現在をうろうろ(711)
日本貧窮者経済新聞
 新「宇宙基本計画」って何だ?戦争準備か・・・?(13)

 さて、前回に引き続いて・・・国家安全保障戦略 ・・・やっと、宇宙関連が出てきましたね。なんだか、これも、微妙に私の認識と違って・・・宇宙空間利用を美化して、語り始めている・・・そんな気がします。この手の文の構成はキナ臭いのでね・・・なんだか嫌な感じ・・・

 宇宙空間は、これまでも民生分野で活用されてきているが、情報収集や警戒監視機能の強化、軍事のための通信手段の確保等、近年は安全保障上も、その重要性が著しく増大している。
 他方、宇宙利用国の増加に伴って宇宙空間の混雑化が進んでおり、衛星破壊実験や人工衛星同士の衝突等による宇宙ゴミ(スペースデブリ)の増加、対衛星兵器の開発の動きを始めとして、持続的かつ安定的な宇宙空間の利用を妨げるリスクが存在している。
 また、情報システムや情報通信ネットワーク等により構成されたグローバルな空間であるサイバー空間は、社会活動、経済活動、軍事活動等のあらゆる活動が依拠する場となっている。


 宇宙空間とサイバー空間が併記されている感じ・・・「また」で追記されている感じですからね・・・このあたりの文のつながりも気になる・・・あまり、認識が深くないのか?

 宇宙空間は、これまでも民生分野で活用・・・基本的には軍事利用が先行していたのでは?軍事空間として近年重要性が増加したというわけではないと思うが・・・平和な民生用の空間だったのが軍事的空間に転換している・・・この文からはそんな感じを受けますが・・・多分、遅れを取っているという認識からのものみたいですね・・・この理屈が、インターネットが軍事目的の北米防空司令部とペンタゴンを結ぶ核攻撃にも耐えられる通信システムに発する事を都市神話として一笑するのに似ている・・・

 切られては困る2400kmの通信ライン・・・右に北米防空司令部とペンタゴンを最短距離で結ぶ線を描いてみたものを示しますが・・・この通信を確保するのはかなり大変ですね。ネットワークの冗長性・・・死んだ回線を自動的に回避して、生きている回線を通じて何が何でも通信を送るためのネットワークの萌芽・・・そして、基本的には民生用として大学間を結び、世界的なものとなった・・・基本研究は・・・軍事用・・・そして、現在も、合衆国商務省の管理下にインターネットの管理主体であるICANNはありますからね・・・

 このあたりが米国は上手いですね・・・軍事技術として発達してきたものをちゃんと民生用のものへと転換している・・・インターネットもGPSも、GooglEarthの衛星画像なども軍事技術からのものですから・・・ちゃんと、民間移転を行っている・・・日本の軍事衛星などは、画像の片鱗すら見えない・・・まさか、良い画像が得られていないのか?気になります・・・まあ、利用できないものは存在しないのと同じですから・・・実は画像は無いのかも?

 日本の誇る、新鋭潜水艦だって・・・4200トンの船体を、カローラのエンジン4台と似た出力の400馬力で航行させるのですから・・・確かに、大気に依存しない技術は私だって評価しますが・・・この出力だから静かだが原潜には対抗できるとは思えないし、近頃の高速貨物船にも水中最大速力で追い付く事もできない・・・戦前に建造された橿原丸級貨客船にだって追いつけない・・・25.5ノットを誇る優秀船・・・

 宇宙空間の利用は・・・弾道弾V2ミサイルから始まりますかね・・・V2ミサイルは高度200kmに達する事ができますから・・・宇宙へ飛び出せる・・・1トンの弾頭を320km彼方に運ぶ能力を持つ1930年代の技術・・・今でも、このスペックは脅威ですね。核弾頭と、最新の誘導装置を積めば・・・現在の材料技術ならさらに安定した高性能が発揮され、束にすればさらに大きな推力が・・・ソ連は束にして、米国は大型のエンジンを目指し宇宙開発競争・・・初期のものは宇宙空間の性質、放射能帯とか・・・宇宙空間に生物を送り込めるのか?

 そして1958年アメリカ陸軍の軍事通信のために研究され開発されたSCORE通信衛星が打ち上げられます・・・世界初の通信衛星によって中継されたメッセージは・・・

 This is the President of the United States speaking. Through the marvels of scientific advance, my voice is coming to you from a satellite circling in outer space. My message is a simple one: Through this unique means I convey to you and to all mankind, America's wish for peace on Earth and goodwill toward men everywhere.

 言葉とは裏腹に、広域軍事通信システムの具現物となるわけです・・・そして、巨大な直径30mの気球型の人工衛星エコーが1960年に打ち上げられます。この巨大なアルミニウムコーティングされた人工衛星は電離層で反射されない極超短波を反射させ、安定した大陸間通信を可能にします。そして・・・ICBMに対してモスクワの位置を確定するための基準天体としても利用されます・・・当時の天測によるモスクワの座標ではICBMが有効に機能するための精度が足りず・・・モスクワでのエコー衛星の観測によりモスクワの座標精度を高めることが可能になったわけです。つまり、衛星による測地の概念が導入されたわけです。

 エコー衛星は肉眼で見えましたから・・・正確な時計と軌道要素から・・・観測地点の位置が確定できる・・・今のGPS衛星は時間情報と軌道情報を発信していて、複数の衛星からの情報を受信して演算する事で正確な三次元位置情報が得られるというのと似たようなものですね。

 そして、衛星からの写真が着目され・・・1959年に写真偵察衛星コロナがCIAの主導で開発されます・・・当時は写真をフィルムに記録して・・・軌道から投下して空中で回収という方法で、世界各地の衛星写真情報を得ています。この頃の解像度は7.5m程のモノクロのようです。近頃は0.5mのフルカラー・・・1960年高高度偵察機U-2がソ連領空で撃墜される事で本気の開発になっていきます・・・U-2は2015年退役予定か・・・SR-71ブラックバードは1999年に退役してモスボール状態で保管・・・また飛ぶ事があるのか?

 ・・・近年は安全保障上も、その重要性が著しく増大している・・・これまた冷戦の落とし子ですね・・・近年はと断っている理由は?多分、日本では安全保障上での宇宙空間の利用が遅れている事を隠すための文言かね?こういったあたりに、現状認識に関しての逃げがあるのは困りますね。宇宙開発の歴史を無視している・・・確かに、日本の宇宙開発はヨーロッパやインドなどと同じように平和利用の歴史しかありませんが・・・戦争用の宇宙空間利用を強く推進したいという意図が現れている・・・すると、日本のインターネット衛星もまた、軍事通信のテストベッドと考えても良さそうですね。

 自衛隊で関連する部署は・・・市ヶ谷駐屯地の統合幕僚監部の指揮通信システム部指揮通信システム運用課の自衛隊指揮通信システム隊のネットワーク運用隊か?・・・自衛隊が保有する通信衛星と無人機の導入に関する質問主意書 ふむ、おおむね了解・・・公衆電話回線を使うのと同じ感覚か・・・そして、自衛隊のXバンドの衛星通信は民間の衛星通信会社「スカパーJSAT」が保有する商用衛星「スーパーバード」三機に搭載したXバンドの中継器を借り上げる形で運用されている。・・・自衛隊が保有する通信衛星と無人機の導入に関する質問に対する答弁書 詳細はこれで分かりますね。インターネットは便利・・・続きは・・・

2015.01.16

  

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