現在をうろうろ(11)
 日銀の金の出所は・・・?

 経済ってものは不思議なものです。ふと、毎月のように大量の国債を買い付けている日銀の資金ってのが気になってしまいました。まあ、現金決済でないので市中の現金通貨量はそれほど大きく変化しないとは思いますが・・・日銀の財源は?って心配になるわけです。何しろ、私は老い先短くて頑張って生きたって、あと50年しか生きられないでしょうから・・・それまで日本の経済が持ってほしいわけです。

 さて、国債ってのは不思議なんです・・・政府が10年償還の額面2000円、年10円の利付債権を発行して2000円の現金を得ます。これはOK・・・これを買うのは市中銀行で銀行がお金を工面して買うわけです。買った国債は素早く日銀に売っちゃうと銀行は市中相場の2005円程度で売れて、日銀の資産になります。日銀は何処から金を調達するか知りませんが日銀の現金は市中に2005円流れる・・・ここで国債は10年の時を過ごし毎年10円ずつ政府から金が振り込まれます。ここで日銀の収入が生まれますね。そして10年で償還され政府が2000円で買い戻して、日銀に2000円が入って債権債務関係の終了ということになっているわけです。さて・・・問題は何か?

 私が知りたくない部分・・・日銀は何処から金を調達してきているのか?自分の金の出所は精査しますが、自分のじゃない金に興味を持つのは・・・ちょっと後ろめたい気持ちがあるんでね・・・しかし、資金の出所は間接的には知っているんです。アメリカのドル紙幣について調べたことがあるんでね・・・

 アメリカのドル紙幣は、日本の紙幣と性格が違うんです。一般にはドル紙幣は100ドル紙幣が最も高額面の紙幣ですが、それ以外に100000ドル札・・・壱拾萬弗札・・・どうも妙な具合に頭が働いて・・・いや、ほんとに100000ドル札というものがあったんです。連邦準備銀行と連邦政府の間で決済用の特殊紙幣なんですが・・・そういえば、壱百萬弗札ってのも見たことがある・・・1ドルぐらいだっけ?It looks real. It feels real.ってものですが・・・One Million Dollar Bill and Corporate Giftsちょっと面白い・・・私の所にも、金ならぬ金がありますから・・・この世では使えない金・・・

 おっと・・・おもちゃの話じゃなくて・・・先ずは米国連邦準備制度理事会ってのが曲者なんです。これは・・・単なる民間企業で、アメリカ政府とは何ら関係の無い企業なんです。合衆国政府はここの株を1株も所有していないのでね。

 そして、米ドルの正体は・・・Federal Reserve Noteと書かれているんで、民間企業が発行する無利子の債権証書という位置付けになるわけです。そして、その原資は・・・アメリカ政府が発行する債券なんです・・・つまり、民間企業がアメリカ政府の債権を担保に、小口の利子のつかない連邦準備制度理事会って民間企業の無利子の社債が出回っているという事なんです。・・・そうか、In God We Trust・・・信じる神のもと・・・での信用かね?によって成り立っている??

 つまり、もともとアメリカには政府が運営または議決権を有する中央銀行は存在しない・・・だから、個々の銀行が金準備を元に紙幣=債権を発行して来ていることになるわけです。しかし・・・ジョン・ピアポント・モルガンなどの陰謀で1913年に現在の制度に移行してこの下に発券銀行が統合化されたことになり・・・政府の影響を強く受けるようになります・・・1907年恐慌の反動ですね。この恐慌は・・・アメリカの高度成長の翳りにより、銅の価格が下がるともに、ユナイテッド・コパー社の銅の取引の大損失と同社株の暴落が起こります。これだけなら、この会社がつぶれるだけで良いのですが、ここの経営者は銀行も経営していました・・・マーカンタイル・ナショナル銀行です。ここではある種の錬金術を行っていました。自らが経営するユナイテッド・コパー社の株を担保にマーカンタイル・ナショナル銀行が融資を行うという事です。しかし、銀行は株式の直接保有を禁じられていますから、信託会社に融資して、間接的に株式投資を行うことになります。ここで・・・銀行からの融資が呼び水になって、さらに多くの投資家がその資金の流れを生み出して行きます・・・そして、この信託会社には準備金が存在しません・・・信託会社は手元に余計な金など置きませんから・・・株価が急騰するとなれば、資金をさらにかき集めて投資して回収、多くの配当を出す事ができるわけです・・・しかし、資金の回転の連鎖が止めらてしまったわけです。結果は・・・負の思惑の連鎖です。

 銀行は信託会社から金を引き上げようとする、信託会社への預託者は資金を引き上げようとする・・・株は売り払われて・・・株のカラ売りなどで帳簿の上だけで、事実上利息分だけの現金で廻っていたところへ・・・突如、現金の需要が起こります・・・準備金を越えると・・・銀行は帳簿の上では金を持っているが、現金はあまり置いていないので・・・本日現金の品切れ・・・俺の金は何処へ行った!と取り付け騒ぎが発生・・・信用不安によって金融危機・・・このザワ・ザワという信用不安の気配がはロンドンにも波及・・・そしてロンドン経由で世界中に・・・ザワ・ザワと広がり・・・金融の引き締めに向かわせます。

 イングランド銀行の金融の引き締めによって、金本位制の柱の金がイギリスへ流れて行き・・・ロンドンへ流れる金を阻止するために各国は金利を上昇させます。本位貨の金が流出したのでは紙幣を発行できませんからね。・・・・金利が上昇すると企業の資金繰りが厳しくなって行きます。無い金を信用で生み出してデカイ資金として運用して儲けるわけですから・・・デカイ金を作るための利息が大きくなれば大きな経営上の負担になる・・・ここで蝋製造会社が経済史に登場します。モーラー商会・・・ここは蝋の製造が看板ですが、蝋取引や株取引を行っているわけです。株価の急落と金利の上昇はこの会社の利払い不能を引き起こし・・・破綻・・・これによりヨーロッパの多くの銀行に貸倒を生み出し巨額の損失を負わせます。

 こうなると、銀行は短期融資など簡単にはできなくなる・・・融資先として切り捨てられたのが新興国ですね・・・南米各国・・・そして、海外に決済通貨の金が流出しないように輸出入金融の引き締めも・・・よって、新興国の経済は急速に悪化・・・物は動かない、金は動かない、仕事は無い・・・

 こうならないように、制度が作られたか・・・え?日本国がユナイテッド・コパー社で、日銀がマーカンタイル・ナショナル銀行という構図と変わらないような気がするが・・・日本国の健全性は大丈夫なのかね?気になりますね・・・アメリカは国債の発行に関してそういった重しがついているが、日本の場合は?本気で心配になってきた・・・

 まあ、米ドルも・・・本来憲法違反に近いような?あれが紙幣でないのは・・・連邦法で貨幣の発行権は、議会に限定されていますからね・・・従って、私企業の私債なのでしょう・・・しかも利子の付かない銀行社債の債権証書というこれまた不思議な紙きれ・・・それが良く認識されているからなんとか価値を維持しているのではないかと思われるわけです。

 日本は円の価値を下げようとしたんだから・・・そりゃ、圧力をかけられるよね・・・更なる金融緩和策はあるのか?まさか・・・最後の手段の徳政令か?

2014.04.16

  

関係ないが興味深いもの
 今回は無し・・・












inserted by FC2 system