日本の秩序って・・・?続きの続き

 面白い体験をして・・・役人ってのが嫌いになりました。というか・・・役人と民間の人間のスタンスの違いというのが良くわかったというか?こいつは体験しないと分からないというやつなんですね。そして、役人ってのが、ものすごく目つきの悪くなる職業であるということも・・・そして、公僕という意味や・・・木っ端役人・・・とさげすまれるのも、そして、司法権・立法権・行政権の三権分立が、その根底に潜んでることも・・・

 事の起こりは単純で、産廃の不法投棄なのです。我が土地に、なんと廃材の山・・・行政は投棄した人間に対しては大したことをせず・・・何しろ投棄した人間は行方不明、仕方が無いので、土地の所有者である私が、大金を積んで知り合いの処理業者に頼んで処分ということにしたんです。ひどい出費だ・・・数カ月は菜っ葉しか食えない・・・株高で助かったが・・・

 とにかく、不法投棄に関係ない私が、私にとっての大金を投じて処分することにしたんです。搬出作業が開始されたら・・・行政が騒ぐんです・・・つまり、金を出した私が、今度は産廃の事業者の立場になるというわけで、責任ってのがこっちに廻って来たのです。つまり、土地の所有者である私が手を出さなければ、産廃の不法投棄は不法投棄を行った人間に責任があり、地主には責任はないということのようです。

 ここで分かったこと、自分に関係ないことに手を出すと、その時点で責任が廻って来るということですね。産廃の不法投棄は投棄されたら地主は諦めるのが正しい、決して手を出してはいけないということが判明・・・若しくは、金が無いしとても業者に頼めないということで、未決のまま放置しておかなければならないということになります。

 まあ、有毒物でもないし、放っておけば廃プラは紫外線でそのうち粉になるし、木材は腐るだろうし、金属は錆びて・・・結局100年も経てば土に戻ってしまうのでしょうから・・・そして、産廃が捨てやすいような場所の土地ですから、利用価値は・・・あまりなく・・・申請を出して産廃の中間処分場とか、置き場にしてしまった方が良かったかもしれません。

 さて、金を出したために何が起こったか?それは、不法投棄した人間から、その産廃の処分権限を勝手に取り上げてしまった事にあるようです。

 さて、私は運搬業者に口頭でゴミを処分しておいてねって頼んで、廃棄物の移動が始まると、木っ端役人から電話があって、書類が必要になる、この件について話がしたいってね。

 書類か・・・と言うので関連法令をチェック・・・役人に会う前に事前に真面目に調べました。法の要求する手続きは・・・産廃業者に委託する場合は、
排出者の責任において、法定の事項を盛り込んだ委託契約を書面で締結するとともに、処理完了を確認するための処理伝票(マニフェスト)を発行、回収、照合しなければならないようなのです。

 従って、私は・・・公益社団法人 全国産業廃棄物連合会のサイトにある産業廃棄物処理委託契約 処理企業の方へという契約を事前に結んでいなければならない、そしてマニフェストを発行しなければならない、さらに、処理が適切に行われたかの照合もして完了となる・・・マニフェストは紙マニフェストの記入用紙は全国の産業廃棄物協会で有償配布しています。配布価格 単票(100部/箱)2,500円(消費税込)とさ・・・これって1枚売りはしてないのかね?というわけで、法律や施行文言をチェック・・・すると、産廃処理委託契約書の中の文言に気付きます。この紙マニフェストは・・・実は、文書業務の煩雑さを避けるために使われている便宜的なものであることが、後での木っ端役人の話から判明します。

 とにかく、事業者となった私は、収集運搬業者、処分業者それぞれと契約を結び契約書を作成しなければならない。契約書などは雛型があれば簡単ですから、お役所仕事は、体裁ではなく、要件がそろっていればOKなので、書類などは適当に作成してハンコだけもらえば良いわけです・・・本来はね。市販の用紙を使ってくれると楽なんだがと言われますが・・・そして、問題はマニフェスト=産業廃棄物管理票です。

