現在をうろうろ(634)
日本貧窮者経済新聞
 フルートのタンポの調整紙とタンポの形状の考察・・・?

 フルートのタンポの調整に関してまだ考えています・・・馬鹿みたい。例の扇形の紙を入れてタンポの傾き調整はあまり意味がない・・・下地の問題がありますから・・・扇形の紙を入れたときのタンポの変形を考えると、この扇形の紙を入れての修正ってのは、トーンホールの上面が平面から外れている場合の修正の時だけしか有効でないことになりそうです。

 ちょっと極端に書きましたが、右の図のような感じにタンポの一部分だけが押し下げられる事になります。一応は、かなり堅い厚紙が台紙に入っていますが、古いムラマツのフルートから出てきたタンポの形状はこんな物に近くなっていて、再使用ができない状態になっていました。

 どうやら、ベーム君の時代の金属加工技術ではトーンホールの上面を平面に加工できなかったのかと・・・いや、砥石で研ぎだせばほぼ完全な平面が出せますから、トーンホールに歪が出ている場合を想定しているのかもしれません?従って、タンポの傾き修正のためには、この扇形の紙による修正は困難である・・・一旦は調子が良くなっても、しばらくするとタンポの形状が右の図のように台紙からの変形により調整では全閉にならない可能性が高いことになります。

 このような変形が起こると、トーンホールを全閉にする事が困難になるので、音は濁るはずですね。そして、きちんと閉めるためには指先に余計な力が必要になるわけですから、フェザータッチには成りえない・・・早いパッセージがこなせなくなって来る・・・従って演奏しにくい楽器になる。理想は指で押し込むというより指を滑らせるだけで全閉になる軽いキイという事になる。

 さて、じゃあタンポを傾ける必要がある場合はどうすれば良いかがこの事から分かりますね・・・・タンポ自体が厚すぎたり、薄すぎてタンポを傾けたい場合・・・右の図のAは丸い調整紙を入れればOK、Cは調整紙を抜いてもこの状態ならタンポを傾けるしかない・・・薄いタンポが入手できなければ・・・その場合にどうすれば良いかというと・・・

 右の図のように同じ厚さの紙を重ねることになりますね。図では色を変えましたが、切った紙は同じ厚さのもので右の下の図のように一直線に並ぶようにしないとマズイと思われますね。

 Cを修正するために、扇形の紙を使った場合、タンポの表面を単にでこぼこにする事になるだけで解決にはならないという事が分かります。

 まさか、ベーム君が1947年に現在のベーム式フルートを作製した銀製の円筒管フルートは1855年のパリ万国博覧会でグラン・プリを獲得して、普及して行くことになりますが・・・ベーム君の解説書による扇形の紙での修正がそれ以来連綿と行われてきたとすると・・・ちょっと考えてしまいます・・・まあ、実務と理論は差があるのですが・・・なんとなくね・・・扇形の紙でもどんな形の紙でも・・・場合によっては光学機器などで鏡を枠に取り付ける時に使う手法の仁丹みたいな小さな粒状の粘着物質をいくつか裏につけて微妙な傾きを調整する方法でも使えるタンポとなると・・・タンポの台紙が金属などの剛体か、紙に樹脂を含浸させたもの・・・そうだな、ハイテクっぽく炭素繊維の積層材などを使えば良さそうな感じですね。ただ、その場合は、接着剤を考えないといけないでしょう。スキンに動物の腸を使ったものではないものも考える必要もあるかもしれません。

 タンポが動物の腸や魚の浮袋のスキン、フエルト、厚紙から作られているのは、ベーム君の時代の接着剤の技術の限界によるもののような気がしますね。それから、スキンに要求されるのが熱をかけることで平らに延ばす事ができるとかそういった要求からのものでしょう。

 今の技術を使えば、多分・・・タンポを機能素材によって構成する事で、調整不要な物を作り出す事ができるのでは?例えば、ちょっと加熱してトーンホールとタンポの間に調整用のプレートを入れて軽く閉じ基準平面を出して、さらにプレートを抜いてタンポをトーンホールに押し付けるだけで完璧な調整が終わるとか・・・単純に機械精度を高めてOリングでOKとか・・・ベーム式の正統からは外れることになりますが、ベーム君だって・・・それまでのフルートの正統から外れた所に現在のフルートを完成したわけですからね・・・こういったものがイノベーションであると思うわけです。

 我が国の政治屋君が目指す、シュンペーターが退職金代わりに貰った、銀行の許可証の活用により、ビーダーマン銀行の頭取になり、一躍上流社会の一員になるというイノベーションを体験しますが・・・どうも、これでは天佑だとね・・・確かに、新しい組織の実現の種になった紙きれも、イノベーションの種であるとも言えませんが・・・近頃の政策は、多大なる天佑神助を必要とするものばかりなのでね・・・完成されたと思われるフルートにもイノベーションの余地が残されているような感じですね。

 そうだ。もう一つ気になること・・・入門用の楽器の使用期間が結構短いのではないのかと・・・最初のタンポ交換の頃・・・なんとなくね。調整だけでは対応が困難になりつつある時期、タンポの全交換は2万円程度はかかる・・・吹きにくくなってきたなと感じる頃・・・3年から5年程度でしょうかね?その後高価なものを買い込み続けるか・・・満足するかの分かれ目、中古でメンテナンスを繰り返すか、新品で大掛かりなメンテナンス時期に下取りで買い替えか・・・いずれにせよ、高価なものになっていきそうな気がしますね。ああ、タンポの全交換が5000円程度なら、こんなにフルートにのめり込まなかったのに・・・とか思いますね。もう、安価な特徴あるフルートはあまりなさそうだし・・・後は、この6本のフルートの使いこなしかな・・・個性的なフルート・・・いつかはカスタムメイド・・・

 しかし、初心者向けと、超高級モデルの差って何か?メカニズムのすり合わせなどは、このフルートの調整でやりましたし・・・高価なものを買ったという実感なのか?気になるところです・・・楽器が腕についていかないようになるなんって考えられないし・・・?楽器が腕についていかなくなるって?そういった言い方があるようですが・・・それって何だろう?とりあえず、この6本のフルート・・・キイタッチが違いますが、それでも、最初のころからすると・・・私にとっては違和感のあるフルートは段々無くなってきましたね・・・リングキイの初めは重く感じたキイタッチで なんとなく もたつく感じがしたものも・・・今ではそれほど感じなくなっている・・・手のカサカサは如何ともしがたいが・・・

 ただね・・・どうも、思った音が出ないときは・・・別のフルートを手にとって気分転換、元のフルートに戻すとちゃんと音が出るし・・・人間は気まぐれ・・・

2014.12.18

  

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