香取神宮をうろうろ(56)
 香取新誌 (16)

 偽物の銀貨ではあまり恰好の良いものではないので、お金に変わる価値のある物を・・・と言っても、私の愛用のバターナイフ・・・パンはそこそこ食べますから、毎日のように使っているものですけどね。これが、意外と価値があって・・・15.5g 今日の買い取り相場は1g75円位かな・・・地金の価格は1075円ほどで買い取ってもらえるかな・・・なんって下らない事を考えてしまいます。このバターナイフはイギリス製でホールマークというやつが刻印されています。これって、純度保障のマークの様なものですから、これを見るとどこの検定を通ったものか、それが何年であるかがわかるようになっています。このバターナイフの場合は、王冠・ライオン・m・JWFという刻印がありますからシェフィールドで1929-30に検定を通っているJWFという銀細工師の手になることがわかります。年がまたがるのは・・・確か・・・5月22日に切り替えだっけ?・・・よって、この刻印が真正なものであれば、このバターナイフはスターリングシルバー、純度92.5%の銀製ということがわかります。どうも、私は気軽にいじれないものは買わない主義なようで・・・飾って置くなんって事は出来ない・・・古銭にしてもケースに入れて眺めるなんってできないし・・・さわるな!って普通言われる銀貨なども・・・みんな茶色くなってくる・・・銀製品は時々磨かないと・・・だから、銀製品はたくさん持てないんです。あとは、シュガートング、ティースプーン数本、ディナー用ナイフ・フォーク・スプーン1人分とか自分用の普段使いのものだけですね。使わないものが沢山あると、銀製品は手入れが面倒ですから・・・基本的に磨くのは嫌いですからね。

 さて、続けるとしましょう。近代デジタルライブラリー - 香取新誌 36コマ このあたりを読んでるのでした・・・延喜式下総の国十社・・・からです。


延喜式下総の国10社は本宮の境内にも、その影祀があると思われて、長保2年の古記に載っているその10社は
千葉郡二座
寒川神社 相模の国、寒川の神社は一の宮村宮山と云う地にある事からすると、これは三山村にある二の宮明神と称するものがこれであろう。三山は、宮山の省訓であろう。古の祠人この浦の辺りに22人あったという。大社である事を推し知るべし。かつ、神宮寺もある。由緒がある事を思いなさい。
社の著す所の下総式に詳しい考察がある。


 ああ、分かってるけど・・・嫌いな言葉が立て続けに出てきますね。「推し知るべし」「おもうべし」当然か・・・当然わかるはずだ・・・わかんない!自明とか嫌いだな・・・どうしても、気に入らないから普通の訳じゃ無くなってしまう・・・日本人なら分かるはずだ!・・・日本人だけど分からない!次は・・・非国民!それでも日本人か!大和魂はどうした!・・・でも分からないよ〜だ。江戸の初めころまでは純血を証明できるはずなんですが・・・どうも、この論法は苦手でね。出てくると、毎回困るのです。自信を持って言い切れるというのは良いのですが・・・私は苦手ですね。状況は刻々と変わっている・・・今はそうであるが、次はどうなるか分かりませんよ・・・だから保険を・・・って保険屋の口上じゃないですが・・・知の世界は客観的な事実は存在しますが、記述する場合、主観が入らない事はあまりないのでね。当たり前の話ですが・・・見ての通り、1冊の本を端から初見で読んで解いていく作業をしています。当然誤認がありますしね。でも、これって、スリリングなんで・・・面白い。しかし、これはプロの研究者がやってはいけないことだとも知っています。でも・・・

