現在をうろうろ(67)

 TPPの夢・・・

 TPPには、どんな夢があるのか気になってきました。何しろ夢の無い話ばかりで・・・TPPなんって、てっきり・・・環太平洋の国々は21世紀の日本を十字架の上に磔刑に処そうとしているが、イエスが後世に於いてようやく理解された如く、日本の農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保の必要性は後に明らかになるだろう・・・なんて、代物かと思っていました。

 でも、多くの国が参加するのですから・・・既得権を壊すことなく・・・もしくは既得権の代わりのより大きな権利が得られるのでなれば、誰も賛同するはずが無いと思ったのでね。・・・ある意味、私の中での価値観の転換があったというわけです・・・

 こうなると、TPPにはどんな夢があるのか知りたくなります。まずは、国民に対して発せられた我が国の総理からのメッセージを正しく理解しなければならないと思われます。どのような美味しいお言葉があったのか?良い所だけ拾い出してみることにしましょう。

 まずは・・・世界最大の海である太平洋がTPPにより、一つの巨大な経済圏の内海になろうとしています。TPP交渉には、太平洋を取り囲む11か国が参加をしています・・・多くの国が既に参加している、参加するには何か良い事が無ければならない。きっと儲け話が沢山あるに違いない・・・と妄想します。

 さらに・・・世界経済の約3分の1を占める大きな経済圏が生まれつつあります・・・既にこの市場は成長を開始している。中国もアメリカもこれを狙っている。こりゃ、参加しなければバスに乗り遅れる・・・と妄想しちゃいますね。

 根拠は・・・いまだ占領下にあった昭和24年。焼け野原を前に、戦後最初の通商白書はこう訴えました。「通商の振興なくしては、経済の自立は望み得べくもない」。その決意の下に、我が国は自由貿易体制の下で、繁栄をつかむ道を選択したのであります・・・そう、アメリカ市場が日本には開かれていた。日本はアメリカに売れるものを沢山開発して外貨を稼いだ・・・名古屋陶磁器会館 私の大好きな名古屋の輸出陶器・・・ここの業界人の話は素晴らしいですね。夢のある世界・・・働けば働いただけの、努力すれば努力するだけの利益と、満足が得られる・・・工夫や努力の報われる世界・・・名古屋は凄い・・・陶磁器で、そして車で儲けた・・・何で?名古屋には何があったのやら?とにかく・・・1955年、アジアの中でいち早く、世界の自由貿易を推進するGATTに加入しました。輸出を拡大し、日本経済は20年間で20倍もの驚くべき成長を遂げました。1968年には、アメリカに次ぐ、世界第2位の経済大国となりました・・・これは事実・・・繁栄を築きあげたことは間違いない・・・先人たちの努力に感謝と敬意を・・・

 ここで、現状と問題提起・・・日本は大きな壁にぶつかっています。少子高齢化。長引くデフレ。我が国もいつしか内向き志向が強まってしまったのではないでしょうか・・・確かに、冷蔵庫を買おう!洗濯機も!テレビも欲しい!・・・次は、カラーテレビだ!車だ!クーラーも欲しい!さあ、働け働け・・・と頑張った。欲しいものには夢があった・・・欲しいものが無くなると・・・というより、ローンを組んでまで欲しいと思えるものが無いと・・・頑張らないね。その意味では、間違いなく内向き・・・私などはPCとインターネットで遊び倒していますから、これに関連するものには敏感ですが・・・ローンを組むほどの高額商品が現在ない・・・家電は一通りあるし、自宅も・・・海岸の小屋も・・・無いのは現金・・・とほとほですが、それでも地道に飢え死にしない程度の努力で生活を維持していますが・・・目的があまりないのでね。必死になって働かなくなったのは確かですかね。

 さらに言ってくれますね・・・アメリカと欧州は、お互いの経済連携協定の交渉に向けて動き出しました。韓国もアメリカやEUと自由貿易協定を結ぶなど、アジアの新興国も次々と開放経済へと転換をしています。日本だけが内向きになってしまったら、成長の可能性もありません。企業もそんな日本に投資することはないでしょう。優秀な人材も集まりません・・・概ねそんな感じですね。経済の連携によって大きな市場の開拓ですね。商売のスピードが上がれば、ちゃんと利益が上がります。日本だけ内向き・・・その通り・・・内向きの弊害は何か・・・それは、やり方を変えなくなるということですね。ですから・・・優秀な人材は不要になる・・・これが問題です。もっと生産性を上げられる人材を活用する事ができなくなる・・・優秀な人間は、何故優秀なのか?イノベーションを行う事ができますが・・・このイノベーションを厭う世の中になると・・・優秀な人材は動いてはいけないのです・・・優秀な人材は・・・寝て暮らす事になるか・・・才能が活かせる何処かへ行くしかない・・・現在の日本では優秀な人材は・・・引き籠るか、海外雄飛しか無い・・・

 そして、結論・・・TPPはアジア・太平洋の「未来の繁栄」を約束する枠組みです・・・問題は、これを語っている首相が信じているかどうかですかね?自ら信じていないものを、人に語って人を信じさせることができるか?できるわけはない・・・何しろ、最初からやる気がない・・・既に日本は終わっている・・・聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さない・・・どうやら、これは動かないし、動かす気も無いようですから・・・

 そうなると、結末は2つですね・・・我が国の経済は借金の山に押しつぶされる・・・この場合、外国資本は少しずつ、日本経済が一度に崩壊しないように資金を静かに回収して行く・・・そして、貿易を縮小して、日本が倒れたときのリスクを軽減する事になるのかね?それとも・・・無理やり殻に閉じこもりそうな日本の殻をこじ開けるかどちらかになる・・・できれば、素直に殻を開く事が良いのだが・・・残念ながら、日本は真のおもてなしの心を理解できる民族ではなさそうなので・・・狭い世界の中で、裏心と下心で裏打ちされた おもて・なしの心しか持たないのですから・・・

 また、おかしな事を考えてしまいました・・・フロマン代表の とりなしの心 とりなしの祈り ・・・ふと・・・イザヤ書59章14節あたりから・・・公平はうしろに退けられ、正義ははるかに立つ。それは、真実は広場に倒れ、正直は、はいることができないからである。真実は欠けてなく、悪を離れる者はかすめ奪われる。主はこれを見て、公平がなかったことを喜ばれなかった。主は人のないのを見られ、仲に立つ者のないのをあやしまれた。それゆえ、ご自分のかいなをもって、勝利を得、その義をもって、おのれをささえられた。 主は義を胸当としてまとい、救のかぶとをその頭にいただき、報復の衣をまとって着物とし、熱心を外套として身を包まれた。  こうして、人々は西の方から主の名を恐れ、日の出る方からその栄光を恐れる。主は、せき止めた川を、そのいぶきで押し流すように、こられるからである。 

 まあ、いいか・・・聖書を引用しても、私は残念ながらキリスト者ではないのでね。ただ、キリスト教の国の人は、その伝統の中に生きていますから・・・とりなしの心・・・取り分無しの心は理解されないのかもしれないと・・・ふと・・・私の貧しい心が教えてくれているようでね。

2014.05.03

  

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