世界をうろうろ(6)
  韓国ソウルを・・・(6) 

 より長い時間遊ぶという、ふざけた?信念に沿って行動していますから、かなり飲んだ翌日だって6時前に起きだして、行動計画を検討するというわけです。

 厄介なことに、昨日の夜に買い込んできた嗜好品の数々が手付かずで残っていて・・・こんな危険なものは早く処分しなければ・・・荷物にして税関でいらぬ詮索を受けるなんって・・・というわけで、缶ビール3本、ソジュ360mL2本、マッコリ1L及び、干し肉・ナッツ類の処分を開始します。

 ホテルのテレビは、何波か日本の放送も入るので、NHKを眺めながら地図を眺めます。基本計画では8時過ぎにホテルを出て、11時過ぎにホテルに戻りチェックアウト、13時30分に集合が基本になりますから・・・

 TVの影響で・・・あまちゃん見て行くぞ!ってな具合に・・・中身は・・・かつて春子(小泉今日子)が過ごし、そのままの状態で残っている部屋で、母の若き日に思いを馳せる。そこに春子がやってくる。思い出の品々を通じて、心を通わせる母と娘。スランプ脱出の秘訣を春子から聞き、奮起したアキは「本気獲り」に挑むことに。この日は、年に一度獲れるだけウニを獲ってよい、海女たちの真剣勝負の漁で、海女漁の今季最終日。天野家を代表し、参加したアキは、夏(宮本信子)や春子(小泉今日子)が見守る中、海中に潜っていく。しかしアキは前日にヒロシから突然の愛の告白を受けて大混乱していた…。ってなあたりでしたっけ。

 長く潜る秘訣か・・・人間の脳は酸素を大量に消費・・・無駄に頭を使うと、酸素消費は大きくなる・・・頭を使わないと・・・おばかなら・・・長く潜れる・・・

 妙な漢字でカタカナ言葉を表したっけとか・・・ドラマは、記憶を揺さぶってくれますね。・・・みなごろし なんって漢字あったっけ?とか・・・20年近く前の教え子が、この字知ってる?なんってやってたっけ・・・音はオウ・・・あの子は今頃、何しているのやら?とかね。

 嗜好品の処分もあらかた終わると、いよいよ今回の旅行の最後の市場巡りへと出発です。ミョンドンから、ひと駅地下鉄で忠武路駅へ行って、そこから北へ進陽商店街・テリム商店街・世運商店街、広蔵市場などを回って戻るような予定を考えたのですが・・・結局、ひと駅ぶん歩くことに・・・歩くと色々なものが見えますからね。そしてコンビニで・・・例によってタバコを買い込み・・・飴の類を買い込んだり、ぶらぶら歩きです。夜と朝では街の表情は違いますから、こういったものも面白いのです。

 昨日は雨でしたがね。今日はぶらぶら歩きにはよい天気・・・暑からず寒からず・・・今回の旅行は、ひたすら商店の探索・・・やはり、歌舞音曲の類を楽しむのも良いのかもしれません・・・それは、そのうち・・・食べ物を中心とした買い物なら簡単、無形のサービスを買う場合は、それなりに予習が必要ですからね。

 食べ物系で厄介なのは・・・すぐにお腹がいっぱいになる事ですね。安くて結構な量があり、ビールのつまみに最適なキムチの類が数種付くんですから・・・歩いて移動というのも、腹ごなしには良い選択だったのか?

 とにかくぶらぶら歩いて、店の構えなどを眺め、一坪ショップのような物がずいぶんあるな〜あとか・・・業種・場所によって、店の開店時刻がずいぶんと違う・・・不思議な街・・・

 忠武路の地下鉄駅を過ぎるとすぐに予定の商店街が見えます。そこを左折・・・両側に通路・・・まだ店はほとんど開いてないよ・・・ちょっとがっかり・・・とにかく北へと向かいます。道には様々な働くバイクが・・・改造オート三輪ですかね?125cc程度のバイクの後ろを切って、シャフトドライブで後輪駆動・・・なかなか面白い!

