学ばねばならないことは?

太陽光発電などの自家発電システムが話題になっていますが、果たしてこれは有効か?と思うわけです。まあ、ある程度は有効なんですが・・・電灯を点けるとかは・・・しかし、冷蔵庫となるとかなり厄介でしょう。私の海岸の小屋は自立発電系なので、完全にライフラインから弧絶しています。それでも、普通に生活できる明るさをLED電球の類の小電力システムで実現しています。

まあ、ものすごく暗いところですから、小さな明かりだって良いわけです。人間の目は、周りが明るくなると暗くなり、周りが暗いと明るくなるようです。

しかし。冷蔵庫となると、半端でない電力を要求してきます。平均としては大した電力を使わないのですが、コンプレッサーを起動する際に大電流が瞬間的に必要になります。こいつをインバーターで供給することはなかなか困難なんです。したがって、海岸の小屋は電気冷蔵庫はパス・・・代わりにガス冷蔵庫がありますが・・・基本は氷を使うことになります。

結局のところ、小さな発電設備では色々と限界があることがわかります。もっと厄介なのは、太陽光発電は昼間しか使えないというものです。そして、出力は非常に不安定です。雲の流れに弱く・・・発電したりしなかったり・・・その対策として、蓄電システムが問題になります。

残念ながら、蓄電システムは電気エネルギーを使って、化学反応を引き起こして発電用の化学物質として蓄え、電力が必要なときは、この化学エネルギーを電気エネルギーへ変換して出力させていますから、結構その効率はよろしくないし、比較的安価な鉛蓄電池だって、寿命が比較的短いので厄介なんです。

結局、大電力を蓄積できる安価で、メンテナンスフリーの、耐用年数の長いバッテリーシステムが必要だということだけなんです。

原子力発電は、出力変動を嫌う発電システムですから、需要に応じて、余剰電力が発生したり不足したりするので、揚水発電などのシステムとセットで運用されているようです。だから・・・再生可能エネルギーを使おうが、原子力を使おうが、現在の技術で不足している部分が、このバッテリーシステムであるということなんです。

これも、また高能率化のためには大規模なバッテリーシステムとならざるを得なく、巨大な送電システムの中に組み込まれることになると思うわけです。

結局のところ、個人でどうこうできるレベルのものではなさそうです。まあ、高能率な発電・蓄電システムといえば・・・プリウスに代表されるハイブリッドカーですね。私も、あれを海岸の小屋の送電系に組み込んだことがあります。ただ、外部に電線を引き出しただけのものでしたが・・・それでも、結構有効なシステムであると実感できました。

今も、我が家の裏庭のスペースに、一台置こうかなんって思うわけです。燃料系統をちょっといじって、プロパンか都市ガスで動くようにすれば、給油は不要ですからね。都市ガスで動かせば完璧でしょうが・・・色々と考えるわけです。

いずれにせよ、厄介なのは高度なテクノロジーというやつです。

高度なテクノロジーといえば・・・そうだ、昨日のアナログTV放送の終了です。鹿嶋のラーメン屋でその終了のときを見守りました。正午にブルーの画面が出て・・・それから、あわてて古いアンテナを撤去、新しいUHFアンテナをつけ、安いデジタルチューナーを取り付け、設定を開始すると・・・受信できず・・・少しあわてて考えて・・・ブースターをVHFからUHFに変更し忘れたことに気づき、12時半前にはデジタル放送を受信できるようになりました。

TVも非常に高度なテクノロジーになり、トランジスターとダイオード、抵抗にコンデンサー、トランスにコイルの組み合わせでは絶対に受信できない代物になってしまいました。アナログ放送なら・・・音声ぐらいなら大したことなく受信機を作れたし、かなり気合を入れれば、映像受信だってできたと思いますが・・・私の手元には、いくらかTV球と呼ばれたような、真空管が残っていますけどね・・・

色々なものが、高度に発達して手に届かない代物へと変容していることは間違いありません。

まあ、色々な事件事故があるわけです。中国高速鉄道で事故とか・・・落雷による停電で追突事故・・・これは、詳細は不明ですが、緊急時の対応の不徹底が引き起こしたのでは?なんって思えるのですが・・・追突された列車は停電により停車、追突した列車は停電により惰性走行でも続けたのでしょう。制御システムを過信したのか・・・乗務員の教育が悪かったか?それとも、停電時には列車を停止させることを考慮しなかったか?どうせそういったところなんでしょうが・・・

テクノロジーというのは、そのテクノロジーのベースとなる考え方があって、それからの発展物であることが忘れられてしまう場合が良くあります。運用というやつは・・・マニュアル化されていたとしても、そのマニュアルの前提となる不文律がわかって運用しているのと、とりあえずマニュアルを導入して運用しているとの差があります。

結局自分で、積み重ねてきたことがないと、何事もうまくいかないし、その特徴をうまく引き出すこともできないということのようです。

原子力関連のものも、震災関連のことも、わが国の政府や東電・原子炉製造者なども沢山の教訓を得たはずです。これを生かさない手はないのに・・・果たして、何を学び、何ができるようになるのか、気になるところです。

私も、まだまだ勉強しなければならないことが沢山あるようです。
(2011.07.25)

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