香取神宮をうろうろ(86)
 香取志 (20) 日本海を航行した船は・・・

 石のシリーズはおしまいです。まあ、まるでないわけでもないですが・・・このところの関心事は、音の記録と再生ですね。私の所に新たに入り込んできた蓄音機とandroid搭載のメディアプレーヤーなんです。PCでは以前から音楽や動画などを溜めこんで再生していましたが、なんとなく、ジュークボックスのような物が欲しくなってその実験として様々な機材を引っ張り出してシステム構築を行っているというわけなんです。と云えば聞こえは良いのですが・・・音楽や映像を一元管理しないとどこに何があるのかが分からないし、バックアップの取りようもないというわけです。まあ、旧式なネットワークドライブRAID 5で構成したものがあるので、最重要データはそちらに入っている事になるんですが・・・いかんせん容量が小さくて・・・旧式といっても2007年に導入しましたからそれほど古いわけではないのですが・・・IOデータ製HDL4-Gシリーズ、右の写真のものです。・・・2年ほど使っていなくて、久々の登場です。近頃、原稿関係の仕事はUSBメモリーを使っていて、2台のハードディスクにバックアップを取るという安直な方法でしのいできましたが、どうやらこれが良いようです。近頃のUSBメモリーは大容量なんで、文献資料などをスキャンしたものなどもまとめて入れられますから・・・

 こんな箱の中に音楽や映画が入っているというのは・・・あまり面白くないですが・・・便利といえば便利です。さて、続きです・・・気になるのはやはり北海道+青森ですね。どうやら・・・日本への文化移転は初期の北方ルート・・・多分、氷河期の人の移動で日本全土に旧石器から縄文にかけての人が散布された・・・次に、南方から西南諸島経由で里芋文化が入って、その後、稲作文化が九州から瀬戸内・日本海を経て日本各地へ伝播・・・太平洋側の海運はかなり遅れて発達・・・多分・・・そんな妄想を抱いています。

 そして・・・気になるのは、ジャンクの船型がね。ふと、外洋船は洋の東西を問わず難破するのが前提で、船は壊れるものというあきらめがあるような気がします。思い起こすきっかけとなったのはバウンティ号の反乱というやつです。船に搭載されているカッターで結構な距離を航海していたりします。南洋ですから可能なんでしょうが・・・船が奪われても・・・船が壊れれば修理して・・・場合によっては古い船体を解体して新しく船を作って航海を続けるとかやっていますから・・・第二次大戦中の名取のカッター3隻が195名を13日で300海里を漕いで帰投しています・・・そんな事を考えて、ジャンクを思い浮かべると、あの船型は・・・揚陸艇に近いのでは?古代・・・港湾設備の整っていない所へ出向く事が多い・・・砂浜なら適当に乗り上げ、そして満潮を待って離岸・・・砂浜での漁船の扱いなんか、砂浜に乗り上げて引き上げておしまいという感じですから・・・

 左の写真がどうやらそういった系統の船のような感じです。平底の利点ですかね?

 左は相模のあたりの様子・・・右の船は茨城ですかね。

 とにかく、こういった扱いから発達した船のような気がしてね。

 渤海使なども無理やり砂浜に乗り上げて、時間をかけて船を整備して船出するとか?そんな感じだったのかもしれません。

 移民船なんかは・・・乗り上げて解体して建物に化けたりしていたのではないかと・・・どこかの海岸集落の浜に近い部分の家の間取りが船の部屋の配置のようになっているとか・・・窓などの様子が船のそれであるとか・・・記憶が定かでないのが難点ですが何で読んだのやら?先ずは妄想を膨らませて、考えれば何かが見えてくるかもしれませんが・・・

 かなり大型の船も左の写真のように浜に引き上げられていますから・・・そういえば、天地丸という江戸幕府が200年ほどに渡って維持した大型の関船がありましたっけ・・・排水量100トンの500石積みの朱塗りの船。普段は御船蔵にしまわれていた全長34mで7mを越える幅を持つ船・・・

 右の写真の船ですね。この船の復元模型はどこで見たんだろう?