 書類を100枚なんって必要としない私は・・・廃棄物処理法施行規則第8条に基づく法的要件を定めた紙きれを作成すればOK・・・業者のハンコをもらえば良い奴・・・公益社団法人 全国産業廃棄物連合会にあった産業廃棄物収集・運搬及び処分委託基本契約書ってのを見ると・・・産業廃棄物処理委託基本契約約款の中に 第7条 (委託業務終了報告)として 乙は、甲から委託された廃棄物の業務が終了した後、直ちに業務終了報告書を作成し、甲に提出する。 ただし、業務終了報告書は、
次のマニフェスト又は、電子マニフェストの報告で代えることができる。

 つまり、基本は業務終了報告書を運搬・処理業者からとればよいわけだから・・・業務終了報告書を作成しておいて、それにハンコをもらえばOKということが分かります。

 書類作成なんかは簡単ですから、記入すればおしまいの書類を一通り用意して、法律の要件に合うことを確認・・・そして、木っ端役人に合うわけです。

 結論は・・・役人に言い分は、契約書はどうでもよくて、お前はこの産廃に対して事業者となった、よって、マニフェストのD票を役所に対して提示せよ!ってね。え?法律では、事業者である私が文書による契約書やマニフェストを整えて、それぞれの業者から回収して照合では?って聞くと・・・事業者はD票を持っているから、そのD票を貰えば良いとのこと?何?それって、法が要求する連続性が失われるのでは?市販の紙マニフェストの中の交付番号は何のためにあるのか?までは聞きませんでしたが・・・

 事前に委託契約書の処分する廃棄物に対応した産業廃棄物管理票が必要で、それに順にハンコを押して行く形・・・しかし、現実にはこういった連続性は問わずに運用されているということのようです。で、D票はマニフェストの交付から90日以内に戻ってこなかったら、役所に報告だから・・・口頭で契約した日から90日だよな・・・最終処分のE票は180日以内・・・しかし、E票は?なんって考えてはいけないようです。

 現実には、それぞれの業者がD票を請求書と一緒に業者間でやり取りして、運搬業者が事業者に渡すということのようです。つまり、廃棄物に関する法律は立派なのですが、実務はずさんで、監督する役所にとってはD票があれば、それだけで良いということのようです。

 なんだか、真面目に考えて損した気分・・・そして・・・現実に行われている流れは・・・D票を発行する業者がA票とD票を作成して排出事業者へ回せばよいということ・・・本末転倒じゃん?なんてね。事後的に・・・案外A票が来たところで契約書がでっち上げられる?

 さて、産廃を運び出している土地で役人と会いましたが、脇では作業が続行しています。廃棄物は全て運び出されていて、再度運び込まれないように、ゲートの設置も行いましたからね。搬出業者は何と、役人と顔見知り・・・どこの業者へ廃棄物を出したのか?ってやってます。この業者は、搬送に例の脱着ボディーのアームロールって奴を使っていて、荷台の箱だけ、秘密の裏庭に置いてる時があります。場合によっては秘密の裏庭に産廃を積んでいて指導を受ける時もちょくちょくあるようです。公然の秘密・・・処分方法は企業秘密、処分場所は秘密の裏庭・・・

 理由は単純なんです・・・金の流れ・・・役人は予算で動いていて、ある金を年度末までに使い尽す事が要求されます。民間業者は無い金で仕事を始めて、仕事が終わってから代金を回収します。このスタンスの違い・・・搬出業者は手持ちの車で運びますから、基本的には燃料代が当座で必要、搬出先から処分業者へ引き渡すには・・・ここで、直接持ち込むと効率は良いのですが、確実に代金が発生します。この時点で業者への金の流れは未定・・・仕事が終わっていないし、代金は排出事業者からいつ回収できるか未定・・・末締めの翌月払い・・・だからD票の交付期限は、契約の日から90日ということになっているのか・・・未収だと、ゴミは寝かされ・・・D票は遅れる・・・

