現在をうろうろ(121)

 日本の戦争の始め方は? その1

 日本が戦争を始める方法が検討されるようになりました。私は、戦争の始め方を法制化する必要は全然ないと思っているので、不思議な事を決めるのだと思ってしまいます。なぜそう思うか?総理大臣の権能を考えると、政治家がなぜ存在するか?その部分です。政治家の存在理由は・・・法制化されていないことに対して前例を作ることであると考えていますからね。

 例えば、日本が無茶苦茶戦争がしたいと望んだ時に、戦争を始められるか?と言えば・・・現在の憲法下でも、侵略戦争を含むすべての戦争が実行可能だと思っているからなんです。

 憲法9条の規定があるから、日本は戦争をしないという風には・・・私は信じてない人間なので・・・例えば、世論の高まりとそれなりのきっかけがあって・・・自衛隊法の第七条  内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。・・・という規定にもとづいて防衛大臣に指示した場合・・・防衛大臣がGoを出したら自衛隊は戦わなければならないという事です。単純にそれだけ・・・です。自衛隊が戦いを拒否するなんって考えられませんから・・・大命降下と同じですからね。聖断は下った・・・

 戦争判断をしたら、あとで議会に対して責任を取ればよいだけですから・・・そのために総理大臣はあるのだと私は考えています。憲法の存在を意識して、その責務を全うする事の中には・・・超法規的なものを生み出す力存在していると・・・場合によっては無制限の、行政組織に対して指揮権を持っていますからね。

 法治国家は基本的に法に則って国が治められているが、非常時には超法規的な処置を取るための権能もあるわけです。法はある意味、そういった判断ができない小心な、馬鹿な、判断力の無い人間でも、獅子のように堂々と物事を遅滞なく行わせるためのものであると理解しています。法は、ある一定の条件を満たしたら、無条件に行動を命じるものですから。

 戦争のような非常時の事を、通常の頭で考えていると・・・その条件を作りだして自動的に発動するという事が可能になります。従って、そういった危険な自動装置は作ってはいけないと逆に思うわけです。

 戦争を開始する自動装置・・・これは危険です。人間がするべき判断を法に任せるわけですから・・・法は無慈悲です・・・人間の優しい心、愛などは存在しません。憐みの心も・・・慈悲も・・・法が命じる条件が生まれれば、それを止める事はできないのです。小心者でも、馬鹿でも、判断力も無い人でも・・・法が命ずるから戦争を始めましたって、堂々と言えるわけです。人の命を天秤にかけられるのは、あくまでも法ではなく、人間だから・・・法が死刑を望んでいる時でも、裁判官は情状を酌量するという権能を有し、さらに法務大臣が最終的な判断をするようになっているわけです。

 多分、戦争の始め方の法制度をしようという政治屋は、臆病で判断力の無い人間なのでしょう・・・だから、自動的に戦争が発動できる法制度を作り上げて、その法制度に基づいて戦争を発動して、議会での責任を果たすつもりも無いのではないと思うわけなんです。

 さて、素晴らしい戦争に向けての案内をチェックしてみる事にしましょう。一応、以下の青字は平成26年5月15日の安倍内閣総理大臣記者会見の言葉及び、公式の会話です。さて、ざっと見て行くとしましょう。

【安倍総理冒頭発言】
 本日「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」から報告書が提出されました。外交・安全保障、そして法律の専門家の皆さんが約2年半検討を、そして議論を重ねてきた結果です。まず、冒頭、柳井座長、北岡座長代理を始め、委員の方々の高い見識と貢献に心から感謝御礼申し上げたいと思います。本日は、この報告書を受けて今後どのように検討していくか、その基本的方向性について、国民の皆様に私から直接御説明させていただきたいと思います。
 この報告書を受けて考えるべきこと、それは私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るため、私たちは何をなすべきか、ということであります。具体的な例で御説明をしたいと思います。