 改造自転車も・・・改造というか、日本の新聞配達用の自転車をさらに強化して、重量物運搬を可能としたものなんですが・・・これまた面白い!写真を撮ってこなかったのが問題ですね。しかし、かなりのバリエーションがあって、カタログを作るつもりで写真を撮るのも面白いかもしれません。こいつは今後の課題ですね。

 実は、1台欲しくなったんで・・・輸入したらどうなる?公道は走れるか?などなど・・・関釜フェリーで運べば・・・とか考察するわけです。普通のバイクじゃ面白くない!なんってね。

 結構な荷物が積めそうですし、バックギアも付いているし・・・特に使いこんで、改造を重ねたボロイ奴なんか・・・絶対面白い!なんってね。

 さらに進むと電気街・・・途中のコンビニで、再び買い物・・・

 電気街では、特別に何かを買おうという気力はあまりありませんね。200Vだから・・・使おうと思えば・・・案外100〜200V対応の物が多いのかなんって、思いましたがね。LED電球の器具が多いようですね。興味深い・・・橋を渡る手前には機械工作を行う町工場群がありますね。旋盤やフライス盤を据え付けさまざまな加工が行われていました。

 昔の日本の下町の工場みたいな感じですね。そういえば、日本ではこういった物作りの現場というものが、安全などの名前で隠され見ることが無くなったような・・・そんなことを考えながら、旋盤工の仕事などを眺めていました。日本だって、試作品や一品物を作る所もあるようですが・・・作業現場は遠くなってしまったような・・・時代は・・・3Dプリンターですから・・・

 ふと・・・俺・・・遊びに行ったんだよな?何しに来てるんだ?仕入れに来てるのか?うん!遊びの仕入れか?なんって・・・意味不明な・・・一応、パッケージツアーに来ているから、商品化された遊びの類型の中に行動しているはず?所謂、物見遊山って類型か・・・ホイジンガ・・・ああ、俺は遊びと真面目がごちゃまぜなんだ・・・なんってね。いつでも真面目、いつでも遊び・・・こりゃ非真面目だな・・・自分の属する文化の枠をあまり気にしないのだから・・・

 ホイジンガも強制収容所送り・・・そして、事実上の軟禁状態・・・なぜ、ナチはひと思いに殺さなかったんだろう?ホイジンガは強制収容所内でも遊びが見いだせたのか?ある程度の自由の中の厳しい現実を見させることで遊びを取り上げたか?だから、解放を見ずして死んじゃったのか?・・・・

 遊んで生きるには、人生は短く、真面目に生きるには長すぎるのか?最高の遊びは・・・現実の枠を超えて遊ぶための抜け道を掘ることか?なんって・・・日本での生活という枠・・・日本と違う国での生活の中に、日常の枠を崩すための何かを見出したいのか?なんって・・・何が不満なのか?何かを求めてなんって・・・そんな高尚なものじゃないですが・・・

 商業の発達って、世界中同じというわけではないようです 近代デジタルライブラリー - 朝鮮の市場 現在の韓国の商業システムはどうなっているのか?こいつも気になります。インターネット上の情報を眺めますが・・・断片的で、全貌は不明・・・まあ、日本人だって日本の商習慣に関して、それぞれの人間が理解しているかというとそうでもないし・・・だから、業界人なるカテゴリーが設定できるってか?しかし、韓国の専門店街って不思議・・・世運商店街の西に広がる・・・トロフィーとかメダルとか・・・そういった物の商店が連なる場所なんか不思議ですね。それから、ハンコ屋も連なったり・・・どういった発達の結果なのやら?

 まあ、実質2日のぶらぶら歩きで韓国の商業を理解するのは不可能ですからね・・・コンビニなどの、掛け値なし方式が浸透してくると、日本と同じになって面白くない商業形態になっていくのでしょう・・・しかし、日本では比較的物価が安定しているから良いのですが・・・物価変動が大きくなると・・・価格交渉のできる店が好まれるようになるかもしれない・・・

 というより・・・案外、買い物を楽しむというのが必要なのかもしれません。私などは・・・買い物にかける時間を最小限にするのが好きなんです。時は金なり的な考えなんでね。まあ、今回は結構楽しみましたが・・・あまり値切る必要のない価格帯だったので、眺めてニコニコするくらいで、おまけを貰うばかりでしたが・・・時間が十分あって、買ったものをすぐにも使いたいという切実な欲求?ってやつに駆られなければ良いのですから。純粋に、買い物を楽しむには、こういった価格交渉と、おしゃべりを楽しめると良いことになる・・・言葉は必須か・・・そういえば、仕事での商談なら話を弾ませて・・・というやつで楽しむことが可能なのに・・・買い物も商談ですから・・・そうか、ある意味、買い物は商談であるのに、日本型の定価販売はこいつを忘れさせているのかもしれません。