 今回の金の流れは・・・契約の時点で、産廃の分別に人を使うから少し金をくれ・・・OK・・・残りは仕事が終わったら・・・搬出作業終了・・・木っ端役人とのくだらない話の後ゲートができて、確認・・・その日の夕方、残金の支払い・・・搬出した業者は明日から、ゴミ出しできるって・・・なるべく早くD票持ってきます・・・ってね。

 金の裏付けの無い仕事は遅くなるということ。

 役人は、法の命ずる仕事をしなければならない、法の使い走りである・・・だから、木っ端役人・・・木っ端役人でも法を実現するための事を考えたとしても・・・行政には立法権限は無い・・・議会に諮って・・・そんなことはするわけない。民間から見ると、先に資金が予算の形で出てくる・・・仕事を完了したら金が入る民間の、さらに底辺に近い業者であればある程・・・何も仕事をせずに金が廻ってくるなんって許せない!しかも、俺たちの血を絞るようにして集めた税金で・・・なんで俺たちが、さらに縛られる!金も入っていないのに・・・となるわけです。

 役人の目つきが悪くなるのは・・・法という絶対的な権威の下の使い走り・・・金の言うことしか聞かない委託業者・・・金は先送りにしたい事業者・・・委託業者・事業者は主体的に仕事をしているわけですから、ふざけるんじゃな!しわ寄せはどこへ?もちろん、金と法の間で板挟みになる役人・・・だから、現場に近い役人は優秀であろうとすると目つきは悪くなるということのようです。

 面白いのは、県の役人と市の役人の違い・・・市の役人は行方市から鉾田市へ産廃が移動したから、これでおしまいですか?って・・・私はえ?・・・D票を受理してませんから、私にとっては終わらない・・・県の役人はまだ!ってね。書類仕事をクローズするのは現実には5年先・・・そこまでは書類の保管義務がありますからね。

 分かったこと、産廃は不法投棄して逃げるのが勝ち!不法投棄されたら?不法投棄されたものに囲いを付けて、その土地は諦めるのが正解、なまじ金を出して、しりぬぐいをすると、不法投棄をした人間の義務を引き継ぐことになる。そして、金を出して役人から非難された気分になるので面白くない。ということになります。今度、不法投棄を受けたら・・・絶対に片付けずに、そのまま放置しますかね・・・土地って放棄できないのが難点・・・

 もし、産廃の大量に出る・・・家を使わなくなって解体して更地にするか・・・なんて状態になったら?家は解体せずに、そのまま放置、自然に崩れて無くなるのを待つのが良いことになるのではないかと・・・最低限の固定資産税はかかるが、解体・廃棄処分に一時にかかる金を考えると安いものにつくのでは?とか、産廃の実務を通して、色々と面白くないことに気付くわけです。やはり、借家住まいの方が楽なのか?なんってね。

 しかし・・・役人って・・・映画マネーピットとか、ゴーストバスターズに出てくるようなのになっちゃうのかと・・・腹がたつが、滑稽で・・・まじめで、真面目であるから滑稽で・・・ふざけるんじゃない木っ端役人!ってなるんだとね。

 なんで、真面目で努力家が・・・横暴で例外を許さない暴君である法に仕えるのやら?こんな暴君に仕えるのは・・・道化のような人間がよいのになあ・・・その方が世の中は丸く治まるような気がします。

 ついでに・・・なんで、木曜日に呼び出す?しかも、連休明けの週の・・・こっちは平日は忙しいんだからな!民間の休みのときにも役人はちょっとは働けよな!って思いますね。

 その前の水曜日は・・・自宅の土地境界の立ち会いもしなければならなかったし・・・多分、隣が分筆して売るための・・・法の命ずる義務を果たそうとすると、仕事にならない・・・

 ついでに・・・JWNET 日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェストは流行っているのか?気になりますね。大手の自治体に口座を持つような企業にしか普及したいないとか?実務の実態からするとね・・・公益社団が天下り先だって言われるのも分からなくもないなあ・・・なんてね。お上にはかかわらない方が良いというお話でした。

(2013.05.10)

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