現在をうろうろ(460)

 北朝鮮の戦車工場と目される工場は?

 北朝鮮を眺めていて・・・ちょっと興味深いのは、風水の伝統があるのか?それとも、風水の都市がそのまま存続しているのか?なんって・・・余計なことばかり見ています。ただ、風水の街って、周囲が山に囲まれる事になるので、通商路を必要とする現代的な都市への発展が見込めないような感じですね。蔵風得水の地というのは・・・どうも今風の考え方ではなく・・・歩行旅行者でないとなかなか厄介な物のようです。

 まあ、身の回りの伝統的なものってのはなかなか変わらない、変わるときは・・・大抵は経済的な利益が大きな場合ですね。風水の街は、基本的に安全な雰囲気と冬の寒さが多少違うとか、水の便が良い・・・階級社会を表象するとか・・・色々と理由があって作られるわけですが・・・残念ながら、近頃の物流に有利な場所とはなりにくいようです。

 北朝鮮は、物流の発達が遅れましたから、何かの製品を作り出すためには、工場群の集約が必要だったようです。従って・・・不思議なレイアウトの工業都市ができ上がったりするような感じです。

 ちょっと、平安北道・南道の道路事情ばかり見ていたので、ちょっと気分転換・・・何しろ、道路は面白いのですが、別段新しいものが見えてこない・・・博川の道路事情はなかなか興味深いのですが、未だに上手く関連が分からない・・・というわけで、ちょっと気分転換に、北朝鮮の重要工場を見てやろうというわけです。

例えば・・・噂では、戦車工場であるとされている・・・座標・・・

 40°12'17.99" N 127°35'40.34" E 右の写真のように、細長い谷の平地の部分に伸びる工場群という事になるようです。基本的には原料が近くから運ばれ、製品としての一貫生産のパターンですかね。

 雑多な工場があるので、かなり応用が利くような感じですね。多分、この工場群が・・・Ryu Kyong-su Tank Factory 柳京守とか柳京洙という抗日の闘士の名を冠した工場として知られているものではないかと思われますがね・・・新興機械工場かも?どうも、北朝鮮の工場の名称は良くわかりません・・・

 ここの送電系は簡単ですね。およそ6km程離れた所に水力発電所があります。左の図のような送電系になっているようです。それほど高圧っぽくないような・・・まあ、この距離ですからそれほど大きな送電ロスは無いのでしょう・・・水力発電所の座標は・・・

 40°15'15.16" N 127°35'24.56" E ここです。

 ちょっと目には水力発電所っぽくないですが、写真右上のなんとなく灰色にみえる場所にサージタンクがあって、そこから管を引いて、発電所建屋の中に引き込んでいます。この発電所が多分、赴戦江第三発電所で、戦前の史料では有効落差は93m、最大出力は1万8000kWという事のようです。ここで発電に使われた水はさらに、南東7km程の所のサージタンクへ送られ、再び発電に使われ、用水路へと流されています。

 ここの工場群には、火力発電の設備の存在の跡もないので、創業以来この水力発電を利用していたと思われます。

 ふむ・・・この工場の情報のかけらを探していて、ちょっと興味ある演説を見つけました・・・「金策製鉄所では、高炉の内容積利用係数を低めるための技術的対策を講じ、原料装入系統の作業を改善すべきであります。また、高炉の生産性を高め、コークスを節約し、さらに塊鉱の問題を解決するうえでも重要な意義をもつペレットの導入対策を積極的に講じなければなりません。」だって・・・これって、朝鮮の鉄鉱石の特徴からして正しい話ですね・・・ちゃんと事実に則ってのまともな演説を行っています。我が国では、水素の発生源に関する言及なしで、二酸化炭素を発生しない夢の燃料というような話へと仕立てていますね・・・どうも、我が国は科学水準が低いのか?気になります・・・そういえば、何かニュースで流れていた・・・

 バンキシャの冒頭、御嶽山からのアナウンサーのレポートは『硫黄のような臭い』で始まったが、硫黄は無臭だ・・・しかし、不思議な突っ込みのような気がしますが・・・硫黄は固体の元素として考えるなら・・・常温では固体なのでそれ自体が臭うわけはない・・・一般的に硫黄の匂いと言われるのは、硫化水素の匂い・・・卵の腐った臭いとか言われるものですね・・・科学的報道と捉えるか、一般用語としての「硫黄の臭い」と捉えるかの問題ですかね・・・震源・震央・震源地・・・学校で学ぶ用語が必ずしも一般的な用語ではないのも気になりますが・・・化学の常識・学校で習うはず・・他には・・・よく聞くパイプなどの直径を表す時に100パイの塩ビ管・・・直径100mmの塩ビ管なんでしょうが・・・本来は100φですから・・・パイではなくファイ・・・こんなものです。技術家庭科の製図で習うはずですが・・・近頃は学ばないのか?まあ、通じればどうでも良いような?所詮報道です・・・