 ギリシアの哲人たちは良い生活をしていたなと・・・シンポジオーンSymposionだね。語源は・・・一緒に飲むです。飲ん役に立つか立たないか分からない話をする・・・ワインを飲みながら、美味いものを食い、歌舞音曲付きで・・・素晴らしいね。こういった物を礼賛しているから、学者にはなれなかったのかも知れませんがね。・・・歌舞音曲付き・・・日本語としては正しいがイメージが少し違う・・・実は飲みながら国会図書館の蔵書の影を眺めているのでね。でも、冗談抜きで大きなスクリーンに参考文献を写しだしながら、飲みながら、テーブルを囲み、研究を行えるサロンというのも実現可能な気がします。実は、いま、これを書いている場所って・・・右の写真のような場所なんです。100インチのスクリーンに作業中の文書類、大きなテーブルの上にはPCとスキャナー、右にはステージがあってカラオケはできるし・・・20人ぐらいは入れるスペース・・・メインのPCには無線のマウスとキーボードが繋がっていますから、ネットワーク上にある文献にアクセスすることができて・・・まあ、たまには活躍してくれるスペースですけどね。ビールサーバーもあるし・・・何をやっているのか?

 でも、古代ギリシアの富裕層が行う研究のように、不労所得を基盤として行えるのならば、学問の中立というのは可能なのかと・・・象牙の塔を磨くような研究はできない人間にとっては・・・そして、不労所得だけでは生きていけない人間にとっては・・・あと10万円ぐらい不労所得があれば・・・研究ごっこだけしたのでは生きていけない・・・貧乏ではいけないのだ・・・人はパンで生きるんだ・・・パンがあるという保証があって初めて理想が語れる。パンなくして・・・そう、ワインが出発点の人間とは違う・・・仕方ない、ルピーに投資だな・・・ルピーが下がってる・・・あ、何をやってるんだか・・・延喜式・・・

 延喜式の式内社が下総で香取神宮の他に10社ある。長保2年;1000年か・・・何だ?延喜式は905年に編纂を開始、927年に完成・・・長保2年ごろ成立と言えば・・・枕草子は関係ないよね・・・何だろうこの古紀とは?不明・・・まあ良いか・・・
 千葉郡に2座あるか・・・
千葉の寒川神社、寒川神社ってのは相模の一の宮だから・・・それに関連があるだろうと言ってるわけですね。神宮寺もあるしか・・・下総式?何だ?近代デジタルライブラリー - 房総叢書 紀元二千六百年記念. 第1卷 縁起古文書 20コマ 下総式社考 かね?これも、序文を伊能君が書いている・・・社とは香取神宮の事かね?どうもわからん・・・続きは・・・


蘇我比盗_社 曽我野村にある。春日明神と称するのがこれであろう。今は小祠であるけど、樹立敷地等は、いにしえは大祠であることを思うべし。

 wikipediaによれば・・・創建の年代は不詳である。紀記神話によれば、日本武尊の東征の際、相模から総国に渡ろうとしたとき暴風雨に遭い、それを鎮めるために日本武尊の后の弟橘姫が入水した。社伝によれば、そのとき弟橘姫に付き従ってきた5人の女性も一緒に水に入ったが、そのうちの一人、蘇我大臣の娘の蘇我比唐セけは浜に打ち上げられ、里人の看護により蘇生し、都に帰った。後に里人は、日本武尊が帰途に亡くなったことを聞き、その霊を慰めるために社を建てて祀った。応神天皇はその行為に感激し、蘇我一族をこの周辺の国造として派遣した。とのこと・・・町中の小祠ですね。海岸は埋め立てられ製鉄所があるようですね。昔は大きかったんだ、信じろ!か・・・

 ちょっと、更級日記の書き出しが気になるのですが・・・東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人・・・東路の道の果て東路は東山道か東海道、更級日記に書かれているのは東海道・・・道の果ては一般に常陸国ですから、常陸から上総へ出る?これってどういった交通路を想定しての話なのか?この2社の置かれた千葉郡・・・上総が交通路の上でどんな変遷をたどったのか?こういった海岸沿いの神社というのは、多分、交通の要衝に置かれていたのではないかと、勝手に信じていますから・・・というか、昔はこういった社や堂は避難所のように使われていたような感じ・・・簡易宿泊所とか?交通路の変化で、地域の興亡がある程度決まりますから・・・今は小祠・・・曽我野の大地主って・・・小河原七郎兵衛でしたね。名主・廻船業者・・・代々の七郎兵衛の交友関係でも当たると、交通路が見えてくるかもしれない・・・江戸時代って俳諧つながりってのがあるから・・・

