙の安全保障利用においては、宇宙の利用は目的ではなく、手段の一つである。目標達成に向かって宇宙を含むあらゆる手段を総動員することが肝要である。宇宙開発利用は、他の手段に比べて多額の投資、長い期間と高い技術を必要とすることが多いため、宇宙に関する政府全体の知見を動員し、宇宙以外の手段の活用や、地上も含めたシステム全体の観点から検討し、我が国の宇宙システムと、航空機、無人航空機（UAV：Unmanned Aerial Vehicle）、地上システムとの連携や、民間事業者及び米国が有する宇宙システムとの補完性も考慮したうえで、効果的・効率的な推進を図る。

　なんだ？この作文・・・中身はあるのか？安全保障利用は手段の1つ？宇宙の安全保障？って宇宙を安全に利用する事？法制度の話？・・・宇宙を安全保障に利用する事に於いては・・・じゃないのかね？何か変な感じ・・・利用はと断っているのだから、利用は目的ではないわな・・・宇宙を安全保障の目的で利用する・・・安全保障目的＝戦争目的　で使う事と書いてあるのかね？しかし安全保障の目的を達成するという事は何？恒久的な安全保障の条約を作ることなのかね？恒久的な敵対関係をつくりだすための宇宙利用を行い、対決色を鮮明に打ち出して、強大な武力への国民のコンセンサスの醸成のために宇宙を利用するのかね？こりゃ、平和は遠のくねぇ・・・

　利用と目的・・・なんだか、この作文をした人は何か変な事を考えているのかね？目標達成の目標が見えてこない文章を何故書くかね？無意味なフレーズ・・・目標は何？

　現在日本の軍事衛星の数は4個、中国は40個あるから、日本も40個の軍事衛星を打ち上げ、44個の軍事衛星を運用する事で、中国を軍事衛星の数で圧倒しようと考えているのかね？これって、単純に軍拡競争ってやつですかね？しかし・・・何故かその先にお金の話になる・・・宇宙開発利用は、他の手段に比べて多額の投資、長い期間と高い技術を必要とすることが多い・・・宇宙開発は、現在、高い技術に対する基礎研究が中心になるので・・・その開発が直接の利益を産みにくいため、徒に投資する部分も多く、それが長期に渡っていて・・・

　目的は何？まさか・・・予算を獲得するとか、研究を継続するためにはという目的で・・・悪魔に魂を売りたいのか・・・分かったよ・・・宇宙を含むあらゆる手段を総動員することが肝要である・・・宇宙は投資の対象として優れているのだ！宇宙開発に投資しなさいというためには、安全保障に欠く事ができないと主張したいのですね・・・戦争は必ず起こります、掛け金の安い平和なうちに戦争保険に加入しておきましょう、事態は日々悪くなっています。今こそ保険を！・・・そんな感じですか？

　そして、宇宙利用は、航空機、無人航空機（UAV：Unmanned Aerial Vehicle）、地上システムとの連携　というより、補完するものとして重要であるとでも言いたいのかね？

　民間事業者及び米国が有する宇宙システムとの補完性も考慮したうえで、効果的・効率的な推進を図る・・・こんなこと誰ができる？とりあえずは、私が最良と思えるソリューションは前回に示しましたが・・・それが、上手くいくようなら苦労はしない。可能性としては、各省庁の癖のある使いにくい専門官の引き抜きかな・・・しかし、癖のある使いにくい専門官を引き立てて、仕事に駆り立てて、しかも・・・組織として動くように強制できる強力な指導的立場になれる人材がいるかどうかですね。

　まあ、各省庁の研究好きな専門官を衛星のデータ解析に集めて、データ加工を行い、そのデーター解析による付加価値性に於いて金儲けをすれば良いという事だと思いますが・・・そして、データ解析のノウハウを生かして、データ解析業を業として成り立たせるようにして、生データの切り売りを政府が、データ解析業者が生み出した付加価値性による儲けから、政府が宇宙開発を押し進める体制を作れば良いのではないかと・・・単に、軍事部門の内、戦術レベルの研究に関してはアウトソーシングしないという事では？戦略レベルに関しては基本的に公開・・・

　戦略レベル・・・例えば北朝鮮では首都平壌での飲料水確保のために150ｋｍに及ぶ大同江をバイパスする長大な運河が作られている。この運河の目的は大同江自体の本流が平壌へ流れていることから、単に平壌への給水を目的としたものとは考えにくい。農業用水としての利用は見られないことから、平壌の水道用であることは間違いないが、それであれば、平壌上流での大同江からの取水を行えば良いと考えられるが、取水堰と思われるものは大同江本流には水道用と思われるものは見られず、平壌近くで合流する支流での取水が見られる。

