香取神宮をうろうろ(67)
 香取志 (1)

 別に差別的な考えからではないのですが、どうも平田篤胤の文字は苦手です。生理的に受け付けない文字・・・困ったことに、香取志のはしがきが平田君の文字なんです。こののたくり具合・・・私にとってはまともじゃない・・・そういう風に捉えてしまうのです。きちんとした文字のようで、どうも違う・・・まだ、酒鬼薔薇聖斗の文字の方が許せる・・・・あの字も嫌いだが・・・まあ、その時代の流行りの書体なのかね?それとも・・・字は心の鏡なのかもしれない・・・・私の字は・・・さて?王羲之に学びそこね・・・ソフィストなんで学校名と生徒名はずいぶんと毛筆でものしましたが・・・さすがに数千枚の威力で、毎年着実に上手くなりましたが・・・今は昔・・・字を書くのはほとんどなし・・・一応、日誌は付けていますが・・・1日当たり50字程度かな?たまにはでかい硯で墨を摺って字を書きたい気もしますが・・・字が下手なんで・・・これが問題ですね。気分はゆがんだ真珠・・・ゆがんだ真珠は意外と単独では手に入らなくて、ペンダントで入手・・・おかしなものです。幸吉君のおかげで完全な球体のものが多くなっていますが・・・私はやはり、個性的な形が好きなんで・・・真珠の神秘的な輝きは上手く写真に撮れない・・・おかしなものです。露出をもう少し押さえた方が良いのでしょうが・・・面倒なんで・・・しかし、この真珠なんだか歯に見えてきた・・・歯を真珠層で覆ったら?不気味か・・・

 香取志 こいつを読んでいくことにしましょう。平田君のはしがきは無視しますが、平田君ってどんな人なのかは気になります。あの字以外はOKなので・・・これが活字本ならきちんと読みますが・・・どうも苦手で・・・大意は普通の序文ですね。この本は小林重規著 天保4年;1833年の本ですね。

 最初の部分に図版が入っていて・・・右の様なものですね。おなじみの・・・津宮の河岸からの眺めが入っていますが津の東西社のマモリオ・オシヲ及びオカマが描かれています。特に目新しいものはなさそうです。この図に出ているオカマ社は何か?位置は明瞭ですが・・・オシヲ社とマモリオ社を繋ぐ道の先で董橋の手前の西へ延びる道の橋の先・・・この場所は、現在線路になって隠滅かね?ちょっと気になります。どこかに合祀されているとか・・・細かく調べる気力に欠けますね。しかし、オカマ社はどうも、隠滅することが多いような?気のせいか・・・境内末社にもあったような・・・でも、現在は存在していない・・・こういうのって気になるんです・・・

 次のページには香取神宮の境内が示されています。これまたおなじみのものです。

 おなじみのものなんですが・・・どうして墨でつぶすかね・・・経蔵と愛染堂が消されています。ん・・・香取大神宮参詣略記の絵に似ていますが、所々違っている所がありますね。・・・近代デジタルライブラリー - 香取大神宮参詣略記 というより、その本が刊行された年代によって挿絵が違っている・・・近代デジタルライブラリーの香取大神宮参詣略記は廃仏毀釈以後、この本はそのちょっと前、私の所の香取大神宮参詣略記は香取群書の1巻に載せられている古い奴かな・・・境内末社が微妙に違う・・・末社のリストを作成しておかないといかないのかな?

