ネットの中をうろうろ(32)
  中朝国境に何が・・・(32) 南村駅から興岩駅へ

 南村駅を出発するにあたって、この駅を見た思うことは・・・物流の中心に見えないことです。トラック輸送がメインなのでしょうか?鉄道輸送はそれほど重要ではないのか?という疑問ですね。駅の荷役用のスペースなんです。輸送力を越えた滞貨が出たら・・・小さくても倉庫ぐらいは必要に思えるのですが。昔の文献にも、滞貨が屋根のないところに放置され、濡れていたりして価値を損するような話がありましたっけ。

 倉庫から駅への道はトラックが余裕を持って通れる道ではありません・・・倉庫は、道に面している・・・ということはトラック輸送がメインであると考えるしかないような気がします。原則物流はトラック、トラックは軍の管轄で、燃料油も統制物資で基本的には農家には出荷の自由が制限されているということなのでしょう。

 そうなると・・・物流はほとんど無く、自活が原則で、配給物資は・・・各自、駅で受け取るとか?XX月XX日のXX時の列車で衣料品が届く、対象者は配給切符を持って駅に集合とか・・・電車に乗ることが、許可制であるとするなら電車に乗って買い出しなんってなかなか出来そうもありませんからね。

 共産制の社会って、基本的には物納か活動の成果物を国家が収納し、物品の再分配を行うわけですから、通貨の供給量は最低、物流も最低と言う状態を生み出して置く必要がある・・・そう、思えるのですが・・・物流を加速すると、それに応じて通貨の流通量も多くなります。江戸時代の日本は、徳川幕府が通貨の増産を行いますが、間に合わなくて藩札は出るは、天保銭の発行は行うわ、通貨の改鋳は行うはでなかなか忙しいことになっていますからね。統制経済は、物流の支配から始まるのでしょう。

 まさか・・・担ぎ屋さんがいるのか?この国は、物流が制限されているから・・・工業製品はどうなってるのだろう?そういえば・・・近頃、プロジェクターの映像が暗くなってきて、電球の交換を考えてサービスパーツの値段を見ると・・・同じクラスのプロジェクターより1000円高いのが最低価格・・・結局、1000円安い後継機種を買い込んで、古いのは、予備機へと・・・そう、 サービスパーツの市場はどうなってるのか?確かに出るかどうかわからない在庫を抱えるわけですから・・・同じ部品でも、組立工場に流すのとサービスパーツ市場に流すのとでは価格が全然違う・・・それにしても、電球の方が高いなんって・・・

 製品の横流しとか・・・なんとなくありそうな気がしますね。闇市場からは高いがすぐに買える。表の市場では安いが、物が無いので買えない・・・とか、意図的な調整が行われているとかね。知らない物は、欲しいとすら思えない・・・情報操作と、流通操作で、制約を感じさせないようにすることも可能か?

 右のAに住む二軒長屋に住む人は・・・最寄りの住人は中国領内のB・・・高度差がありますから、Aからは、Bの集落の全てが見える・・・目新しいものがあれば・・・欲しくなる。知らなければ欲しがることすらできない。国境を挟んで、中国側の通信と物流が飛躍的に発展すれば・・・目に見える格差が出ますからね。座標は 42°09'43.40" N 129°09'39.04" E です。

 日本では・・・かなりの田舎でも・・・TVやインターネットを通じての情報と通販で、物を得ることについては困難ではない。ただ・・・ぶらぶら歩きのショッピングとは違いますけど・・・工業製品は個体差は近頃は皆無・・・

 さて・・・北朝鮮ではどんな具合なのか?少なくともラジオの所有はかなり進んでいるようですが・・・丸に十の字のループアンテナだと、北朝鮮の放送局しか入らないのでは?それでも、ラジオの情報はそれなりに有益なのではないかと・・・少なくとも、中央では当たり前のことが、田舎では知られていないことだってあるでしょうから・・・そういった意味でも報道管制に注意がはらわれているのか?