 浜辺での荷役作業の様子でも分かれば・・・探せば何とかなるようで・・・

 沖合の大型船から、小型のといっても、それなりの大きさの和船に積み替えて浜で荷役作業をやっている様子が、左の写真ですね。直江津のあたりの様子らしいですが・・・

 港湾施設が整っていなくてもそれなりに利用できる船型から発展していった大型の外洋船が日本海を走り回っていたと言えるかな?

 大型船も船渠に入れて整備するという時代ではないですから・・・利根川の高瀬舟なども陸に引き揚げて、船体を藁とかから立ち上る煙で燻すとか・・・そういったメンテナンスを行っていたようですからね。大型船も、陸上に引き上げる事ができる事が前提だったと妄想してしまいます。

 学校で歴史教育を受けたけど・・・人々の生活は学ばなかったような気がします。社会インフラがどのように整備されたとか・・・人間の欲求が為し得たものは学ばず、権力というやつにからむものが中心だったような気がします。如何に楽をするか?効率的に為すためには何が必要なのか?生活のために・・・というやつが欠けていたような・・・実際には、如何に豊かな生活を得るには?というやつが中心でも良さそうな気がしますが・・・権力関連に携われる人間は全人口のどれくらいか?私はその一員になれる可能性は極めて低いし、権力への階段は知っています・・・それが自分の領分にゴミを沢山ブチ撒く事も面倒な事は嫌いなんで・・・さて・・・北海道+青森の文化圏ってどんなものなのか?気になりますが・・・文献が少ない・・・とにかく出土品で範囲を考えると・・・擦文土器の範囲ですね。そして・・・

 どうやら、五所川原の須恵器がこの範囲に広がっていますね。どうやら、十三湊はこの領域の産物を集め、大陸に輸出していたのではないかと妄想しちゃいますね。交易品としての海産物を須恵器などで手に入れて輸出、輸入したものは何かね?大陸からの文物・・・アイヌが手に入れたものは何?・・・鉄器の普及かね?刀子や斧とか釣針など・・・アイヌが交易を中心に生きていたとするならば・・・元やそれに先立つ大陸の北方の民などの勢力との接触に関して知識が欲しくなりますね・・・粛慎か・・・オホーツク海文化などですかね?

 ふと、発想の転換・・・北海道や青森は辺境だったのか?日本という領域を考え、日本の中心を畿内に置けば確かに辺境かもしれませんが・・・文化の中心というやつから考えると、最新の高度な文化に触れられる場所こそが中心に近い事になる・・・中原を文化の中心と考えると、中原からの文化を輸入できる場所が文化の中心に近い・・・だから、港に入ってきた船の積み荷は、都まで運ばれて開封されるとか・・・そういった風にしないと、都に逸早く文化を伝えられない・・・もし、貿易港が博多や十三湊で、そこを経由して文化が広まるのであれば・・・畿内は辺境という事になってしまうかな?ふとね。古代では・・・中央政府を持ちませんから、文化の中心は・・・やはり中国で、そこから伝播されるものとなりますかね?そして、日本という領域が定まり、日本の独自の文化の中心が形成されていくことで、日本の辺境が生まれる事になるのでしょう。

 渤海使の航路を考えると・・・なんとなく、大陸からの文化を受容できた場所って、日本海岸ならどこでも良いのかもしれませんね。単に、率の良い取引ができる場所・・・物資が豊富な場所ということになりますか?取引の安全が保障されている場所・・・海賊の巣窟のような場所でないことが要求されるのでしょう。