 今回のソウル行きは、市場の様子を見に行ったのですが・・・古都としての印象は薄いものでした・・・まあ、王宮などを眺めなかったというのはあるのでしょうが・・・古都見物という気分でも無かったかな?基本的には、日帝時代に破壊され、朝鮮戦争で焼かれ・・・そういった物からなのか?出来が良くても再建されたものか・・・なんって気もあって・・・南大門や東大門な独立門などは眺めましたが・・・どうも、都市の中に埋もれ、かつての威容は感じられないというのもありますね。

 そういえば、ニュースを眺めていて、鎌倉が世界遺産に不登録って話が出てましたね。まあ、「武家の古都」と言われても武家の古都って何?って私も思っちゃいますからね。武家の古都・・・私の知識の中では、武家支配の殿堂となる館とかの意識が無いので・・・古い寺院群があるというイメージでしかない・・・中心は何?って言われると・・・位置的には鶴岡八幡宮でしょうか・・・そして、古い寺院も・・・別に武家と結びついている感じはないですから・・・武家支配のための地割りとかそういったものが私の頭の中に無い・・・

 武家の古都というより、鎌倉五山のイメージの方が明確ですかね?もし、武家の古都という観点で鎌倉を見たら・・・幕府の政庁跡は?支配に必要な街としての威容の部分とか・・・町割りとか、城塞とか・・・なんか、テーマとして見る場所なんって無いような?禅宗文化を中心とするなら、それなりに見て歩く場所があるが・・・なんってね。

 禅宗文化・・・武家の連中が、平野の真ん中辺に自分らの、質実剛健と称する掘立小屋に毛が生えた程度の屋敷を建てて、それの取り巻きの文化の継承を行っている禅宗の寺院は、鎌倉の端へ追いやられ、斜面を利用した変化に富む景色の中に僧院を建て・・・現在もなお、急傾斜地であるから、僧院のまわりには大規模開発を行わない限り、まともな道さえ付けることが困難な地域が残されている・・・それを、緩衝地域と称している。武家が占有していた地域は、現在は観光客を当て込んだ商業地域として繁栄している・・・確かに、現在の観光をメインとした店舗の充実からすると凄い場所だと思いますけどね。その意味では、ソウルの市場や商店街に匹敵しそうな感じです・・・比較が悪いか・・・

 そういえば・・・ソウルの市場というのは、人間の商業に対する創造的な才能を表す傑作のような気がします。アメ横より凄い・・・ソウルの市場は、商業の発達の歴史を物語る建造物と、その集合体は店舗の高密度化による景観を代表する顕著な見本である。また、一つの文化を特徴づけるような伝統的店舗形態若しくは陸上・河川上の土地利用形態を代表する顕著な見本である・・・確か、霊泉市場はかつての川の上?・・・また、人類と環境のふれあいを代表する顕著な見本である。定価を表示するようになったら、不可逆的な変化によって、その存続が危ぶまれる商業形態を存している生きた伝統、思想、金銭に対する信仰、手間賃の範囲内での最高の芸術的な作品と直接または実質的に関連がある。

・・・う〜、世界遺産に登録するだけの魅力はありそうだが、この程度では、鎌倉と同じように認定には至りそうもないですね。

 まあ、私どもの旅行は、ソウルの市場に絞っての観光だったので、一応の成功であったと言えるのではないかと・・・この市場の形態を李朝の両班文化と結びつけるのは無理ですかね?条里制による東西の市からの伝統を引き、その市場でのルールに関しては李朝の時代の様式を色濃く残しているとかなら可能性はあるのか?