 あれ、放送関連をチェックしてたら・・・北朝鮮法令があります。こりゃ好い情報源ジャン!気になる土地および物流関連は・・・土地に関しては、「第4条 国は、土地改革で成し遂げた成果と社会主義的土地所有関係を法的に決定せしめ、強化発展させ、国土を守るための開発を為し、国家と社会が共同で利用して社会主義の物質技術的土台をさらに強固にせしめ、国の社会主義建設を力強く推進できるように必要な対策を講じる。」多分、機械翻訳なので・・・一部改めましたがましたが・・・土地革命で成し遂げた成果は有効のようです。多分・・・第1条の精神からすると・・・「第1条 朝鮮民主主義人民共和国の土地は全体の農民たちが朝鮮労働党と人民政権の賢明な指導の下、 "耕作する土地は耕作する農民にと"という原則で実施した偉大な土地改革法によって民主主義革命の段階で成し遂げた革命の貴い獲得物である。」とされていますから。個人所有はOKとなりますね。そして、第8条で・・・「第8条 土地は、我々人民の貴重な生命を繋ぐ財産で子孫万代の繁栄のための国の宝である。国は、全人民と農業労働者、国家機関の幹部たちの中で、社会・愛国主義教育を強化して、彼らの土地をよく保護管理して、正当に扱うようにする。」・・・多分、1項の規定が機械翻訳ではややあいまい・・・土地革命の成果によって確定された土地の権利は子々孫々に受け継がれる財産であるという規定かね?一応、憲法で財産や権利は相続できるようですから。

 第二章の規定は、国有地に対するものでしょう。「第9条 朝鮮民主主義人民共和国の土地は国家と協同団体の所有である。国のすべての土地は人民の共同所有とであって、それを誰も売買することはできない。また、個人のものとすることはできない。」ということのようです。国有地は個人所有にならない、しかし、他の条で逆は可になっていますね

 土地の所有に関しては、条文で確認できましたから、土地革命の際に規定された大地主もOKでしょう。

 問題は物流と生産手段・・・生産手段は憲法で国有としていますから・・・生産手段の国有化か・・・財政法を見ると何か分かるか?

 財政法・・・ありますね。基本的な考えは、「第21条 中央予算は、中央経済部門で作成された社会純収入を基本的な収入源とする。全国の経済、文化建設と国防建設、対外活動、人民の生活に必要な資金は、中央予算が責任を持つ。」と来たか・・・中央経済部門って何?国有企業が鉱工業を牛耳っているし、鉄道などの輸送機関も国のものとなるか・・・よって、北朝鮮のブルジョワジーは国ってことになるわけですね。鉱工業労働者と古臭い言い方だけど動労・・・トラック輸送も含む連中もまた国営企業・・・公社及び現業部門ね

 そして、地方財政は・・・「第22条 地方予算は、地方の経済部門で作成された社会純収入を基本的な収入源とする。地方経済の発展と暮らし向きに必要な資金は、地方予算が責任を持つ。」って言うと、農・水産業と、生活基本財の供給は地方で賄うことになるのか・・・都市部と農漁村は分離されている。中央の政策が悪い=利益が出ない、そうなると地方から食料を購入できないから都市の工業労働者と軍が飢えることになる?

 次の条文が、機械翻訳ではうまく訳せない・・・「第23条 地方住民参加型予算制度(イェサンジェ)は国の指導の下、地方の責任と国の指揮を仰ぎ、互いの合意(チャンバルソン・・・多分 創発)に基づいて郡を基本単位として実施する。地方政権機関は、地方の暮らしを勘案して地方の予算の収入と支出を独自に調整して国に多くの利益を与えなければならない。国は、地方予算執行の模範的な自治体に対して財政特典を与える。」多分こんなかな?この条文からすると(訳が正しければ・・・)地方自治のレベルでは民主化されており、国家は自主性を重んじつつ指導するということか?なお地方は予算をなるべく浮かし、上納すべし!ってか?

