現在をうろうろ(912)
日本貧窮者経済新聞
 ソマリアでの羽振りの良さそうな新しい街は・・・?(3)

 さて、ソマリアはなかなか面白くて・・・例の Hafun 1930年代にイタリアの資本で製塩工場が置かれたというやつ。これが、もう少し分かって来ました。なかなか立派な産業がここにあったという事のようです。製塩業の話は見ていましたが・・・塩田の遺構と、それから伸びる湾を横切る土台の列があってね・・・それで、ちょっと気合を入れて調べると・・・

 左の写真の赤い線は、この場所に24km程のリフトが設置されていて左の湾の所に塩田があり、右の半島の付け根の積み出し港まで塩が運ばれていたという事のようです。

 スキー場のリフトと同じようなものですが・・・右のような感じにタワーとワイヤーで運ばれていたという事です。

 この写真は多分・・・工場と海岸の積み出し港までの間のものではないかと・・・

 左の写真のようなコンベアを使って塩を積み上げていますね。

 そして左がリフトを駆動していた塔のようです。

 現在はこの場所には発電所はなさそうですが・・・送電線は来ていないようですし、戸別の配電も無さそうで・・・この写真からすると、かなりの人が働いていたようです。

 この湾はどうやら深い所でも10mあるか無いか・・・浅い湾のようです。かつての塩田の跡の東に集落があって、小舟を岸から50mほどの所に出しての漁労作業ですが・・・網を張っての漁業ではなく・・・釣りを行っているような感じです。海底には藻場が広がっていますから、良い漁場であると思われます。ここへの交通は主に海上を利用しているのではないかと思われます。一応、集落を出る道路はあるのですが・・・途中から良くわからなくなっていきます・・・

 このあたりの漁業は、浜から1km程の範囲で行われているらしいですね。集落の構成からすると、古くは遊牧民として内陸を生活の場として・・・季節によっては浜にやってきて製塩を行い・・・本拠の内陸へ戻るというパターンであったようです。従って、漁労は行っていなかったようです。それで1975年ごろに、エチオピアあたりの湖水面での漁業をやったり、定住農業を行っている一族を海岸部に移住させて、現在の沿岸漁業の基礎が作られたような感じです。

 商業でインド洋を走り回っていた連中は、現在の主要港に見られる大型のダウ船を運用していた連中のようですね。インド洋は広いですが、基本的に緯度の維持をするだけの天測航法で渡れる海なので、大した航海術は必要とされないようです。

 季節ごとの渡洋・・・季節風を利用した航海という事ですかね。従って1年に1往復の商売・・・左は1月にキスマヨ港に集まった船ですが・・・多分、季節風に乗って南のアフリカに航行し、初夏には戻って来る船団ではないかと思われます。

 ダウ船などインド洋から南シナ海あたりの航海者はカマル Kamal navigation - Google 検索 板の中央に穴をあけ、結び目のついた紐を咥えて紐をぴんと張ることで、水平線からの北極星などの天測に必要な星の高度を測定できる道具を使って緯度を測定して航行していたわけです。

 多分、目的地の緯度は口伝で特定の氏族の独占であったろうと思いますね。2005年ごろはソマリアの東岸の航海術の必要としない程度の所で行われていたのが、それが、GPSの低価格化で海賊の手へ、母船式海賊業で・・・広い範囲での荒稼ぎというパターンではないかと・・・

 ロシアあたりの20m弱の中古漁船を利用した母船式漁業・海賊業?の航行している様子は右のようなものであるようです。漂流中の感じですね。獲物を見つけたら・・・小舟に乗り移って2基の船外機で追跡、乗り込んで自動小銃で制圧・・・廻航・・・身代金の受け渡しで2週間で解放・・・こんな感じですかね?

