現在をうろうろ(392)

 元山から平壌への道・・・元山平壌街道の沿線(12) 順川のカーバード関連の化学工場?

 さて、順川の工業を眺めるとしましょう。例によって石炭化学工業ですね。ここにはカーバイド工場があることが分かっていますから楽ですね。石灰と石炭を扱っている工場を探せばそれがカーバイド工場で、アセチレンの発生を行っているはずなので、ガスタンクや大きな電力を使いますから、それなりの受電設備があれば、そこがカーバイド工場ですね。・・・座標は・・・

 39°24'45.40" N 125°59'26.40" E 右の写真のような場所があります。石灰石は、近くに斜坑があって、そこから川を越えてベルトコンベアで運んでくるようです。カーバイド工場はなんとなく、新旧2つの工場があるような感じです。

 カーバイドと水を反応させてアセチレンガスを製造しているようで、2基の有水式ガスホルダーがあります。あとは、窒化窯があるようです。カーバイドと窒素を反応させて、石灰窒素を製造するためのものです。ただ、この部分は解体が進んでいるようです。

 左のものですね。多分、石灰窒素を作るための窒化窯だと思うのですが・・・この方式での石灰窒素の製造は終わっている?日本の石灰窒素は・・・国産品で売ってるのは、電気化学の製品ですかね・・・これは、どこで製造しているのか?ちょっと気になりますね。

 そして、アンモニア合成もやっている雰囲気が・・・石灰窒素に水蒸気を反応させてアンモニア・・・経済性に問題があるが・・・水素源の問題かね?それとも尿素を作ったか?コークス炉からの水素でアンモニアを作るものに負けたか?それとも、水生ガスか?・・・化学の知識が不足して分かりません。あとは、この工場の南側に2002年には既に廃工場となったものがありますね。

 右のようなものです。シックナーや沈殿池がありますが・・・この工場は、火力発電所と隣接していますから・・・もしかしたら、戦前からの工場なのかもしれませんが、・・・日本化成順川工場・・・残念なことに、この工場に関する資料が見当たらない・・・

 この工場の資料探しの中で、我が国の第八十四回帝国議会説明資料に朝鮮での鉄鋼生産に関する物がありました。

 左のようなものですね。昭和18年の段階での話ですが、この時期でも、すべてが不足して増産が困難な状況になっています。この資料の中で、朝鮮での工場労働者の徴募は・・・朝鮮総督府は関与していないようですね。各企業が独自に募集して行っている・・・生産量をあげるためには、人が必要だが・・・赤字を出しているというような感じですね。

 この時期だと、日本本土の方が人手不足はひどかったという事ですかね?国家総動員法で根こそぎの徴用・徴兵が横行していたはずですから・・・本土への労働力移入が良い商売になった可能性が高いですね。内地と外地の格差が生み出した金儲けネタが・・・強制連行につながったとか?

 やくざ屋さんの仕事の作り方のパターンは分かっていますから、なんとなくね・・・

 問題は、どういった連中が徴募に関わったかですね。少なくとも、南方との行き来には、軍の管轄で軍命令でなければ移動できないので、南方への移動に関しては軍の関与は存在するわけです。朝鮮と日本の間での移動に関しては私の知識には無いが・・・少なくとも日本人が出向く場合には税関で酒・煙草の質問はあるだけで、旅券は朝鮮・中国へは不要のようですね。ただ、旅行は本来制限があるから、日本人も本貫地≒戸籍地への届け出は必要なはずですがね。さもないと、交通機関の切符が買えない、宿に泊まれない、浮浪は禁止されていた・・・日本でも大正あたりまでは結構うるさかったようですからね。このあたりに、日本の官憲が関わった可能性がありますね。何しろ、敗戦で賃金不払いなどもあっただろうし・・・不満は噴き出すに決まっています・・・さらに、紙幣は紙屑ですから・・・昨日までの大金が、惜しい事に・・・頑張ったのに故郷に帰る事も困難・・・紙幣は固いので尻も拭けない・・・戦争はしてはいけないし、したうえで負けては絶対にいけない・・・

 このあたりの、居住地を離れることに関しては届け出が必要ですから、この件に関しては政府の関与があるはずですが・・・そのうち、詳細を確認してみましょう。

 ここで製造されたアセチレンは・・・パイプラインで、この工場の北にある化学工場へ送られます。座標は・・・

 39°25'32.56" N 125°58'35.18" E ここですね。左のような化学工場がありますが・・・この工場の生産物を解析する知識は私には無いですね・・・無学なのは困る・・・

 アセチレンに水素をくっつけてエチレンを作り、色々な化学物質を製造していると思われます。ちょっと気になるのは、上の工場区画で廃棄された部分は・・・何なのやら?そして、これらの工場への電力供給は石炭火力発電所によるもののようです。座標は・・・

 39°24'08.42" N 125°58'14.46" E ここです。

 廃工場と川を挟んで右のような石炭火力発電所があります。

 ざっと見た感じではあまり稼働率は高くないような感じですね。一時期原油が入りましたから、このプラントも合成石油製造関連があるような感じですから・・・原油が入れば価格競争に負けると思われます。しかしカーバイド生産は行われている・・・まさか、我が国で昭和13年ごろから走り始めた、カーバイドを燃料とした自動車が今でも走っているとか?ちょっと気になります・・・

2014.08.26

  

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