 中央政府はプロレタリアート(無産階級)を支配し、地方は自作農・商工人を支配せよということか?そうなると・・・出身成分と言うやつが問題になるということか?

 出身成分・・・家系を三代前まで遡って調査し、金日成や金正日への忠誠度によって分類と言われるが・・・核心階層が工場労働者及び農奴の家系と解放後の教育で指導的立場にいる者、それから抗日と解放および朝鮮戦争の功労者一族とこれらのエリートの朝鮮労働党員で、動揺階層が商人および地主・自作農、自営の工人・・・ブルジョワジーじゃん!これと核心階層の落ちこぼれと、日帝の手先などから寝返ったものや解放前の知識階層ということで、敵対階層は文字通り、富豪と精米所を持った大地主と自分の信じるものを行為規範として行動する人間となるか・・・

 都市の工場労働者と自らの店舗を持たない商業従事者、国営農場の農業労働者などの賃仕事をする者は中央政府の管轄で、中央政府を自体を作るものはエリートの朝鮮労働党員と、解放後の教育で育った知識層と、革命の英雄一族であって、地域経済をまわすのはかつての自作農と中小自営業者と定義され。その他、よくわからない連中・・・他国からの移住者、かつてのブルジョワジー、本気の敵対者、宗教家・哲学者となるかな。この3つの成分が入り混じらないように身分制度を構築したのか?だから、それぞれの部門は独立採算で、国家は君臨するが、あまりまじめに統治していないから生産計画の齟齬が都市部に飢えをもたらし、地方からの調達が困難だから、海外からの支援を頼み、都市部と軍に配当・・・食料生産地の地方は飢えない・・・

 民法の規定の中に、土地の所有に関するものがあります。「第94条 不動産取引を内容とする契約は、書面で結んで公証を受けて初めて効力を有する。」・・・土地の取引は、認証機関の公証が必要・・・認可制だが、存在するということのようですね。

 個人や法人の権利関係の中に興味深いものがあります。それは「第115条 商品供給契約の当事者では国の商品配分計画に基づいて商品を交わす工場、企業所と卸売商業企業、小売商業企業所となる。企業所の製品販売を担当した会社、協同農場も契約当事者としてすることができる。」 契約当事者になるためには・・・取引計画書を国に提示して、承認を受けて初めて契約当事者となるということか?さらに面白いのは、116条で「第107条 資材供給契約の当事者は、供給材料の名称、規格、品質、供給期間、数量、価格と資材を輸送。引き渡しの方法、資材の包装条件、取引銀行のような条件に合意を見なければならない。」というやつを要求しています。108条では運送方法は供給者が、輸送費は需要者負担と規定がありますね。計画経済らしい話・・・まさか、納品日に需要者が物品の引き渡しを要求できないようにする規定か?工業製品は国家の生産計画によるもの・・・運送の手配が・・・で、生産の遅延を糊塗するとか?蕎麦屋の出前か?まさか、法律の文言で・・・ありえないな。でも、145条に至るまで、色々と言い訳がましい内容が規定されています。気のせいか?

 政府系の買上に関する規定も民法で定められています。そして、自由市場に関する規定も・・・

 政府系の買上は・・・「第152条 国家計画の農産物、希少金属、国家統制品の供出、農畜産物と農地産物、原料や資材、一般用品を買い取る当事者は買上機関となる。買上機関は、基本買上産品の評価基準と価格を公示し、それに応じて買上げなければならない。」ですから、規格と価格をいじれば自由な値段で購入できるが・・・・「第153条 買上機関は、契約されたものを決められた期間内に買わなければならない。この義務を違反した場合に買上機関は、当該物件を他の買上機関に売ることができる。また、生じた損害の補償を受けることができる。」 まあ、これは当たり前・・・「第154条 買上品を買上場所まで運ぶことは買上される者で、買上場所から別の場所への運送は買上機関がする。買上品の輸送費を前項と異なる契約した場合に運搬を担当した者は、当該運賃を相手から受けることができる。」徴収機関まで運べと・・・そこから先へ運ぶ義務はないとな。

