香取神宮をうろうろ(75)
 香取志 (9) 側高神社

 さて、困った、いろいろな本を買い込んで気分が散漫になっているような・・・気もそぞろ・・・11月に入ってからの黄色い石のシリーズ・・・今回はイエローベリル・・・1.6カラット、ちょっと小さな石・・・上品な金色をした石・・・ヘリオドールとかゴールデンベリルなどと呼ばれる石・・・鉱物名としては緑柱石ですから、アクアマリンとかエメラルドも同じ仲間の石ですね。

 今日の天気はどんよりとした曇り空・・・太陽が恋しいシーズンです。大きなイエローベリルが欲しいですが、このサイズを越えると急に高くなるからな・・・私の力量ではこんな程度のものですね。

 太陽の色をした手持ちの石はこれでおしまいかな?ヘリオドールって言うともう少し緑色の石かな?とか・・・そういえば、水晶の仲間の黄色っぽい石はまだあったような・・・石はちょっと見ても何が何だかわからないのが難点ですね。

 さて、香取志 10コマ の続きを
 
末祠ならびに雑舎の事
側高神社 または脇鷹と書く
吾が神宮の第一の摂社で香取郡大倉村にある。神宮から1里ほどの距離で、祭神は古より秘して云うことはない。あるは、伊弉諾尊・天照大神・神功皇后、また一説には高皇産霊尊、これらは故ある事で、それは近江の日吉神社の大行事というのはこの神を祀っているからである。このようにして吾が神宮の祠官は神楽や新嘗などの特別に重い神事を掌る年に当たっては、神符を受けて謹んで手堅く祀っている。その文に脇鷹天神を以て大行事と為すべし糺定めしむべしと云われるにもとづくのであるにちがいない。


 側高神社の話ですね。この神社が第一の摂社か・・・香取神宮の摂社は・・・現在は次のようなもので・・・
側高神社 祭神:不詳 例祭:12月7日
又見神社 祭神:天苗加命(主祭神)、武沼井命、天押雲命、武沼井命、天押雲命 例祭:2月20日
忍男神社 祭神:伊邪那岐命
膽男神社 祭神:大名持命
大戸神社 祭神:天手力男神 例祭:4月7日
返田神社 祭神:軻遇突智神、埴安姫神
元末社は・・・
神崎神社 高房神社 切手神社 東大社 木内神社

 こんなものですね。側高神社の祭礼での役割と云うのは、今はどうなっているんですかね?かなり気になります。白状祭などの香取神宮と連携した祭りは現在はなさそうですし・・・どうも末社というのは経済的に独立していない神社のような感じです。香取神宮の寛永の造替に際して、大戸神社は一緒の造替を断って独自の道を歩み始めたようで、その後香取神宮朱印地1,000石の内から100石を分けられ、宝永4年;1707年徳川幕府将軍綱吉が改築することになります。こんな風に経済的に独立していくような感じです。大戸神社ホームページには、香取神宮の末社とは書かれていませんね。神社の独立も基本的には経済的に自立できるかということではないかと思われるのですが・・・詳細は不明ですね。

 さて、側高神社・・・祭神は秘して云うこと無し・・・なのでね。ただ、ここで記されているものからすると、經津主に命じて葦原中国を平定するように命じた偉い天津神を祀っている事になりますかね?だから祭神は秘して云うこと無しなのか?日吉神社の大行事か・・・祭神は大山咋神の父神の大年神だと思うが・・・父神を祀るから大行事という事か?側高神社は大行事であるから伊弉諾尊・天照大神・神功皇后、また一説には高皇産霊尊あたりとなるのか?

