東京電力の行方・・・

東京電力の政府に対する対抗策として残されている選択肢は・・・国際的な見地から・・・こいつでしょうね。ほら、出てきた。

海外に援助の手を差し伸べてもらうと言うパターンですね。こうしてしまえば、政府の干渉をある程度排除することができます。そういえば、初期に原発事故に対する海外からの支援の動きをどこかで断っていたような報道があったような?

ずいぶん水も入れちゃったし・・・入れた水はあふれてどこへ行くやら?考えなかったのかな?なんって・・・汚染水は復水器に入れているけどそれはいっぱい・・・と言うことは、圧力容器は未だ健全なはず。例の閉鎖系の一部ですからね。

でも、圧力容器から直接ベントで放出したものはどうなったのでしょうか?水蒸気は排気筒から放出したんでしょう。この排気筒は、原子炉建屋やタービン建屋からの気体を引いて出しています。問題はフィルター系ですね。案外、水蒸気がこのあたりで迷い込んで復水してたれて来た・・・もちろん高温だから、それ自体から水が蒸発してさらに濃縮したものが流れたとか?そうなると、圧力容器からもれたと称するやつの真偽は?

まあ、どちらにしろベントという手段で圧力容器内の水が水蒸気の形でかなりの量が放出されたのではないかと思うのですが・・・どのくらいの量の水蒸気が放出されたのか?とにかく、安全装置としての自動で働くバルブではなく空気圧によるのか手動によるのかわかりませんが、そのベントバルブを開いたのですから、設計限界を超えない時点でのベントだったのでしょう。

日本に設置されている沸騰水型原子炉は原子炉格納容器に設置されています。原子炉冷却材喪失事故で流出した原子炉冷却材を格納容器内のプールに流出させて凝縮させる圧力抑制方式になっています。
 原子炉冷却材喪失事故のときには、原子炉系設備から放射性物質が高温の蒸気とともに放出されていきますが、原子炉格納容器は、その際、環境に対する圧力障壁の役目を果たし、同時に放射性物質の放散に対する最後の防壁になります。つまり、原子炉冷却材喪失事故の時には、発生する高温の蒸気により原子炉格納容器内圧が上昇しますが、沸騰水型原子炉格納容器はこれをプール水による蒸気凝縮効果により抑制する考えで設計されているのだから・・・

別段、あわててベントしてしまう必要は無かったのでは?としつこく思うわけです。

ふと、気になるのは、ある時点で原子力発電所の報道に変化が見られたことです。はっと思ったのが11+7=18日の報道からです。ここで、途端にNHKの情報の質と言うか関心が変わりました。すでに、震災は過去のもの、追悼のイメージです。このあたりから、原子力関係の報道が小康状態、海外に対するものは、それほど変化が無く、英語版のやつを見ていました。株価の推移からもイメージがはっきりと変わったことがわかります。番組は通常番組へと変化しいきます。ちょうど、NHKの映像が各国TVで流されることを誇らしげにやり始めた頃ですかね?

東京電力の株価の推移


そして、 「NHKは、被災地をはじめテレビをご覧になれない多くの方々に、生命・財産に関わる緊急報道情報を迅速にお伝えするため、3月11日の地震発生当日から、特別措置として動画提供サービス業者のご協力も得て、総合テレビのライブストリーミングを実施してきました。
 新年度に新たな番組を編成するにあたって、インターネット上の配信の許諾を得ていない番組がこれから増えてくるため、総合テレビのライブストリーミングを継続することは困難となり、3月25日(金)深夜12時(26日午前0時)をもってサービスを停止することにいたします。 」

とにかく、3月25日までの間、総合テレビのライブストリーミングと国際版を眺めてたんです。しかし、なんだか報道に変化があって・・・突然、追悼番組となり、通常番組へと変化しいきます。ちょうど、NHKの映像が各国TVで流されることを誇らしげにやり始めた頃ですかね?

