ネットの中をうろうろ(1)
  中朝国境に何が・・・(1) 

 このところに関併合あたりの史料を眺めていましたが、どうも、現状というものを認識するのも面白くて・・・Google Earthを眺めるわけなんです。すると、北朝鮮と中国の関係が・・・気になるのです。特に朝鮮北東部の工業化が気になって・・・今や、新しい工業地帯が現れようとしているという感じです。膨大な地下資源と、その流れが気になるというわけです。GoogleEarthは、空白の北朝鮮地誌をどれぐらい埋めてくれるのか・・・こいつが面白くてね・・・ちょっと研究を始めようと思うわけです。風水がらみはちょっと後回しという感じです。

 調べる上で、ネックなのは北朝鮮の地名が不明なんです。日本語の情報は戦前の地名がベースで、現状とはかなりかけ離れている感じもします。それでは、気になる北朝鮮北東部 羅先特別市をチェックしていきましょう。北朝鮮は豆満江で中国・ロシアと隔てられています。このあたりの、かつての中心は・・・清津市でしょう。ここは朝鮮民主主義人民共和国咸鏡北道の道都です。羅先特別市はここから分かれた行政区画・・・清津市とのかかわりは強く、このあたりを起点とする鉄道が羅先特別市へと伸び、そこからロシアへとつながります。朝鮮側へ線路をたどるとTumanganという駅があります。この駅から南に向かう2本の引き込み線と、1つのだ円形の環状の線があり。この環状の南には錆びた石油タンクがパイプラインでつながれて存在します。錆び具合からするとすでに使われていないもののようです。

 この場所の施設としては、門型クレーンが装備された台車交換所があるようです。台車というか、車軸がたくさん置いてありますから、どんな交換をしているやら?ロシア側にも同様な施設がありますが、台車などは置かれていない感じです。

 案外、北朝鮮側が対応することになってロシア側の施設は使われていないのかもしれません。

 引き込み線の方は・・・2本の引き込み線のうちの1本は、トタン屋根付きで、その周りには白いタンクが何基か存在します。周囲は壕があるようで・・・なんとなく、軍事関連の施設のような?まさか今時列車砲かいな?とか・・・まさかミサイル?とかね。もう1本の引き込み線もやや、怪しげ・・・こちらは、かなり広めの島型のプラットホーム状になっていますが、コンクリートで舗装された線路と等高と思われるものです。中央に門型クレーンが見えます。荷役作業のための屋根つきの部分が両端にあり・・・こういったクレーンがある駅と言えば・・・石材の産地の駅とかでしょう。ほかには・・・車両整備?ただ気になるのは横に広がる建物の南にマウンドがあること・・・まさか、弾薬庫?

 この場所を、北の方から眺めると、なかなか素敵な場所であることがわかります。多分、軍事基地の仲間ではないかとね。

 理由は、北の方からは伺うことが困難で概ね平らな場所なのですが、後ろに山を背負い、国境側には低い丘があって、この場所を秘匿している形になっています。

 GoogleEarthは地形による高低差をうまく表現していますから、鳥瞰すると右のような写真が出来上がります。左上の白いタンク群は多分国境方面からは見えず、中央の台地状の上、つまり南側には広い平地が広がっています。ミサイル、砲列を・・・とかね。

 どうも、国境地帯だとこんな風に考えてしまうもので・・・まあ、後背地を考えても、ここは橋を落とすための兵力程度でよさそうです。橋を落とさずに占領されると、ちょっと面倒・・・次にどこを防衛線とするか?GoogleEarthのデータで、大戦略のようなゲームを行えるのなら・・・ずいぶんと遊び倒せそうな気がしますね。

 戦争より、経済の方が面白いので、こんな戦術の考察はおしまいにして、このあたりの産業をチェックしてみましょう・・・北朝鮮は鉄道輸送がメインなので、鉄道の線路と、その引き込み線を丹念にあたると、重要な工業の全てが分かりそうです。鉄道は直線と特有なカーブで構成されるのでチェックは簡単です。

 とにかく、この町のはずれに、巨大な木材加工工場と思われるものがあります。製材所ですかね?およそ4mほどの長さに切りそろえられているような感じです。この引き込み線は電化されていないようなので・・・ロシア向け?広軌の引き込み線?四線軌条なのか?軌条が少しぼんやりとした感じになっていますから・・・

 しかし、4mほどの長さの木材って何?規格原木は4mか・・・この工場は2005年から2009年の間に規模はおよそ2倍になっています。

 この木材、ロシアへ行って、案外日本がロシア産の原木と言って買い付けている?原木に対する関税を大きくして・・・買い付けを朝鮮、製材加工をロシア側で・・・加工品としてダブルで儲ける気か?色々と思惑がありそうです。

 さて、このあたりの農業は・・・いつの時代から始まったのか分かりませんが、雰囲気としては湿地帯の排水を行って大々的に耕地を作り出しているような雰囲気です。しかし、近くに村落が見られないので、まだ開墾半ばなのでしょうか?北朝鮮の農業って、基本パターンは農民の集住と半径2kmほどの範囲を一定の耕作者が単位となって耕作を行っている感じです。自動車などはほとんど走ってなさそうですから、どんな具合の農業なのやら?戸数と耕地面積の関係を何カ所かでチェックしてみると、何らかの相関関係が見出せるかもしれません。

 農村も、漁村も、鉱山住宅もほとんどは同じくらいのサイズで、どうやら平屋二戸が1家屋になっているような感じです。すると、生活単位は・・・核家族ですかね?多世代住宅はなさそうな感じです。計画経済に乗せにくいでしょうから・・・私が統治するなら・・・

  いい加減な記憶によると、自然村はおよそ100戸ぐらいから成り立ち・・・だったかな?人口500ちょっと人、実働人口は・・・ああ、北朝鮮の100戸って、建物は50軒に相当する・・・一応、核家族を基本単位とすると1軒が、農村に良くある1戸・・・親子2世帯の住宅・・・そうだ、律令制でも似た単位があったはず・・大化改新で、五十戸を一里とし、里に里長を置くというやつ・・・村落組織の単位・・・多分、集住させた場合の耕作単位がこんなものなのでは?面って単位も朝鮮半島にあったっけ・・・これも似たようなもの・・・集住させたときの日帰り耕作地ってこんな範囲ではないかと思われます。多分、半径2km以内ぐらい・・・村は平野に向かった高台にあるだろうから、1村500人ぐらいで1人当たり50アール程度か?

 帝国陸軍の歩兵大隊は・・・将校22名、下士47名、兵卒480名、各部11名、計560名の定員・・・実労働者480人これが・・・悪名高き強制収容所の規模かな?一般の村落の1.5〜2倍程度の生産力があるかもしれない・・・悪名高き強制収容所は・・・比較する対象は・・・府中刑務所、収容者は3000人ほど、これを600人弱の人間が警邏している、人数比は50:1だが3交代なら150:1か?府中刑務所はマンモス刑務所だが・・・一般的な刑務所は受刑者600人程度・・・

 ちょっと気になりますね。悪名高き強制収容所に関しても、ちょっと確認してみますか・・・しかし、懲役も兵役も大差ないような・・・行動の自由は制約されますから・・・まあ、北朝鮮の国土を眺めて行くわけですから、ちょっと航空写真から、刑務所がどんな具合に見えるかをチェックしておけば、何かが見えるかもしれません。

 それでは、次は刑務所・強制収容所・軍事施設がどのように見えるかを確認してみましょう。

(2012.11.06)

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