正義の概念というものの威力と・・・政治屋君は・・・？

現在をうろうろ（922）

　正義の概念というものの威力と・・・政治屋君は・・・？

　正義無き言い草が無力なのは洋の東西を問わず・・・どうやら有効なような感じですね。それだけ、名誉というのは重んじられる。というような気になって来ました。

　正義というものは、振りかざすものではないですが・・・正義の信念というのは人を強くするものであるということかな・・・平成27年4月10日第４９回国家公務員合同初任研修閉講式　安倍内閣総理大臣訓示平成27年総理の演説・記者会見など記者会見首相官邸ホームページ　ここで扱われた大江卓・・・どうも、安倍首相の演説の中に出て来る人物に関して随分と啓発を受けて調べていしまいますが・・・この人物は、穢多・非人などの解放を手掛けていますね・・・こいつは、全然知りませんでした・・・Wikiにも言及が無くてね・・・ただ、ウィリアム・グリフィスの著作の中で・・・ETAの話が出てきて・・・偶然、この方面の活動があった事に気付き・・・近代デジタルライブラリー - 検索結果　大江卓　というわけで、人権派なんですね・・・という事に気付いたわけです。

　この人物はなかなか面白い・・・近代デジタルライブラリー - 名流百話　73コマ　大江卓馬丁に馬鹿にせらる　これなんかは新人国家公務員の訓示に入れても良さそうですね。後藤象二郎の食客で、そこの馬丁と仲が良かったようで・・・今度、神奈川県令の欠員があって・・・つまり、マリア・ルス号事件の直前ですね・・・神奈川県令に任命されたと馬丁に言うと・・・あんたが県令なら、馬丁の私は大臣だね！なんてやられていますね・・・金貸しの娘と結婚する話もありますが・・・なかなか面白そうな人物ですね。そのくせ、見栄っ張りでもあるようで、芝居の茶屋の茶代で岩崎家の向うを張って・・・倍の茶代・・・とかやっていますね。

　近代デジタルライブラリー - 陸奥宗光. 続編　143コマ　陸奥の陰謀と大江卓　これ等は非常に興味深い・・・どうやら、先の本で大江卓が金貸しの娘と結婚する話・・・は、金貸しは岩崎のようですね・・・板垣が後藤象二郎のために岩崎に口をきいて・・・債権放棄、高島炭鉱の蓬莱社の整理・・・岩崎の事業へ・・・この章で表題にある大江卓の話も面白いですが・・・続編の後が無くてね・・・色々と大江君は暗躍しているようですが・・・この著者、伊藤痴遊・・・興味深いね。講釈師にして政治家・・・著作は・・・近代デジタルライブラリー - 検索結果　伊藤痴遊　自由党の広報担当みたいな・・・そのうち、この人物の著作でも目を通すと面白いかも？

　安倍内閣総理大臣訓示の中の・・・

　この快挙を、当時日本にいたアメリカ人学者グリフィスは、こう評価しています。日本は、「ペルーの甲鉄艦隊も、また時代遅れの連中も恐れず、人間の自由のために一撃を加え」た、と。

　時代遅れの連中も恐れず・・・これの出所が良くわかりませんが・・・近代デジタルライブラリー - 維新前後に於ける解放運動　21コマ　大江卓氏と解放運動　などを眺めていると五箇条の御誓文の　旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ　あたりからの流れのような感じもしますね。

　しかし、なかなかこのマリア・ルス号の事件は面倒な事のようです・・・どうやら、英国軍艦からの通報で、英国領事館が日本政府に申し入れをして、この際参事官であった大江卓の下に話が回り・・・ここから、話は神奈川県令の陸奥宗光へ行くわけですが、陸奥はこの件への関与を嫌がって、大蔵省へ転出、代わりに大江卓が・・・そして、領事連と審議を行い・・・中国人の解放・・・後にペルーからの訴えをロシアが仲介して・・・という事のようですね。ロシア皇帝の裁きも立派なものです。

　どうも、陸奥宗光などの尻拭い役が大江卓で・・・政府転覆も計画するし・・・近代デジタルライブラリー - 快傑伝. 第3編　100コマ　大江卓と奴隷解放　ふむ・・・これが、事件の流れを上手く説明しているような感じですね・・・現在まで読んできたものからするとおかしな所は無いし・・・どうも、外務卿の副島種臣が偉そうに見えますね。副島種臣が大江卓にやらせた・・・という感じですかね。どうやら・・・

　当時の日本は、国際社会にデビューしたばかりであります。明治政府の中では、「事なかれ」主義の主張も強くありました。更に、いまだ不平等条約が残っていた時代です。審理の過程では、当然、欧米諸国からの干渉にさらされました。
　しかし、大江は、国際ルールに対する深い見識を武器に、堂々と正義を貫きました。慎重な審理を経て、「自然の正道（せいどう）に反する」。こう述べて、中国人全員の解放を決定しました。

　事なかれ主義の主張をしたのが・・・陸奥宗光で、国際ルールに対する深い見識は・・・副島種臣にあって、奴隷解放を命じられた大江卓が横浜外国人居留地取締規則を無視したためにちょっと問題が出たが・・・副島種臣外務卿の判断で奴隷解放・・・

　ちょっと、気合を入れて調べた理由は・・・外交は政府の仕事で、神奈川県令にはその権利が無いはずだから・・・それで、気になって調べ始めたような訳なんでね・・・

　どうも、あの政治屋君の原稿書きは、都合の好さそうな話の断片をつなぎ合わせるのが好きなようで・・・背景との差があったり、論理の飛躍をやったりするようなんで、気になったら資料を当たる習慣がついちゃってね・・・というわけで・・・

　若い、一人の公務員が、いまだ開国したばかりの日本を背負って、世界を相手に堂々と渡り合った。その心意気を、現代の私たちも、大いに学ぶべきであります。

　大江君が外務卿へ話を持って行ったのは素晴らしい話ですね。そして、事務的な働きも上等です・・・手順を間違えた部分もありますが・・・そして、外務卿の判断が秀逸・・・県令として大江君は外務卿の期待に十分応える仕事をしていますね。人はそれぞれに役割があって、その役割をきちんとこなすと良い仕事ができる・・・正義という抽象的な概念を上手に扱うことで、違う文化を持つ国々も納得させられ、尊敬を勝ち得る事ができるというわけですね。・・・ロシア皇帝の裁決の方へは、榎本武揚が行ってますし・・・どうも、政治屋君は、役割を無視した話をする癖があるようです。

2015.04.13