現在をうろうろ(342)

 北朝鮮の海岸防衛・・・軍事境界線から北へ・・・北朝鮮の核開発の流れ (1)

 さて、前回の続きです。核開発の歴史は2種類の核爆弾の製造から始まっています。1つは原子炉でウラン238をプルトニウム239に転換して、このプルトニウムを精製する事で核爆弾を作ることです。北朝鮮の場合の核開発はこの系譜にあるものですね。原子炉に関しては、ソ連の技術供与によって原子炉と燃料が提供されて始まりました・・・

 これが、右の写真の中央左下の建屋の中のIRT-2000研究炉ですね。1962年に建設が開始され、1965年8月15日に臨界に達した・・・ふむ、日本に対する敵愾心かね?

 この実験炉での研究と、慶元河教授(金日成大学を卒業し1953年に北朝鮮を去り韓国へ、韓国で春川農業大学;現江原大学で数学・統計学・自然科学の講師として教鞭を執り、その後ブラジルのサンパウロ大学やカナダのマギル大学で研究しマギル大学では学士号を取得しています。そして1980年に、北朝鮮へ帰国した)の指導の下に・・・1979年より用地が準備され、1982年に5MWの原子炉の建設が開始されます。この原子炉は1986年に運転が開始されます。

 そして、電力と暖房用の熱の供給を行います。この研究炉に関連した施設としては・・・

 研究炉建設に先立って、1956年に放射化学研究所(所在不明?)の建設が開始された。ここでは核燃料の化学加工や成型の研究が行われていた。そして、研究炉の南に1964年に核物理学研究所が作られ、原子炉物理・原子力工学・燃料・材料分野の研究及び原子力関連技術者の養成を行う。アイソトープ生産加工研究所が設立され、モリブデン/テクネチウム、ヨード131、クロム51、コバルト60等を生産する。ここでは1975年からウランおよびプルトニウムの化学基礎研究も行われた。

 この1986年の原子炉の成功により、より大型の50MWと200MWの原子炉の建設が開始されますが・・・建設は色々と事情があってか、進みませんでした。多分、燃料の手配がつかなかったのでは?黒鉛はアトミックグレードを山ほど産出する国ですから・・・多分、再処理工場のめどが立つかどうかなのかもしれません・・・

 核燃料再処理=プルトニウム抽出は、原子力研究センター内に1985年に建設された放射化学実験施設により実証のための研究が行われ、放射化学研究所=再処理施設=プルトニウム抽出施設が1987年に建設が開始されたとされています。

 1989年春、5MWeの実験用原子炉から破損した燃料棒の一部を取り出し、再処理してプルトニウムを抽出したとされています。このあたりから、再処理工場は稼働していたわけですかね?

 1994年5月、原子炉から目的の使用済み燃料棒8000本が取りだされます。放射化学研究所に搬入され冷却されます。燃料棒はα線などを出して熱を持ちますから・・・多分、再処理工場のクーリングファンのある左の写真の区画に保管されている可能性が高いと妄想しますが・・・

 左の写真で、建物右の四角いクーリングタワーと建物左の丸い構造物はパイプでつながっているようですから、どうやら丸い構造物は自然通風型の冷却塔のようですね。

 燃料棒を取りだした1989年の時点で、北朝鮮は潜在的な核保有国になったと言えるのかもしれません。

 そして、かねてからの・・・懸案が・・・1994年10月の「枠組み合意」により実験用原子炉の運転と、これに続く2つの原子炉の建設が凍結されます。これにより、従来の原子炉に代わる兵器用のプルトニウムの生産が困難な軽水炉のへの転換支援が行われる事になります。これは、順調に進むかと思われましたが・・・

 このあたりで、パキスタンとの核関連の提携が持たれたと噂されるようになります。1998年5月30日にパキスタンでプルトニウム原子爆弾の実験が行われます。パキスタンの原子爆弾は高濃縮ウラン原子爆弾とのことでしたから・・・北朝鮮の原子爆弾の実験であったのでは?という噂が・・・流れるわけです。

 パキスタンの核燃料開発は・・・パキスタンの原発はもともとはカナダの重水炉ですね。カナダがパキスタンから手を引いたのが、1974年で・・・パキスタンのウラン濃縮施設は1976年ごろから稼働して、核燃料の供給を開始していますから・・・これに前後して・・・1970年代から中国との技術交流があり、1986年にパキスタン陸軍技術部隊とパキスタンのカーン研究所に対して中国が核兵器級の濃縮ウランを製造するためのガス遠心分離技術を供与します。

 パキスタンの技術の流れがあったのかもしれません・・・旧式になったから、ミサイルと交換・・・パキスタンは新しい機材を中国から手に入れる・・・北朝鮮はパキスタンからウランを買い込む気だったか?・・・・パキスタンの核開発施設は右のようなものです。座標は・・・

 32°23'23.02" N 71°26'56.74" E ここですね。あとは、ウランの加工工場だね・・・情報ではイエローケーキを作っているのは・・・座標・・・

 29°59'05.16" N 70°35'18.06" E ここかね?ここで選鉱・精鉱を行っているのか?ウランの中間処理品が山積みになっているのか?なんとなく黄色な粉がありますね・・・

 そして、ウラン精製工場と思われるのは・・・座標・・・

 29°59'51.93" N 70°35'10.61" E これですかね?

 ふむ、沈殿池がおなじみの色・・・ウランの発する蛍光みたいですね・・・なかなか大規模な工場ですね。不思議な事に、パキスタンの核関連施設の情報が日本語では殆ど存在しない・・・私の探し方が悪いのか?

 なんとなく、ウランの一次加工についても納得できた感じですね。こりゃ、近頃のパキスタンの核開発の本家である中国もチェックの必要があるのか?

 ちょっと、失敗した気がします・・・先端産業って、一国の基礎工業力の粋ですから・・・大変なものを調べ始めた気がしてきました・・・兵隊のいじる兵器レベルで遊んでいれば良かった気がします・・・事実上、北朝鮮の工業力の調査になりそうな・・・先が思いやられる・・・続きの歴史調査は次回ですね・・・パキスタンが対抗しようとしたインドの核開発にも興味があるし・・・困ったものだ・・・

2014.07.29

  

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