 白状祭などを眺めるとちょっと納得できない気がします。香取神宮をうろうろ(55) 香取新誌(15) ここで色々と考えたやつです。側高大明神凡夫之時、陸奥の五万の長者の馬屋より、父馬千疋母馬千疋の馬種を盗出す話です。白状祭では側高の神は凡夫であった時期があって、香取神宮に対して素晴らしい功績を窃盗によって成し遂げます・・・さあ、どうなるんだ?という感じです。とにかく、よくわからないことにしておきましょう。

 摂社か・・・香取神宮の妃神とか御子神・苗裔神であるとか祭神の荒魂を祀るとか、地主神とか特別の由諸がある神社ってやつですね。香取神宮に地主神はあったっけ?佐山神社・狐坐山神社・姥山神社の三社が地主神的な性格を持っているらしいが、それらしいものが無いですね。それに対して、鹿島神宮だと三笠神社の三笠神が土地神っぽいと思えるのですが・・・このあたりも、チェックしないと・・・さて、続きは・・・

この社の前は山林が連なり、後には香取の浦である。この浦の水源は上野の国利根郡より出ている、このため世に利根川とも云う。その末は海上の海に入る、昔はこの社の杜の尾崎まで浦波が打ち寄せていて渚も非常に清らかだったので、禊をする者は皆ここへ行って禊をした。しかし現在は南北数十町、東西数里の間はすべて水田となって、その中に小さな川が流れていると云うけれども、昔の様子とからすっかり変わってしまった。しかしながら、先例に従って、三箇の神楽新嘗等を預かり掌る神官は、夙にここに来て祓いをすることは、古からのしきたりで、今もまたそのように行っている。

 側高神社の南側は森林が広がっていて、北側は崖になっていますね。ここからの眺めは桜馬場からの眺めより良かったのではないかと思います。現在は木が生い茂っていて桜馬場と同じように遠望が利かなくなっていることは残念です。

 ふむ・・・小林君の時代・・・この香取志が書かれた天保の頃は既に香取浦に流れ込む川は利根川となっていたんですね。清宮君は鬼怒川に拘っていましたがね。幕末の頃には利根川の東遷は完了していたということなのでしょう。そして、海上の海へと出るか・・・この時代には太平洋って訳語はなかったのですかね?うなかみの海か・・・

 右の図で、黄色の丸が側高神社、赤丸が香取神宮になります。香取浦の海岸の高台にある神社です。

 この浜で禊か・・・やがて海退によって陸地が広がり、そこは水田となり・・・その中に神池が残され、鉄道によって神池はさらに移転して・・・という感じですから・・・形式も、海水による禊から神池の真水の禊になり、さらに祓いを行うことへと変化していくが、中心となる部分は失われること無く続いているという事のようです。夙か・・・早朝という意味ですかね?昔からではないな・・・鹿島神宮では津宮で塩垢離7ッ時ですから・・・これに準ずるのでしょう。4時頃・・・早いね。ただ、夜の神事が多いから・・・どっちの7ッ時やら?私だと午後4時の方ですが・・・現在はどこで祓いをしているのやら?神池は昭和6年に鉄道によって移転を強いられていますから・・・現在、神池は鳥居脇にあるとか・・・

この神の祭祀は、正月初酉の日、2月初酉の日、8月初丑の日、11月7日、猶祭りの條に詳しく述べる。まさに又神宮は更にも云わず。この社を始め諸末社皆国家の経営に預かれり、武家天下の権柄を執るに及びて、当国隣国の武士に詔して改造せしめ賜う、詳しくは改造の條で述べる。文永8年12月10日の改造の官符に、脇鷹の社一宇一間葦葺金物あり、作料官米三十石、無足の間、荘々作料官米の内を以て、行事所沙汰と為しこれを造り進めると見えて、今の様と少し異なっている。神宮と共に慶長元禄の両度の改造に預かれり。