確かに総合テレビを流すことは不適当になっていたのでしょうが、国際版まで・・・

あまり、真面目に国外のニュース報道を眺めていませんでしたが、暴走し、放射能を撒き散らす原子炉のイメージが強かったような感じです。これに対応して、ホウ酸やら技術者の派遣の話が出てきますが・・・日本政府が断っているような感じでした。東電の会見でも、この手の支援の話が出ていましたが、東電は聞いていないとの反応・・・半分居眠りの状態でTVを見ていましたから・・・いつのことやら?

どうも、特殊技術者・専門家を入れたくない気配がどこかにありました。そして、このころ・・・3月19日に第一原発を自衛隊管理にとか出てくるわけです。この前後の原子炉関連の一般的な報道では17日から、3号機には自衛隊のヘリや地上からによる注水が断続的に行われていました。そして、枝野氏が「現時点では確定的なことは言えないが、一定の注水に成功したとみており、現時点では一定の安定状況にあるのではないか」と19日午後の記者会見で話してましたっけ。それを受けて、東電の株価は反応しストップ高を続けます。

そして、ぽろぽろと、自衛隊が収用するとか出てくるんです。このときの放水って・・・思ったんですが水を放りっぱなしにしていたような?そして、放水計画が何回か延期されていたような気がします。ずるずると遅れたと言う感じでした。

あの時、不思議に感じたことは・・・使用済み核燃料プールの水位が不明、温度も上がっているらしい・・・と言う情報で、本当にプールの水が無いのか?その確認が無いままに、放水が行われています。あれ?使用済み燃料プールには核燃料や、高濃度の核廃棄物が一時保管されているのでは?このプールの水を動かす配管を修理するために、配管内の水を抜くのを忘れて水がちょっと漏れて、作業員がその水を浴びて事故として報告書が出てたような?なんって、考えると適当に放水して水があふれたら・・・当然のことながら汚染が起こるよな・・・

しかも、当初の予定では19日午後2時から始まった放水は7時間で終える計画でした。しかし、政府対策本部からの要請は「できる限り水を入れてほしい」ということで、結果は予定よりも3時間あまり長い、20日午前0時半まで放水を延長して、東京消防庁のハイパーレスキューが13時間半にわたり2400トン以上を放水しました。その後、各地の消防も投入されて消防は男を上げたと言うわけです。

ちょっと気になるのは・・・菅直人首相は21日、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城、福島両県を視察する。首相は避難所を訪れ、被災者を励ますとともに政府への要望を直接聴く考えだそうで、予定では首相は21日朝、ヘリで宮城県石巻市に入り、市長から被害状況の報告を受け、市内の避難所を訪問して、さらに首相は、東京電力福島第1原発から約20キロの距離にある、放水作業に当たる東京消防庁が指揮本部を置く「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)に移動し、隊員を激励。同日昼に官邸に戻る。ただ、天候によっては視察を延期する。と言う話が出てきます。

空から舞い降りる首相・・・何か、そんなのあったよな・・・そうそう、リーフェンシュタールの「意思の勝利」なんてのも・・・ふと思って・・・

その後、ピンポイントで水を入れることができるコンクリート圧送車のなどのピンポイントの注水によって、2、4号機ではいずれもプールからあふれた水を受け止めるタンクの水位計が上昇。東電は27日、2号機のプールは満水、4号機も満水の可能性があると判断しています

まあ、いずれにせよ、ベントによって圧力容器内に発生した水素は原子炉建屋にこもり爆発・・・原子炉建屋には少なくともかなりの放射性物質が存在していたのでしょう。水素の出所は使用済み核燃料プールではないでしょうからね。温度が低すぎますから・・・となると、放水の結果水とともに原子炉建屋内の放射性物質が水によって流されて、放射線量が著しく放水作業の結果下がった・・・結果は・・・

さて、やっと水の問題です。原子炉の圧力容器本体に関する報道が減少しているような?今はひたすら汚染水問題と放射性物質の飛散対策に移っています。原子炉システムの回復は進まず、たぶん12日ごろの様子とまだ大差は無いはずです。作業の進行ペースはこれから速くなるはずですが・・・・政府の干渉がかなりあるような?圧力容器内のようすはどうなっているのやら?案外、健全でベントさえしなければ・・・ではないかと思うのですが。

