現在をうろうろ(4351)
日本貧窮者経済新聞
 戦争道具を少し眺めるか? 照準器トレーダーと・・・?(2)

 地対地攻撃では、測地が重要であることは前回にざっと眺めましたが・・・海上ではどのようになるか・・・それですね。初期の砲戦だと、照準器などはあまり意味はなく、砲を水平にして砲戦距離は250mぐらいで艦が水平になったぐらいの所で撃ち合うという奴ですね・・・水平射撃で、金物を詰め込んで・・・榴散弾を使ったり。球形の実体弾・・・鋳鉄の球ね・・・錆びて大きくなると装填できなくなるから、錆び落としや玉磨きをしていて・・・船体に打ち込むと飛び散る木片などによって殺傷力が現れたりとね・・・船具を破壊し、運が良ければマストを倒せる・・・

 至近距離で撃ち合って、接舷して切り込んでいくようなスタイルの戦闘ですね・・・この時代だと、照準具はあまり意味が無いわけで・・・一応は、17世紀ごろには照星と照門を持った砲を使っていますが・・・目安程度のものですね。ネルソン提督の時代だと・・・照準具は考案されつつありましたが・・・ネルソン提督は接近戦が好きでしたから・・・肉薄攻撃だから照準具を要しない度胸の要る戦術を取って勝ちますね・・・この時代の要塞砲などはそれなりの照準具を持ちますが、海上では肉薄攻撃ね・・・

 ただ、射程が伸びて来ると砲弾が敵艦を飛び超えたり、手前に落ちたりするのを補正する必要が出てきます・・・前回見た1928トンプソンのラダー型の照門に相当するものが砲に備えられます・・・これが、タンジェント照準器と呼ばれるものですね。

 なかなか、砲のタンジェント照準器の資料は少ないね。海軍砲じゃないですが・・・155 mm Creusot Long Tom - Wikipedia これの中の照準風景にそれらしきものがありますね・・・左の写真ね・・・砲尾に立っている棒状の奴ね・・・これによって砲の仰角・・・砲撃距離をセットしているわけですね。

 英国海軍はフランスの軍艦の情報を随分と探り出していたようですね・・・この時代は船の距離を測定するのに・・・帆船なのでマストの高さなどの高さ情報を取得・・・六分儀でマストの高さを計って計算して距離を得ていたようですね・・・

 本格的なライフリングを施した砲が普及するようになると気合の入った照準器が作られるようになってきますね・・・ただ、初期のライフリングを刻んだ施条砲でも、砲戦距離は短くほぼ水平か、ちょっと仰角をつけて撃っても、舷側を狙うわけですから、測距はかなりイイカゲンでもOKですが・・・砲戦距離が延びると上から甲板へ落ちる形になるので、正確な測距が必要になります・・・これで、測距儀の必要性が出て・・・というよりは、有効射程に入った事を確認するためですかね・・・?

 戦艦三笠などに6000mで200m程度の誤差で測定できる測距儀が装備されるようになるわけです・・・三笠 測距儀 - Google 検索 距離の測定精度は低い、艦は揺れる・・・結局は、接近して長時間の砲撃可能なポジションを取る・・・そういった戦術をとるしかないわけですね。敵艦の進路に出ることで接近戦になるという事になりますかね・・・優速な艦隊に戦場設定権があるという事ですかね・・・測距が悪いですから、舷側を狙う接近戦を行うしかないというだけなのだろうとね・・・この時代の最新鋭艦でもこんなものですから・・・距離を貰って砲側で照準して・・・1905年ですからね・・・日本海海戦は・・・

 そして、1906年には英国の戦艦ドレッドナートが就役して三笠は旧式艦へ・・・弩級戦艦の時代へ動力がスチームタービンになり、主砲が連装砲5基で片舷火力は8門可能で、三笠の火力の倍ですからね・・・あと、衝角を廃止していますね。衝角を廃止したのですが・・・ドイツのUボートを体当たりで沈めていますね・・・これが唯一の戦果ね。