 そして、自由市場に関するもの 「第155条 公民が生産した農生産物は、農民市場でのみ生産者と消費者の間で合意された値で売買することができる。また、転売による利潤を獲得する行為は禁止する。」 公定価格をあまりに低く設定すると、自由市場に流れる・・・仲買などは禁止・・・購入したものを加工して販売するのはOKか?だめでも、次の契約を使えば良いか・・・「第156条 公民は、物を作成したり、修理、加工したり、その他の仕事を任せることは作業奉仕契約で行う。作業奉仕契約は、労働者の便宜を図り、良い条件での奉仕ができるように締結し、履行しなければならない。」 そして、当たり前の契約条項 「第157条 作業奉仕契約によって作業する者は、注文を受けた仕事をして、その結果を作業委託者に引き渡す義務を負い作業委託者は作業結果に対して相応の手数料を支払う義務を負う。」 普通です・・・

 158条以降、こまごまと資材に関する規定が書かれています。興味深いのは、次の条なんです・・・こんな規定は当事者間の話以前の問題では?なんって思えるので・・・157条の内容を細かく規定?

 まずは、「第161条 作業者は、作業委託者が出した作業対象物を大切に扱って資材、付属品を消費基準と技術的要求に合わせて使わなければならない。使って残った材料と付属品は作業の結果と一緒に作業委託者に返さなければならない。」さらに追い打ち 「第162条 作業者は勝手に操作対象の構造を変更したり、作業委託者が出した作業対象物から部分品を取り出したり、資材および付属品を変更してはならない。」 そして、「第163条 作業者は作業期間を守らなければならない。」

 この3つの条項は必要なのか?委託品から部品を取り外して、別のものをつけて横流しをするのが通常であるから、わざわざ規定を設けて置かなければならないのか?157条と163条だけでは不足なようです。

 ふと、トルストイの民話・・・人は何で生きるか?を思い出しました。この中に・・・靴屋の親方の所に落ちて来た天使の話・・・がっしりとした大金持ちの地主が、立派な皮を持ってやって来て、1年ぐらい履いても型崩れもしない立派な靴を作れと、靴屋の親方に命じ、要求通りのものができなかったら・・・憲兵に引き渡す!ってね。親方は職人となった天使に皮を任せると・・・職人は、立派な皮を丸く切って、葬儀の時に使うスリッパに仕上げます。仕上げると、そこに大金持ちの地主の所から、靴は止めにして葬儀のスリッパへと注文変更の知らせが来ます。職人はスリッパと使い残した皮を丸めて、使いの者に渡します。職人になっていた天使は、大金持ちの地主の所に、死を司る天使が来ていることを見てとった・・・人は、自身の寿命・運命を知りえないことを天使は知るという御話・・・人間に与えられていない3つのものを知るための天使の旅・・・使用目的などを知らない人間は、言われたとおりにせよ!また、使い残しは見習ってきちんと返せ!と法は告げているように思えたので・・・

 自動車による貨物及び旅客輸送の法律があるようです。朝鮮民主主義人民共和国の自動車運輸法 機械翻訳でおよその意味はわかるのですが・・・一つの項目が・・・機械翻訳の限界の笑えるやつ・・・「第37条該当機関、企業所、団体は、空の客車運行をしてはならない。やむなく空客車運行をする場合には、同じ方向に行くお客さんを燃やして煙にする。」と来たぞ・・・できるけどできない・・・やれない・・・意味不明?