 もうひとつ、気になることが・・・社会インフラの事なんです。為政者というのは看板の様なもので、こいつが交代しても社かインフラは維持され、発展していきます。戦国時代によって我が国は荒廃したか?と言われれば、そうではなく、この時代には結構社会インフラの発展があるような?社会インフラの維持管理を行っていた頂点は何?っていうと・・・多分庄屋とか名主を頂点とした地方三役だね・・・これが地方自治組織・・・これの看板になるのが領主になるか、そして庄屋間の連絡網が存在するから、廻状を廻すとそのコピーからさらに新しい連絡経路に流れるから、地域で情報を共有することになるので・・・香取神宮の棟上に際して、廻状を廻さなかった地域からも、ちゃんと餅が届くことになる・・・定使が走り回ることになるか・・・という事は、律令時代に全国組織で作られた社会システムが幕末まで機能していた。そして、郵便とか名前が変わっただけ?律令ってのは、結構地方の生活に大きな変革というか、中央集権国家の基礎を遥か昔に築いていたのでは?なんって思うわけです。

 ちょっと、大妄想・・・市町村は解体したらどうなる?末端は自治会にして、自治会三役に上申権限を与えて、県に陳情というシステム・・・政治家の役割が重要になるから、無能な政治家が淘汰されるのでは?県議会議員も地盤をちゃんと回るようになる・・・地方自治体の人件費は多分半分に削ることができる・・・政治家の役割も大きくなり・・・情報化の時代ですからデータ管理はそれほど大変ではないはず・・・だって、10社の電力会社が、日本中のほとんどの家屋をデータベース化しているわけですから・・・電力料金の徴収だってしっかりして居やがるし・・・日本中の電気メーターを休止中のものも含めて毎月チェックしているんですからね。多分、日本政府が消滅しても、電気料金の請求は必ず来る・・・だって、請求書が郵便じゃないんだもの・・・既存の社会インフラは、為政者の如何を問わず、存続されるということなんです。そして、社会インフラは空気の様なもので、気にもしないから歴史の舞台には現れない・・・なんとなく、律令制って効率の良い支配体制では?そんな気がしてきました・・・

 おっと、蘇我比盗_社の境内が小さくなってしまったのは、単に都市化の影響を江戸時代に受けていたのではないかと・・・近代デジタルライブラリー - 千葉県千葉郡誌 375コマ だらだら読んで駄文を書き連ねているうちに、お目当ての物にたどりつきました。千葉郡の2つの式内社について書かれています。文化年間に別当寺も一緒に消失、それ以降仮殿のままになっていたとのこと。明治33年に再建か祭神不明で、色々と合祀相殿となって神様がいっぱい入っている神社になっているようです。合祀事由があるのがあります・・・収入が少なく維持が困難、尊厳を傷つける恐れもある・・・なかなか厄介なことです。

 あれ地震だ・・・どうも、東北の地震というと、貞観地震として知られているやつを思い起こしてしまいます。

五月・・・廿六日癸未 陸奧國地大震動 流光如晝隱映 頃之 人民叫呼 伏不能起 或屋仆壓死 或地裂埋殪 馬牛駭奔 或相昇踏 城(郭)倉庫 門櫓墻壁 頽落顛覆 不知其數 海口哮吼 聲似雷霆 驚濤涌潮 泝漲長 忽至城下 去海數千百里 浩々不辨其涯諸 原野道路 惣爲滄溟 乘船不遑 登山難及 溺死者千許 資産苗稼 殆無孑遺焉

