イスラム社会は不思議な社会・・・？

現在をうろうろ（901）

　イスラム社会は不思議な社会・・・？

　どうも、海外の事件報道の質が低いのか？なんだか変な感じですね。どうも、内容があるようでない・・・引き写しの報道・・・イエメンでアルカイダが何やら事件を引き起こしたようで・・・南部の都市ムカラ；Mukallaで刑務所を襲って受刑者300人を脱走させたとの事・・・ムカラもしくはムッカラーには大きな刑務所があるから、これはOKですね。・・・座標は・・・

　14°33'32.20" N 49°07'27.64" E　ここで、左のような刑務所が存在しています。ふむ、ここには300人も閉じ込められていたわけですね。

　これは海岸都市の話です・・・これ以外に・・・

　イスラム過激派組織「アラビア半島のアルカイダ（ＡＱＡＰ）」の武装集団が３日、イエメン南部ムカラの軍基地を制圧した。ＡＱＡＰは現地の刑務所を襲撃し、約300人の受刑者を脱走させたばかりで、ムカラで急速に勢力を拡大している。

　イエメンでは、事実上のクーデターで政権掌握を宣言したイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ」に対し、ハディ暫定大統領を支持するサウジアラビアが空爆を開始。ＡＱＡＰはシーア派へのジハード（聖戦）を呼び掛けており、混迷の度合いが増してきた。

　一方、サウジ内務省によると、同国南部とイエメン北部の国境地帯で３日、国境線をまたぐ銃撃戦があり、サウジ国境警備隊の２人が死亡した。１日にも同様の銃撃戦で警備隊の１人が死亡している。国境沿いにはサウジ軍の地上部隊が配備されており、地上戦突入への緊張が高まりそうだ。

　どうも、こういった報道の軍基地の制圧とか空爆が良くわからない・・・衛星写真を見ると、空爆目標は何になるのか？

　刑務所は・・・多分、上の写真のものでしょうが・・・似た構成の立派なお屋敷付きの場所もあるが・・・右のも刑務所？それとも軍の基地？

　左の写真の場所には軍用車両がありますが・・・軍事的な何かなのか？立派なお屋敷・・・

　そもそも、中央政府の支配下に無い場所の・・・わずかに中央政府の役所が機能している街らしいが・・・それも、怪しい・・・その場所の軍事基地が武装集団に占領されているようですから？なんだかよくわからない？このあたりはイスラム教シーア派系の武装組織のフーシの勢力が強いはずだが、アルカイダはスンニ派・・・イエメンは不思議の国ですね。

　サウジアラビアの国境線上での銃撃戦・・・こいつは内陸ですね・・・どうやら、イエメンのハドラマウト州・シャブワ州がアルカイダの支配地域になっているような感じですね。話題になっている港湾の街と国境までは300ｋｍ余りの距離があるし・・・イエメン政府はサウジアラビアからの支援を受けているわけだし・・・なんだか、政府がお手上げ状態で、地域の有力者の私兵が武力抗争をやっている？・・・同じ記事内に書かれても、状況が分からない？

　2014年12月頃には、アメリカ海兵隊がマキン・アイランド強襲揚陸艦で作戦を展開したりしますが、作戦は失敗・・・人質は殺されていますね。海兵隊も米イエメン大使館を撤退する際に撤収できない武器を置いて来たとかやってますし・・・

　基本的には部族社会というやつが問題なような感じですね。中央政府があるが・・・地域では部族社会が強いという感じ・・・イエメンの情勢は不明ですね・・・しかし・・分からない・・・なんだか、アッバース革命と同じような状況にあるような？こりゃちょっと学ばねばならない事がいっぱいあるような？イスラム世界の再構築が進んでいるような感じですね。イスラム帝国が再興されるのか？なんってね・・・その動きの1つがイスラム国の成立なのか？アラビア語圏の再構築？

　さらに厄介なのは・・・イエメンのアルカイダ系の指導者が個人のジハード；聖戦の実行を呼びかけていますからね・・・集団が行う作戦ではなく、個人が突発的に行う攻撃は攻撃対象に与える衝撃がより大きいとして個人による攻撃を勧め、攻撃が実行できそうにないときは「信仰なき者」のふりをして生きるのではなく、その国を出るべきだなんってやっているようです・・・シャハーダ；信仰告白としての行動か・・・

　イスラム社会の知識が私には足りなすぎる・・・イスラムの価値観を知らない事には理解は困難・・・

　結局のところ・・・唯一の神が3回も約束したためにトラブルが起こっている・・・ユダヤ教の神として、キリスト教の神として、そしてイスラム教の神として・・・それぞれが、自分たちが正当な神の信仰を持っていると争っているという感じですね。最後に約束を受けたイスラム教徒にとって、ムハンマドを別格として、最も偉大な預言者としてモーセを置いていますから・・・モーセの五書あたりに妥協点があるのかもしれませんが・・・信仰に関わる事ですから・・・残念ながら、ニーバの祈りの領域の話ですね。以前もこいつを引用しましたが・・・

神よ　変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。

　宗教に関しては・・・信仰というのは・・・変えられないものである事は明白なので・・・変える事のできないものについては、それを受け入れられるだけの冷静さを、神に願うしかない・・・ユダヤ・キリスト・イスラム世界の共通の教養はモーセの五書か・・・創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記の5つで旧約聖書の最初の部分ですね。

　少なくとも、モーセの十戒は基本的な価値観として共有しているはずなんですが・・・カトリックとプロテスタントでも十戒は微妙に違いますが・・・一応、13の項目になるようですね。都合により3つに分けましたが・・・

　わたしはあなたの主なる神である。
　主が唯一の神であること

　偶像を作ってはならないこと（偶像崇拝の禁止）
　神の名をみだりに唱えてはならないこと

　安息日を守ること
　父母を敬うこと
　殺人をしてはいけないこと（汝、殺す無かれ）
　姦淫をしてはいけないこと
　盗んではいけないこと
　偽証してはいけないこと
　隣人の妻を欲してはならない。
　隣人の財産を欲してはならない。
　隣人の使用人・家畜・その他のものをむさぼってはいけないこと

　最初の2つか・・・4つ以外はみんな納得できるので、同じ神を信仰している集団内では同じ価値観で動いているが・・・特に最初の2つが問題ですね・・・神以外なら、ユダヤもキリストもイスラム教も同じ原理で動いているわけですがね。日本は、残念ながらアメリカ様を崇めているので・・・下手をすると、どの教団からも白眼視される可能性が出てきたというわけです。これ以上、イスラム教徒を刺激しないようにしないと・・・日本は首脳外交ができないので・・・超法規的な救いの道はないわけですから・・・テロに屈しない・・・さて、みんな・・・変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さ・・・は内容ですから・・・結局は宗教戦争が始まる・・・ピューリタンと、イスラム過激派は似ている・・・そこに、本家を標榜するユダヤ教徒がいるわけですから・・・纏まらないね。神の名をみだりに唱えなければ仲良くなれるものを・・・

　しかし、政治屋君はどうも、隣国の財産を欲しているか・・・隣国をむさぼりたがっているような感じですからね・・・そのための戦争を準備している・・・汝殺すなかれ・・・こいつは随分と安くなったものです・・・YASUKUNIで世界を敵に回すのか？

　ああ・・・色々な宗教を信仰して、安息日を守りたいものです・・・

2015.04.06