 燃やして煙にする・・・原文で検索し、翻訳すると・・・ソウルタクシーが乗客を乗せて事業区域外出て戻ってくるときは、目的地が事業区域内にある乗客だけ燃やして煙にするという 法令 解釈が出ました。 これは、事業区域が ソウルのタクシーが 京畿道に行く乗客を乗せて帰ってくるときは、ソウルが到着点である乗客が乗せることができるという意味です。法制処は、 全羅南道務安郡が要求された"旅客自動車 運輸事業法 "施行規則の法令解釈 案件に について、このように 返信した明らかにした。 法制処は、到着地が事業区域に該当しなくてもなら乗車ポイントと下車ポイントが すべてのセクション外になるため、事業区域を 区分して運行ようにした方趣旨に合わないと 説明しました。

 つまり・・・往復に客を乗せろということのようです。行きに客があって、帰りに空車で走るな、運行区域外からの帰りの時は、帰りの方向の客は乗せても良いということのようです・・・

 機械翻訳では慣用的な分綴が無理なようです。スペースを入れると・・・「第37条該当機関、企業所、団体は、空の客車運行をしてはならない。やむなく空客車運行をする場合には、同じ方向に行くお客さんを乗せべきである。」となって一件落着・・・

 あちこちの条文の中に、燃料油を節約するための要件が書かれています。とにかく 「第4条 自動車荷物の輸送を強化することは、生産と建設を止むための先決条件である。国は集中輸送、物流合営輸送、連帯輸送を強化して、いくつかの先進的な輸送方法を受け入れ、自動車による荷物輸送を円滑に保障ようにする。」 とのこと・・・これを考えると貨客混載なんって当然かな?なんって思えます。便乗奨励・・・色々とやっている、とにかく空荷で走るな!車を停車させたままにするな、最大限に利用せよ!って感じですね。基本的に輸送も国家の管理の下で運用されるということのようです。

 さて、法律を眺めていると朝鮮民主主義人民共和国の住民の燃料法というのがあります。ここにも興味深い条文が・・・「第1条 朝鮮民主主義人民共和国の住民の燃料法は住民の燃料の確保、供給の制度と秩序を厳格に樹立し、住民の燃料事業を改善し、人民の生活利便性を図ることに寄与する。」まあ、普通の条文・・・「第2条 住民の燃料は住民の世帯と機関、企業所、団体での住民の生活保障に使われる石炭、石油、ガス、薪のようなもの、その代替燃料である。国は住民の燃料確保事業に深い関心を回すようにする。」 一応は考えていると・・・「第3条 住民の燃料を十分に確保することは、住民の燃料供給の正常化のための先決条件である。国は住民の燃料を工業燃料よりも先に確保するようにする。」 素晴らしい、住民の燃料が優先され、それが不足すると工場が止まるのか?

 とにかく燃料確保は考えているとのこと、そして 「第6条 国は、電気化などの経済的で便利な方法を受け入れ住民の教養事業を強化し、住民の燃料を極力節約するようにする。」 さあこれは?石炭、石油、ガス、薪のようなもの、その代替燃料・・・発電をアルコールでか?の分けない、配ったら飲んじゃう・・・電気化するためには、発電所だな・・・燃料を使って発電して燃料を節約するって?原子力が前提の条文のような感じです。

 ちょっと凄いのが・・・「第8条 住民の燃料の確保は住民の燃料を生産、輸送、供給源を用意する重要な事業である。地方政権機関とその機関、企業所、団体は、地方ごとの特性に合わせて、住民の燃料の生産基地を造成しなければならない。」これって主体思想?燃料生産は地方自治体の役割で、中央政府は・・・確保事業に深い関心を回すようにする。 機械翻訳だからニュアンスが・・・妙にハマっているような?気のせい??