 こんな具合に専門家の常識と、一般の常識に差があったりするわけです・・・学問分野の用語もある意味、業界用語ですね・・・卵の腐ったような・・・・臭いの原因は硫化水素だが・・・こちらの表現でOKなら、硫黄のような臭い・・・硫黄の化合物は「ような」に含まれないのか?なんだか国語の問題みたいになってきたけど・・・そもそも、日本語ってのは、あまり厳密な表現ができない言語なのでね・・・それも問題です。・・・おっと、戦車・戦車・・・

 戦車用の特殊鋼は多分、城津製鋼所で作られていると思います・・・ここには600トンプレスが戦前からの設備としてあったはずです。多分、現在はさらに大型のプレス機があるのでしょう。これによって、特殊鋼の表面硬化でも行っているのでしょう。戦艦大和の装甲板はドイツ製の1万5000トンプレスを使ったようですが・・・

 やっと少し情報が取れてきました・・・新興機械工場は1969年10月29日に設立されたようです。そして、この工場の名称はどうやら・・・龍城機械連合企業所の2月11日工場という名も持つようです。この工場設備関連としては・・・

 工場でみずからの力と技術で作ったCNC旋圧機の技術的特性と経済的効率を了解し、性能の高い機械を製作して生産に利用しているのはよいことだと述べ、新たに装備したCNC設備の稼働状況も見た。

元帥は、熱処理職場を見て回りながら、工場の労働者たちが技術革新運動を力強く展開して熱処理工程の近代化を実現して素材の熱処理コストを減らしながらも、その質を保障していることをたたえた。

 こんな記述がありますから・・・旋圧機って?ロールプレス?圧延機ですかね?冷間圧延鋼・・・均質圧延鋼を用いた装甲の話ですかね?熱処理工程も持ている・・・表面焼入れ?従って、ここの工場で装甲板の製造を行っている・・・製鉄所から特殊鋼材を得て、装甲板へ仕立てている・・・部品の組み立てではないことになりますね。

 この工場の製品は・・・どこかで見たような?平壌の兵営で・・・座標は・・・

 39°05'39.57" N 125°49'58.98" E ここの2011年4月11日の画像です。車体長は6mを越え、幅も3mを越えますから、大型?中型か?・・・戦車と思われます。平壌に配備されているのですから最新型?暴風号とか言うやつかも知れません?

 残念ながら、解像度が低くて詳細は確認できませんが・・・この国には、それなりに兵器の類があるという事ですね。海軍力に関しては、十分とは言えませんが・・・南の軍隊に対する備えとしての陸軍部隊の方はそれなりの装備を持っているという事なのでしょう。

 この工場は、どうやら地下にも工場を持っているようです・・・

 左の写真のように明らかにトンネルと思われるものが山腹に開いていますからね。爆轟を避けるためのマウンド?それとも目隠しの植栽?がトンネルの入り口にありますね・・・わざわざ、画像処理をしてチェックする気になったのは・・・

 右の写真です・・・1つ目の疑問は・・・工場のスペースが狭いこと・・・これは記事の中にも
書かれていますね・・・

 加工職場に立ち寄った元帥は、製作されてから古い設備の利用状況を調べた。

 元帥は、工場の労働者、技術者が総書記の現地での教えを体して既存の設備を近代化するためにデジタルディスプレー装置をはじめ、先進技術を積極的に受け入れて、その性能をはるかに高めたことに大きな満足の意を表した。

 既存の設備を近代的に改作し、機種間、工程間の設備の配置を合理的にして生産面積を縮めながらも製品の加工時間を短縮し、生産能力を高めたという報告を喜びながら聞いた。

 この文章です・・・古い設備の状況をチェックしています・・・従って旧来の生産設備は存在していることが分かります。そして・・・既存の設備を・・・で始まる文で・・・生産面積を縮めながらも・・・多分、既存の地下壕を改装して生産スペースとしたことに対する賛辞と思えます・・・右上の写真で気になったのは・・・照明設備です・・・明り取りの無い工場は、この国に無い・・・夜業は無いと思われる程度の照明設備しか基本的に工場に存在しない・・・というわけです。それで、この窓すらなく、完全人工照明の部屋・・・即ち・・・地下工場が存在しそうな気がして・・・ちょっと、画像処理・・・ちゃんとそれらしきトンネルが現れたというわけです・・・行間には色々と情報が隠れている感じですね。この工場の設立の年代からすると・・・T-54あたりのコピーを目指して始まった工場ですかね?それとも、ソ連との軍事同盟に関連してのものですかね?やはり・・・歴史もチェックしないといけないのかね?しかし・・・北朝鮮の報道は、思った以上に正確な情報を与えてくれているようなのですが・・・どうも、あまり真面目に受け取って貰えていないのか?不思議です・・・

2014.10.07

  

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