 ソウルも鎌倉も観光するだけの価値のある街だが・・・何に結び付けて評価するかによってその価値は変化することは間違いなく、現在のソウルを李朝に結びつけるには、再建された建物群では弱いし、鎌倉を中世の武家政治の中心と位置付けるのも、何も残っていないために困難なのと同じような感じかな?なんってね。

 ソウルで、王宮などが再建されていくのと同じように、鎌倉に大蔵御所でも・・・ 歴史公園えさし藤原の郷 世界遺産 平泉の原点はこの地にある… みたいに、作っちゃって・・・鎌倉の中世を体験できる上に、学術的に優れた中世の美術品を集めて博物館を作れば・・・こなんなのなら中世の現物があるとか言ってそれらしく見えるかも?ちょうど小学校の敷地が、それにふさわしい場所のような・・・

 謳い文句で、行って満足ということでないと、宣伝の対象にはなりえないということなのでしょうね。我々のソウル市場巡りは、謳い文句に見合っ内容になったので正解でした。

 さて、世運商店街の西に広がる・・・トロフィーとかメダルとか・・・そういった物の商店を眺めて路地を抜け、ぶらぶら・・・モーテルも並んでるぞ・・・朝から満車じゃん!とか・・・眺めて歩くわけです。

 鐘路へ一度出て、ぶらぶら・・・種屋さんがありました。植物検疫で引っ掛かりそうなので買うのは諦めましたが・・・ダイコンとか唐辛子、白菜などは買い込んで来たかったのですが・・・価格的には、日本と変わらないかな?なんってね。

 ダイコンやハクサイなどは多分一代雑種なんでしょうから・・・取れた種を播いても同じものが出るとは限らないかな?とか・・・おいしかったら、ちょくちょく密輸?しなきゃ!なんってことになりますから。絶対まずいですね。そして、線虫なども輸入したら・・・こりゃ、非常にまずいというわけで、パス・・・残念ですが・・・類似の品種は日本でもあるはずなんですが・・・どうやら、国内では極早生ミニ大根とか30日ダイコンとか、アルタリ大根ってやつが、韓国の市場並んでいたやつに似ているような?

 ハクサイは・・・小型の葉の薄そうなやつが市場に並んでいました。日本ではちょっと見かけない大きさなんですね。結球ハクサイは一代雑種で、かつては中国の独占だったようです。以前に読んだ明治時代の本に、朝鮮の農民は毎年、中国人からハクサイの種子を買って栽培しているなんって記述があったのを思い出しました・・・なるほど、中国では一代雑種の技術をかなり早い時期から持ってたのか・・・中国は東洋をリードする先進国だったわけですね。

 そうか・・・中華帝国は、先進の文明国であったというやつを再評価しないといけないのかも?日本的な視点だと・・・遣唐使や元寇に勘合貿易、鎖国による唐人屋敷を中心とした貿易・・・宮本常一が採集した加賀の銭屋の対馬までは日本の服装と帆でやってきて、対馬を過ぎると朝鮮の服装と帆で朝鮮人になりすまして朝鮮へ渡航、この手口で、対馬の役人の目をかすめては朝鮮へ行く・・・対馬には密貿易対策で、高速艇があり、それによる摘発が行われていたって話ぐらいかな?

 中国の文物が日本にどのような影響を与えていたのか?なんって、面白そうなテーマ・・・天工開物なんかも読み返したくなります。インターネットは偉大で 天工開物 も読めるんだ・・・天工開物なんって本は、日本にずいぶんと影響を与えたはずなんですが・・・明代の発行の本ですが、中国本土での評価はほとんどなし・・・日本では大いにもてはやされ貝原益軒なども引用し、明和期には和刻本が出版され、当時の知識人の間でずいぶんともてはやされた本だったようです。まあ、本国で評価されなかった理由は見当がつきますね。マンガでわかる不思議の科学 そーなんだ!なんって雑誌と大差ないとも言えないものですから・・・しかし、後進国の日本では数少ない先進文化の解説書と捉えたのでしょうからね。 和漢三才図会 などもある・・・後で読まねば!

 偉大な中華文明、それと比べると日本は・・・たった3日異文化に触れただけで、ちょっと日本に対する見方が変わっちゃったぞ・・・外国かぶれ、井の中の蛙大海を知らずとなるわけですかね。井の中の蛙に関連して・・・ 井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知るってね。負け惜しみ型の思考か・・・自大の我、諸国の文明の偉大さを知らず、されど大和魂を知るってか?

(2013.05.03)

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