現在をうろうろ(447)

 平安南道北道の工業とそのインフラ(46) 簡易データベースによる順川の工業・・・?

 さて、いい加減ですが、簡易データベースを作り始めました・・・単にワープロソフトに関連データを放り込んでテキスト検索を行うだけですが、これでもかなりの威力を発揮してくれるはずです。いま知りたいのは順川の化学工業に関連する事柄です。それをリストアップする作業をしようかと、いま始めたところです。順川を検索すると・・・

 1974年までに建設された設備として・・・順川石灰窒素肥料工場に石灰炉、回転窒化炉、窒素分離器とあります。窒素分離機は多分、液体空気の分留機ですね・・・石灰炉は生石灰を作るためのもの、回転窒化炉は・・・カーバイトを石灰窒素に転換するための炉ですね・・・そうなると、この窒素分離機は別の生産系のものですかね?アンモニアの直接合成?

 他に現れてくるものとしては、順川セメント工場、順川炭鉱機械工場・・・1979年に平安南道にあるテゴン〜直洞,鶴山〜メボン,平南新昌〜泉城間の鉄道が最近電化され,順川地区の鉱産物の輸送力向上に貢献している・・・1978年の10万トン規模の順川ナビロン工場の建設計画・・・順川地区炭鉱連合企業所で数万メートルのベルトコンベヤー輸送ラインを建設中・・・順川製薬工場・・・1987年に順川地区炭鉱連合企業所2.8直洞青年炭鉱の長距離ベルトコンベアー輸送ライン完成,操業式―地下採炭場から鉄道駅まで4700余メートルを連結・・・順川火力発電所第2号発電所系統完工・・・基礎化学工業基地である順川炭酸ソーダ工場を建設・・・順川ビナロン連合企業所で第2号カーバイト炉が操業開始・・・順川ビナロン連合企業所の第3号カーバイド炉操業開始,「順川ビナロン速度」創造運動展開中・・・順川ビナロン連合企業所の建設進行(カーバイド炉1基稼働開始,大型合成塔建設)・・・順川ビナロン連合企業所で蛋白質飼料工場の建設開始・・・順川―平壌間48qの新送電線工事終了・・・順川火力発電所完工―順川ビナロン連合企業所への電力・蒸気の供給を保障・・・順川ビナロン連合企業所の二・八直洞青年炭鉱で1300余メートルのベルトコンベアー完工・・・順川ビナロン連合企業所で苛性ソーダ工場建設着工の集い・・・順川ビナロン連合企業所メタノール区域の触媒生産基地がこのほど完成し。合成触媒生産を開始・・・順川ビナロン連合企業所を建設すれば,年間100万トンのカーバイトと75万トンのメタノール,10万トンのビナロン,90万トンの窒素肥料,25万トンの塩化ビニールと25万トンの苛性ソーダ,40万トンの炭酸ソーダをはじめ各種の化学製品や30万トンの蛋白質飼料を生産することになります・・・順川ビナロン連合企業所のビナロン生産系統の初工程でアルデヒド生産・・・順川ビナロン連合企業所に25万d能力の塩化ビニール工場建設着工・・・平山=開城,開城=順川の鉄道電化工事の開始・・・順川炭鉱機械工場の自動溶接管職場操業・・・順川紡績工場第1段階工事完成・・・順川石炭工業管理局・・・順川火力発電所1万kVA蒸気タービン発電機竣工・・・順川土瓦工場竣工、順川火力発電所でナマズ工場竣工・・・こんな感じですかね。なかなか優秀・・・

 興味深いのは、途中から順川情報が消えていきます・・・そして、現状ではここで挙げられた多くの化学工業での生産設備が解体されて消滅している・・・きっと隠滅だね・・・何か、化学工業で恐怖が起こった・・・私の妄想では・・ウランの精錬ではないかと思うのですが・・・しかし、硝酸が必要なのが問題・・・北朝鮮の情報で硝酸と軽合金関係の物は極めて少ない・・・軽合金はマグネシウムに限られるのが不思議・・・報道に出てこない言葉も重要です・・・硫酸は現れるが、硝酸は現れない・・・硝酸はロケット燃料と、核燃料の処理に必要・・・物質のイメージの問題ですかね?厳格な報道管制か?

