現在をうろうろ(399)

 平安南道北部の工業とそのインフラ(5) 安州近辺の火力発電所と空中窒素固定関連の化学工業・・・

 どうも、北朝鮮の情報が少ないというか、不安定ですね。報道で流れるものや、調査報告書の様なものも近頃では目を通すようにしていますが・・・不思議な国・・・

 さて、国家備蓄のような倉庫群は気になるのですが・・・倉庫を眺めていても、倉庫に関連する産業などが見えてこないと意味は無いですね。一応地図の確認作業は行っていますが・・・結構、水路をあちこち作っていて・・・なかなか厄介ですね。

 さて、順川と同じような、石炭火力発電所を持った化学工場群があります。こいつを眺める事にしましょう・・・先ずは、石炭火力発電所を・・・座標は・・・

 39°40'25.30" N 125°42'55.99" E ここですね。半地下式の発電所は珍しいですね。この場所は一応、平安南道なのでしょう・・・川が微妙なんですが・・・

 さて、この発電所に関する資料は無いですね。もしかしたら清川江火力 発電所で20万キロワットクラスのもの?しかし、規模は先鋒火力発電所の20万キロワットの6倍ほどありそうですが・・・もしかしたら・・・この写真で煙が上がっている小さな発電所が清川江火力発電所と知られていたものですかね?・・・ちょっと小さすぎますね・・・鉄道の系統を調べると、ここの駅は間違いなく清火力線で清火力駅であるようですから・・・さて、この地下の100m×50m×6基の地下壕は・・・

 どうやら100万キロワット程度の発電所であると考えて良さそうな感じですね。

 さて、分かりやすい化学工場を眺めてみる事にしましょう。・・・座標は・・・

 39°39'02.70" N 125°41'08.33" E ここですね。左の写真のように広がった工場群です。化学工場はブロックごとに眺めないと分かりにくくて・・・1つ確実なのは、アンモニア合成塔のようなものがあり、順川の廃工場に建っていたのと同じ窒化窯がありますね。そうなると、ここはアンモニア合成から始まる化学工場であると思われます。先ずは左上の石炭ですすけた工場区画から眺めて行きましょう。

 39°39'23.39" N 125°41'43.03" E ここですね。

 写真中央に窒化窯があります。この工場は、石灰窒素を作る工場として建設されているような感じです。この工場群の右上の青い屋根の建物群が2010年ごろにつけ加わったものです。この部分は情報があって・・・・南興青年化学連合企業所無煙炭ガス化による肥料生産工程の操業式が2010年4月に報道されています。従って、この黒くすすけた部分は無煙炭ガス化工場である事が分かります。

 従って、付加された部分は・・・石炭をガス化・・・水性ガスシフト反応によって一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を作っている・・・一酸化炭素と水素から、フィッシャー・トロプシュ反応により炭化水素を合成している・・・この2つをやっていると思われます。水素の製造がアンモニア合成で問題になるものですからね。従って、ここの工場の水素源がボトルネックで肥料製造の調子が良くなかったと思われます。

 そしてこの工場は、アンモニア原料の水素の他にメタノール合成を行っていると妄想できますね。メタノール合成は左上のガス化プラントの左の中央の四分円の区画に挟まれたあたりのものではないかと思われます。一酸化炭素に、水素を高温高圧化で触媒を使って反応させて作っていると思われます。エタノールを原料として、酢酸やホルマリン、蟻酸、尿素・・・シアヌル酸・・・色々なものができますね。

 近頃の流行りだと・・・ホルムアルデヒドあたりからポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックスを製造したりしていますかね・・・従って、エタノール及びアンモニア合成に連なる産業群が集約されている可能性が高いですね。

 2006年4月5日の写真だと左のようになっています。水素発生を無煙炭に変えたことで不要になった部分は左の写真の左下の区画ですね。従って全部で6つの区画の中で水素製造プラントは、左下のガスタンクのある部分であった事が分かります。

 すると、左下の区画が液体空気の蒸留施設ですね。ここで窒素ガスと酸素ガス・・・アルゴンガスと二酸化炭素が生まれているはずです。回収しているかどうかは別ですが・・・

 そして、中央上がアンモニア合成塔で中央下の区画の右上に窒化窯があって・・・変ですね・・・アンモニアを合成している・・・石灰窒素はカーバイドと空気中の窒素を使って窒化窯で作る・・・ふむ・・・どうやら・・・右下の区画が2つの部分から成り立っていますね。右側が窒素抽出、左が石灰庫ですねここからパイプで中央上の細長い建物へ石灰を送っています。石灰ではなく、カーバイドか?それならこれでもOKですが・・・順川のカーバイドを移送している・・・そして、石灰窒素を製造している?石灰窒素は肥料であり、農薬としても使えますから・・・有用性が高い・・・アンモニアを大量に合成しているなら・・・別の化学肥料を生産しても良さそうですね。

 まともな説明になるとすれば・・・右上の整地された区画に、カーバイド製造所があって、それを整理した・・・石灰をカーバイド炉へ送るものをそのままカーバイド輸送に使ったのでラインが少し変とか?整地されている部分に構造物の気配がありますから・・・ここの施設は、順川へ移設とか?そして、新工場建設に伴って窒化窯へのラインを変更した?これが、説明としては、私自身を納得させられるものですかね・・・

 それから、無煙炭気化工場の新設に伴って石灰窒素の積出もトラック輸送に変わったようですね。まさか、それで、肥料の移送に関する不思議な報道が流れていたのか?

アンモニアの行方は・・・次回にしましょう。

2014.08.30

  

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