 文化圏・・・ふと、その境界を考えてしまいました・・・現在の日本の文化圏の境界はどこか?というものです。現在の日本の文化圏を考えていたのではなく、ひょんなきっかけで・・・ブランド総合研究所の47都道府県の魅力度ランキング2013年度で、茨城県が最下位になっている事を憤慨する茨城県民との会話でした。茨城が最下位である事は許せない!って・・・茨城の魅力を検討したんですが・・・残念ながら茨城県に結びつくものがあまりにも少ない・・・水戸・偕楽園・潮来・筑波山・袋田の滝・奥久慈など、それなりに知名度があります。水戸黄門とか水戸納豆とか・・・水郷、潮来花嫁さん・・・ただ、これらには「茨城県」という言葉に結びつくものがない・・・県北・県南・県西の3つの特徴ある文化圏をふくむ総体としての茨城県で、茨城県を代表するものが無い・・・青森リンゴとか北海道バターとか・・・秋田美人・・・というわけで文化の中心ではなさそうなんです・・・36位滋賀県 37位岐阜県 38位和歌山県 39位山口県 40位福井県 41位栃木県 41位鳥取県 43位徳島県 44位群馬県 45位埼玉県 46位佐賀県 47位茨城県・・・これが、文化の境界を持つ県と考えたらどうだろうかと・・・逆に塊としての文化圏を持つ県は・・・ 1位北海道 2位京都府 3位沖縄県 4位東京都 5位神奈川県 6位奈良県 7位福岡県
8位大阪府 9位長野県 10位兵庫県 11位長崎県 12位静岡県 13位宮城県 14位石川県 14位鹿児島県 16位愛知県 16位熊本県・・・とイメージを作りやすい県が並んでいるような?北海道や沖縄は地理的な塊だから、京都は古都京都で、東京は現首都、神奈川は?多分、東京神奈川の塊、奈良は奈良の都・・・上位はイメージを持ちやすくXX銘菓とか冠される県名ではないかと・・・茨城銘菓って・・・水戸県で無かったのが良くないのか?茨城県の茨城を冠するのが茨城町ですから・・・水戸が茨城郡に属したために茨城県となったようですが・・・水戸は私の気分では県北のイメージが・・・土浦とはちょっとイメージが違って・・・古河とか県西地区は茨城というイメージが無いし・・・県北と県南で地形が違いすぎるという事なんでしょうが・・・結局のところ纏まったイメージが見出せないというわけで・・・文化的な境界が茨城県を複数に分割しているのではないかと・・・と、新年4時から5時の間の会話でした。さて・・・

 気になるのは、外洋船・・・もし、私が今、石器時代に飛ばされて、現在持っている知識を最大限に活用して、比較的楽に外洋船を作るにはどんな技術を投入すれば良いかというものを考えると・・・板を作ることが最重要課題になりますね。丸木舟では限界がありますから・・・金属なしで製材ができるかという事です。石器の切れ味は知っています。特に黒曜石はもの凄く切れます・・・何しろガラスですからね。斧にするならかなり分厚いものになるのかな?ちょっとの刻みをいれて、そこに矢=くさびを打ち込んで裂く事になるでしょうね。多分、これは可能・・・杉などの素直に育ち真っ直ぐに割れてくれる木ならOKだと思うのですが・・・割ってしまえば、鋭い石器でかなりの精度の加工は可能ではないかと・・・接合と止水は継ぎ手を刻み強靭な繊維で縫い合わせ、漆などで固める事もできるでしょう。油漆喰の類も可能かね?現在も使われている船としてダウ船として知られている船は、金属の釘なしで作られた船ですから・・・可能性はありますね。

 意外と、いまの船舶とは設計思想そのものが違うのかもしれません・・・たとえば、外洋船は1航海持てばよい、乗組員はそれなりの実力を持った船大工で・・・たとえ、船を失っても道具があれば新たに建造し航行させる事ができる能力を持っているとか・・・航海が終わると、そこでオーバーホールをして、次の航海に備えるとか・・・船は壊れたら直せばいいや!程度に考えて航海をするとか・・・着岸する埠頭がない場合は、砂浜に乗り上げてもOK、ただ損傷が出るからなるべくやりたくないとかね。波が穏やかなら、満潮を待って砂浜につけて静かに陸に引き上がるとか・・・船底塗料などの無い時代ですから、ちょくちょく陸に引き揚げて煙で燻して整備していたのではないかと・・・関連で気になるのはかちかち山・・・ここで出てくる泥船・・・油漆喰で止水することと油なしで仕上げたものでは・・・とか気になるわけです。純粋に泥で作った船で漕ぎ出すのは・・・コンクリート船ではないですから・・・水に溶けない泥で止水した船に関する知識を前提にした話のような気がして・・・何しろ、人間を大いに化かす狸ですからね。泥で作った船で騙されるのはちょっとね・・・こんな狸に化かされる人間はもっと馬鹿になってしまう・・・人間様なんって言えない・・・

