現在をうろうろ(437)

 平安南道北道の工業とそのインフラ(41) 寧辺核施設の位置付けは・・・?

 どうも、我が国企業も東南アジアでの状況があまり良くないようです。ベトナムで計画していた高炉一貫製鉄所の建設計画を白紙撤回・・・アジア市場で鋼材の供給過剰が続くなか、早期の収益確保が難しいと判断・・・これですからね。アジア市場に鋼材を供給しているのが中国である事は言うまでもない・・・中国との競争に負けつつあるという事ですね・・・ベトナムは領土問題で中国に対抗・・・しかし、鉄鉱業で対抗する事にはならなかったようです・・・中国の人民元が幅を利かせる地域が広がって行くのではないかと・・・ちょっと、気になりますね。円は国際通貨になれないのが悩ましい・・・

 さて、北朝鮮で核開発を行っている寧辺の施設の交通路とエネルギー事情のチェックが、平壌を中心とした送電網のチェックへと広がってしまいましたが、ちょっと鉄塔探しに疲れたので、再び寧辺からチェックを再開する事にしました。寧辺の原子炉がある場所は・・・座標・・・

 39°47'44.51" N 125°45'18.64" E ここに新しい軽水炉が建設されていますね。外見上では完成しています・・・寧辺の施設の電力は泰川水力発電所からのものです。右の赤線が送電系です。そして、青線が鉄道です。

 寧辺の核施設が建設されていった頃には、常用資材の搬入は、鉄道が中心だと考えたので・・・末端の引込線はウラン濃縮工場まで入っていますね。それから、プルトニウム工場付属の炭庫・・・排水処理なのか?とにかく・・・薬品類などを搬入しているようです。

 しかし・・・気になるのは、南興青年化学工場でしたっけ・・・そこからの直線距離は10km程ですが、道路の系統性は悪く・・・事実上近道は存在しない・・・北朝鮮の高速道路は建設年代が良くわからない・・・この近辺の高速道路は、核開発プロジェクトに関連して?ただ・・・この南興青年化学工場はどのような役割を担っていたのやら?順川の工場と競合するようなしないような・・・このあたりも精査しないといけない部分だと思われます。

 現在の段階でチェックした送電系と鉄道ですが・・・左のような感じですね。

 とりあえず、鉄道に関しては環状線の中に位置しますが・・・寧辺駅からの引き込み線になりますから・・・寧辺の本来の街と寧辺駅は10km程離れていますが・・・寧辺なんですね・・・原子炉に必要なのは・・・減速材の黒鉛、こいつの資源は北朝鮮に山ほどあるのでOKですね。原子炉自体の製造は大して難しいものではないですから・・・世界最初の原子炉など・・・シカゴ大学のスタジアムの観客席か何かの下のスカッシュコートですから・・・
従って・・・屋根があれば、ウランをプルトニウムに転換する炉は作れる・・・

 問題は・・・核燃料の再処理というか・・・プルトニウムの抽出に必要な薬品群ですね・・・硝酸が必要・・・硝酸の原料は水素と窒素から作ったアンモニア・・・それに化学工業に必要なのは純水・・・かつては蒸留水・・・やがて逆浸透膜、イオン交換樹脂へ・・・北朝鮮では、どうも火力発電所の水蒸気の一部を蒸留水として生産している可能性がありますね。順川や清川等の火力発電所から伸びるパイプライン・・・蒸留水の可能性が高いような?まあ、A2程度のグレードで良いのでしょうから・・・イオン交換樹脂などは使っているのか?ちょっと気になりますが・・・化学工場と火力発電所の関係からすると、蒸留水が使われていると考えれば良いような気がします・・・北倉の火力発電所には存在しませんから・・・結局のところ、化学工業の裾野の問題ですね。

 とりあえず・・・北朝鮮の化学工業でクリアーできる範囲ですね。従って・・・ちゃんと、核兵器も製造しちゃったわけだし・・・技術というのはそういったものですね。製品があるという事は、その製品を作るだけの工業の裾野が存在する・・・液体ロケットを作れるのであれば・・・高圧大容量の遠心ポンプを製造できる・・・遠心分離機も製造できるという事ですから・・・液体燃料ロケットのエンジンは、1月18日工場のあたりで製造されているので・・・遠心分離機もここの製品ではないかと思われますね。この手のポンプに使えるベアリングもどこかで製造しているはずですね。一応、何でも自国生産が好きな国ですから・・・かつての日本みたい・・・日本は極東の国ですから・・・遠くヨーロッパの製品を導入して、補修部品などを自給しようとしましたから・・・それと似ている・・・近頃、我が国は自前での生産が激減しているのでは?多くは生産していると思われますが・・・自動化された機械の威力でしょうが・・・

 近頃は削って作ることから、盛ることで作る3Dプリンターによる製造に変わろうとしているようですが・・・果たしてどうなるか・・・さて、北朝鮮の実力は・・・

 ざっと眺めた感じでは・・・博川が鉄道網の関係からすると、核開発の中心にはなりにくいような気がします。戦前の交通路では右のように寧辺は大きな顔をしていますが、寧辺の核施設は、この地図の寧辺の市街からは直線で4km道路距離で10km程になります。

 右の地図に示されている道路は・・・多分・・・自動車道ではなく、牛と人間のための道路で、現在の主要な交通路とはあまり一致しないような感じです。

 良くわからないのは・・・この場所が選ばれた理由ですかね?ウランの採掘は多分、大館里近辺、ウランの初期の精錬は順川、後に南興ではないかと思われrますが・・・ウラン濃縮は寧辺、プルトニウム抽出も寧辺・・・こんな感じではないかと思われるのですが・・・順川の鳴り物入りで報じられた化学プラントの廃棄に至るまでがあまりにも短い・・・これは北朝鮮らしくない・・・一度、廃墟を精査する必要があるかね?あまりにも、南興の施設と重なる部分が多すぎるような気がしますから・・・あとは、火力発電所ですね。平安北道の、北倉火力160万kW、清川20万キロワット。平安南道の順川火力20万kW、12月火力5万kW・・・これはどこなのやら?南浦のか?それから平壌火力50万kW、東平壌火力5万kWですが・・・順川にはもう一つ火力発電所があるような?とにかく謎の多い・・・興味深い国です・・・

2014.09.21

  

関係ないが興味深いもの
 今回は無し

時々チェックすべきもの
 首相官邸ホームページ
 The White House
 U.S. Department of State
 United States Department of Defense (defense.gov)

 聯合ニュース
 産経ニュース検索 世界読解
 AJW by The Asahi Shimbun
 日刊ゲンダイ
 List of national newspapers - Wikipedia, the free encyclopedia
 一般社団法人 日本経済団体連合会 - Keidanren

 寄り付き前の外資系証券会社経由の注文状況

 International Institute for Strategic Studies IISS
 Chinese Military Review
 外邦図 デジタルアーカイブ - GAIHOZU Map Digital Archive
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 日露戦役写真帖
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮旅行案内記
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮港湾要覧
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 朝鮮群書大系
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮鉄道旅行便覧
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 新興産業の基礎知識
 近代デジタルライブラリー - 地方行政区域名称一覧
 近代デジタルライブラリー - 朝鮮各道府面間里程表
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 最近に於ける注目すべき発明考案
 近代デジタルライブラリー - 検索結果 国産機械図集












inserted by FC2 system