　この事からすると、大同江の本流の途中に水質を著しく悪化させる物があり、平壌上流での大同江本流の取水をこんななものとしている物があると思われる。

　可能性として考えられるのは、順川の化学コンビナートの可能性が高い。

　順川の化学コンビナート及び、順川火力発電所は順川で大同江に合流する水量の多い左の写真の支流沿いに作られている。興味深いのは、水量が十分であるにも関わらず、大同江本流から取水し、ポンプアップして順川火力発電所への給水のための水路が存在する。

　その上流にあるカーバイド工場や化学工場ではこの支流などでの取水が現在でも認められるため、汚染はこの順川火力の少し上流の地点と考えられる。

　ここには、右の写真のように複数の沈殿池が存在し、この沈殿池より下流に存在した順川火力発電所の取水所が廃棄され水路が作られた所から、この沈殿池が汚染源と推定される。

　この沈殿池は、かつての順川の主力化学工場のものであるが、この化学工場は解体されている。この工場の設立年代は、北朝鮮の核及びミサイル開発の時期に相当する。核関連の施設と考えると、ウラン濃縮系のものが考えられ、ロシアの技術導入からするとロシアでの類似のものとしては、クラスノカメンスクのウラン鉱山の加工施設が考えられる。

　ロシアのクラスノカメンスクのウラン鉱山に付属するウラン加工所では酸による抽出と石灰乳での中和沈殿が行われていたと思われ、左の写真のような3段の沈殿池の存在が確認できる。

　設備の類似性からすると、順川化学工場にはウラン精錬所がかつて存在し、それが大同江を汚染してきていると推測する事が、大同江バイパス運河の存在理由として適当であると考えられる。・・・と、妄想的なレポートをでっちあげましたが・・・なんとなく本当らしいでしょう。大同江の汚染が問題になって、沈殿池のちょっと上にある気合の入ったシックナーと持つ水処理施設があって・・・それが最後まで動いていた様なんでね・・・解体された化学工場は更地にされ徐々に新しい建物が立ち並びつつあります。

　順川の施設で気になるのは・・・右の施設です。こいつは多分古くからの順川の化学工場に付属する施設ですが、今なお解体されずに残っています。形状からすると、回転するブレードで撹拌して比重で何かを分離するための施設のような感じですが・・・

　気にしているのは・・・左の写真のように寧辺のウラン濃縮施設とされる所に類似の施設があるのでね・・・

　・・・と、楽しく妄想したわけです。

　つまり、衛星写真自体には何も意味が存在しない・・・その中に意味を見出す作業が重要なんだという事です。多分、内閣調査室の衛星画像を解析している部門には、こういったレポートの山が存在するはずなんです。片鱗すら窺う事はできませんがね。

　分析結果を公表しないと、私のような妄想家の楽しみにならないから、軍事衛星など無駄だ！何の役にも立たないじゃないか！・・・となるわけです。そして、この大同江バイパス水路の妄想的なストーリーなどは、確認するのもおもしろい・・・外交政策の中でとか・・・つまり、情報及び分析はそれ自体が広く配布されないと、その利用法が見出せないという事なんです。

　この例などは、北朝鮮のエネルギー政策・核政策・環境政策・・・様々な分野に波及するものですからね。何に利用するかは、それぞれの専門家の範疇ですから・・・

　ただね・・・先ほどのレポート風の奴は妄想の可能性が高いですね。長大な運河の存在などは現実のものですが、右の写真がこの運河の終点の湖に流れ込む部分です。上の水路がそれですね。

　そして、この人工湖の取水施設が見られます。この位置だと平壌への配水を目的としたものではなさそうです。大同江の河口付近の塩水が混ざるような場所への水道用ですかね？

　ただ、大同江の河口には河口堰があるので、これまた納得できないのですがね・・・こういった分析を公開すると・・・お前の国は精査されているんだ！勝手な事は出来ないぞという抑止力には繋がりますね。

　我が国の偵察衛星の画像が使えて、その画像の使用料が無料に近ければ・・・こういった妄想レポートの量産ができるのにな・・・民間の妄想的機関から停止されているこんな疑いがあるが、北朝鮮政府としての言い分は？とかね・・・政府がやると自作自演に見えますから・・・民間に遊ばせないといけない・・・こいつは、戦略としての情報開示・・・勝手な分析をどう使うかが戦術ですね。わ！凄く長くなった・・・妄想は面白い・・・

2015.02.02