現在をうろうろ(42)

TPPのフロマン氏はどんな人・・・?

 フロマン米通商代表部(USTR)代表って、どんな人物なのやら?ちょっと気になりました・・・なかなか手ごわそうです。今回の閣僚級協議で2014年4月8日に日本に入り・・・どんな交渉を指揮しているのやら?気になります。基本情報はどこにあるか・・・交渉会合関連情報 ここにありますね。4月21日の記者ブリーフィングの冒頭発言に面白い事が書かれています。

 日米がどのような形で折り合えるのかという、本来は事務レベルが行う作業も含めて大臣レベルでやっているのが実態。

 これって何?事務レベルの作業が大臣レベルでできないという事は・・・

 正直言って、米国の日本に対する不信感はかなりのもの。米国が言ってもいないことについて米国が合意したという報道がなぜ載るのか、日本が提案もしていないことが、なぜ日米で握ったということになるのか、相当の不信感を持たれているというのが実態。ちなみに日本は、米国だけではなく他の国とも交渉をしているが、報道を見た他の国からもこれはどうなっているのかという声が寄せられている。

 日本の報道での速報は、予想原稿でスクープを狙いますから、事実上出鱈目なのは分かっていますが・・・報道機関の流すものも重要な情報として考えるものにとっては・・・どこから、そういった不思議な情報が流れだすのか気になるはずです。リークしているのか、それとも単なる推測なのか見極めるのが面倒ですからね・・・日本の場合は、かなり希望的観測で予想記事が書かれるような感じですからね・・・

 もっと不思議なのは・・・

 仮に、甘利大臣とフロマン代表の日米の協議を実況中継しても、相当複雑で恐らくご理解いただけないのではないか。本来では課長レベルで行うような複雑な協議を大臣レベルでやっていただいている感じ。記事を書くなと言うつもりは全くないが、慎重な扱いを期待したい。

 何?こんなことを言っていいのかね?これって、記者に対するブリーフィングですよね・・・「協議を実況中継しても、相当複雑で恐らくご理解いただけない」とは?お前ら記者風情には分かるまい!って言われちゃったのかね?記者連中は反発しなかったのか?まさか、納得して首を縦に振ったとか?課長レベルでできることが、大臣レベルではできない?・・・・理解不能・・・さらに・・・

 甘利大臣は、東京での協議と会わせて 延べ20時間以上協議していると思うが、甘利大臣も30数年の国会議員生活の中でこんなことは初めてだとおっしゃっている。

 何と言ってよいのか・・・御苦労さま・・・

 皆さんにお願いしたいのは、通常とは違う複雑な交渉を行っているということ。情報が洩れて、特ダネとして抜かれたのであればこちらも諦めがつくが、そういうことはこれまで一度もないので、もうちょっと語尾を考慮してほしい。合意したという語尾は全て誤報となる。

 ・・・ここまで新聞屋さんは言われてしまったのね・・・これまで一度もない・・・誤報ばかり出している・・・日本の報道の現状はこれなのね。

 なんだか、日本の官僚は・・・大臣の尻拭いや、記事の書き方も指導しなければならないのかね?課長レベルでできるような事を大臣レベルで決められない・・・延べ20時間の交渉で・・・30数年で・・・こんなの初めて・・・ぬるい世界で生きて来たみたいな、泣き言をおっしゃる・・・現在64歳・・・30歳のころから何をしていたのやら?とにかく、閣僚級会談でいじめを受けていたという事ですかね?

 2014年4月17日の甘利大臣の記者会見で・・・なに、これ・・・

記者:日米首脳会談の日程が近づいてきているが、明日若干時間があるとはいえ、時間がかなり少ない中で、今後どう打開を図って行くつもりか。

大臣:いい案があれば、教えてほしい。

 記者に聞くなよ・・・で・・・21日の日米協議の概要として発表されたものは・・・

○ 4月16〜18日に甘利大臣が訪米し、ワシントンにおいて、フロマン代表と、一対一の話し合いも行いながら、日米間の残された懸案事項である農産品のいわゆる「重要5品目」と自動車について厳しい協議を行った。

○ 米国側からは、TPPが高いレベルの自由化を目指していることを、日本側からは、衆参農林水産委員会の決議と整合的な成果を得る必要があることを繰り返し主張した

○ これらの協議を通じ一定の進展はあったが、双方の立場には依然として相当の距離がある。

○ 先月、安倍総理とオバマ大統領が会談を行った際、交渉を加速化させることで一致している。オバマ大統領の訪日を控え、引き続き交渉を継続していく。


 この中で気になるのは・・・衆参農林水産委員会の決議と整合的な成果を得る必要がある・・・って何かね?第183回国会 農林水産委員会 第6号 平成二十五年四月十九日(金曜日)これかね?