さて、東電が政府の干渉を排除するには・・・そりゃ、別の権威筋を立てることです。たぶん・・・それで、東電が事故当初から連絡を取っていたアレバに26日ごろ緊急要請を発したと思われます。ル・モンドは「東電が原発事故の統御不能に陥った可能性」との見出しを掲げ、当事者の東電が“白旗”を掲げた事態を深刻視しているとのこと・・・・「原発事故の統御不能」果たしてこの訳がどれだけ正確なのか?「原発の統御不能」とは意味が違います。

さて、これと一緒に流れたのが「ベッソン担当相は「東電からの(フランス各機関に対する)支援要請は(事故発生後)初めて」と話した。EDFは18日、専門家の派遣、原発事故に対応するロボットを含む資材130トンの搬送など独自の救援計画を発表。が、ル・モンド紙によると日本側はこれを拒否したという。」・・・ロボットは圧力容器の近くまで行くことができます。すると、炉の現状がはっきりと外部にわかってしまうと考えると・・・日本側は拒否・・・日本側って何?政府?東電?東電からの要請は始めて・・・日本側は拒否・・・東電は拒否していたが、始めて支援要請を出した?ちょっと変?まさか拒否したのは政府?
一連の報道で「フランス原子力安全局のラコスト局長は28日の記者会見で、今回の事故状況などから「30キロ圏外に汚染が広がり、農作物などにも影響が出ていることは明らか。汚染が100キロ圏に広がったとしても全く驚かない」とした上で、「(汚染除去などで)状況が管理できるまでに数年から数十年を要する」と警告している。」これって、原子炉圧力容器が壊れて放射性物質が気体だけじゃなくて固体も飛び散っている状態をイメージしているのでは?しかし、壊れた圧力容器は見つからないような?

同じころの報道では、建屋が吹き飛んだ東京電力福島第一原発1、3、4号機に特殊な布をかぶせて放射性物質の飛散を防ぐ策を菅内閣が検討しているとのこと。非真面目な私は・・・「梱包されたライヒスターク」なんってのを思い起こしちゃいます。でも、イメージとしてはそんな感じでしょう。しかし、あの巨大な建屋を被うとなると・・・何しろ、今回の地震で壊れた瓦屋根の部分的な防水をブルーシートで行うんだって結構大変です。風が吹けば乱れ飛びますから。そりゃ土嚢などを乗せたり下げたりしますがね。足場職人をたくさん集めて足場を建てまわし、その上にシートを張り巡らすことになりますから・・・原子力発電所の建屋の塗装関係を受注している会社って・・・とか気になります。

そして、汚染水をタンカーに回収するとか・・・どんなタンカーを想定しているのやら?1万トンを超える水があるようですから、かなり大型のタンカーで、しかも汚染された水の処理法が決まるまでどこかに係留するんでしょうが・・・原子力船むつの事例がありますから・・・放射線漏れを起こしたむつの母港への帰港を拒否されて漂泊しましたからね。この船の受け入れ先は無さそうです。そして、その後は・・・巨大な放射性廃棄物になるのやら?

原子力関連は混迷の度を深めるのでしょうか?

そうだ、もうひとつ気になるニュースが・・・原子力安全・保安院の菅直人首相は30日、社民党の福島瑞穂党首と首相官邸で会談し、経済産業省から原子力安全・保安院を分離させる可能性について「今後、議論になる」との見方を示した。福島氏が原発建設を推進してきた経産省に原子力施設を規制する保安院が付属している問題点を指摘し、分離を要請したのに答えた。東京電力福島第1原発の事故対応を巡る同省と保安院への不信感が背景にあるとみられる。(毎日新聞)

こいつです。保安院の格上げか?それとも、別組織にして責任転嫁の場にするか?それとも・・・これも、ちょっと様子見かな?とにかく、今回の原子力事故は、初期の政府の指導が果たして正しいのか?気になります。政変だってあるかも・・・

面妖なことになりそうな・・・
(2011.03.31)

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