現在をうろうろ(343)

 北朝鮮の海岸防衛・・・軍事境界線から北へ・・・北朝鮮の核開発の流れ (2)

 さて、北朝鮮の核開発の歴史を眺めてきましたが・・・プルトニウム製造の流れは1998年ごろには一通りの成果を出したような感じです。つまり、核兵器の製造ラインは完成したという事ですかね・・・次は商業発電原子炉への流れなのではないかと・・・しかし、このあたりからアメリカの動きが厳しくなります。

 2002年10月、ブッシュ大統領はケリー国務次官補を特使として、北朝鮮に核開発の放棄を迫りますが、逆に、10月4日に北朝鮮は核兵器を所有している事を仄めかします。これにより、12月からの重油供給の停止を行います。

 これをうけて北朝鮮は、2003年1月10日に核拡散防止条約からの脱退を表明します。そして、原子炉の封印を解き燃料棒の一部を搬入します。・・・北朝鮮は独立した主権国家として、防衛のために核兵器を持つ権利がある・・・日本は独立した主権国家として、防衛のために軍隊を持つ権利があると述べた・・・やることは同じですね。日本も核武装の時期が来たのか?

 話はなかなか複雑で・・・実は・・・5MW実験用原子炉から1989年春に取り出した燃料棒約8000本の使用済燃料の再処理を2003年6月30日に完了と完了直後の7月4日に通告・・・破損した燃料棒の一部ではなく、全量を取りだして再生に回して・・・凍結された燃料棒以外に再処理が続いていたという事のようです。ハッタリかもしれませんが・・・雰囲気からすると、この発電量5MWの実験用原子炉の発生する熱量は30MWクラス程度とも推測されていますから、普通なら10MWぐらいの発電量があってもおかしくないはずなんで・・・ここで転換されるプルトニウムで十分と考えたのかもしれません。そして、核燃料の供給と再処理の能力から、2つの黒鉛炉の建設を凍結して、軽水炉の技術導入を図ったとか?

 この頃のようなんですが・・・核開発を指揮していた慶元河教授は、2003年にふたたび北朝鮮を出国したようで・・・アメリカに居るとか居ないとか・・・この教授は基本的には黒鉛炉の導入と再処理に力を尽くした・・・一つの時代の終わりを象徴しているのか?

 2005年2月10日、北朝鮮は自主防衛のための核抑止力として核兵器を製造したことを表明します。しかし・・・北朝鮮には核兵器など製造できないと思われていたのか?・・・2006年10月9日、北朝鮮は核実験を行います。・・・これで、信じてもらえたか?そして、2009年に4ktの核実験、2013年に7〜40ktの核実験を豊渓里核実験場で行っています。

 そして、我が国の政治屋に核ミサイル恐怖症が現れてくるとか・・・狙われているのは・・・ってね。

 先ほど、ちょっと気にした核燃料、朝鮮半島には結構あるはずです・・・戦前の放射能温泉資料などを見ると・・・効能のありそうな水をチェックした形跡がありますね。例えば、韓国の独立門の近くの霊泉市場のあたりの泉の水から43.71マッヘとか結構な放射能泉であったりしますから・・・まさか、放射能泉が霊泉なのか・・・この市場、私のお気に入りなんで・・・なんとなくね・・・ソウルの在来市場は言葉なんか通じなくてもなんとかなりますからね。しかし・・・不思議なのは放射能汚染とかのレベルの泉もあるようで・・・こりゃ効きそうですね。イランのラムサールなんか・・・人が住めるような放射線レベルじゃないし・・・日本なら避難指示?善玉放射能、悪玉放射能なんって無いし・・・じゃなくて・・・

 なんとなく、この核関連施設はこのあたりのかつての物流の中心の价川市が大きく関係しているような感じがしますが・・・さてさてどんな具合なのか・・・とにかく、北朝鮮で先行したのは、核兵器の原料のウラン238からプルトニウム239への転換が第一段階で、転換されたプルトニウムを精製して、核兵器に仕立てるのが第二段階で、その後でウラン濃縮へと進んだような感じですね。これで、なんとなく納得・・・さて、核燃料工場と、プルトニウム抽出工場という位置付けで2つの工場を比較してみる事にしましょう。
ウラン濃縮の手順
 
 イエローケーキを硝酸に溶かして、溶液に灯油などにリン酸トリブチルを溶かした液にウラン化合物を取りこませます。

 このを水で逆抽出・・・水で洗い出して硝酸ウラニル溶液を作り、加熱して三酸化ウランを作ります・・・この粉末を水素の中で加熱して還元し二酸化ウランにします。

 次に、二酸化ウランにフッ化水素ガス吹き込むと勝手に発熱反応を起こして四フッ化ウランに化けます。四フッ化ウランは緑色をしていて、グリーンソルトと呼ばれます。これに、フッ素を吹き込んでやると六フッ化ウランの出来上がりです。これが、一般的な方法のようですね。

