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 安全保障の法的基盤に関する懇談会の報告書は? その1

 さて、とりあえず2014年5月15日の総理大臣の記者会見については検討しましたが、その元になった安全保障の法的基盤に関する懇談会の報告書をチェックしてみる事にしました・・・なんとなく、順序が違うような感じですが、関心事は実効的な権力を有する者の発言の方が重要ですからね。また、青字が本文で、それに黒字と赤字で妄想を展開するとしましょう。

はじめに
2007年5月、安倍晋三内閣総理大臣は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を設置した。これまで、政府は、我が国は国際連合憲章第 51 条及び日米安全保障条約に明確に規定されている集団的自衛権を権利として有しているにもかかわらず、行使することはできないなどとしてきた。安倍総理が当時の懇談会に対し提示した「4 つの類型」は、特に憲法解釈上大きな制約が存在し、適切な対応ができなければ、我が国の安全の維持、日米同盟の信頼性、国際の平和と安定のための我が国の積極的な貢献を阻害し得るようなものであり、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、従来の
政府の憲法解釈が引き続き適切か否かを検討し、我が国が行使できない集団的自衛権等によって対応すべき事態が生じた場合に、我が国として効果的に対応するために採るべき措置とは何かという問題意識を投げかけるものであった。これら「4 つの類型」は、(1)公海における米艦の防護、(2)米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃、(3)国際的な平和活動における武器使用、(4)同じ国連PKO等に参加している他国の活動に対する後方支援についてであった。


 懇談会に示された検討内容が書かれているようですね。国連憲章 第51条や日米安全保障条約に明確に規定される集団的自衛権の行使が禁じられている・・・ふむ・・・ 国連憲章テキスト 国連広報センター こいつだね。

国連憲章 第51条
 この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

 はあ?幸いなことに集団的自衛権を行使するような事態にならなかったから、内閣はこの規定は特に準用する必要はなかったということではないかと・・・国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない・・・正当防衛に関する規定ですよね。これって、法に規定がないので内閣総理大臣が判断して、防衛大臣に指示して自衛隊を派遣・・・派遣について議会に説明責任がある・・・これだけでは?基本的には計画的な行使はできないで構わないような気がしますが・・・単に、日本的な先送りの理論からそうなっているだけでは?問題なのは4つの類型か・・・それは何かね?

(1)公海における米艦の防護 か・・・米艦っていうと・・・艦って戦闘艦の保護かね?合衆国海軍の戦闘艦ですね。日本の自衛隊が防護するとなると、弱っちいやつですかね・・・具体的にはUSS Freedom, LCS-1 フリーダムって沿海域戦闘艦などと言われているものですかね。 これだと、合衆国沿岸警備隊の巡視船を重武装したぐらいの威力しか無いでしょうからね。しかし・・・何でアメリカの艦船を我が国が防護するのかね?軍艦は独自の指揮権の中にいるわけだから・・・その艦船の行動に関してはどうだというのかね?とにかく、これについて考えろか・・・次は?

(2)米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃 か・・・弾道ミサイルの迎撃?なんで米国に向かうとなるかね?日本のミサイル防衛は基本的には北アメリカ航空宇宙防衛司令部 North American Aerospace Defense Command 通称ノーラッド NORAD って、合衆国とカナダが共同で運営する統合防衛組織からの情報で動いていたような?ここはサンタクロースの追跡もやっていますね。スーパーチェーンのシアーズが中央防衛航空軍基地のホットラインの電話番号をなぜか偶然に間違えてサンタクロースホットラインの電話番号として広告に乗せたことから始まるものですね。そこで、電話を受けた担当の大佐が、サンタが北極から南に向かった形跡ありと答えたわけです・・・アメリカ人は粋なことをします・・・Official NORAD Santa Tracker・・・日本にも偵察衛星がありますが、ちょっと早期警戒の役には立たないのが難点で・・・現在自前では大陸間弾道弾の迎撃はできないようですね・・・次は・・・

(3)国際的な平和活動における武器使用 これは・・・急迫不正の侵害なら、OKでは?というより・・・武装していて・・・武器の使用の言い訳が立つかどうかではないかと・・・次は・・・

(4)同じ国連PKO等に参加している他国の活動に対する後方支援 ねぇ・・・結局は大義があるかの判断では?とにかくこういった4つの項目について考えろという事のようですね。さて、それでどんな事を考えたのか明らかになるってことですね。

