現在をうろうろ(346)

 北朝鮮の海岸防衛・・・軍事境界線から北へ・・・旧城津;金策市の重工業

さて、金策市は重工業でも有名な街なんですが・・・商業港なんで、港の近くにはそれらしき大きな工場はありません。港自体も、鉱業都市風のすすけたイメージは無いし・・・大型船の岩壁には引き込み線があって、それなりに物資の移動があるし・・・旧市街の先を山へ入ると、白っぽい工場が・・・雙浦・・・奇岩の並ぶあたりを過ぎるとどうやら、鉄鋼の街の雰囲気がありますね。こちらが、多分日本高周波重工業城津製鉄所、現在は城津製鋼連合企業所になっているとか・・・城津から農城あたりにかけて大きな工場があって・・・先ずは、白く埃っぽい工場を見てみましょう。座標・・・

 40°40'14.90" N 129°10'15.60" E これは・・・鉄くささが足りないですね。

 このあたりは、石炭と白っぽいものが山積みになっていますから、マグネサイト関連を焼いている工場ではないかと思われます。すると、元日本マグネサイト化学工業城津工場ではないかと・・・ここより、川の上流に似たようなロータリーキルンがある廃工場のようなものがありますね。というより、2011年頃から解体され、新しいラインが建設されているような感じです。

 この工場は昭和10年6月に着工されます。マグネシアクリンカー、マグネシアレンガで、マグネサイト鉱を1000度以上で焙焼してして、マグネシア、つまり酸化マグネシウムのクリンカーを作って、こいつを粉砕して成型、焼成してマグネシアレンガが作られていたという事ですね。

 軽く焼いて、マグネシアセメントや、炭酸マグネシウムを製造したようです。その他、硅石から硅石レンガも作っていたようです。SK34の耐火度を持つものを製造とのこと・・・耐火レンガなどの製品は水濡れを嫌いますから、屋根のある場所の下でしょうから見当たらないはずですね。

 残りの工場は海岸沿いにあるので・・・多分、日本高周波重工業城津工場で第一工場と第二工場ではないかと・・・利原の鉄鉱石を使って、昭和10年頃の実績で、35万トンの生産から、50万トンに生産量を上げて・・・昭和11年度から建設、昭和16年には製品で2.5万トンを予定して建設されたようです。高周波炉は長方形のレンガ造りの炉の中に品位が48から50%程度の利原粉鉱に石炭やコークスを10から20%を混合した材料を詰めて、それに高周波を当てると7から10分ほどで鉄スラグのようなものができるようです。粒の大きなものにもっと長い時間高周波をかけると、海綿鉄ができるようです。これを粉砕して選別してアーク電気炉で溶解するなり、誘導電気炉を用いるなどして精錬するようです。

 電撃炉とも呼ばれる高周波炉は3から4万Vで200kAV程度の出力で100kHz電流は100Aで、高周波を発生するには火花式を使っているとの事、損失は30%程度のようです。

 火花式の送信用の搬送波を発生させるための高周波発生機の話みたいですね回転火花式?それとも交流発電機?それとも水銀火花式?・・・この手の装置は1900年代初頭に現れていますね。興味深い・・・手持ちの真空管807なども高周波加熱に使えるはずですが・・・10W程度ですかね・・・遊んでみるの良いかも・・・

 さて、製鉄所らしい工場は・・・座標・・・

 40°42'25.93" N 129°13'14.55" E ここですね。右の写真のようにすすけた場所で、赤さびて・・・いかにも製鉄所のありそうな場所です。

 写真左下は製鋼所みたいな佇まいですね。それなりの受電設備がありますから電気炉の類がありそうな雰囲気です。

 噂では・・・現在は高周波による製鉄は行っていないようですね。そして、コークスを使わないとなると・・・酸素注入によって、高温にして、無煙炭の炭素で鉄鉱石を還元し、銑鉄を経ずに鋼鉄を作るとか言うやつですかね?

