現在をうろうろ(428)

 平安南道北道の工業とそのインフラ(34) ウラン濃縮の気配は・・・?

 さて、また核兵器関連で義州の空軍基地から大館里やら金倉里のある場所へ舞い戻ってしまいました。そして、ウラン濃縮の気配のある工場がね・・・こいつが気になったので、再び寧辺あたりを見て・・・寧辺の施設の送電系がちょっと気になってチェックをかけてしまいました。同じ場所を何度も見直すのは自分の馬鹿さ加減を思い知ることになるのであまり好きではないのですが・・・結果は・・・

 左の図のように、泰川の北の水力発電所からの送電である事が分かりました。この鉄塔は、以前に水力発電所から途中まで追って、不明として諦めていた送電系だったので、例によって自分の根気の無さにあきれるというわけです。高圧線の鉄塔って・・・見えない時には見えないんだよね・・・見える時にはちゃんと見える・・・理由は分かっていて、鉄塔と影の位置関係・・・撮影時刻が違うものへ入るといきなり読み取れなくなりますね。

 ここでちょっと記憶が・・・ここからの送電を受けている別の工場群ですね。大館里や金倉里の南にある2つの工場で、気になるのは・・・発電所を持った方です。片方の工場群が発電所を持ち、もう片方は発電所を持たないという事は、建設年代が違う事を意味していると思われるのです。

 泰川水力発電所を前提として建設された工場と、それとは関係なく建設されて、後に送電系がつながったので、火力発電所は廃棄された・・・北朝鮮には工場の気合の入った発電所は多くないので、余計気になるわけです。そして、ふと思い出したのが・・・1月18日総合機械工場、ここに変電所があって・・・この送電系が良くわからなかった・・・実は変電所が2つあるように見えたんでね。その点でもおかしいと思ったんです。2つの変電所はつの変電所は電気的につながっているようですから・・・座標は・・・

 39°32'31.68" N 125°50'33.99" E ここです。右の写真のような場所で、写真右上の茶色の屋根のものと左下のL字型をした建物ですが・・・どうも、右上の建物には見覚えがあるんです。

 泰川水力発電所から受電するために不要になったので発電機が撤去された発電所・・・写真を比較してみました・・・

 1つの写真に2つの発電所を同じ縮尺で並べると・・・上が亀城市の北西に位置する工場の発電所の煙道が撤去される前の物・・・下が、1月18日工場の一番古い衛星写真・・・双子ですね。

 この発電所は、1月18日工場の3つの工場群の最も南の部分に隣接しているので・・・ロケットエンジンのテスト場のある工場ですから・・・泰川発電所の1号・2号発電所の完成時期がはっきりしませんが・・・1988年8月という情報がありますね。そうなると、・・・亀城市の北西の工場のうち、発電施設を持たない工場は1988年以降の操業になる・・・多分1995年を目標に作られていった工場群ではないかと・・・

 上の写真の発電所が双子で同じ時期に建設されたのなら・・・スカッドミサイルの国産化時期であると妄想できますね。1976年にスカッドをエジプトから購入、リバースエンジニアリングで生産・・・従って、この工場は1970年代には既にあって自前の火力発電所で操業していたことになりますね。発電所という状況証拠からすると、1月18日機械総合工場がロケットモーターの製造、じゃあ・・・一連の工場と考えるとミサイル本体の組み立て工場の可能性が高いですね。

 工場のサイズを比べてみると・・・右のようになります。白枠の中の工場の所在地の座標は・・・
 40°04'12.24" N 125°11'44.14" E ここ

 1月18日の機械総合工場のロケットモーター工場はの座標は・・・
 39°32'38.44" N 125°50'47.60" E ここ

 明らかに大きなものを作っているという事になりますね。スカッドミサイルをソ連が開発したのが、1950年代で配備は1957年から・・・1965年ごろからソ連の友好国へスカッド-Bを配備、実戦は1973年の第四次中東戦争で使われた・・・一応、1960年ごろになると最新の機械は内蔵のモーターで動くようになって行きますから・・・機械工場も大きな大電力が必要になるという事ですね。そこで石炭火力を工場が持つことになるというわけでしょう。右上の写真の工場に関しては情報が無いですから不明ですが、状況証拠からするとミサイルの組み立て工場である可能性が高い事になりますね。

 そうなると、スカッドミサイルの計画よりあとで、泰川の水力発電の電力を利用する工場として作られたものは・・・1980年代にスタートする計画ですね。考えられるのは、核開発・・・

 核開発は第一期は1956年のソ連との原子力研究協定のものです。IRT-2000研究炉をが1965年に運転開始、1970年代に入って核燃料に関する研究が開始されます。1985年に核不拡散防止条約に加盟していますからこのあたりから核開発は本気モード・・・泰川水力の発電開始は1985年を目標としていたのなら・・・ウラン濃縮の準備をしていてもおかしくないですね。そうなると、泰川水力が電力を供給する施設は・・・寧辺の核施設と・・・座標・・・

 40°01'49.97" N 125°18'45.44" E ここの変電施設が末端のようですから、この周辺・・・左の写真のような場所が怪しい事になります。

 この周辺には金山が多いようです。宣川の北東9里とか10里あたりに・・・亀城金山・三成金山・吉祥金山など・・・多分近いと思われます。

 もう一つ気になるのが、戦後になって、北朝鮮が建設した鉄道ですね。鉄道輸送が不可欠な場所をつないだわけですから・・・日本も、高速道路以前には・・・工場の引き込み線が重要でしたから・・・こりゃ、一度きちんと地図を整理しないとマズイかな?送電系を精査しないと・・・見落としていると仮説が妄想が・・崩壊する。

 あちらこちらを眺めていますが・・・大同江の利水が分からない・・・順川から下流での取水が見られない・・・大同江の浄化に力を入れているような・・・なんとなく、全体像は分かってきたような気がしますが・・・足尾鉱毒事件と同じような事が、大同江で起こった可能性が高いし・・・なんとなくね・・・しばらくは、資料集めに時間がかかる、史料を読むのにはどうしても時間がかかりますからね。

2014.09.15

  

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