 これを受け、当時の懇談会では、我が国を巡る安全保障環境の下において、このような事態に有効に対処するためには我が国は何をなすべきか、これまでの政府の憲法解釈を含む法解釈でかかる政策が実行できるか否か、いかなる制約があるか、またその法的問題を解決して我が国の安全を確保するにはいかなる方策があり得るか等について真摯に議論を行い、2008年6月に報告書を提出した。報告書では、「4つの類型」に関する具体的な問題を取り上げ、これまでの政府の解釈をそのまま踏襲することでは、今日の安全保障環境の下で生起する重要な問題に適切に対処することは困難となってきており、自衛隊法等の現行法上認められている個別的自衛権や警察権の行使等では対処し得ない場合があり、集団的自衛権の行使及び集団安全保障措置への参加を認めるよう、憲法解釈を変更すべきであるなどの結論に至った。具体的には、4 類型の各問題について以下のように提言を行った。

 憲法解釈で政策を実行した場合、議会に対してどのように説明すれば、正統な行為であるかを示せるか?その限界はどこにあるのかって事ですね。そして、この4類型については既に提言済みで、その提言とは・・・

(1)公海における米艦の防護については、日米が共同で活動している際に米艦に危険が及んだ場合これを防護し得るようにすることは、同盟国相互の信頼関係の維持・強化のために不可欠である。個別的自衛権及び自己の防護や自衛隊法第95条に基づく武器等の防護により反射的効果として米艦の防護が可能であるというこれまでの憲法解釈及び現行法の規定では、自衛隊は極めて例外的な場合にしか米艦を防護できず、また、対艦ミサイル攻撃の現実にも対処することができない。よって、このような場合に備えて、集団的自衛権の行使を認めておく必要がある。

 ふむ・・・サンレモ・マニュアルを検討しないと分からないな・・・解説書はざっと読んだだけで精読はしたいないからそのうちきっちりとやりたい気がしますが・・・基本的な枠組みからすると・・・まず、敵国・同盟国・中立国などの枠組みの問題があるでしょうね。合衆国が地球の裏側で戦い始めた・・・同盟国として日本が行動するか、中立国として行動するかの問題がまずあると考える必要があるような?

 日米安全保障条約の精神が問題かな?外務省 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 これの検討を少ししないと・・・気になるのは、日米同盟でどんな場合に武力行使を必要とされているか?この部分ですね。一応、前文の中の・・・国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望・・・これが中心となるわけです。日本とアメリカ合衆国だけのためにあるのではないという事ですね。

 原則となるのは、第一条にある・・・国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する・・・という文言ですね。先ずはとにかく平和的に解決する・・・武力による威嚇や武力の行使は慎む・・・憲法よりも弱い表現になっていますね。勝手に戦争を始めても知らないよ・・・と書かれているのでは?そして・・・国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する・・・とありますから・・・まず、平和を維持する目的でしか発動できないものと考えればよいようです。そして、第5条の規定からすると・・・憲法上で許される範囲での武力攻撃に抵抗する事までを条件としていますね。できないことまでは求めないという事のようです・・・すると、日本に要求される事は・・・憲法をねじ曲げるような解釈を要求されていないと考えるとどうなるのかね?合衆国海軍の艦船を助けるために、現在の憲法解釈ではできないなら・・・憲法で禁じられているからできないと正直に言えば良いのでは?知恵を貸してくれ・・・と外に投げて世界の世論に聞いてみるのも良いのではないのかね?

 というより・・・日米安全保障条約に関する問題を検討するなら、少なくとも日米の有識者の会合による提言が必要なのでは?日本だけで考える問題ではないから・・・そして、極東有事の際となるから・・・日本・韓国・中国・台湾・ロシアなどの国々の有識者も参加させる方が良さそうな気がしますね。少しは、それぞれの国の思惑と平和の概念のすり合わせができるのではないかと思いますね。

 さて、サンレモ・マニュアルだと・・・例の難民引き上げ船の扱いは何になるかね?軍事目標に識別できる艦船には当てはまらないはずですが・・・従って、非軍事的な目的の船に対しては、首相が声高に叫ぶ・・・紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができないじゃなくて・・・守る必要すらないということではないかと・・・敵国商船であっても攻撃・拿捕が免除される船では?通告と臨検で自由航行が認められそうな気がしますが・・・公海における米艦の防護とは別のもの・・・まあ、これは2008年6月に報告書の内容ですからね。不思議な話をしていることになりますね・・・私の読み間違いか心配になるほどの内容ですね・・・私の妄想であることを信じたいが・・・さて、続きは次回ですね・・・

2014.05.19

  

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