 このあたりの漁業の実態は・・・

 左の写真のようなものではないかと思われます。浜の沖合100mぐらいまでの範囲での小型船・・・沖合500mでの大型船・・・浜の先のほんの僅かな距離での漁業ですね。

 このあたりの海は極めて澄んでいて・・・藻場が広がっていますから、この程度の距離で、集落の胃袋を満たす程度の漁獲はあるのではないかと思われます。

 このあたりの漁民はまともな航海術は持たなかったのが・・・GPSで戻って来られるようになった・・・まあ、自動車用のでも航跡が記録できればOKですから、お手軽に地文航行から脱皮したという事なのでしょう。砂漠を走るのと同じ感覚かね?あとは、燃料や水・食料を海賊行為で・・・長期間のお金持ちの国の船を求めての出漁が可能になったのではないかと・・・

 大型ダウ船の沿岸での役割は・・・なんとなく、行商を行っているのではないかと・・・海岸から500m程度の所に停泊して脇に小舟がついている大型ダウ船があります。多分、このあたりの海は遠浅なために、沿岸の500m以内への接近は困難なために、右の写真のような位置に停泊して商売をしているような感じです。

 多分、これが真っ当な商売を行っている様子を示しているのではないかと・・・

 ソマリアの生活の様子はかなり単純なようで・・・推測がかなり楽ですね。北朝鮮と似た感じ・・・北朝鮮の方は軍用の船舶が漁網を張ったりと、一段と高度な漁業をしていますが・・・沿岸の比較的狭い範囲の漁業で、特別な航海術を要しない物のようで・・・比較として、なかなか興味深いものです。

 ちょっと気になるのは、破綻国家と言われていますが・・・部族社会でイスラム法による支配が行われているはず・・・近代国家ではなく、古代国家の延長線に現在も存在している部族社会ですから。求心力と資格を持つ人間が現れると、プントランドみたいな国家組織は生まれる土壌にあるわけですから・・・普遍的なイスラム法が通用する世界だと思われます。従って、我が国の首相より、法の支配の観念があるのではないかと・・・ただ、あの政治屋君とは価値観を共有していないだけで・・・多分、イスラム法の中に彼らを理解するためのものが隠れているような?・・・法社会学的な調査は衛星画像からは難しい・・・イスラム法だと連邦制は作れるのか?なんとなく無理のような・・・合議体・・・

 てイスラーム法廷連合か・・・この組織に関しても知識が必要ですね。これは、そのうち気が向いたら・・・多分・・イスラム法による支配というやつを・・・近代国家の関係諸外国が認めなかったという事にあるのではないかと・・・伝統的支配の否定・・・我が国の政治屋君の振りまわす法・・・による支配を望むからトラブルが起こる・・・価値観が違いますから、別の価値観から構成される法など認められないわけですからね・・・先方にとっては無法の概念になってしまう・・・従って、西欧近代国家の法とは違った体系のイスラーム法廷連合が大多数の支持を受けるが・・・アメリカ様はこれが気に入らない・・・従って、対テロ!となる・・・どうやら、ソマリアの基本的な価値観は部族の存続が優先される社会という事ですね。それをイスラム法が包摂して、緩やかなイスラム法の支配が成立していたが・・・欧米風の近代法が引き裂いたという感じかな・・・

 なんとなく、分かってきた気がします・・・妄想的な理解・・・興味深い・・・そうだ、バーバーリーの海賊なども面白そうだ・・・海賊研究はひさしぶりですね。海賊国家イギリスとかも面白いし・・・海賊は魅力的です!ケマル・レイースとか・・・この人物の日本での知名度は低いですね。甥のピリー・レイースの方が知られている・・・

2015.04.09

  

関係ないが興味深いもの
 今回は無し

時々チェックすべきもの

 首相官邸ホームページ
 The White House
 U.S. Department of State
 United States Department of Defense (defense.gov)
 世界のビジネスニュース(通商弘報) - ジェトロ

 聯合ニュース
 AJW by The Asahi Shimbun
 日刊ゲンダイ
 List of national newspapers - Wikipedia, the free encyclopedia
 一般社団法人 日本経済団体連合会 - Keidanren

 外国人投資家動向チャート

 International Institute for Strategic Studies IISS
 Chinese Military Review
 外邦図 デジタルアーカイブ - GAIHOZU Map Digital Archive
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 日露戦役写真帖
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮旅行案内記
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮港湾要覧
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 朝鮮群書大系
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮鉄道旅行便覧
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 新興産業の基礎知識
 近代デジタルライブラリー - 地方行政区域名称一覧
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮各道府面間里程表
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 最近に於ける注目すべき発明考案
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 国産機械図集
inserted by FC2 system