 さて、ちょっと精査すると・・・順川セメント工場は明確ですね。多分、座標は・・・

 39°26'38.51" N 126°01'16.94" E ここでしょう。他にもここより規模の小さなものがありますが・・・右のように長い石炭コンベア(黒線)と石灰石(黄色の線)のコンベアから確定できそうです。そして、石炭を送っている場所が・・・順川地区炭鉱連合企業所・・・であると・・・

 順川製薬工場は分からないですね・・・順川製薬工場でペニシリン発酵工程の近代化を実現・・・これが最近の話ですね。流動発酵槽でもあるか?多分、新義州の製薬工場と類似性があるかもしれませんが・・・不明です。

 順川炭酸ソーダ工場か・・・ソルベー法ですかね?石灰石と石炭を石灰炉へ放り込んで生石灰と二酸化炭素作り・・・飽和食塩水にアンモニアをとかして・・・二酸化炭素を送り込むと、炭酸水素ナトリウムの沈殿が生じる・・・ここで生成された塩化アンモニウムは・・・生石灰に水を反応させた消石灰に反応させて、アンモニアを回収・・・アンモニアは再び使用・・・・塩化アンモニウムに関しての言明が無いですから、塩化アンモニウム=塩安を肥料として利用する事は考えていないようですね。邪魔者は・・・塩化カルシウム・・・道路の融雪剤・食品添加物として・・・タンパク質の凝固剤とか・・・乾燥剤かね?グランドに撒いたりして防塵効果・・・そんな所ですかね?カーバイド炉は分かっていますし・・・順川の化学工場の生産品は・・・カーバイト、メタノール、ビナロン、窒素肥料、塩化ビニール苛性ソーダ、炭酸ソーダをはじめとした各種の化学製品や蛋白質飼料を生産・・・

 ソルベー法で製造しているなら・・・アンモニア吸収器やソルベー塔、アンモニア蒸留機などの塔があるはずですね。塩化アンモニウムを利用しないという事は・・・アンモニアの製造装置は無い・・・

 苛性ソーダは、熱した炭酸ソーダか粗製の重曹の水溶液に消石灰を反応させて炭酸石灰の沈殿が生じて・・・苛性ソーダ溶液が得られる、これを濾過してに詰めて出来上がりですね。従って、この手のプラントがあったはず・・・石灰窯に関連するものですが・・・順川の市街に近いあたりで石灰窯は、駅前の私がアルミニウム精錬を行っていると妄想している工場と、目立つ窒化窯のある工場、その対岸の廃工場にもあったようです。二酸化炭素を利用するとなると、石灰窯の上部に二酸化炭素を導く為の管が必要だとすると・・・それらしいのは、対岸の廃工場のものですね。しかし、何かの理由で・・・ソーダ産業の部分がすべて廃棄されたという事になります。石灰窒素も含めて・・・カーバイドは現役のようで・・・南興青年化学では石灰石はいじっていないようなので特に気になるのですが・・・カーバイドはここから移送して、窒化窯で石灰窒素を製造している雰囲気です。

 南興青年化学では、水素源がありますから・・・アンモニアの直接合成を行い、硝酸や尿素を製造していると思われます。順川の化学プラントでは、カーバイドからアセチレンを製造して、これを原料としたナビロン製造が残っているという感じですね。石灰窯も残存していて・・・座標・・・

 39°24'39.14" N 125°59'30.01" E ここに、左の写真のような石灰窯がありますが・・・最盛期の半分の規模になっています。

 石灰窯は、結構あちこちにあるので問題は無いようですね。ただ、南興の化学工場には石灰窯は見当たりませんから、生石灰や消石灰は製品として受け入れているような感じです。近くに石灰岩の採掘場はなさそうですからね。

 情報の中に・・・  順川ビナロン連合企業所への電力・蒸気の供給を保障・・・蒸留水ではなく水蒸気を送っている・・・あまり、納得できない・・・距離が長すぎないかね?これは、ちょっと専門家の意見を聞かなきゃ・・・仲間にこの手の専門家がいますから・・・彼が扱っているのは500℃ほどの水蒸気だったかな・・・60気圧程度かな?との程度の圧力低下があるやら?気体は圧縮されるので圧送の効率はあまり良くないように思えますが・・・世の中には知らないことがいっぱいあります。

 気になるのは、化学工場で作られる飼料ですね・・・蛋白というと・・・酵母とか微生物にパラフィンを食わせて造るやつかね?かつて話題になった石油から作る蛋白の仲間か?基本は石炭化学工業ですから・・・何を栄養源として微生物を増殖させるのか?ちょっと気になります・・・メタノールからプロピレンを経てグリセリン・・・わからん・・・多分、この手のものですかね?メラニンとか・・・タンパク質の直接合成?知識を増やさねば・・・

2014.10.01

  

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