現在をうろうろ(603) フルートいじりと、工業製品と・・・?(2) さて、フルートをいじり倒しているんですが・・・なかなか個性的と思えたフルート達が徐々に飼いならされて・・・同じような感じになってきました・・・個性的なフルート達に私が飼いならされたのが正しいのか?とにかく、フルートはある意味工業製品・・・多くのジグや加工機を使って作られますから・・・興味深いのは、古いムラマツのフルートですね。これは金属加工技術の興味を深めてくれます。 何しろ、巻管・・・板金をロールにかけて丸めてろう付けした物を使っています。近頃のフルートはシームレスパイプですね。この巻管は近頃では一部の高級を謳い文句とする物でしか目にしなくなりましたからね・・・シームレスパイプが量産と結び付けられて否定されるという感じですかね。 フルートの管も微妙に鳴きますから巻管とシームレスパイプの差があるかもしれませんが、詳細は不明ですね。ただこういった物の差は僅少であろうかと思われますね。しかし、1本1本板金を巻いて作るのですから・・・こいつは大変ですね。工芸的な要素の強い工業製品という感じです。一応、このフルートも一定の規格の下に作られているから・・・明らかに工業製品ですね。 さて、このフルートが作られたのはK.MURAMATSU 1952 と樽に刻印されているだけですから。1952年以降の製品であることは間違いないのですが、・・・Kが村松孝一のKであるなら、1960年に亡くなられていますから・・・ここで刻印が変わっているなら1952〜1960年の製品なのでしょう・・・なぜか、ネット上にはこの手の情報が無い・・・樽・バレルの刻印は制作年代を知る手掛かりなのだが・・・それに、この製品にはシリアルナンバーが無い・・・まあ、ビンテージとしては、私も思っていないですが、古い工業製品として興味深い・・・楽器は、最後の手工業製品ですかね?・・・と言ってるのは、実は近頃の中国製の楽器は明らかに近代の機械製造にかかる工業製品としての性格を持っていますから・・・この部分が、実は・・・前回の潜水艦につながっているんでね・・・ どうやら、この手のオールドムラマツは、コレクターズアイテムではない・・・だから、オークションで安く手に入るので有難い・・・まあ、洋銀ですからね・・・かなり、明るく明瞭な音・・・これもまた、私のお気に入りの1本・・・どれも、お気に入りなんでね。 なだらかな肩をしたトーンホール・・・近頃の引き上げタイプのものは素材が良いのかかなりかっちりとした形になっていますね。半田付けのタイプのものに形状は極めて近くなっている。プレス技術の進歩なのか?気になるところですね。そのうち半田付けではなくレーザーで溶接するようになるかもしれない部分ですね。既にそうかもしれないですがね・・・自動化はどんどん進む・・・ 引き上げタイプと半田付けタイプでは音の差の話になると半田が介在する事での音の違いなどが言われますが、果たしてどうなのやら? ふと、引き上げ部分を厚めにプレスして内側を切削加工して、半田付けしたものと同じ形状にしたら?とか余計なことを考えてしまいます。形状が違えば、音に違いが出るのは当然なんで・・・ しかし、不思議な事に、わざわざアンダーカットして、半田付けのものを引き上げタイプのような内面にしたりもしている・・・ キイの形状・・・カバードキイかリングキイかの違いに興味があって・・・それで、最低価格帯のリングキイのモデルを、オークションと新品でチェックしたんですが・・・リングキイのモデルは基本的に高くて・・・オークションでも結構なお値段でね・・・安いのはあっという間に2万円を越えて・・・仕方なしに、新品の最低価格帯のを・・・というわけです。どうも、毎年年末になると大量買いに走る・・・昨年は蓄音器・・・凝り性なんで・・・しかし・・・このキイの差は何かね?ちょっと吹いてみて・・・よくわからない・・・ 音はヤマハのYFL-211に似ているが・・・ああ、これで最後の購入になるリングキイのフルートはKFL29ですね。よくできた楽器ですね。15000円でお釣りがくる・・・これって凄い!リングキイのモデルが気になるのは・・・Muramatsu America これですね。米国では標準がリングキイで売られている・・・こういった高級な品は、私には縁のないものと思っているので・・・貧乏で買えない・・・というわけで15000円コースになってしまうわけです。 さて、右の写真の上がKFL29下がヤマハの211の歌口です。形状は酷似していますね。音も似ていて・・・吹いていて思いました・・・ヤマハの211だけを持っていて、そこでKFL29を買ていれば、ここまでフルートを買い増さなかった・・・似た傾向の音ですから、それ以上追及する必要はなかったというわけですね。 しかし、残念なことに中国森徳の音がヤマハの211と傾向が違った為に、気になって頭部管が銀のジュピター611やヤマハ311を買い込み・・・挙句の果てにはムラマツの古い製品で、ケルントナーKFL29となった・・・ ボロなフルートヤマハのYFL-211もいつの間にか数回のオーバーホールを経て、他のフルートと同じようにピカピカになり・・・調子も良くなりましたね・・・新しいタンポの威力・・・ただ、気になるのは動作部分に多少のガタがある事ですね。原因は、シャフト類を抜いた時に洗浄して、オイルを引きましたが、どうやら、このオイルがちょっと軽過ぎたのかとね。もう少し重いオイルを使えば良いのかとか・・・さっそくテストしてみると・・・良い感じ・・・ ああ、同じ楽器が6本になっちゃいました・・・古いムラマツは、私より年上ですね・・・50年以上も持つわけですから・・・これらのフルートはちゃんとメンテナンスをすれば、私は死ぬまで吹いて遊んでいられる・・・しかし・・・どのフルートの音が好みかと言われると・・・中国森徳のフルートが好みなんですね・・・ どうも、私は安くできているのか・・・こりゃ、ちょっと広い部屋のあちこちに置いて、ふらふらと歩きながら吹いて遊んでいるのが良いのか? 先ずは、リングキイのフルートらしい吹き方をちょっと覚えないといけないですね。あとは・・・練習嫌いなので、スクールモデルからの脱却は不可能なので・・・高級なフルートは不要って事ですかね・・・まあ、予算内に楽に収まり、使われずに済んだ福沢君は元の場所へ戻ったし・・・めでたしめでたし・・・あとは、古いムラマツの整備が調整紙の入荷で始まって、今年のマイブームは終わりですね。あ・・・工芸品としてのフルートと、工業製品としてのフルートの話にしたかったのに・・・じゃあ次回も、フルートからですね。 2014.12.08 |
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