自民党の憲法草案は・・・これって、独裁者が作れるかも？(8)

現在をうろうろ（629）

　自民党の憲法草案は・・・これって、独裁者が作れるかも？(8)

　さて、緊急事態関連のものです。今のところは、海兵隊の運用のようなものがあっただけで、それほど驚くものは無いので少しほっとしていますがね。自民党が、自党の利益のための書くとこんな感じになるのかと思うだけですね。やはり、戦争を平気で東アジアにまき散らした日本には、現在の憲法は良くできた憲法のような気がしますが・・・ただ、理想が高邁すぎて、政治屋君の頭には入りにくいようです。どこの国も、自国の利益だけではなく、本当の共栄の道を模索すべきだと思いますが・・・口を開けば国益を守る！そればかりですからね・・・独りよがりの政治屋君・・・確かに、田舎の票田を耕すには良い言葉なのでしょうが、国際社会で名誉ある地位に就こうとするならば・・・ちょっと、違った話をしないと・・・日本語は日本だけで通用する言語ではないわけですからね。国際人としての自覚も必要なのだと思いますけどね・・・さて、続きです・・・

第99条（緊急事態の宣言の効果）
１　緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
２　前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
３　緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
４　緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

　わ！凄い・・・何でもできる条文がある・・・これって、凄いよ！何でもできるじゃん・・・先ず、緊急事態宣言を出す。徴兵例を政令として出せば・・・官吏は徴兵を行う事になる・・・財政上の支出も・・・地方自治体に徴兵を指示すれば良い・・・事後承諾でOK・・・徴兵例は、国民の生命身体及び財産を守るためである・・・とすれば・・・何人もそれに従わなければならない・・・公益性や公の秩序を守るための徴兵ならOKでしょう・・・緊急事態宣言下で、かつての緊急勅令と同じ事ができる事になる・・・そして、衆議院は解散されない・・・内閣も存続・・・永遠に続く・・・その間に政令だけで、どんなことでもできる。独裁国家日本誕生・・・憲法の枠組みの中で・・・事実上、憲法が停止されてしまう・・・

　政令が、法律と同等の効果を生じさせる事ができる・・・憲法の規定で、ナチの拵えた全権委任法を政令として出せば良いわけですね。手順は・・・国会議事堂の放火事件でも必要でしょう。ここで、緊急事態の宣言を行います。そして、民族と国家防衛のための緊急政令を出し、さらに日本国民への裏切りと反逆的策動に対する緊急政令を出して・・・不穏分子の逮捕・拘留・・・地方自治体への命令権限を利用して、県の行政を掌握、そして・・・全権委任の政令を出す・・・不穏な国会議員は逮捕・拘留ですから何でもできる・・・法案として通す事もできるが、政令が法律と同じ効力を生じさせる事ができるわけだから簡単・・・ナチが権力を握るための手順をそのまま実行する事ができる条文が、憲法草案にあるのはなぜ？

　自由でも民主でもない・・・という事なんでしょうね。そして、新しい憲法ができ上がる事になるのでしょう・・・そして、日本は世界から孤立する事になる・・・素晴らしい憲法草案ですね。憲法草案を通して独裁国家を創る・・・世界に冠たる日本！

　しかし、こいつは随分とびっくり・・・何で、この憲法草案は話題にならなかったんだろう？ナチスが利用した枠組みそのものではないですかね？まさか・・・私のような妄想家は・・・やりたくなっちゃいますね。

　基本的に、国民の安全を守るという隠れ蓑ってのは効果的なのではないかと思うわけです。しかも、人権より基本的に公益や公の秩序が優先されるパターンですからね。・・・14条は形式的な話だから関係ない。18条は微妙か・・・何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。・・・安全保障上の関係に於いては拘束可能？19条は・・・思想及び良心の自由は、保障する。・・・侵してはならないから後退しているから、拘束されちゃうかも？・・・21条は・・・

第21条（表現の自由）
１　集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
２　前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。

　ああ、上手くできている・・・どうやら、自民党にはナチの傾倒者がいるようですね・・・私は傾倒はしていませんが、興味深くナチのやり口は研究しましたから・・・昔々の話・・・社会工学とか色々と異端の分野のアングラ研究が好きだったのでね・・・しかし、ここまで露骨にナチの手口を憲法草案に盛り込むとは、凄いね。敬服に値する・・・私だと、こんなの直ぐバレて問題になるから・・・公開する度胸は無い・・・全権委任法が通るための条件は・・・

　衆議院本会議を開くには総議員の３分の１以上の出席が必要で・・・475人が定数で159人の出席で会議が成立・・・過半数の80人で法案が成立・・・沢山拘束してやればOKか？何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。不逮捕特権も「何人も」だから関係ないと言い張れるか？大日本帝国憲法の不逮捕特権は、内乱罪と外患罪は逮捕が可能だったから・・・ここでも、公益・公の秩序でクリアーできる？議院が要求しなければ逮捕されたままだし・・・

　だれだろう、こんな素敵な憲法草案を考えるのは・・・美しすぎる・・・？まあ、草案ですから、ギミックなやつが入っていると面白いものですからね・・・私は十分に楽しめたので良いでしょう・・・しかし、これは意図しないで、国民のためにより良き保護を与えるための善意のものであるのか、独裁を行うためのものなのか？ちょっと分かりません・・・単に、私の妄想なのかもしれませんが・・・昔馴染みに出あった気分ですね。ナチや戦争の悲惨さに関しての研究でもしますかね？国民のためを思って、民族のためを思って・・・日本の生命線を守るために・・・その結果が悲惨な戦争になってしまう事もあるのでね。だから、戦争などしない方が良いのに・・・

　独裁制と戦争・・・既に第三次世界大戦の種が播かれ、その成長の好循環への歯車が回り始めているようですね。私は、たった1万日の現行憲法下の生活が保障される事を祈っているだけなんですが、こりゃ1万日後は来ないかもしれませんね。

2014.12.16