 ここでは、八幡製鉄所の高炉では使いにくい利原鉄山の粉鉱を利用するために高周波炉での還元を行っていたのですから・・・従って、最初から高炉を設置する事は考えていない・・・酸素製造装置はどこにあるのやら?普通は・・・空気中酸素を・・・空気を液化して、窒素と酸素に分留するんだっけ?明治43年ごろから海外の特許を買って製造が始まって・・・神戸製鋼が国産技術で相和9年に空気分離装置を製造したりしていますね。

 ざっと眺めて、給水塔はありますが・・・酸素を分留しているような蒸留塔の類は見えませんね。そうなると・・・どんな製鉄法を取ってる?・・・工場を良く観察していないのが悪かったようです・・・思い込みで探しても見つからないなら・・・それらしいものをチェック・・・

 勝手に、上の写真の左下の工場は大きな受電設備を持っているから大きな電力を使う電気炉を持つ製鋼所と考えました。これは多分OK・・・ここへ運び込む原料は、写真下右のあたりの・・・・

 鉄の粉をかぶったような工場を眺めると・・・なんとなく、セメント工場みたいですね。空気とさらに過剰の粉炭でも使っているのかね?ロータリーキルンで焙焼?まさか、高温の一酸化炭素の雰囲気の中で酸化鉄を還元するというものですかね?これって、瀝青炭の不足のために、近頃世界が注目している一般炭で粉鉱を使った直接製鋼法ですよね?確かにある意味進んでいるのか?

 なんとなく、たたら製鉄の雰囲気かね?直接製鋼法?高周波加熱によるものでも、海綿鉄が作られていて、こいつを再溶解していますね・・・無煙炭は炭素含有量が90%を越えますから・・・こいつを粉炭にしてロータリーキルンの中で一酸化炭素雰囲気の中で鉄鉱石を還元?でも、基本は粉鉄ができる事になる?それとも、球状ペレットを使っている?・・・とりあえずは納得したから良いでしょう・・・高炉からこういった炉が主流になるのかね?気になります。

 粉鉄は、石灰乳で固めて、電気炉かね?

・・・北朝鮮には強粘結炭が少ないですからね・・・・地層が古すぎて炭化が進み過ぎて、多くはグラファイトになっている?従って、強粘結炭をコークスにすることから始まる高炉は導入しづらい・・・石炭資源の問題ですかね。ピッチの多い石炭がコークスになる・・・グラファイトも炭素ですが、簡単には燃えませんからね・・・V2型ロケットエンジンの推力偏向板に使われたりこういったものに使われるものですからね・・・コークスの製造能力が無いのではなく・・・コークスにできる種類の石炭が・・・石炭は山ほどあるが、その種類のものが無い・・・無煙炭ばかり・・・中国も瀝青炭の産出はそれほど多くない・・・山西省が中心ですね・・・従って、中国はオーストラリアの石炭が鉄鋼業に必要・・・中国にとってのオーストラリアとの生命線が、尖閣諸島周辺になるという事のようです。

 外貨が乏しい北朝鮮は・・・製鉄プロセスも無煙炭対応にしなければならないという事になりますね。ロシアだと・・・極東の南ヤクート炭田という事になるのか?・・・我が国が、ロシア経由で手に入れようとしているモンゴルのタバントルゴイ炭田の炭質は?こいつも気になりますね。

 モンゴルの・・・このあたりの地層は・・・前期白亜紀の鉱床はモンゴル東部にとくに広く分布している・・・という事は有望か?ざっと、表面を眺めたら・・・良い場所はそれほど多くないが・・・雰囲気は頁岩・・・どの鉱区の権利を買い込むのやら?どの国も原発の開発を望んでいるのに、我が国は石炭や薪への回帰か・・・それも良いかもしれないが・・・それでは、国の借金は返せない事も分かるのがね・・・ドイツみたいに、フランスの送電系に直結できる国は原発を廃止できますが・・・日本の送電系に繋ぐ外国が無いのが問題です。国内でも・・・2つの送電系があって、直接つなぐ事はできない・・・そのうち、東西で電力料金格差が生まれるのではないかと・・・西高東低なら良いですが・・・

 未だに・・・鉄は国家なりか・・・残念ながら、日本の企業は、エネルギーが安く、人件費も安い海外への生産移転・・・安い原子力の電力を危険を込みでわざわざ高く試算して廃止の方向へ、政府の企業への上げない者はその名を公表するという脅迫で給与は高騰し・・・日本は滅びへの道を歩んでいるようにしか思えないが・・・最後は戦争、そして特攻・・一億火の玉だ・・・借金地獄は嫌ですね。それでも・・・また、あちこちの国に金をばら撒きに行っているのか?

2014.07.31

  

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