    環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に関する件(案)
  本年三月十五日、安倍内閣総理大臣はTPP協定交渉への参加を表明し、四月十二日、TPP協定交渉参加に向けた日米協議に合意した。
  そもそも、TPPは原則として関税を全て撤廃することとされており、我が国の農林水産業や農山漁村に深刻な打撃を与え、食料自給率の低下や地域経済・社会の崩壊を招くとともに、景観を保ち、国土を保全する多面的機能も維持できなくなるおそれがある。また、TPPにより食の安全・安心が脅かされるなど国民生活にも大きな影響を与えることが懸念される。
  これまで本委員会では、平成十八年十二月に「日豪EPAの交渉開始に関する件」を、平成二十三年十二月に「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に向けた関係国との協議に関する件」をそれぞれ決議し、二国間、複数国間の経済連携協定が、我が国の農林水産業や国民生活に悪影響を与えることがないよう、政府に十分な対応を求めてきたところである。
  こうした中、本年二月に行われた日米首脳会談における共同声明では、「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識」したとしており、政府は、この日米首脳会談において「聖域なき関税撤廃が前提ではない」旨確認したとして、TPP協定交渉への参加を決断した。
  しかしながら、我が国には一定の農産品以外にも、守り抜くべき国益が存在し、この確認がどのように確保されていくのかについても、その具体的内容はいまだ明らかにされていない。そのため、各界各層の懸念はいまだに払拭されておらず、特に、交渉参加について農林水産業関係者をはじめ、幅広い国民の合意が形成されている状況ではない。
  よって政府は、これらを踏まえ、TPP協定交渉参加に当たり、左記の事項の実現を図るよう重ねて強く求めるものである。
      記
一 米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと。
二 残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組換え食品の表示義務、遺伝子組換え種子の規制、輸入原材料の原産地表示、BSEに係る牛肉の輸入措置等において、食の安全・安心及び食料の安定生産を損なわないこと。
三 国内の温暖化対策や木材自給率向上のための森林整備に不可欠な合板、製材の関税に最大限配慮すること。
四 漁業補助金等における国の政策決定権を維持すること。仮に漁業補助金につき規律が設けられるとしても、過剰漁獲を招くものに限定し、漁港整備や所得支援など、持続的漁業の発展や多面的機能の発揮、更には震災復興に必要なものが確保されるようにすること。
五 濫訴防止策等を含まない、国の主権を損なうようなISD条項には合意しないこと。
六 交渉に当たっては、二国間交渉等にも留意しつつ、自然的・地理的条件に制約される農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとすること。
七 交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。
八 交渉を進める中においても、国内農林水産業の構造改革の努力を加速するとともに、交渉の帰趨いかんでは、国内農林水産業、関連産業及び地域経済に及ぼす影響が甚大であることを十分に踏まえて、政府を挙げて対応すること。
 右決議する。


 ただの決議ですよね・・・これを背負って大臣が出かけた・・・OK・・・交渉をします。拘束力がある程度あるが・・・交渉結果に政治責任を負うことで、多少のフレキシビリティーを発揮できるのでは?でも、私が背負ってきたのはこれで、これを実現しないと帰れないんです・・・愁訴したのか?・・・

 フロマン米通商代表部(USTR)代表の戦歴は・・・Category Michael Froman Department of Commerce これを見ると、錚々たる顔ぶれの人を率いて仕事をしていますね。そういった人達の仕事を引き継いで交渉を行っている・・・まあ、実務者上がりですから・・・こりゃ大変だよ・・・経歴は・・・米国政府要人の略歴 米国大使館 東京・日本 外交問題評議会の上級研究員やジャーマン・マーシャル基金の常任研究員なんかをやっていて、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議では大統領のスタッフだって・・・こりゃ、この人相手に交渉するのは・・・私などでは、黙ってじっとしてるしかないですね・・・喋るだけでも大変だよ・・・馬鹿にされないように黙ってるしかない・・・この人51歳かよ・・・1962年生まれ・・・日本は、交渉役としてこのクラスの人間を雇わないと駄目かもしれない・・・Michael Froman - Wikipedia, the free encyclopedia この人の経歴に匹敵するような仕事をした人間をぶつけるのは・・・人材不足の日本では無理なのでは?オバマ大統領の任期が終わったら雇って顧問にするとか・・・大学に招聘するとか・・・日本は、こういった人材を養成できる体制に無いような・・・

 朝の報道では、閣僚級会議は無しとのこと・・・これって・・・先ずは国内で調整して、それから出て来いと言われたか?でも、結果は・・・前歴からすると・・・松岡洋右の日本の主張が認められないならば国際連盟脱退はやむをえない・・・残念ながら、その文言は衆参農林水産委員会の決議に組み込まれているので・・・聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする・・・日本の主張が認められないならばTPPからの脱退はやむをえない・・・これが決まりましたね。次は、日本の世界からの孤立・・・孤立を深めれば、軍備拡張・・・さあ!戦争だ!だね。さて、どんな風になるか?

 まさか・・・これを案じて、閣僚級交渉を中止したか?・・・なんだか良くないパターンの、楽しくない妄想ですが・・・困ったね。

2014.04.25

  

関係ないが興味深いもの
 今回は特になし














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