 様々な妄想が湧いてきますが、このあたりが妥当な線のような気がします。残念ながら古代の大型船の遺物は見当たらないのでね。アテネの軍船のように青銅の衝角とかつけていれば、そういったものが残るでしょうが残念ながらそういったものはなさそうです。なんとなく日本海は戦闘の場となることが少なかったのかな?なんって妄想してしまいます。戦争をやってたら、それなりの装甲であるとか、船に金属部品が多くなると思うからです。しかし、船に使われたと思われるような金属製品の出土も無いような感じですからね。まあ、私のリサーチが悪いだけというのもあるでしょうが・・・真っ当な貿易は海賊行為より儲かるのかもしれない・・・というより、大陸と日本の技術水準の差が大きいとして・・・大陸からは船がやってくる、日本から船を仕立てるのはかなり厄介という状況を考えます。すると、大陸からの大型船を直接襲うのは得策ではない・・・来てくれるから富がやってくる・・・こいつを襲うと次来るかどうか分からなくなるから、なるべく良い条件で取引を行った方が良い・・・襲うなら、国内の輩を・・・これならOK・・・まさか、こういった事があるから、義経が船子を襲ったことで非難されるのかね?もうひとつ気になるのは・・・近代デジタルライブラリー - 日本の港湾 この本を眺めていると、船に関するルールが良くわからん?地上の原理とは違った原理で・・・事実上自治なのか?なんって・・・陸上の権力とは別個のルールが存在しているような感じですからね。精読しているわけではないがなんとなく・・・港湾はどんな風に管理されていたのか?気になりますね・・・どうやらこの本だと、行政の介入はあまり無いような感じですから・・・

 それから、我が国の港は基本的には埠頭に大型船を横づけというのではないような感じです。浚渫や埠頭の整備を行わないから、大型船は湾の深い所に停泊し、岸とは艀で連絡し荷を本船から艀、そして艀から陸へという事になります。よって沖仲仕の介在が必要になります。沖仲仕は組織は行政の範囲外に近い存在でしたね・・・そして、船は行政の埒外みたいな感じ・・・江戸幕府の船舶行政をチェックしないといけないのか・・・大船禁止、海外渡航の禁止ぐらいの知識しかないから・・・知識を急いで仕入れなきゃ・・・でも、大したものは出てこない可能性が高いですね。海運システムは大昔から存在し、それは利用するものではあるが、いじるものではないような気がするからです。なんとなくね・・・妄想を補強するネタを仕入れないと・・・しかし、帝国陸軍が商船を戦時に利用しますが、事実上、民間会社のシステムに名目上の管理者として軍人を派遣していたみたいな感じですから・・・船舶司令部でしたっけ。民間組織を接収する形であったと思われます。だから・・・ここで始めて、行政の手で船舶の航行管理が行われるようになったような気がします。しかし・・・なんで、海軍でなく陸軍が・・・なんって、ちょっと気になります。挙句の果てには陸軍が輸送用潜水艦まで建造し運用するようになりますからね。・・・海軍というのが特殊な組織であるという事なんですかね?

 さて、十三湊関連の資料を集めなければ・・・国会図書館の古本の山の中には残念ながら無いですね・・・つい最近の発掘成果ですから・・・という事は、金がかかるな・・・困ったものです。ネット上の情報はざっと眺めましたが・・・なんだかよくわからない・・・こりゃ本を買い込まねば・・・基本的な文献は・・・偽書と発掘調査関連か・・・さて、今度こそ香取志を・・・
 
2014.01.02

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