現在の摂末社のリストは簡単ですね。
摂社
境内社
奥宮 経津主神荒魂 例祭:3月10日
鹿島新宮 祭神:武甕槌大神、天隠山命 例祭:11月9日
匝瑳神社 祭神:磐筒男神、磐筒女神 例祭:11月10日
境外社
側高神社 祭神:不詳 例祭:12月7日
又見神社 祭神:天苗加命(主祭神)、武沼井命、天押雲命、武沼井命、天押雲命 例祭:2月20日
忍男神社 祭神:伊邪那岐命
膽男神社 祭神:大名持命
大戸神社 祭神:天手力男神 例祭:4月7日
返田神社 祭神:軻遇突智神、埴安姫神
末社
境内社
璽神社 例祭:1月4日
大山祇神社 祭神:大山祇命 例祭:1月8日
諏訪神社 祭神:建御名方神 例祭:4月12日
押手神社 祭神:宇迦之御魂神 例祭:2月4日
日神社 祭神:天照大御神
月神社 祭神:月豫見命
裂々神社 祭神:磐裂神、根裂神
市神社 祭神:事代主神 例祭:8月16日
天降神社 祭神:伊伎志爾保神、鑰守神 市神社に合祀
馬場殿神社 祭神:建速須佐之命 例祭:8月1日
櫻大刀自神社 祭神:木花咲耶姫命 例祭:11月4日
六所神社 祭神:須佐之男命、大国主命、岐神、雷神二座 例祭:9月11日
花園神社 祭神:?神 六所神社に合祀
境外社
佐山神社 祭神:田心姫神 例祭:2月23日
狐坐山神社 祭神:命婦神 例祭:1月12日
姥山神社 祭神:一言主命 例祭:2月20日前後の日曜日
三島神社 祭神:香取連三島命 例祭:12月18日 又見神社境内に鎮座
王子神社 祭神:神宮の御子神。例祭:9月11日
沖宮 祭神:綿津見命
龍田神社 祭神:級津彦神、級津姫神、倉稲魂神
元摂末社
神崎神社 高房神社 切手神社 東大社 木内神社
その他
護国神社
と長くなりますが・・・Wikiから拾ってきただけなんで、どうやら明治になって、祭礼と共に摂末社もずいぶんと整理されたようです。境外社は問題ないのですが、境内の方はいじりやすいのでどんどん変わっていくようです。昭和の初めは境内末社は桜馬場へつながる、今は使われていない道の両脇にまとめられていたようですが・・・とにかく、出入りがずいぶんとあるようです・・・末社も祭りがありますから、そういったところから末社の変遷をたどることが可能かもしれませんが・・・私の嫌いな根気仕事だね・・・現在の摂末社はほぼおなじみのものです。見たことがないのは、 日神社と月神社ですね。所在地は分かるのですが・・・個人の邸宅の中のようなので・・・さて、先ほどの絵図をざっと見るとコヤス・八郎王子社が不明です。12月21日に八郎王子神事が行われていたことは分かるんですが・・・そこから先がね。コヤスの位置は櫻大刀自神社・・・木花咲耶姫命というと浅間神社で・・・富士山本宮浅間大社によれば・・・噴火を鎮める水の神として祀られているらしい・・・妻の守護神、安産の神、子育ての神らしいが・・・勢至殿かもしれないし、祓殿かもしれないし・・・さて、最初の図から既に疑問点が出てきてしまいましたが、この疑問は読み解く内に晴れるのか?ちょっと心配です・・・さて、本文と行きましょう・・・

取志上巻 祠官 小林重規 著
神系
經津主神神代記によれば、火の神カグツチの生まれる時にその母イザナミノミコトが焦かれてこの世を去った時、イザナギノミコトが恨んで、遂に十握の剣でカグツチを3つに切るとそれぞれが神となった。また剣から滴った血が固まって天の安河のほとりの岩群となり、これが経津主神の祖なったとか、カグツチの血が天の安河のほとりの岩群を染め、そこから岩裂神・根裂神が生まれ、その御子の磐筒男神・磐筒女神が經津主神を生んだとしている。この後、タカミムスビノミコトが諸神と集会して、葦原中国に遣わす神を選んだ時、岩裂神・根裂神が生まれ、その御子の磐筒男神・磐筒女神の子の經津主神が良いだろうとした。古語拾遺によると、經津主の神は磐筒女神の子で、今は下総の国香取の神がこれである。そもそも、我が神宮の神系は良く分かっているのに、本居宣長は古事記に我が神宮の名が見当たらないので、それで強引に考えて、武甕雷男神の別名と考えるのは非常に妄言であるけど、この説が出てから、これで迷うものが多くなっている。これを、無知文盲である・・・略・・・怒ってる怒ってる・・・


 どうも、陰鬱な話から始まります・・・カグツチが生まれ、イザナミノミコトは産褥熱で死に、それでカグツチは切り殺されてしまいます。何か切り刻むと良いことが起こるのかね?子供を殺すというのは・・・死体から生まれるものがあるから・・・こりゃ日本書紀に当たらねばいけないが・・・12時まで近代デジタルライブラリーはメンテナンスで休止か・・・合理的な考えでは、産褥熱との兼ね合いで、剣で3回引っ叩いてという呪でもあるのかね?で、カグツチの子として・・・体の部分の系統の神と血の系統の神という区分は何?体の部分系の神は「*山津見神」のパターンの名前がついているが・・・なんだろうね?この手の名前では大山津見神がいますが・・・奥方は鹿屋野比売神とか野椎神といわれる神で・・・足名椎命・手名椎命がその子でその子が、奇稲田姫で素戔嗚尊が旦那になるわけだ・・・このあたりで話題になる神というのが・・・国津神の系統ですね・・・でも、これは明らかに直系だと思うのだが・・・ちょっと、私は異端者になることにしました・・・天照大御神はイザナミ・イザナギの直系なのか?それは不可能ですから・・・少なくともイザナミの子ではない・・・

