現在をうろうろ(251)

 中国の航空母艦と・・・工業の裾野・・・

 中国は原子力船を作るとかやっていますね。中国の造船能力はどれくらいのレベルにあるのか?それが気になりますね。

 ざっと、造船所を見た感じでは、工場内で部品を作りある程度の大きさのブロックを船台の上で組み立てて行くという感じですから、かなり高精度な作業をしている事が予想できますから、船殻に関しては問題ないという事なのでしょう・・・軍艦なども製造する技術がある。大型のタンカーなどが走っているという事は、大型のジーゼル機関ちゃんと動いているという事でしょう。そして、ジェット機も国産化していますから・・・ガスタービンの技術もあるし、火力発電所や原子力発電所もありますから・・・スチームタービンの技術は?どうなのかが気になるわけです。

 やはり、大型のスチームタービンを作る技術はなかなか厄介で、世界でも限られた企業しか無いような感じですね。近頃は三菱重工が中国との合弁会社を作って技術移転をしようとしていますね。大型のものもやがて・・・なんって思うのでね。中国は、間違いなく世界の工場ですから・・・

 で・・・技術というのがどのように受容されて、独自の発展に至るかというのが気になるわけです。船舶用の機関は比較的簡単にたどれそうな気がしてね・・・日本の場合は、艦政本部式ってやつを辿れば分かりやすいのでね・・・一応Wikiをチェックすると・・・艦本式タービン - Wikipedia こんなのを見ればOKですから・・・これによると・・・

 1908年(明治41年)長崎造船所で通報艦最上竣工。パーソンズ式反動タービンを搭載。
 1909年(明治42年)呉海軍工廠で巡洋戦艦伊吹竣工。カーチス式衝動タービンを搭載。
 1912年(明治45年)横須賀海軍工廠で戦艦河内竣工。ブラウン・カーチス式タービンを搭載。

 こんな具合に3つのタイプのタービンを搭載していますね。結果としては・・・ブラウン・カーチス式タービンを基本にウェスティングハウスの変速機をつけたタイプのものになって行きます・・・最初のうちは現物の購入、メンテナンスを覚えたら、次はライセンス生産・・・次が、特許権を回避した自社設計に・・・で、日本は技術を盗むために物を購入し、短期のライセンス生産を行いたがる・・・なんって言われるわけです。

 1924年(大正13年)藤永田造船所で駆逐艦朝凪竣工。艦本式タービンを搭載。

 という歴史を持ちます・・・タービンは、ボイラーからの水蒸気で回りますから、ボイラーも重要で、日本海軍が運用したボイラーは・・・最も高圧高温のものは・・・駆逐艦用の1平方センチメートル当たり40kg、蒸気温度400度程度のものでしたね。これが実用艦として使われた最高のものですね。これが搭載されたのは・・・

 1940年(昭和15年)舞鶴海軍工廠で天津風竣工 となります。

 とにかく、日本の軍艦用のボイラーやタービンは、当時の標準的なもので、大して優秀ではなく・・・日本が後に譲り受ける事になるドイツ客船シャルンホルストなどは・・・1935年(昭和10年)竣工で、1平方センチメートル当たり45kgの水蒸気を使っています・・・さらに、ドイツ戦艦では・・・1940年(昭和15年)に竣工したビスマルクなどは蒸気圧力は1平方センチメートル当たり55Kg、蒸気温度は475度ですから・・・

 このドイツ客船シャルンホルストの機関は・・・日本ではなじみのない蒸気タービン動力で、AEG製発電機2基を回して、電動機で推進するターボ・エレクトリック駆動でしたが・・・空母神鷹に改装される際に、ロ号艦本式ボイラーになり・・・出力は11%程低下しています・・・高圧ボイラーの運用は難しいという事ですね。どうやら、中国の空母でも同じような事があったようです・・・こんな高圧なんって、缶が爆発するんじゃないか?おっかなびっくり・・・という噂。

 現在の火力発電所のボイラーだと1平方センチメートル当たり250kg、600度ぐらいですから・・・技術の進歩はすさまじいものです。これは・・・技術の裾野の広さを表すとも言えますがね・・・近頃の日本は標準品より、こういった特殊なものばかり作っている・・・マニアックなのかね?それとも工場の広さと工員数の問題で基本的には大型製品の大量生産が馴染まないのかもしれませんが・・・

 中国の火力発電所の建設は・・・上海電気集団はアリストムのボイラーにシーメンスのタービンと発電機、東方電気集団はボイラーは日立との合弁、タービンと発電機は日立のライセンス、ハルピン電気集団はボイラーは三菱重工のライセンス、タービンは三菱重工と東芝のライセンス、発電機は自己調達・・・という事は、タービンの製造技術はあるという事ですね。問題は船に乗せられるか・・・しかし・・・原潜の漢クラスはタービンを搭載しているし・・・技術的にはクリアーしているはずですね・・・原子炉か・・・アメリカの原子力空母は・・・原子炉をいじれる造船所が限られていますね。

 中国の原子力潜水艦の造船所は・・・

 40°43'02.43" N 120°59'30.47" E ここで、原潜をいじっていますから・・・ここが原潜の造船所かね?この潜水艦は何かね?全長は135mぐらいはありそうですからね・・・そうなると094型原子力潜水艦という事になりますかね?この潜水艦は・・・どうやら情報では3隻が存在するようです・・・

 2014年1月8日には左の写真のように2隻の同型艦が左右の桟橋に係留されていますね。中央の桟橋は雲で確認できませんが、桟橋がかけられていますから・・・3隻いるかな?それとも、中央は攻撃型原潜か?ここの座標は・・・

 18°12'42.29" N 109°41'18.89" E ですね。ここの基地にも、ブンカーがありますね。なかなか良くできています。この基地の近くには空母桟橋と思われる物を作っていますから・・・三艦隊にそれぞれの空母を配備するつもりになっているのでしょう。

 まあ、いずれにせよ、ここのような、原子炉がいじれそうな造船所で大きな船が作られるようであれば、要注意という事ですかね?

 一応・・・風の噂では、この原潜のタービンはかなりうるさいという話ですが・・・という事は、軸受けやタービンのトータルバランスがあまり良くないという事でしょう。工業ってのは・・・科学ですから・・・作っているうちに巧くなるし・・・再現可能なものですから、そのうち優秀な製品へとなって行くのでしょう。日本だって・・・缶詰屋が、その発想の延長線上で貨物船を量産するようになるんですから・・・三無事件か・・・

 しかし・・・寧波の周辺の造船所を眺めていると・・・缶詰を作るみたいに船を作ってますね・・・恐るべき工業力です。冗談抜きで、空母の船殻ぐらいなら半年もかからずに作り上げそうな勢いですね。こんな国と戦争するのか・・・

2014.06.28

  

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