現在をうろうろ(180)

 ちょっと、放射線について(3)

 粒子線、これは・・・雰囲気は・・・砂場で乾いた砂を握って指の間を落ちて行く砂の流れのようなものですね。砂時計の中を落ちて行く砂とか・・・粒子の流れです。まあ、こんな大きな粒の流れについてではないですが、イメージとしてですね。

 普通に放射線と呼ばれている物の中での、粒子線は、前回に出てきたヘリウムの原子核の流れのアルファー線、そして、電子の流れであるベータ線・・・これは、陰極線とおなじですね。これらの粒子の流れは物を通り抜ける力が小さく、大きな陽子は電荷もあるので、そんなに簡単に物を通り抜ける事はできません。電子の方も電気的な性質を持つので、これも小さいですが、なかなか物を通り抜ける事ができません。

 さて、強いアルファー線を出す物質としてポロニウムがラジウムの発見の途中で為されます。有名なキュリー夫妻の研究ですね・・・ウラン鉱であるピッチブレンドの放射線を調べている中で、ピッチブレンドの放射能が理論値より4倍ほど高い事に目をつけて、研究を行い、ポロニウムとラジウムの存在を示しますが、現物がないので原子量の決定ができないなどの理由から、その存在を危ぶむ声が上がります。そこで、その新元素の抽出を企てます。

 ここで、目をつけたのがウラン鉱石の中でも強い放射能を持ったピッチブレンドでしたが、これは高価過ぎて手が届かなかったようで・・・次善のものとして・・・結果的には正解なのですが、ガラスの添加物としてウランを採取した後のピッチブレンドのかすを無償で提供を受ける事になります。ただし、送料は自己負担・・・まあ、仕方ないですね。ウランを添加したウランガラスってなかなか素敵なものです。メンソレータムの色をしたガラスですね。紫外線を当てると緑の蛍光を発します。明け方や夕方のほのかな光に蛍光を発して・・・このガラスにはウランが入っていますから程々に放射線も出てきますね。多くても100g当たり、たった1万ベクレルぐらいですかね・・・私の所有している物は、ちゃんと放射線を出していて、ガイガーカウンターで放射線を確認できますね。そういえば、あのワイングラスは近頃使ってないですね・・・どこへやったか?探さなきゃ!

 さて、このピッチブレンドの鉱滓からポロニウムは比較的簡単に単離されます。しかし、ラジウムはなかなか単離できずにいますが、有意な量のラジウム塩をえる事ができ、分光分析の結果新元素であることが分かります。

 さて、ポロニウムはウランよりも遥かに強力なアルファー線源として知られるようになります。そして、アルファー線の研究の中で、ドイツのW・ボーテとH・ベッカーが、ポロニウムから出るアルファー線をベリリウムに当てると、今まで知られていなかった非常に透過力の強い放射線が発生する事を見出します。この放射線は電荷を持たないので、当初はガンマー線と思われていましたが、普通のガンマー線の2倍ほどのエネルギーを持つ事が分かってきます。その発生の様子から、ベリリウム線という名が与えられ、研究が進みます。この放射線はベリリウム以外のリチウムやホウ素などでも同様にアルファー線の照射で発生する事が分かってきます。しかし、このベリリウム線を水素を含む物質に照射すると・・・水素の原子核が飛び出してくるなど、ガンマー線とは違った性質を持つ事が明らかになってきます。

 電荷を持った粒子でないので、その性質を上手く理解できなかったためのもののようで、そこで発想の転換がケンブリッジ大学のジェームズ・チャドウィックの頭の中で行われます。結果は・・・中性子という電荷を持たない粒子によって起こる現象を観察していたのだと・・・ポロニウムから出たアルファー粒子がベリリウムに当たってこの中性子が叩きだされて、それがパラフィンの中の水素原子に当たって水素原子が叩きだされて来る・・・中性子は水素原子と同じくらいの質量を持った粒子だと考え、この時の衝撃と霧箱の中の飛跡の長さから質量などが推測されて中性子の存在を確かめていきます。

 この中性子は原子核の外へ叩きだされると、およそ12分で半分が陽子と電子と反電子ニュートリノに分かれます。このように、電子を放出して中性子が崩壊する事などをベータ崩壊と呼んでいますね。この原子核から叩きだされてきた中性子は電気的な性質を持たないので・・・質量の大きな原子核にそれなりの速度でぶち当たると・・・その原子核を叩き壊して新たなアルファー線や中性子線をばらまきます。叩きだす中性子と叩きだされ中性子の関係が叩きだされる方が多くなると・・・所謂連鎖反応が起こって・・・ちょうど火が燃え広がるようにウランが崩壊して大きなエネルギーをその際に出して行きます。

 この連鎖反応は、多量のウランがあると勝手に始まってしまいますが、事例としては、東海村でバケツで一度に多量の核分裂しやすい物質を小さな容器に入れて起こった臨界事故とか・・・この際発生した多量の中性子で、2人が亡くなられましたね・・・中性子は透過性が高いので、簡単には防げないのでね。吸収させるには水素を多く含む物で発生源を覆わなければなりません。確か、初期のプルトニウム転換炉は中性子の遮蔽に湿らせたおがくずを使ったとか・・・何で読んだのか記憶が定かでないですが・・・確か・・・

 さて、その他の粒子線としては・・・ヘリウムの原子核に相当するアルファー線で叩きだされる中性子で、叩きだされる水素原子核に相当する陽子線とか・・・まあ、こんなものでしょう・・・また、役にも立たない知識を復習しちゃった・・・しかし、科学ってものが、身近なものからずいぶんと離れてしまったような気がしますね。PCの部品など量子工学の精華で作られていますが・・・近頃は目に見えないサイズのデバイスが多くなって・・・CPUなんかこの中に8億個近いトランジスターが実装されていますからね・・・真空管時代は分かりやすかった・・・カソードからアノード・プレートへ電子が飛び出して行く・・・途中のグリッドがその電子を制御する・・・そういえば、サイクロトロンとか加速器もあったっけ・・・さて、続きは・・・お天気次第ですね・・・

2014.06.04

  

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