 イザナミ・イザナギは淡路島・本州・四国・九州などの島、石・木・大綿津見神・水・風・大山津見神・野・火などの神々を産みカグツチの誕生でイザナミは死ぬわけです。そしてイザナギは黄泉国まで行くわけですが・・・再生の望みは断たれ黄泉比良坂を塞ぎ、イザナギは筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊を行なった際に生まれた神々の中にアマテラス・ツクヨミ・スサノオがいて高天原・夜というか暦だね・海原の支配を委託するわけですが・・・

 最初に産んだ島々は・・・日本書紀では・・・淡路洲・豊秋津洲・伊予二名の洲・筑紫の洲・隠岐の洲と佐渡の洲・越洲・大洲・吉備子洲+対馬島・壱岐島・・・合名会社イザナミ・イザナギの本店は淡路島の南の沼島で・・・オオヤマツミに出雲支店を出させようとしますが、これがうまくいかない・・・先ずは淡路島に支店を出して、次が豊秋津洲・・・これはどこ?本州なのだろうが・・・越洲は別だから、淡路島近辺の本州の沼沢地の多い場所に支店を出して、伊予の二名の洲は四国全域で、これを統括する支店を出し・・・多分瀬戸内沿岸だね。そして、筑紫・・・福岡支店かね?・・・そこから日本海航路を開くのでしょう。その結果、隠岐島と佐渡島を統括する支店を出して、越は多分能登支店だろうね・・・大洲が不明だね。そして吉備支店を出す事ができた・・・吉備の群島が手ごわかったか?さらに対馬島・壱岐島支店を出して・・・カグツチが生まれたことで支店計画は、イザナミの死によって待望のカグツチの支店などの計画は流れ・・・そして、支店を放浪した揚句気落ちしたイザナギは会社を整理し、存続会社として日向の枝神社で、新会社高天原を設立、十握劒を手放しイザナギは郷里に近い淡路支店からの年金生活に入る・・・新会社高天原はアマテラス・ツキヨミをヘッドに据えて豊後水道・日向灘・・・まさかアマミキヨ、シネリキヨ・・・さすがにそこまで妄想を広げるのは・・・でも、言語的なつながりからすると・・・とにかく、ついでに引っ張ってきた元気のいいスサノオは壱岐・対馬支店経由で新羅に留学させた後に日本海沿岸航路の充実に充てる・・・そして、スサノオはヤマタノオロチの支配する出雲を乗っ取り、オオヤマツミが挫折して落ちぶれて・・・その孫のクシナダヒメを娶り出雲から大国主物産を展開し、日本全国のフランチャイズ「神社」とその連絡網を作らせて後に国造となるフランチャイズ「神社」の店長を10月に出雲に集合させる・・・高天原と出雲は、出雲側が特産の鉄を上納することでOK・・・天叢雲剣がその象徴的な存在・・・だから、後の国譲りも比較的穏便に進むわけだな・・・全国の支店網が整備されると・・・旧合名会社イザナミ・イザナギの常務で業務を3つに分断されて職を失っていたカグツチとその子孫は出雲へとなびき・・・高天原は自らの存続会社としての正当性を主張するためアメノホヒを使節として送るが・・・しかし、大国主神に心服して、出雲に住み着いてイザナミを祭り、出雲国造の系譜を生み出して行きます。そして、次の使節としてアメノワカヒコが出ますが・・・大国主の娘の下照姫命と結婚し復命しないでいたので、調査に出た雉の鳴女を射殺し・・・それに対抗するため高天原は暗殺を企て、その結果、アメノワカヒコは殺されてしまいます。ここに及んで高天原は武力による威嚇の段階に入ります。そこで、磐裂根裂神の子、磐筒男・磐筒女の子である經津主神が行くことに決しますが・・・武甕槌神が名乗りを上げて出かけることになるわけです。

 結果は・・・經津主神・武甕槌神は出雲へ出かけ五十田狹之小汀で、十握劒を抜いて武力による脅迫に移ります・・・十握劒が存続会社の象徴なのでしょう・・・本店の命令に従え!大己貴神は引退してるから息子に聞け・・・事代主神は本店の権威を認め・・・大己貴神は本店の権威を確かめ、業務の引き渡しを決定・・・ただ星神香香背男が最後まで、本店命令に服さなかったので建葉槌命が服従させる事になります。・・・多分、これが空白の4世紀の真相ではないかと・・・