 祭礼の話が出てきました。1月初酉の日か・・・これは、多分・・・髭撫祭と思われますね。現在は1月の第二日曜日に行われているようですが・・・

 この髭撫祭は・・・建保2年;1214年に始まったとか・・・大倉村の氏子を氏族別に18組に分けて、毎年2組ずつ当番として奉仕し、その当番引き継ぎの行事のようです。どうやら、この祭りは毘沙門天にかかわりのあるようですね。とにかく、神前に注連縄を張り、蓬莱山に遊ぶ鶴亀を置き、東西に分かれた新旧の当番が酒を交わすというものですね。毘沙門天は須弥山北方に住み、北方の守護でしたっけ・・・毘沙門天は事代主命の本地仏とされたこともありましたから・・・そういえば、事代主命は香取神宮では市神として祀られていましたね。もし、事代主命で毘沙門天なら・・・側高神社の方が事代主命を古くから祀っているのか?なんって妄想を抱いてしまいます。2月の祭礼は不明?春祭りかね??8月初丑これは何かね?風日祈祭かね?8月の祭って・・・あまり思いつかない・・・あった、年中祭禮大禰宜勤方に 八月新嘗、初丑日 側鷹行神事有也、御供二膳、奉幣、大禰宜一人 右は両所は不出之由、元禄十三年、御宮御修覆以来、丹波出初ル とさ・・・新嘗祭ですね。大宮司と大禰宜の両方が出るようなことはなかったが、元禄13年から丹波、つまり大宮司も出るようになったという事のようです。11月7日は白状祭などですね。このあたりの神事は後で出てくることになっていますから、このあたりの推測だけにしておきましょう。

側高神社関係の資料は・・・
 近代デジタルライブラリー - 香取郡誌 208コマ
 近代デジタルライブラリー - 香取郡誌 71コマ
 近代デジタルライブラリー - 利根川勝地案内 79コマ
 
 香取神宮の案内書系でないものとなるとこんな所ですかね・・・

 あとは、社殿の様子ですね。文永8年;1270年当時は一間社ですが・・・現在のものは江戸時代初期の造営で、桃山の風を持った社殿らしいですが・・・補修を重ねて現在に至るようです。これで、側高神社は終わりですね。さて、続きは次回としましょう・・・あれ?・・・

 ちょっと気になるニュースジュネーヴで人工知能を持った攻撃兵器に関する会議が持たれているとか・・・こんなもの実用になるのかね?問題は緊急停止が可能かどうか? 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか って長い題名の映画を思い出しましたね。人工知能を付与され自ら状況に応じて戦闘を行うのでしょうが・・・講和が成立してもなお戦い続けたら?当然、外部からの制御を受けることになるが・・・データの書き換えが行われ・・・味方を攻撃するように書きかえられたら・・・もしくは、あまりにも高度な人工知能で、戦いの無意味さを悟り戦闘放棄するとか・・・人工知能を持った兵器か・・・こういったロボット兵器に与えられる倫理規範はどんなものになるのか気になりますね。白旗に反応するとか・・・これは無理だな、人間は狡猾だから白っぽいものをちらつかせて攻撃するとか・・・とか考え始めると、倫理的にロボットを戦わせるには人間にはより高い倫理性が必要になって・・・だって、ロボットに裏切られないようにするには・・・人間ですら、その国の体制に馴染んでいるはずでも・・・国益の結果生じる戦争にNO!とか叫んだりする人間が出たりしますから・・・アイ,ロボットなんって映画も・・・論理が優先されると、戦争なんかは資源の浪費に他ならないですから・・・まあ、人工知能搭載ロボットが出たら、戦争は如何に相手のロボットを乗っ取って味方につけるかって技術の方へ走るのではないかと・・・これに当然対抗するための技術競争でもあるはずですから・・・揺るぎなき愛国心を持ったロボットが完成するまでは、ロボットが戦場に出ることはないのでは?なんってね。

 日本が現行憲法下で揺るぎなき愛国心を持ったロボットを完成させ、実戦投入しようとすると・・・憲法で、戦争を放棄しているにも関わらず、戦争を行おうとしている・・・いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ・・・揺るぎなき愛国心に基づく論理は、戦争を命じたものを、崇高な理想と目的を達成することの敵として全力で排除する・・・政治家は高邁な理想に生きなければ、ロボットにも虚仮にされるのかね?ふと、下らないことを考えてしまいました。

 なんだか、香取志は進み具合が良くないですね・・・なんとなく気が乗らない・・・

2013.11.14

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参考になるもの。
東京大学史料編纂所 Historiographical Institute The University of Tokyo
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