現在をうろうろ(193)

 物の価値と通貨の示す値段の不思議な関係・・・

 ウクライナ関係の方への関心は、私からはしばらくは去ってしまう事になりますね。4週間は制裁措置は取られない事が決まったようですからね。それまでにロシアはどんな動きをするかチェックすれば良い事ですから・・・多分、民主的な手法で、経済をからめて・・・ウクライナはロシアの経済圏に移行するのではないかと・・・なんとなく、ヨーロッパの経済はそれどころではないような感じですから・・・ついに、金利がマイナスになってしまいましたから・・・事実上1000円借りると、返済が999円で良いとかそんな状態ですから・・・まあ、これではあまり正確な言い方ではないですが・・・まあ、それに近い状態・・・こんな事は前代未聞・・・実際には手数料があるから、マイナスではないとも言えますがね。

 欧州の銀行が健全であれば、それほど問題は無いと思われますが・・・はたしてどうなるか?ユーロ安になると日本経済への影響は?発展途上国への投資は拡大するのか?そういった事が気になりますね。

 近頃思うのは、物の価値とその値段の関係が不思議というものですね。例えば、手元にあるサキソフォン・・・購入価格は中国製ですから2万円、同じような形をしたサキソフォンが日本製だと20万円・・・2万円で音が出ないかというと、ちゃんと音は出る、それが良いか悪いかは別として・・・音は出ますし動作も問題ない・・・600点近い部品の集合体・・・どうしてこれが2万円・・・と考えてしまうわけです。部品1つあたり30円ほどですからね。確かに、金属素材の国際価格からすると作れる気はしますが・・・技術に関する評価が為されていない・・・もし、このサキソフォンが手作りであるとするなら・・・まあ、限りなく手作りに近い工業製品ですが・・・技術についての評価の違いによって生じているわけですね。中国の熟練組立工が日本で同様にヤマハの工場で働いたら?収入は軽く10倍を越えてしまうのではないかと・・・ふとね。何しろ、工作精度の低い部品をそれなりに組み上げる技術を持った人間が、工作精度の高い部品で組み立てるのであれば・・・なんて、下らない事を考えてしまうわけです。

 無形の技術に対する評価が低いというか・・・機械による生産が、技術に関する価格評価を下げている・・・従って、通貨は製品に対して非常に強力なものとなってしまうという風に・・・人間の努力が見える工芸品と工業製品の評価の違いというか・・・まあ、そんなところですね。

 できの悪い手作りの品が、精緻の限りを尽くした工業製品よりも遥かに高価なものになる・・・手作りに対する信仰と、価格を低減化するために、機械による大量生産と大量消費・・・その発達ですから・・・世の中はデフレに傾く・・・同じ金で買える工業製品が・・・日々安くなる・・・PCの値段などはどれだけ下がったか?順調に値を上げているのは・・・農業製品ぐらいではないかと・・・まあ、国産品は高くなりすぎた気がしますがね。近頃では菜っ葉も買えない・・・裏庭のタンポポが美味しそうに見えますね・・・多分、無農薬・有機栽培・・・アケビの蔓も伸びているから・・・山野草の高級な天ぷらを食すのも良いかと・・・

 生産設備が、少量多品種に対応して・・・限定品も同じ価格・・・これでは、デフレにならないはずがない。現実には、社会の富は増加しているが、通貨というものが、それとは違った価値を示しているに他ならないという事のようです。

 正常に価格が上昇する農業製品に比べて、高付加価値商品が安すぎる・・・これに対抗する手段は・・・農業製品、つまり食料品を基準として、高付加価値の工業製品には多額な物品税をかける事で正常化するとか・・・そんな事しか思いつきませんがね。結局のところ・・・生産手段の高度な発達が、工業製品の値段を引き下げすぎている・・・このあたりの矛盾がどのように解決されるのか?それが問題・・・まあ、通貨を市場に大量に流しこむ手法の問題ですね。何も価値を生み出していないのに価格をつける事はできないし・・・強制的に高い値段で流通させるわけには行きませんから・・・

 高付加価値工業製品の価格の維持という不思議な命題・・・まあ、それでも解決は近付いていると思いますね・・・あと20年ぐらいでしょう・・・現在の金持ちの年寄りが消滅しますから・・・遺産は分散して社会に消える・・・そうすれば少しは変わるのでは・・・先送りと言えば先送りですが、経済成長の形が変わる時に多額の現金を手に入れて貯蓄し、低価格高付加価値商品の恩恵を受けた人たちがいなくなりますから・・・最初から限られた資金で高付加価値商品に触れてきた・・・新しい経済感覚を持った人達の世界へと転換していきますから。

 この数十年で大きく変わったものは、コンピュータを利用した自動システムですから・・・これは、人間の感覚の拡張の範疇のものですから、もうじき、人間の感覚を越えたところでの発達はそれほど意味を持たなくなる。人間の目の解像度を越えたモニターも無意味になりますからね。立体映像とか、そういった付加価値性が現れますが・・・疑似体験が本物の体験と差がなくなれば、その欲求も限界・・・技術はある意味麻薬のようなものですが、強力な麻薬でも人間の感覚の限界を最大限まで押し広げると、それ以上強力でも・・・無意味になるのでね・・・普通のものでは満足できないから・・・山野草のてんぷらが変な付加価値性を持ったりする・・・

 だから・・・何もしなくても良いのに、国土の強靭化なんってスローガンを掲げたくなる・・・無い金を使って無理やり物価を上昇させる・・・しかし、物価が上がれば過去の借金の返済は楽になるから、悪くないが・・・無制限な浪費は、莫大な資源を消費する戦争に結びつく可能性が高い・・・だから困る。資源を浪費ではなく、有効に利用して社会財に変化させるのはOKですが・・・社会財への転換はなかなか理解されず・・・軍拡へ走りたくなる・・・

 社会構造を変化させるために金を使う事は基本的に難しいですから・・・理由は簡単・・・無駄金を使うな!と言われるから・・・岩盤規制に穴をあけるのは難しい・・・社会構造を変化させるには、利権の壁が厚いから・・・大きな技術革新があって、社会に動きが無ければならないから・・・無い所に何かをしようとしても理解されないから・・・結局のところ・・・保守的で革新を叫ぶ奇妙な政治屋が現れる基盤が出来上がって・・・最後は戦争!ってのが昭和の初めですね。良いと思ってやっていた事が・・・いつの間にか、欲望の巷の中で変質してモンスターを生む・・・分かっているから困るんですね。

 分かっているから・・・なにか、対策ができるかというと・・・何もできない・・・集団的無意識の意識への転換と発動・・・言葉で現わせばこんな感じなのでしょうが・・・ただ、近頃はその傾向が強くなっている・・・暗示にかかりやすくなっている気がします・・・学校での給食の牛乳の事件・・・なぜか大勢が味が変だと感じ体調が悪くなる・・・増える熱中症とかね・・・集団として見た人々の動き・・・自分で判断しなくなりつつある気がするのでね。

2014.06.07

  

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