 次がウラン濃縮ですが、北朝鮮では遠心分離法による濃縮が行われているようです。遠心分離法は、六フッ化ウランを温めて気体にしてやります。この気体を遠心分離器にかけると、質量の大きなウラン238は遠心分離機の外側の方へ集まって行きます、また、回転軸に近い所に質量の小さなウラン235が集まってきます。遠心分離機でちょっとだけウラン235が多くなった六フッ化ウランの気体を、何度も遠心分離機にかけて、ちょっとずつ濃縮して行くことになります。

 できた六フッ化ウランは普通は鉄鋼製ボンベに入れて保管して置くようです。このボンベを温めると気体の六フッ化ウランが出てきます。これを水に通すと、フッ化ウラニル水溶液ができます。この水溶液にアンモニア水を加えると、重ウラン酸アンモニウムの沈殿が生じ、これを濾過して重ウラン酸アンモニウムの個体が残ります。

 これを水素の中で500度以上に熱してやると還元されて、二酸化ウランの粉末ができます。
プルトニウム抽出の手順

 切り刻まれた燃料棒を硝酸に溶かして、溶液に灯油などにリン酸トリブチルを溶かした液にウラン化合物を取りこませます。

 硝酸溶解液に、還元剤を加え六価のプルトニウムを四価のプルトニウムへ還元し、硫酸塩を加える事で、ウランの錯イオンを生成して、この水溶液中にリン酸ビスマスの沈殿が生じるように薬剤を投入すると、なぜか溶解度以下にも関わらず四価のプルトニウムが沈殿します。沈殿したものをまとめて硝酸で溶かして、酸化剤を加えると、リン酸ビスマスは沈殿し、溶液中に六価のプルトニウムが残ります。ここで一度還元剤を加えて、四価のプルトニウムに戻し、さらに酸化剤を加える事で溶液中のリン酸ビスマスを沈殿させます。

 ここで得られた、四価のプルトニウムの溶液に含まれている核分裂生成物を取り除いて精製するためにプルトニウムの価数を調整する事でフッ化ランタンとともに沈殿させる操作を繰り返します。

 これによってできた四価のプルトニウムを含むフッ化ランタンを水酸化カリウム溶液に溶かし。プルトニウムの水酸化物とし、これを硝酸に溶かし、過酸化水を加えて、プルトニウムの過酸化物にして精製を終了します

 違った・・・加熱脱硝法を使うんだ・・・プルトニウムの硝酸混合液をマイクロ波により直接加熱脱硝する。これで酸化プルトニウム酸化物にして精製を終了する。



 さあ、2つを並べてみました・・・先ごろ書いたものにちょっと手を加えたわけですが・・・最初の工程は同じですから、多分同じ形の建物であると推測・・・粉砕と硝酸・ケロシンとリン酸トリブチルは1つの工程で建屋が共通と妄想・・・
 
 上が、再処理工場で下がウラン濃縮工場です。アはガス貯蔵施設、イは排水処理系、ウは電気などの動力供給系だと思われます。そして、どちらに工場にも同じ形のAの建屋があります。下に何が隠れているのか不明ですが、この類似点から・・・原料を硝酸に溶かし、核分裂物質を溶液の形にしている部分と思われます。

 上のプルトニウム抽出工場では、Bが化学処理によってプルトニウムの硝酸溶液作っている建物であると推測、根拠はCに煙突があるから、マイクロ波による直接加熱による脱硝を行っていると推測、CにもDにも同じ煙突があるので・・・Dは後で増築されたものと推測・・・脱硝にかかる時間が全体の処理能力のボトルネックになっていた・・・クリプトン85などを捕集するためCの代わりにDを作った・・・妄想だから、当てになりませんが、私はとりあえず満足・・・?無い知恵を絞ったから。

 下の再処理工場では、Eが水素中で還元して二酸化ウランにして、六フッ化ウランをFに供給、Fは遠心分離機を納めた濃縮を行っている建物、Gが濃縮された六フッ化ウランの貯蔵施設?Hが六フッ化ウランを二酸化ウランにする建物かな?残りの右の区画が二酸化ウランの焼結、燃料棒に仕立てる作業をしているものと妄想・・・まあ、こんなものでしょう。

 周辺を眺めて気付いた事は・・・工業用水の取水に苦労した跡があるという事です。どちらの工場も、独自の取水を行っていたようですが、どうやら、取水口のまわりの浚渫の必要があったようです。そのため、2002年以前に取水堰を設けて一括で取水を行い配水するようになったような感じです。ただ、濃縮工場の方はあと1本煙突が欲しくなるんですが・・・真空引きで乾燥させ、高周波加熱か?まあ、水素雰囲気中で加熱するから・・・実務が分からないでの推測なんで・・・妄想の山ですね。とりあえず満足したからOKでしょう。

 この周辺は色々な施設があって面白い場所です。兵器の陳列所のような場所があったり・・・戦車がありますし、航空機もあるし・・・高速道路のインターチェンジは防空のためか、偽装網をかぶせられたかのように樹木が植えられているし・・・そのうち、この周辺も眺めてみましょう。

2014.07.30

  

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