 5月26日癸未 陸奥の国で大地が大きく揺れた。あたかも風で揺れる木漏れ日が流れるようだった。すると、人々は叫び、地を這い立ちあがることもできなかった。或ものは家とともに倒れ圧死し、あるものは地の裂け目に埋もれ死に、馬や牛は暴れ走り、互いに踏み合うなどした。城や倉庫、門櫓、墻壁などが崩れひっくり返った。海港では雷のような音がとどろきわたり、ものすごい波が湧き起こり、それは長く海岸に漲り、城下に至った。海沿いにを数千百里を行き渡り、どこが何だかわからないほど、野も道も海に覆われ、そこでは、船に乗ることもできず、山に上ることもできずに、数千がおぼれて死んだ。植えられた苗も実ることなく、みなすべてを失くした事を目の当たりにした。

 こんな感じですかね・・・流光如晝隱映 と 去海數千百里 は、翻訳が困難で・・・流光如晝隱映 は、はっきり言って分かりません・・・如しがあるので流れる光は・・・を光は基本的に物と影との関係で理解されるので、動かない・・・動くのは、昼の木漏れ日が揺らめく様と捉えました。そよかぜで乱れ動く木漏れ日が地震での物が揺れ動く様と考えてね。去海數千百里・・・海を去るではなく、ここから去って海に行くと考えて、皓々不辨其涯諸・・・即死を免れた、たまたま多賀城近くの高台にいた官人が、陸地の様子を確認して、其の後、海が見渡す限り千・百里を埋め尽くすように見えた。そして、その、海で埋め尽くされたものを眺めての描写として考えての訳です。つまり・・・すべてがぐちゃぐちゃに波の飲まれ、その行く末が見えなかった様だと・・・いかがかな?あんまり、普通の訳ではないような気がしますが・・・去海の方は、これで良いと思いますが・・・流光如晝隱映これは、絶対に地震の前兆現象の記述とは思えません。理由は「如」がね。実は、漢文の知識も限られているので・・・まあ、適当になんですが・・・でも、Wikiの訳が恣意的な感じがしたのでね。去海ですね。こちらの方が文学的に優れていると見たのですが・・・日本人の漢文なので、主語省略というやつでね・・・海が本来の位置から去って、陸を埋め尽くしに行ったとか言えるのかなと思ったのでね。漢文で、緊迫感を雰囲気で表す表現を知らないのでね。知らないことがいっぱいあるな・・・半世紀ぐらい日本語を使っているのに・・・ジジイになるのは嫌だ!というもののジジイだね・・・

 ああ、千葉郡誌を読みながら、余計なことばかり考えてしまった・・・夜中に起こされた不満も・・・未明の地震なんって嫌いだ・・・ところで、貞観地震は夜に起こったのかね?それとも昼間?他の資料をあたらねば・・・WikiPediaからの引用で、原文は確認していなくて、Wikiのついている訳が気に入らなかっただけなんです。こういった遊びは、素人の特権ですからね。

 あと、地震による発光現象は、私は信じてないんです・・・強いショックで目の前が真っ白になるのは、受験生が本番で良く報告する事例なのでね。これは、ソフィストである私の経験からの判断ですけどね。瞳孔が開くことで、まともに廻りが見られなくなるという現象でしょう。


2013.09.20

関係ないが、興味深いもの
近代デジタルライブラリー - 房総叢書 紀元二千六百年記念. 第1卷 縁起古文書 20コマ下総式社考 清宮君の著書だね。
近代デジタルライブラリー - 農村社会学 農村についてお勉強・・・
近代デジタルライブラリー - 偉人伝全集. 第12巻 岩崎彌太郎伝 面白いね!
 
 
 
 
参考になるもの。
東京大学史料編纂所 Historiographical Institute The University of Tokyo
電子資料館 | 国文学研究資料館 
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大日本海志編纂資料 資料分類
近代デジタルライブラリー - 大日本神名辞書
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近代デジタルライブラリー - 仮名日本書紀. 上巻 204コマ 景行天皇


近いうちにやりたいもの
香取志 
古文書(冊子・一紙・巻子・絵図) 日本銀行貨幣博物館 これって面白そう・・・特に、社会関係史料が・・・
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