政治にできることと、近頃のプロの仕事は・・・

東電の賠償に関して、政府は何をするつもりやら?東電を解体するだとか?私にはちっともわかりません。何のために、あれだけでかい企業に電力会社を育て上げたのか?それを考えるとわけがわからなくなります。

日本の電力会社って、もともと小さな小さな企業であったような気がします。小さな発電機を回して近所に送電していた・・・やがて、電車を走らせる企業がちょっと大きな発電所を作り、それで電車を走らせました。それと平行して、沿線に電力供給を行っていきます。田園調布なども、鉄道会社が沿線に作ったオール電化を目指したやつだったのでは・・・どこかに資料があるはずだが・・・大正の末に電動の自動ポンプを使った井戸、電気ストーブ、電気コンロ、扇風機、電気洗濯機などが設置され最先端の生活をする人たちがいた・・・

まあ、鉄道会社も色々考えて、路線の都市側の端には百貨店を、田舎側の端には娯楽施設を、その中間にはベッドタウンを・・・ベッドタウンをさらに拡大するためには大学をと誘致を重ねていくわけです。その中で、電力部門が分離され、現在のような電力会社へと成長して行ったのでしょう。統制経済の中で強制的な合併によって・・・

東電と日航の問題がよく並べて出てきますが・・・あと、意味不明の・・・とにかく国の資金を使うことは駄目だとか・・・感情論でね。そう、なぜ政治で感情論が出てくるのか?それが不思議でなりません。まあ、わが国は法治国家ではなく、感情に統治される国家ですから仕方ないかもしれませんが・・・法治国家は、統治者の個人的な感情による行き過ぎを防ぐために考案されたシステムですから・・・日本という国のシステムがどのように動いているのか不明・・・

感情として、被害与えた企業に、国が加担するのは良くない、しかし、その企業は国民の福祉の根幹にある企業で、その被害を与えた原因となったのは、天災である。別段、その企業が利潤のために、安全面への投資をおろそかにしたわけではない・・・おろそかにさせないために、国は基準を作り、監督し、その基準の実施を監視していたわけですからね。

さて、日航は赤字会社、東電は黒字会社、財務基盤の置き方も異なります。たとえば、日航はつぶれて解体されたとしても、別の航空会社が、そのシェアを分け合うことで、すぐにもその跡が埋まります。まあ、数ヶ月は少し不便になるでしょうが・・・3ヶ月もあれば、業界再編成でおしまいでしょう。そして歴史上に存在した、一企業となるわけです。そうだ、なぜか2001年宇宙の旅って映画を見たくなります。というわけで、パンナムなんって会社があったことを思い出させてくれます。1973年の石油危機以降の世界経済の不況の影響による赤字で路線を売ったり、機材を売ったり・・・最後は1991年 12月4日に破産し運航停止・・・・最後に残ったロンドン路線・中南米路線をユナイテッド航空売り渡し。デルタ航空へはその他のヨーロッパ路線を、本拠地だったマイアミ国際空港のターミナルをアメリカン航空へ・・・ってあっという間に消えていった感じです。大相撲にも・・・

代わりのある会社なら良いですが、代わりは無く、短時間での停電だって大混乱ですから。そして、利潤を上げている企業ですからね。一番単純な方法は、国民に政治家がちょっと演説して、東電は今までどおり営業させます。そして、賠償については時間がかかるかもしれませんが、全額を必ず営業利益から出させます。電気料金には転嫁しません。しかし、一度に多額な資金を調達させることは困難ですから、東電の借金については、国が連帯して補償します。これでおしまいではないかと思われるのですが・・・たぶん、株価や信用が戻れば、東電だけで社債や新株の募集が可能になるでしょうからね。

政治ってのは、将来に期待を持たせる仕事ではないかと思うわけです。社会保障であるとか・・・ある意味国家はそういった安定のための装置であるのかもしれません。一人では不安、群れになれば恐怖は少なくなる。まあ、考える力があれば、その不安は軽くすることも可能かな?