 そして、石油行政について書かれている条文が・・・「第10条 中央資材供給機関とその機関、企業所は、住民の石油、ガスを適時に生産を保証しなければならない。住民用の石油、ガスの供給先を定める事業は、国家計画機関がある。」 石油は国家統制品・・・と宣言しているわけです。

 さらに、「第11条 地方政権機関と農業指導機関は、その機関、企業所、団体は、独自の実情に合った炭鉱、薪林のような燃料の生産基地を設けて、いくつかの住民の燃料源を積極的に動員しなければならない。国土環境保護機関は、農村地域の薪林のかすぐに決めなければならない。」地方に供給されるのは石炭や薪である!と宣言しちゃってます。石油・ガスはどこへ行く?そして、駄目押し・・・その1 「第13条 都市や需要が、多くの住民地区の住民の燃料は鉄道で輸送する。輸送条件に応じて、住民の燃料を自動車や船輸送することもできる。」 都市への石炭や薪の輸送には鉄道を使え!との御託宣・・・駄目押しその2 「第14条 鉄道運輸機関は、住民の燃料輸送用循環貨車を優先的に確保しなければならない。地方政権機関は、必要に応じて機関、企業所、団体の自動車や船を動員して住民の燃料の輸送を組織することができる。」 鉄道は国家だけが所有を許され、自動車や船の燃料油は、基本的に国が押さえている・・・まさか石炭専燃の貨物船や木炭車が活躍しているとか?しかし・・・鉄道輸送の重点が石炭輸送なのか?だから、鉄道ターミナルの地面は煤け、貯炭設備があるのか・・・しかし、南村駅は石炭置場もない?これはなぜ?茂山に近いから?トラック輸送?まさか・・・薪?

 別の意味での駄目押し・・・「第15条 住民の燃料供給を上手は住民の生活利便性を図って機関、企業所、団体の事業条件を円滑に保障するための重要な保証である。地方政権機関と住民の燃料供給機関は、その機関、企業所、団体は、住民燃料供給システムをすぐに立て燃料供給事業を正常化しなければならない。」 正常化できないのは地方政権機関と住民の燃料供給機関が悪いのだ!中央政府の仕事ではない?ということか?

 もうひとつの駄目押し・・・「第20条住民の世帯には、燃料を四半期ごと、または月ごとに供給したり、集中的に供給することができる。機関、企業所、団体は、燃料を計画に沿って供給する。」 そして 「第21条 地方政権機関と住民の燃料供給機関は、燃料供給所を合理的に配置し、住民の世帯に燃料を運んでくれるシステムを立てなければならない。住民の燃料供給機関は、住民の燃料の決まった質や形状を確保しなければならない。」 20条は、今月は計画では配給は無い、次の月もない・・・その次の月にまとめて配給する。過ぎた期間については、消費することはできないから配給はしないとか・・・言えるかな?燃料は遡って消費できない、将来の燃料は保障する!信じよ!準備は万全だと、地方自治体からの確約はもらっている。中央政府は厳正に対処する!

 都市部の燃料システムはどうなっているのだろうか?それより・・・さらなる駄目押し・・・「第29条 住民燃料の消費基準を超えた場合には、燃料の供給を停止することができる。」と来たか・・・お前さんは使いすぎ、供給停止だ!でおしまい。素晴らしい法だ・・・機械翻訳の誤訳でしょう・・・

 あ!読み落としていた・・・都市部の燃料システムは、住民の燃料の確保は地方政権機関とその機関企業所団体が確保するということか?その都市住民が属する機関・企業所・団体か?朝鮮語がきちんと理解できれば、機械翻訳に頼らないのだが・・・まあ、法律としては内容が一貫していて齟齬が無いのでOKかな?

 しかし・・・この国のシステムの中には、ちょっと恐ろしいものが隠れています。それは・・・朝鮮労働党規約の中に・・・「党員は革命的軍人精神を高く発揮し、引き受けた罷業遂行で革新を起こして最先端を突破するための闘争と重労働の難しい仕事に先に立ち、労働を愛して労働規律を自覚的に守り、国家社会財産を主人らしく管理して生産文化、生活文化を確立するために積極的に努力しなければならない。」 船舶による燃料輸送を依頼する・・・中央政府、許可する! 党からの指令は、罷業を遂行せよ! 燃料はたどりつかない・・・これって、在りかな?