 こんな具合に、命を守るためにどのような事をしようとしているかが分かることになっています。私は15日には日本にいませんでしたから、この会見に関するニュースなども一切見ていません。一文ずつ自分の目で見て受けた印象を眺めるとしましょう。ただ、私は・・・日本がすべての国との間で仲良くしているのであれば、世界のどの国も力の及ぶ限り日本人を保護してくれるものと信じています。というより、信念がなければ・・・平和な世の中など来ないと思っています。敵と味方の2つの陣営があるとするなら・・・なるべく多くの味方を自分の陣営に置く事で、かなり安全な世の中が作れるとも信じています。日本人の防衛は、日本の外交の成果そのものであるとも信じています。それは決して武力の強大さに基づくものではないとも信じていますからね。武力の強大であることがすべてであれば・・・小国の未来は存在しない・・・正義の無い世界など信じたくないのでね。これが、私の立場で、これに基づいての分析を行います。

 今や海外に住む日本人は150万人、さらに年間1,800万人の日本人が海外に出かけていく時代です。その場所で突然紛争が起こることも考えられます。そこから逃げようとする日本人を、同盟国であり、能力を有する米国が救助、輸送しているとき、日本近海で攻撃があるかもしれない。このような場合でも日本自身が攻撃を受けていなければ、日本人が乗っているこの米国の船を日本の自衛隊は守ることができない、これが憲法の現在の解釈です。

 何でここから話が始まるのかね?突如紛争が起こる・・・逃げる日本人をどうするか?なぜ、いきなり米国が助ける事になる?不思議な解釈・・・突然の紛争は、日本や米国は当事者ではない・・・外務省を通じて紛争国に対して邦人の保護を要請し、当事国の国民以外のすべての外国人を安全に国外に脱出させることになるのでは?と思いますが。

 このような想定は、明らかに日米同盟に対しての敵対する国との交戦を意味しますね。この文章を考える人間の頭には単純な戦争の図式が入っていると思われます。さて、ちょっと昔を振り返ってみれば、この文章が想定するような事態というのがかなり異常なものではないかと思えるのです。かつて日米は本気で戦いました。外交交渉を重ねて、ある日突然日本は奇襲攻撃を米国に対して行いました。予定された宣戦布告の文書が遅れ・・・まさに突然の戦争が起こるわけです。しかし、邦人は開戦によって虐殺されたか?という単純な問いです。権利は交戦国の人間ということで制限されますが、命まで取られる事は日米では行われなかったと信じたいです。戦争というのは、条件を満たしたらオートマチックに始まるものではないので、戦争の予兆は必ずあるという事ですから、渡航自粛、渡航禁止、戦争を始めるとなると、輸送手段を本国に引き戻すいための暗号などが飛び交う事になります。

 日本人を、同盟国であり、能力を有する米国が救助、輸送しているとき、日本近海で攻撃があるかもしれない。この想定の前段階は何?日本人がN国にいる。N国がS国と戦闘状態に入る、N国の邦人を保護するのはN国と同盟関係にあるA国と日本国が行うか?これは馬鹿が行うことでは?普通は・・・N国と友好関係があってS国・A国・日本とも友好関係がある中立国であるC国やR国を通じて邦人を脱出させるのが、外務省の仕事では?なんって思うわけです。中立国の船で運ぶべき邦人を、何で米国の船で運ぶ話になるのか・・・中立国の船や飛行機で運ばれるのではないかと?そういったわけで、私には理解できないというわけです。

 もしも、この例を考えたのが、有識者の皆さまであるとするならば・・・私にとっては無識者なのではないかと妄想してしまいます。ドイツからユダヤ人を脱出させた、我が国の偉大な外交官のいたことを思い出します。尊敬すべき外交官の名は杉原千畝領事ですね。第2次世界大戦中、政府の命令に背いて日本通過ビザを発行し、そもそも帰る国すらない6千余人のユダヤ人を救った・・・これが、戦争の中でもできる事なんです。それを無視した前提は馬鹿げたものであると断ずることができると、私は妄想してしまいます。日本には、こういった立派な行いができる外交官がいるし、世界にも、こういった外交官が存在していると信じています。日本が戦争当事国にならない限り、日本人は海外での安全が保たれると、楽天的に思います。たとえ、戦争当事国になっても、民間人は虐殺されず、保護というか権利を制限されて守られる事になるはずです。この例から、既に意味の無い前提の論を展開する事が予想され、検討以前の話ではないかと思われるわけです。でも、それなりの敬意を持って続きを眺める事にしましょう。長くなったので、次回としましょう・・・

2014.05.18

  

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