何しろ、毎日の生活に欠かせない電力で、産業活動も、この電力に依存している部分が大きいですからね。まあ、大工場などは、コジェネレーションシステムの大規模なやつを保有していますから、そういった企業にも電気事業への参入を許すのも良いでしょうが・・・ただ、政府は保証という名目を与え、東電の信用度を上げることで、東電の借金の能力を増強するだけでOKなのではないかと思われるのですが・・・

しかし、金ではなかなか解決できないのが電力ですね。夏の日中どうなるのか?風の噂では・・・東電が大企業に節電の要求をしています。それに対してどのように節電するか・・・その対応が気がかりなのです。

いい加減な記憶によれば、日中の電力消費を抑えるように・・・そのため、大きな工場では自前の発電設備を持っていたりします。それは通常、昼間の勤務時間に合わせて稼動されていました。これによって、夏の日中のピークをしのいでいました。

さて、産業活動を抑えずに節電した効果を生み出すには?たぶん、この日中しか動かしていない発電機を一日中稼動することによって、売電と買電のバランスを崩すことで節電効果を生み出すことになるのでしょう。

とにかく、何らかの形で東電の信用力を担保しないと、お金は回らなくなるのが目に見えるようです。東電は銀行に低利の融資を求めていますが・・・銀行の「お前さんの会社、いつまで持つのか?」この問にうまく答えられるか?それが問題です。

企業がお金を生み出せるのは、それが効率よく動いていればこそです。そうだな・・・暴力闇金は、命まではそう簡単に取りません・・・金を借りた人間が生きていないと金は回収できません。働いていればこそ・・・殺されちゃうのは、働く能力が失われたときか、見せしめというものが、その人間の価値を超えたときなんでしょう・・・

東電は、営業し続ければ間違いなくお金を稼いできますから、暴力闇金だって素敵なお客さんと思うでしょう。法外な利息だって、金回りがよければ、ちょっとは待ってくれます。しかし、営業利益が上がらず、返済が滞り、周りの借金している連中もそれを見て、返済しなくても良いのか・・・なんて、思い出したら・・・なんだ、あの暴力闇金で有名な連中だって、大した切り取りをやらないじゃないか!俺たちも・・・なんてなれば・・・目に見える切り取りをしなきゃいけなくなるでしょう。

あれあれ、東電は手足になる送電系統を切り取られちゃった!と東北電力が怯えるとか・・・あれ?中部電力は安全のかたに原発を押さえられちゃって仕事もできなくなってるよって、関西電力がビビッている・・・関西電力はなにやら、核燃料を置いとくショバ代の値上げだって脅かされてるし・・・これじゃ、日本で電力事業なんってやってけねいや!今のうち、資産を処分してみんなで別の国へ行って、もう少し儲けられる電力事業をやろうや!って夜逃げでもしなきゃいけなくなるのでしょうかね?

なんだか、近頃政府のやっていることは、やくざまがいの政策・・・あ!違うな、優秀なやくざはプロですから、利潤を生まない状況にはしない・・・素人がやくざのまねをしているような・・・低級なことをやっているのでは?

違うな・・・近頃は、この手の思想が中心的になっているのでは?とふと思います。そう、プロというものがいなくなりつつあるのかもしれません。たぶん、コンピュータやマニュアルなどの発達、仕事の手順などの規格化が進み、ある意味画一的なものへと変貌、同時に仕事で使われる機材も動力化、自動化が進んでいますから、ある程度の資本があると、それなりに仕事ができちゃいます。

たとえば、私も看板屋みたいなことを今回しましたが、コンピュータとプロジェクターとを使えば、面倒なことなしでPC上の画像を大きく引き伸ばして投影することができます。その映像のアウトラインをマジックで書き取って、その後でラッカーで書き上げればOKです。

かつては、それなりの修練の期間があって、始めて製品を作り出せたのが、今では、コンピュータや、それに関連する機材をうまく利用することで、かつてのプロが独占した技をコンピュータなどの機材が別の形で実現することができるというわけです。

そう、今回の看板も、昔なら原図に方眼を入れて、看板にも方眼を入れて複雑なラインを入れていったのですがね。今はかなり簡単になりました。もちろん、カッティングシートカットする装置もありますね。コンピュータからの指示で・・・こんなのを使えばもっと楽・・・看板屋仕事も、初期投資100万円以下ではじめられるはずなんですが・・・

とにかく、近頃は労働というものが変化してきているような?そんな気がします。
(2011.06.22)

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