 都市部の燃料の一端が分かりました。朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌市管理法 「第22条 暖房熱を生産供給する機関と都市経営局は、定められた流量と温度、圧力で熱を送ってお湯を定期的に供給しなければならない。都市経営局の承認なしに暖房を変更したり、暖房熱を抜いて使うことができない。」暖房用の熱はセントラルヒーティングで送ることになっている・・・ふむ・・・

 首都平壌の位置付けとその衛星都市・村落の意味が良くわかる条文があります。「第12条 農村地域は、農畜産物の生産基地、保証基地である。平壌市人民委員会とその機関は、需要と供給の条件を打算して中心部に近い農村地域を野菜、肉、果物の生産基地として設けて、その生産を促進する。」 つまり、首都平壌を養うのは、平壌に隷属する穀倉地帯であるとしているわけです。

 首都はエリートとその一族のための都市なのか?「第28条 平壌市に居住する公民は居住登録をしなければならない。居住登録手続きと方法は、内閣が定める。」 そして、「第29条地方で平壌市に、周辺地域で中心地域に居住する公民は、当該機関の承認を受けなければならない。」 許可制だと・・・「第30条 平壌市に居住登録された17歳以上の公民は平壌市民証を授与する。平壌市民は国家の政策貫徹で模範になっても、市民としての栄誉を守らなければならない。平壌市民が国家の法秩序を厳重に違反した場合には平壌市民証を回収する。」 堅苦しいことで・・・これで都市人口を抑制し、社会インフラ・・・ライフラインの規模を策定することができるというわけですね。無制限の集住は社会システムに過度な負担をかけることになりますからね。

 朝鮮民主主義人民共和国社会主義法によれば・・・労働者に関する規定に興味深いものがあります。「第69条 国は、労働者の利用する文化的な住宅や宿舎を保証します。国は、農村文化住宅を国家負担で建設して、協同農場がそれを無償で利用するようにする。」・・・都市型の労働者や小作だった農業労働者・・・つまり、中央政府の管轄の人民は文化住宅の住人になるということになりますかね?すると、古いタイプの住宅に暮らす人たちはその枠外・・・ということは・・・

 大きな住宅と、それを分割して住む人たちは、共同農場の人間ではない・・・裕福な自作農ということになるのでしょうか?案外、この右上の区画の住人は、一族+それに隷属する元小作・・・小作としてはすでに解放されているが、それでもなお主家に仕えているとか?分家かな?そして、自前の倉庫+作業場を所有し・・・さらには生産財も特権により所有しているとか?

 うひゃ・・・「第33条国は、労働者の労働生活組織から8時間働いて、8時間休んで、8時間の学習の原則を貫徹する。国家機関、企業所、社会協同団体は、労働と休息と学習を正しく配合し、労働者たちの労働を正規化して学習を正常化して休息をよく確認しなければならない。」 平日は休みの日とは違い・・・休息は寝る時間ということかな?

 そして・・・「第34条 国家機関、企業所は避けられない事情で一時的に労力に余剰が出るときは、速やかに他の工場、企業所、協同農場の生産作業の臨時支援事業を組織しなければならない。国家機関、企業所は、一時的に労力に余剰が出るとして労働者を勝手に解雇することができない。」 ふむ・・・今日は仕事が無いから休もう!は許されず、何か仕事を作って、33条の規定が実施できないといけないということか・・・解雇もなし・・・自己都合による退職って認められるのか?

 段々、この国の支配の様子が見えてきましたが・・・いまだに、豊かなのか貧困地区なのか分かりません。物質的な豊かさは、それほど見られませんが・・・安定した社会のような気がしますね・・・もう少し、法律遊びをしてみましょう。何が見えるか・・・
(2012.12.14)
















inserted by FC2 system