古いが、アンティークとは言いがたいもの・・・

アンティークなも、骨董ですが、きわめて趣味的なもので・・・何がアンティークかといわれるとちょっと困るような気がします。まあ、多くの人が好み、価値を認め、守り、時代を超えてきたものが、価値あるアンティークといえるのでしょう。しかし、そういった製品は、常に作られ続けています。

アンティークといっても、多くはその時代の最先端のものであったわけですから。それが残される事によって、アンティークらしくなるわけです。その時代の良いものを、良い状態のまま数十年保持すればよいわけです。私も、不老不死が得られるなら、自分の気に入ったものを色々溜め込んで、時代が変わるごとに見直して・・・とかしたくなりますがね。

さて、アンティーク、私が興味を持つきっかけになったのは・・・なんと、何の変哲もない、中華料理屋の業務用の右の食器です。

この大雑把な染付け・・・なかなか強烈でした。何しろ、こんな雑器のデザインなど気になどしませんから。

しかし、こういった大雑把な、そして単なるゴム印か何かで染め付けられているもののインパクトがね。

色数も少ないし・・・繊細さとは対極的なものです。しかし、私のお気に入りとなったというわけです。

さて、図柄の詳細を・・・眺めてみましょう。鳳凰の頭の部分、何の変哲もないのですが・・・
どうも素敵なもののような気がして・・・この皿から、アンティークへの思いが募り始めてしまったというわけなんです。

かつて、我が家にはこの皿のデザインに類似のラーメンどんぶりがありました。現在は失われてしまったものですが、そういった幼少時代の思いがあるのかもしれません。

しかし、この手の食器はどこへ雲隠れしたんでしょう?

でも、案外田舎の大衆中華食堂なんかで現役でいるのかもしれませんがね。

ただ、この時代の食器って、今のものに比べるとちょっと小さいんです。この八角の皿も、かつてはチャーハンなどを盛るのに使われていたのでしょうが、ちょっと小さいですね。

今なら、酒のつまみか何かを乗せるには良いサイズのような気がします。

こういった、価値のなさそうなものが好きなんです。デザインは秀逸と思えるのですが・・・そうでなかったら、どこにでもあるものにはなれなかったでしょうしね。

広く普及し、そして消費され尽くしてしまうもの、これって面白いと思うのです。

たぶん、この手の中華食器は、ある意味日本の外食文化の中での、第一世代に属するものではないかと思うわけです。今でも類似の業務用の食器がメラミン樹脂で作られていますが、さすがに現在の製品を購入する気力はありません。

この食器は、手彩色だから良いのでしょう。近頃の繊細な美しい食器を眺めていると、こういったものの強烈な個性に惹かれてしまうのです。

この手のものに興味を持って、眺めると、国産のさらに強烈な個性を持った商品群があることに気づきました。それは・・・みやげ物用の輸出陶磁器です。名古屋を中心に絵付師が、その創意工夫で外貨を稼ぎ出したものです。名古屋陶磁器会館こんなサイトを眺めると色々と欲しくなるというわけです。

さて、こういったあたりでアンティークに興味がちょいと出てきました。家の中を掃除しつつ古いものは・・・ないんですね。しかし、陶器には興味があって、結構買い込んでいるんです。

コーヒーを飲みながら・・・そうだ、ポットのちょっと洒落たのも欲しいな・・・いつものことでポットを探してみたのですが、楽天などを眺めて見出したのがなんと、ドイツ製のコーヒースプーン・・・これがちょっと高価だったのですが、気に入って・・・銀食器への道も同時に歩み始めてしまいました。

あまり、本気のアンティークじゃないのですが・・・とりあえず、良い古いものをというわけなんです。
(2011.10.27)















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