 もうちょっと脚色すると・・・倭国大乱のあとに合名会社イザナミ・イザナギの本店開設と短期間の繁栄・・・景初2年;238年アマテラス=ヒミコで良いかも?高天原は最新の大陸の文化輸入倭国総代理店(金印紫綬を授けるとともに銅鏡100枚)・・・で、合名会社イザナミ・イザナギの販売網を継承(銅鏡100枚をばらまく)、この販売網の支配人がスサノオ、ところがスサノオは朝鮮ルートで並行輸入、フランチャイズ「神社」への幣帛で支配・・・よって本店の権威の低下・・・泰始2年;266年アマテラスが死んだら上納が上がってこないので・・・經津主神・武甕槌神の国譲り・・・高天原は東に延びた販売網を支配するには遠すぎたので・・・東征を行い、本店所在地を三輪に変更、フランチャイズ「神社」で陸奥方面に躍進中の三輪氏を重用・・・関東には茂呂が・・・出雲をから日本海沿いに北上する航路は維持され、新たに伊勢から太平洋岸を北上する航路が開設・・・倭国大乱前は・・・高天原の合議制に着目すると・・・王権は世襲では無くて・・・その結果独神だったのでは?富の蓄積とともに合議制から世襲へ・・・世襲への移行期が倭国大乱とか・・・富が蓄積すると男系では乱れるから、富は女系に蓄積して、それに婿殿の形で優秀な人材を登用するシステムへの移行・・・女王の権威の下に政治は婿殿が責任を持って行う・・・伊能君なんかそんな感じですから・・・俺、十分働いたから店からの年金で江戸でしたいことをするんだ!天文だ測量だ・・・青春を返せ!・・・放蕩隠居か?・・・妄想は面白い・・・

 しまった、古代史を再構築しちまった・・・でも、人の普通の一生の長さなどを勘案すると、邪馬台国から空白の4世紀をちょうど埋められるような感じだと思うのですが・・・権力基盤は、先人のグループによって作られ、後代の権力者が利用してより強固なものにする・・・前時代の権力基盤は、技術革新などで無用となる以外は廃止されることはほとんどない、普通は名前が変わって制度は存続ではないかと思うのでね。あちゃ・・・次回はちゃんと・・・經津主神の話だったので・・・気になるのは神武東征をどこに置くかだな・・・イトがアマテラスを襲名で逃げるか・・・上納の停止をアマテラスの死と結びつけたが・・・いずれにせよ・・・女系社会ならヒメタタライスズヒメで繋がって1つの王朝へと・・・再編されるわけだな・・・通説とは違った妄想、妄言の世界・・・だから遊べる・・・さて・・・本居君に經津主神を無視されて小林君は怒っていますが、どんな具合になるやら?

 日本書紀って変な本・・・古事記という物語がちょっと前に出ているのに、それになびいているわけではなく・・・独自に史料を収集して、それをすべて記載・・・正史というには乱暴・・・一応本文があるが異説も収集・・・編集放棄だね。經津主神を明らかにするには、このあたりの記述を整理して考えてみる必要がありそうな・・・ちょっと、神系を真面目に考えてみますかね・・・香取志・・・これって經津主の実在証明のために書かれた書であるようなことが書かれていますからね。ちょっと、史書に見られる日本の古代史をチェックして妄想的再構成してみますか・・・ああ、大妄想になりそうだ・・・

2013.10.12

関係ないが、興味深いもの
近代デジタルライブラリー - 栗里先生雑著 一五巻. 上 103コマ 住吉神社神代記考証 
近代デジタルライブラリー - 秘府略. 巻864 

参考になるもの。
東京大学史料編纂所 Historiographical Institute The University of Tokyo
電子資料館 | 国文学研究資料館 
近代デジタルライブラリー - 検索結果 明治神社誌料
 近代デジタルライブラリー - 明治神社誌料 府県郷社. 上 千葉県 534コマ
 近代デジタルライブラリー - 明治神社誌料 府県郷社. 上 茨城県 592コマ
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国立国会図書館デジタル化資料 - 和名類聚抄 20巻 
大日本海志編纂資料 資料分類
近代デジタルライブラリー - 大日本神名辞書
茨城県遺跡リポジトリ
近代デジタルライブラリー - 仮名日本書紀. 上巻 204コマ 景行天皇
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
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近代デジタルライブラリー - 和名類聚抄地名索引
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近代デジタルライブラリー - 検索結果 神祇志料

近いうちにやりたいもの
香取志 
古文書(冊子・一紙・巻子・絵図) 日本銀行貨幣博物館 これって面白そう・・・特に、社会関係史料が・・・
近代デジタルライブラリー - 検索結果 徳川時代商業叢書
近代デジタルライブラリー - 検索結果 日本財政経済史料



  










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