 火力も大きいですが・・・艦橋上部に射撃方位盤によって統一した射撃指揮を行う事ができるようになりますね・・・しかし、1910年にオライオン級が進水、1912に就役するとドレッドノートも旧式艦ですからね・・・条約時代に入り・・・大和型や英国のヴァンガード、米国のアイオワ級へと・・・この辺りでレーダー測距儀が発達・・・大型の光学測距儀が流行らなくなっていきますね。

 戦艦の射撃指揮装置の概要は分かってきましたが・・・どうも、知らないことが一杯あって・・・欧米の射撃指揮装置は随分と進んでいるね・・・日本のものも大差は無いようですがね。ただ、基本となる方式の違いがあるようですがね・・・観測方法の違いね・・・必要な諸元は方位角と距離・・・これをプロットしていくわけですがね・・・自艦の進路と速力、目標艦の距離と進路と速力を計測して計算盤をセットすると距離変化率が計算できて・・・これによって、未来の距離と方位を推測するという事になるわけです・・・これが1900年代の初頭の、戦闘艦の高速化と長距離射撃へのアプローチの中でのものですね・・・この手のアナログ積算器は急速に進化して・・・入力の自動化が進みます・・・そこで方位角を測定する方位盤の役割が大きくなり・・・測距儀の高度化が図られるようになり1万m程度の砲戦も可能になってくるわけですね・・・

 米国は、こういった計算装置にジャイロを組み込んで波浪によっての動揺も計算に組み込んだり、観測装置にもジャイロを利用する事で連続的に観測を行えるようにしていくわけですね・・・

 レーダーが登場して測距儀がレーダーに代わって距離を、方位角は方位盤で望遠鏡を使っての観測でデータを拾っていくわけですね。残念ながらレーダーの方位角の精度はあまり高くないのでね・・・それでも100mを超えるような目標に対しては、レーダーでの方位角の測定でもなんとかなるので1kmで30mの誤差でも10km300mですから盲目射撃も何とか可能という事になりますね・・・

 航空機に対しても・・・近接信管の発明によって直撃でなくても破片によって落とせるわけで・・・射撃指揮装置の自動化が進んでいくわけですね・・・近頃は無誘導の砲弾ではなく、誘導弾ですから・・・レーダーの方位角・高度角の測定が甘くても良いという事になるようですね。

 やはり、レーダーの分解能からすると、やはり・・・向かってくるか、全力で逃げる奴を捕捉するのが得意そうに見えるのですがね・・・つまり、航空機やミサイルなら、方位角も高度角も変えずに突入してくる奴ね・・・VT信管もドップラーレーダーですから・・・正面衝突の様な奴が得意でしょうからね・・・追撃型の兵器ではないですからね・・・

 レーダーも1950年代の末にはXバンドレーダーも実用化していきますからね・・・あとは、処理装置が1980年代以降長足の進歩ね・・・ただ・・・いずれにせよ、中国は飽和攻撃を仕掛けてきますからね・・・そういった軍備ですからね。補給線が長いと戦争は大変だという感じですかね。近頃はミサイルですが、ミサイルはかさばるのでね・・・

 レーダーの角度の解像度が低いから、ミサイルの誘導装置が高度化する必要が出て・・・飛距離も必要になるから、ミサイルが大型化している・・・飛距離が大きいと水平線の先の標的ですからね・・・偵察機が必要になって、データリンクが重要になる・・・通信の戦いですから、一種の情報戦ね・・・

 三軍の立体作戦と・・・それをサポートする情報収集と情報の配分の宇宙軍というのが、これからの軍隊のスタイルになるのかね・・・しかし、米国が馬鹿げた事をしなければ・・・この世は平穏なのではないかと思うのだが・・・

2018.09.10

  

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